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e発明塾通信 vol.790(2021年1月4日号)「遠隔医療」で急成長 テラドック に見る、アイデアの正しい育て方

e発明塾通信・・・ e発明塾通信 vol.790(2021年1月4日号)

 

「「「 「遠隔医療」で急成長 テラドック に見る、アイデアの正しい育て方 「「「 


おはようございます、「発明塾」塾長の楠浦です。

本日は、過去に発明塾や本メール講義で取りあげたエッジ情報の続報、関連情報を
取りあげます。


今回取りあげるのは、以下ニュースです。
なぜか、日本ではほとんどニュースになっておらず、英語で失礼します。
概要や重要性については、後程日本語で解説いたしますので、ご容赦ください

Teladoc Health Completes Acquisition of InTouch Health, Creating Single Virtual Care Delivery Leader from Hospital to Home
https://intouchhealth.com/teladoc-health-completes-acquisition-of-intouch-health-creating-single-virtual-care-delivery-leader-from-hospital-to-home/

日本語であまり報じられていないこと自体が、私がこのニュースに注目している理由でもあります。

以下、同業買収のニュースに隠れているのかもしれません。

米遠隔医療のテラドック、同業を2兆円で買収
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62348090W0A800C2000000


私自身は、後者のニュースより、前者のニュースの方が戦略的には重要であろうと注目しております。
理由は後程説明します。

まず、前者のニュースの概要です。

2020年7月1日に、

「Intouch Health」

という企業を買収した、と言っています。


実はこの、Intouch Health は、過去の配信で、「エッジ企業」として取りあげています。

e発明塾通信 vol.532(2018年10月15日号)
遠隔「回診」ロボットが、現場のインサイトを引き出し記録する~ロボットというプラットフォーム


以下、重要と考える部分を抜粋引用しておきます。
長くなりますが、文脈を損ないたくないため、途中省略はいたしません。


==ここより、抜粋引用

関連特許に、気になるものがありました。

(Medical tele-robotic system with a head worn device)
https://patents.google.com/patent/US7262573B2


ディスプレーの「頭」がついた、遠隔医療(回診)ロボットです。

HPをみると、そもそも、ロボットではなく「ディスプレー」とカメラだけの、遠隔回診デバイスもあります。

(Intouch Health HP)
https://intouchhealth.com/medical-devices/

ルンバで有名な、iRobot社の自律移動技術を利用しているようです。

「人の顔を移動させる(持ち運び型ディスプレー)」

ことが、

「人の顔が移動する(ディスプレー付き自律移動型ロボット)」

へ進化した、とも捉えられます。


そこで、では、どこに「人型」の必要性があるのかなと思い、調べたところ出てきたのが、冒頭の記事です。


回診(?)担当医師いわく

「そこにいるかのように、患者やスタッフが話しかけてくれる」

ことで、

「インサイトが引き出せる」

ということのようです。


まさに「テレプレゼンス」ですね。

そして、医療現場でのコミュニケーション「プラットフォーム」になる、予感がしました。

ロボットという媒体があるので、医師「個人に閉じない」知の蓄積が可能になるでしょう。

==抜粋引用、ここまで


実際、私の予想通り、Intouch Health のモバイルロボットやシステムは

「患者の情報を、すべて蓄積するシステム」

という、患者との接点を独占するプラットフォームとして、急成長してきました。


ロボットを経由した問診でのやり取りを録音、録画する。

それを、電子カルテに記録し、保存する。

画像診断の結果や、モバイル血圧計などの遠隔医療機器からのデータも、全て一元管理する。

それが彼らの、「Solo」というシステムです。

Solo
https://intouchhealth.com/virtual-care-platform/solo/


そして、彼らのロボットは、医師の存在を患者や周囲の医療従事者に感じてもらい、診察や治療をスムースに行うための、重要なインターフェースです。

「顧客(患者)との接点を独占する」

という手を、Teladoc Health (以下、Teladoc)が打ってきたことに、注目しています。


IR資料を見ると、Teladoc は、巧みな買収で確実に急成長を遂げてきた企業のようです。

Teladoc Health+Livongo Investor Presentation September 03, 2020
https://s21.q4cdn.com/672268105/files/doc_presentations/2020/09/TDOC_LVGO_Investor-Presentation-9.3.2020.pdf

Livongo の買収完了に伴うIR資料ですが、それまでの経緯が P4 に簡潔に記載されています。


2015年のところに

「Text Based Mental Health」

とあります。

当時の技術を考えると、遠隔医療はテキストベースにならざるを得なかったでしょう。

また、メンタルヘルス領域は、

「慢性疾患」

であることから、遠隔医療と相性が良い領域です。

「必然性と実現性」

が高い領域から、攻めていることが分かります。

IR資料には記載されていませんが、この領域でもスタートアップを買収しています。
(委細割愛)


買収を行っていることからも、遠隔医療では、テキストの解析技術は重要なコア技術になっていると考えられます。

メンタルヘルス領域で技術を獲得し、磨き、他の遠隔医療にも適用してきた、ということでしょう。

そして、

「慢性疾患」

の本丸である、

「糖尿病」

のトータルケアを提供する企業である Livongo の買収です。


企業内発明塾では、いつも

「事業を育てるための、正しい第一歩」

を考え抜きましょう、とお話しします。

思い描いた未来が、一気に実現出来ない場合も、多々あります。

大きな可能性がある事業であればあるほど、そうなります。


● 企業内発明塾
https://www.techno-producer.com/kigyounai-hatsumeijuku/


以前は

「行きがけの駄賃」

と呼んでいましたが、それでは、

「途中でお金がもらえたら、何でもよい」

のような誤解をする参加者が、出てきました。

そうではないのです。

そこで

「正しい一歩」(必然性と実現可能性)

という表現に変えました。


皆さんも、偉大な事業に向け

「正しい一歩」(必然性と実現可能性)

を、選んで、踏み出してください。

私たち、TechnoProducer も、全力で支援します。


ご関心ある方は、以下へご参加下さい。
日程が合わず出席できない方は、講演動画をご覧いただけますので、その旨明記の上お申し付けください。


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 特許化され、事業化される発明・企画を確実に生み出す仕組みが「企業内発明塾」です。

 日程が合わず出席できない方は、講演動画をご覧いただけます。
 「お申し込みページ」の「備考欄」に、「当日出席不可・動画閲覧希望」とご記入くださいませ。

楠浦 拝

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