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e発明塾通信 vol.792(2021年1月12日号)発電所から出る「CO2」から「革新的な炭素材料」の大量生産へ~空からダイヤモンドを創る「エッジ企業」

e発明塾通信・・・ e発明塾通信 vol.792(2021年1月12日号)

 

「「「 発電所から出る「CO2」から「革新的な炭素材料」の大量生産へ~空からダイヤモンドを創る「エッジ企業」 「「「 


おはようございます、「発明塾」塾長の楠浦です。

本日は、過去に発明塾や本メール講義で取りあげたエッジ情報の続報、関連情報を
取りあげます。


企業内発明塾で、良くご紹介する

「エッジ情報」

の一つに、以下配信で取りあげた

「データセンターから、水を生み出す」

取り組みがあります。


e発明塾通信 vol.552(2018年12月3日号)
データセンターは「新たな水源」になる ~ 増え続けるデータセンターを新たな「地域資源」と捉える「エッジ」な人達
https://note.com/ehatsumeijuku/n/nbe63cbe84a6d


データセンターは、大量の電力を消費します。
CO2削減のために

「省エネ」

に取り組んでいますが、それにも限界があります。

データセンターの電力は、全て熱になりますので

「この熱を有効に活用すれば、いいのでは?」

と思いついた人がいます、というお話しでした。


発明ですね。


2年前のお話しですので、発明塾的には、ずいぶんと古い話になっております。
お忘れの方も多いと思います、以下に、要所を抜粋転記しておきます。


==以下、引用抜粋

取り上げるのは、以下企業が、米カリフォルニア州モントレーで進めている

「海水淡水化」

プロジェクトです。

(Deep Water Desal)
https://www.deepwaterdesal.com/project-layout.htm


彼らは、海水淡水化のエネルギー源に

「データセンターの排熱」

を利用しようとしています。


私は、この取組みを

「水不足」

をいう社会課題と

「データセンターによるCO2排出増大」

という社会課題を結びつけ、

「相殺して解決」

しようとしている、と捉えました。


さらにいうと、彼らは、データセンターにより発生する熱を

「新たな資源」

だと、捉えたんだなと考えました。


発明塾は、こういう発明が大好きです。


SDG’sで取りあげられているさまざまな社会課題を

「ビジネスの力」
「技術の力」

で解決するための

「発明」

に、とても役立つ視点だと感じました。


技術詳細を知りたい方のために、関連特許を挙げておきます。

(Systems and Methods for Data Center Cooling and Water Desalination)
https://patents.google.com/patent/WO2013184820A1

発明塾でも、京都大学理学部の学生さんが10年ほど前、住宅の中水(Grey Water)リサイクルに関連して、熱式デサリネーション(脱塩)システムの発明を創出し、投資ファンドへ提案したことがありました。

当時は、やや時期尚早という感がありましたが、先日紹介した

「プレハブ・スマート・ハウス」https://shelterdynamics.com/

の動向などを見ると、ニーズ的にも、技術的にも、機が熟してきたのではないかという気がしています。

==抜粋引用、以上


このエッジ情報を知っていると、

「ちょっとしたニュース」

を見た後のアクションが

「劇的に」

変わります。

実例で示します。


先日、ある方が、以下ニュースを教えてくださいました。

グレタ・トゥーンベリさんら若者が、三菱商事などに抗議。公開質問状も
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ff40afec5b6e7974fd5e1f8


このニュースを見て、私が思いついて、調べて、出てきたのが以下です。

残念ながら、日本語のニュースが出てきませんでしたので、英語で失礼します。
あとでご説明いたしますので、ご安心ください。

Capital Power to build carbon nanotube facility at Genesee, test use in concrete
https://www.jwnenergy.com/article/2019/12/6/capital-power-build-carbon-nanotube-facility-genes/


ひと言でいうと

「キャピタルパワーという電力会社が、火力発電所を ”カーボンナノチューブの製造工場” にします」

ということです。

関連するプレスリリースには、

「2021年の第1四半期に、2500トン/年の製造能力にスケールアップする」

とあります。


電力会社が、電気を生み出すのはアタリマエ。

それ以外に、

「もっと高付加価値で、これからの生活に欠かせないモノを、どれだけ生み出せるか」

ですね。面白いです。

その高付加価値なモノが

「問題児とされる CO2 から、生み出せる」

わけですから、誰も損しません。


この技術を手掛けているのは、

「C2CNT」https://www.c2cnt.com/

という企業です。


「Diamonds from the Sky」(空からダイヤモンドを創る)

と言っています。


エッジ効いてますね。


彼らの技術を使えば

「空は、ますますきれいに」

なり、発電所で

「高強度カーボン素材」

が大量生産できる。


社名から察するに、

「CNT(カーボンナノチューブ)」

が本命のようです。

カーボンナノチューブは、飯島澄男 先生 が1991年に発見されました。

私が、産総研との共同研究でナノテクの実用化に従事していたころ、産総研の研究者に

「飯島先生の研究成果に刺激を受けて、この分野に来ました」

と仰っていた方が、おられました。


カーボンナノチューブってどんな材料なの?
https://unit.aist.go.jp/cnta/ja/lh_archive/lh_190628.html


炭素が規則正しく並ぶことで、

「鋼の約20倍の強さ」
「銅の1000倍以上の電気を通せる能力」
「高い熱伝導率」

を持つ材料です。

「夢の素材」
「理想の材料」

です。


これを、

「空から創る」

って、どんな技術か、知りたくありませんか?
せっかくですから、特許を見ましょう。


長いカーボンナノファイバーを生成するための方法とシステム
https://patents.google.com/patent/JP2019535906A/ja


誤解を恐れずザックリ言うと

「溶融炭酸塩電解質」(ドロドロした、電気を通す液体をイメージください)

内で、CO2を含むガスを、長い時間をかけて電気分解することで、

「長さが長いCNT(カーボンナノチューブ)=カーボンナノファイバー」

を生み出す、そういうことのようです。

ドロドロした液体の中で、CO2が分解し、炭素(C)になり、CNTが成長するんですね。
だいたいイメージできます。


ヤラレタ感、満載でした。

「未来は、こうなるのか」

そう、思いました。


「エッジ情報」

に日々触れていると

「政治的なニュース」
「自分には関係ない騒ぎ」

と、多くの人が捉えているニュースが

「技術進化のヒント」
「発明のヒント」

になります。


今、ここで、ご覧いただいた通りです。


ある企業の 新規事業開発本部長 様、および、研究所長 様から

「楠浦さんのメールを、私のコメントをつけて、所員に回覧している」
「皆、刺激を受けている、技術屋として励ましたい」

との、ありがたいメッセージをいただいております。


今後も、ぜひ、そうなさってください。

「回覧OK」

なのは、そういうことです。

企業内発明塾でも、私は、そうしています。


技術者を励まし、挑戦させ、組織を変え、企業を変え、社会をよりよく変える。
そして、それを支援する人、投資する人を、どんどん増やす。

それが、弊社 TechnoProducer が

「発明塾を通して、成し遂げたいこと」

です。


社内で皆さんが、メールを回覧し、手法や考え方を弊社教材やセミナーで理解する。
そして、理解した人は、身につけるために、ミニ発明塾をどんどん開催すればよいのです。

手法のエッセンスは、以下で公開しています。
いつでも、だれでも学べ、実践しながら身につけられます。
(実践いただける仕掛けも、組み込まれています)

その効果と実用性は、最初は大学生、そして、多くの企業内発明塾OBOGが、10年かけて証明してくださいました。
毎日、どこかの企業で実践いただいております。

● 「発明塾」8週間集中パッケージ
 https://www.techno-producer.com/hatsumeijuku-8week/


弊社は今後も、技術と経営、知識創造の視点から

「より良い世の中を創る」
「結果が出せる人材と組織へ変革(チェンジ)する」

ための、視点・アイデア・情報・教育の提供に、取り組んでいきます。


楠浦 拝

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