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e発明塾通信 vol.796(2021年1月25日号)「水は食べる」時代、ペットボトルよ、さようなら~「技術資産」を活かし、新素材を使いこなして未来を拓く

e発明塾通信・・・ e発明塾通信 vol.796(2021年1月25日号)

 

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おはようございます、「発明塾」塾長の楠浦です。

本日は、過去に発明塾や本メール講義で取りあげたエッジ情報の続報、関連情報を
取りあげます。


今回取り上げるのは、以下配信の続編です。

e発明塾通信 vol.779(2020年11月16日号)
「絹」の新たな用途は「環境にやさしい食品包装」だった


上記配信で、続きはまた今度、、、としておりましたら

「続きは、いつなんだ!」

というご要望がありました(笑

ご関心が高い分野のようです。


続編として、まず最初にご紹介したいのは

「持ち運び、食べられる水」

です。


● 「海藻」から食品包装、そして、新たな「飲料」「食品」へ~その名も「NotPla」

1つ目は、その名もずばり

「NotPla」(ノット・プラ)https://www.notpla.com/

です。

少し前に、以下のような記事が話題になっていましたので、

「あー、あれか!」

という方も多いかもしれません。


気になる味はいかに…!? 持ち運べる水「Ooho!」に作ってみたいの声続出!
https://macaro-ni.jp/42108


ネタバレになりますが、記事では

「食感は微妙」

とのコメントが、ありました。

「新しい飲料」

あるいは

「新しい食品」

の在り方を提案している、と捉えるのがよいだろうな、と発明塾では考えています。


「ペットボトルをなくす」

というのは、あくまでも入り口にすぎません。

そこで生まれた発想を、

「技術資産」

と捉え、

「新たな製品」

に昇華させていく。

それが、新製品開発です。


最初のアイデアで、判断してはいけません。

この先起こる変化を、先読みし、評価する。

それが、

「技術の目利き」
「アイデアの目利き」

です。


実は10年以上前、上記で利用されている

「アルギン酸」

が水をうまく包める、という着想から、

「重金属などで汚染された排水による、土壌汚染を防ぐ」

ための手法を、発明塾で(私が)発明し、投資ファンドへ提案したことがあります。


NotPla の技術を、特許から見ておきましょう。

「彼らの、何がすごいのか」

を理解しましょう。

Method of encapsulating liquid products
https://patents.google.com/patent/US20200047927A1/


薄くて強度があり、水に溶けない

「フィルム」

へ連続成型するところに、課題があったようです。

図12を見ると

「テトラパック」

のようなものが、描かれています。


関連特許には

「製造装置」

の特許がありますので、やはり、製造技術が肝だった、ということでしょう。

「素材やアイデアはあったが、使いこなせず、具現化できなかった」

ということです。


そういう素材は、まだまだありそうです。

「製造技術」

が強みになる時代、という点で、日本企業にチャンス到来だと考えています。


企業内発明塾で、皆さんと、もっともっと議論したいところです。


● 「クモの糸」をヒントにした食品包装~肝は「分子の向きをそろえること」

もう一つ、紹介したい発明があります。

海を汚染するマイクロプラスチック 解決の鍵は「蜘蛛の糸」にあり?
https://forbesjapan.com/articles/detail/37069/3/1/1

重要な記載を、抜粋引用しておきます。

==引用、ここから

蜘蛛は、アミノ酸の自己組織化能力を利用して、タンパク質を成分とした糸を作り出します。
タンパク質とエネルギーだけを使って蜘蛛シルク(糸)を生成するのです。
その糸は質量あたりで比較すると鉄よりも格段に強く、高性能な素材です。

私たちは、蜘蛛が糸を作るのと同様の効率的なプロセスで、無害な植物性タンパク質から、プラスチックのような素材を作り出す方法を発見しました。

==引用、ここまで

誤解を恐れず、わかりやすく言うと、

「エンドウ豆やジャガイモに含まれるタンパク質を、規則正しく整列させて、強いプラスチックを作り出した」

そういうことです。

Xampla HP
https://www.xampla.com/#product


HPでは、

「超分子」

と呼ばれています。


超分子!強そうです(笑
(専門家の方、ごめんなさい)


特許を見ましょう。

Plant based functional materials
https://patents.google.com/patent/WO2020178448A1/en


専門的になりますが、請求項に

「ベータ・シート構造を持つ」

という言葉があります。
(英語です)


「規則正しく並べる」

というのは、この構造を取らせる、ということです。

実は過去、発明塾の学生さんが一名、

「食品廃棄物から抽出したたんぱく質」

を使って、このベータシート構造の素材をつくり、プラスチックに混ぜて

「繊維強化プラスチック」

をつくるという発明を生み出しています。


ベータ・シート構造にすればよいことは、ずいぶん前から知っていましたが、

「そのまま使えたのか」

という意味で、

「やられた感」

ありました。

混ぜる必要はなかったのです。


考えが、

「あと一歩」(ラスト・ワンピース:L.O.P)

足りませんでした。


つい先日、1月8日に、資金調達をしています。

NEXT GENERATION PLASTIC START-UP ACCELERATES GROWTH WITH FURTHER £6M SEED INVESTMENT
https://www.xampla.com/?p=607


出資元は

「大豆バーガー」

でおなじみの、インポッシブルフードにも出資している投資家です。

「大豆」

の逆襲が始まるのでしょうか(笑


ワクワクします。

今後の動向から、目が離せませんね。

楠浦 拝

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