・・・ e発明塾通信 vol.755(2020年8月17日号)
「「「 3Dプリンターは「世界をより軽く」する/知財戦略が「アイデア育成」に必須 「「「
おはようございます、「発明塾」塾長の楠浦です。
本日は、過去に発明塾や本メール講義で取りあげたエッジ情報の続報、関連情報と
発明塾でよくお話ししていることを、取りあげます。
発明塾(学生向け)で、2013年ー2014年にかけて
「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」
と
「3次元プリンタ」(3Dプリンター)
をトピックに、発明に取り組んだことがあります。
当時、3次元プリンターは
「プリンター」
として捉えられていましたが、発明塾では、実は
「工作機械」
あるいは
「織機」
に、本質的な部分があるのではないかと考えていました。
「3次元プリンターとは何ぞや」
の話しですね。
当時創出し、投資ファンドに提案した発明に、かなり近いものが
その後、実用化されています。
(世界をより軽く、CFRPの3Dプリント技術で新たなモノづくりを切り開くArevoの挑戦)
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2006/29/news068.html
専門的になりますが、要所を、以下に抜粋しておきます。
ご関心ある方は、お目通しください。
==以下、引用
1つ目の特徴が、ロボットアームを用いた3Dプリント技術を用いて、CFRPを成形する
という点である。
Arevoでは連続炭素繊維を用い、これらの繊維をDED(Direct Energy Deposition)方式により
1本1本溶着させることで成形を進めていくが、6軸のロボットアームと可動式の台座により、
2次元での積層ではなくXYZの3次元で積層ができる点がポイントだ。
台座が動き、全方向で炭素繊維を織り込む方向を決められるために、製品の求める剛性や
引っ張り強度に応じて構成を変えることが可能となる。パスの方向性が1方向ではなく
メッシュの形で編むようなことが可能だ。これにより弱いところを補強することが可能となる。
==引用、ここまで
ここまで読むと、この発明の肝は、実は
「設計ソフトウェア」
だと、わかります。従来にない物性を持つ材料が作れるのですから、当然です。
当時の発明の過程でも、
「実は、CFRP x3次元プリンタ の肝は、設計ソフトでは?」
という議論になっています。
偶然ですが、この記事を書いている途中に、彼らの
「増資」
のニュースが飛び込んできました。
(3Dプリンティング技術を持つAREVO、シリーズBで25億円を調達--総額は約65億円)
https://japan.cnet.com/article/35158059/
やはり、熱い分野ですね。
特許も一つ見ておきましょう。
(Tailored fiber placement utilizing functional thread)
https://patents.google.com/patent/US20200063307A1/
これを見ると、3次元プリンターは
「工作機械」
であり、
「編み機」
だと表現した意味が、ご理解いただけると思います。
Arevo社 の初期の特許出願を見ると、学生さんの発明創出時期と、ほぼ
同時期に出願されていることが、わかりました。
その塾生さん(学生さん)は
「エッジ」
に立っていた、と言えるでしょう。
当時、そのアイデアは投資ファンドには採択されませんでした、
いろいろな意味で、惜しいことをしました。
(企業内発明塾の方には、当該発明の当時の発明提案書を、データベース上で共有いたします)
さて、そもそも楠浦が、3次元プリンターのトピックを学生さんに
勧めた理由の一つに
「知財戦略とビジネスモデル」
面での面白さ、があります。
技術としての可能性や面白さもさることながら、学生さんに、早い段階から、
「知財とビジネスモデルは、表裏一体である」
ことを、実例、および
「自身の発明で」
深く理解しておいてほしかった、これに尽きます。
学生さん向けの指導内容は、以下のe発明塾講座
「知財戦略(1)」https://e-hatsumeijuku.techno-producer.com/senryaku_1
に、すべて収録しています。
学生さんでもマスターできる、知財戦略の基礎をじっくり学ぶ講座、
という位置づけです。
実例にもとづき、非常に平易なところから始まる講座で
「技術をマネタイズする/事業化する」
立場の方には、全員、理解しておいていただきたい内容です。
発明塾では、一人ひとりの発明を取りあげ
「育てる」
際に、必ず知財戦略の視点からの討議を入れています。
これが出来ないと、よい発明に仕上がらないので、定期的に
実例ベースで教えていた、という経緯があります。
そもそも、楠浦と話が通じないと、討議どころではありません。
ぜっかくのよいアイデアも、上手く育たず、途中で
「枯れて」
しまいます。
最近、いわゆる
「DeepTech」(ディープテック)
系のスタートアップ企業様から、知財戦略について相談を
いただく例が増えていますが
「知財戦略とビジネスモデル検討と、行ったり来たりするんですよ」
という会話が、通じるか通じないかで、その後の進み方は
大きく変わってきます。
事業開発の進捗が、半年から一年ぐらいズレてくる、という
印象を持っています。
「アイデアを育てるのに、知財戦略の知識は必須」
これが、発明塾式です。
発明塾に
「知財」
と発明教育の講座である
「e発明塾」https://www.techno-producer.com/e-hatsumeijuku/
が、セットになっている理由も、お分かりいただけたと思います。
「正しく、発明を出す」
「アイデアを、正しく、発明に育てる」
こと、および、
「技術を価値を最大化する」
「発明を事業化する」
にあたり、知財戦略を筆頭とした、知財の知識が欠かせない、と
発明塾では考えています。
続々と、結果が出ています。
詳細は、以下、説明会でご紹介しています。
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私の20年以上の技術屋・新規事業開発・起業の経験、弊社の12年・200社以上への
サービス提供からの蓄積、発明塾の10年500回以上の討議と数百の発明から生まれた武器を、
ぜひ、ご活用ください。
楠浦 拝
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