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e発明塾通信 vol.794(2021年1月18日号)「フードテック」は、次の「産業のコメ」 ~ 今から始まる「フードテック第3の波」

e発明塾通信・・・ e発明塾通信 vol.794(2021年1月18日号)

 

「「「 「フードテック」は、次の「産業のコメ」 ~ 今から始まる「フードテック第3の波」
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おはようございます、「発明塾」塾長の楠浦です。

本日は、過去に発明塾や本メール講義で取りあげたエッジ情報の続報、関連情報を
取りあげます。


ちょうど一カ月前に、

「フードテック」

を、取りあげました。

e発明塾通信 vol.786(2020年12月14日号)
「食と健康のサイエンス」が、3Dプリンターで加速する


取りあげたのは、

「パーソナライズド・ニュートリション」
(個々人に合った、栄養補給)

のトピックでした。

医療・ヘルスケア、スポーツ・フィットネスなどの分野と結びついて、既にホットな領域になっており、今後も成長が加速するでしょう。

以下、関連部分を端的に抜粋しておきます。


==以下、抜粋引用

パーソナライズされた食事、という考え方自体が、すでにトレンドになっているようです。

国内フードテックで注目すべきは“食のパーソナライズ化”を実現するソリューション(2020.2.2)
https://bae.dentsutec.co.jp/articles/foodtech-02/

以下に、私が注目した記載を引用しておきます。


『さらにユーザーの遺伝子検査、血液検査、基礎代謝の状況などを解析し、健康状態に合ったレシピをレコメンドする米国の「Habit(ハビット)」、同じく遺伝子検査の結果からレシピや外食メニューを提案する、英国の「DNAfit + Vita Mojo(ヴィータモジョ)」などのサービスもあります。

「美味しい」「便利」だけではない、究極的なパーソナライズ化を実現できる内容ですが、日本でも、大手飲料メーカー等が近いサービスを展開し始めました。遺伝子検査や血液検査に基づいて摂るべき栄養素や食材についてのアドバイスを行ったり、それに応じたアイテムを届けるといったサービスです。』


遺伝子・血液・基礎代謝情報から

「その人の好みと健康に合った、レシピの提案」

ができるのであれば、あとは、3Dプリンターという調理家電があって、

「原料を、Amazon が即日配達」

してくれればOKです。

3Dプリンターの場合、原料はカートリッジに入っているか、粉末だと思われますので、長期保存も可能でしょう。


すでに実現しつつある未来、だと感じます。

==抜粋引用、ここまで


企業内発明塾では、

「この先、どうなるの」

という議論を、既に行っています。

次の波(第2の波)ですね。


第2の波 と呼べる動きの一つが、弊社コラムで取りあげた

「キッチンOS」(料理のGPS)

です。


特許の調べ方と読み方 ~特許スキルを磨いて頼れる技術者に~
https://www.techno-producer.com/column/patent-search-read/


キッチンOSに関する記載を、以下に抜粋引用しておきます。

==抜粋引用、ここより

料理レシピが紙媒体やテレビ番組が中心だった時代からネットにシフトし、それがさらに発展して、今ではIoT化した調理家電がレシピという”ソフトウェア”に制御される「キッチンOS」という世界が広がっている。
(田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀, 外村仁(2020) 『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』 日経BP 第1版 p56より)

「料理の手順(レシピ)」を「調理家電を動かすソフトウェア」に置き換え、キッチン全体が制御されるような時代が到来しつつあるようです。書籍ではこの分野の代表的な企業がいくつか取り上げられていますが、特に”Innit (イニット)” という企業は同社のiPhoneアプリの説明でも「Culinary GPS (料理のGPS)」という表現を使っており、「カーナビのように料理をガイドするプラットフォーマーになる」というビジョンがあるようで

==抜粋引用、ここまで


分かりやすく言うと、

「つくりたい料理のレシピを選べば、家電が(ある程度)自動で調理をしてくれる」

世界を創ろう、そういうことです。

もう一歩踏み込むと

「個人の嗜好や健康状態、必要とする栄養に合わせて」

ということに、なるでしょう。

「パーソナライズ」(個人最適化)

のお話ですね。


ここで取りあげた、

「Innit」

という企業の取り組みについて、若干の補足をしておきましょう。


特許を調べた結果、Innit 名義の特許出願は

「2件」

ですが、創業者/CEO の Eugino 氏 名義で

「70件」

ほどの特許を出願しています。

HPで経歴を確認すると、ユニリーバ・ノースアメリカ や ネスレ・フランス などの CEO を歴任しています。


ここまでの情報から、

「業界の事情に詳しく、知財戦略にも明るい」

という、なかなか気合が入った発明者(エッジ発明者)であることが、見えてきます。

満を持しての創業、と言えるでしょう。

となると、さらに特許などを読み進めて、戦略を読み解く価値が、ありそうですね。


ところで、上記の特許の話で

「2件」

の方が気になった方。

勘がよいですね。

私も気になりました。


調べてみると、1件は

「買収した」

企業のものでした。

2017年に、食材の栄養素を評価し、ユーザーの好みを理解して料理レシピを提案するアプリを提供する

「ShopWell」

という企業を買収しています。


CEOのKevin Brown氏は

「私たちは料理のGPSになりたい」

と明言していることから、この買収は重要な一歩でしょう。

「料理のGPS」

とは、カーナビのように料理のステップの道しるべになるということでしょう。

Innit は立ち上げ当初、調理家電のIoT化に注力し、アメリカの

「ワールプール 社」

と提携していましたが、上記 ShopWell の買収直後に、提携を解消しています。


大きな方針転換があった、と考えられます。

「家電ではなく、レシピが肝」

だ、そう判断したのでしょう。

「キッチンOS」

というコンセプトが誕生した瞬間ですね。


Innit の特許を調べていくと、関連特許として、私が関わっていた投資ファンドの特許も多数出てきます。

非常い面白いことがいろいろわかったのですが、取りあげるとキリがありません。
Innit 関連はここで一旦終わりにします。


キッチンOSが、第2の波だとするの、その先(第3の波)は、何でしょうか。


発明塾では、それは

「食材」

の製造に起こる変化だ、と考えています。

具体的には

「(細胞)培養」

技術と、食品製造の融合です。


実はこれも、以下で取りあげました。

e発明塾通信 vol.740(2020年6月15日号)
「自宅」で、手軽に植物工場~「袋型培養器」の可能性
https://note.com/ehatsumeijuku/n/n5c98fd4e2253


上記では、植物工場からの文脈に位置づけて取りあげましたが

「フードテック」

の視点で改めて読み解いてみてはどうでしょうか、というご提案です。


発明塾では

「細胞農業」

と呼んでいますが、必用な食品素材を、必要なだけ、工場で作る。

食品工場は

「加工」

ではなく、

「培養による製造」

から調理しやすい形に加工するまでを、一貫で行う場所になります。


「アグリテック」

の先、でもありますね。

大きな産業になると、私は考えています。

そして、日本の

「精密製造技術」
「自動化技術」

が活かせる、自動車、半導体の次の

「産業のコメ(米)」(日本の産業の発展と繁栄を支えるもの、という意味)

になるだろうと、予測しています。


再生医療や医薬製造で始まっている

「細胞」

を扱う産業の裾野が拡大する、と捉えることもできます。

その分野のエッジ企業、たとえば、

「GEライフサイエンス(現在は、Cytiva)」

などの技術も、見ておく必要がありますね。


このように、新たな産業や事業機会を見通すには、

「多様な技術についての理解」(今回の例では、IT・家電・食品・農業・再生医療・医薬製造)

と、ある技術や発明を

「多様な文脈からとらえ直す」

ことが重要だと、私は考えています。

「この技術については、詳しくないので、、、」

と言っていては、機会を見過ごしてしまい、他社に出し抜かれてしまいます。


長くなってしまいました。

いずれにせよ、ワクワクしますね。

楠浦 拝

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