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e発明塾通信 vol.768(2020年10月5日号)「イヤホン」が、「スマートホーム」を個人に最適な「スマート環境」にする

・・・ e発明塾通信 vol.768(2020年10月5日号)

 

「「「 「イヤホン」が、「スマートホーム」を個人に最適な「スマート環境」にする 「「「 


おはようございます、「発明塾」塾長の楠浦です。

本日は、過去に発明塾や本メール講義で取りあげたエッジ情報の続報、関連情報を
取りあげます。

過去の配信で、

「シームレスな音楽体験」

を実現するスマートスピーカー、を取りあげました。

e発明塾通信 vol.511(2018年8月20日号)
AmazonとGoogleを従えるAIスピーカーのエッジ企業「SONOS」
https://note.com/ehatsumeijuku/n/n268658da0f93


上記配信では、スマートスピーカーは、アマゾンとGoogleが狙っている
スマートホームの入り口になる、とても熱い事業領域であるため、参入に際し、

「知財」

が鍵になったようだ、というお話もしました。


発明塾では、ここ2年ほど

「アート」

領域に注目しています。

情報の「読み方」~常に仮説を立て、検証・改訂しながら「探し」「読み」進める(第522回/523回/リアルイベント)
https://edison-univ.blogspot.com/2020/01/522523.html


アートの作品を、一つの、先読みにもとづく

「情報」
「アイデア」
「発明」

と捉え、読み解く。


高校生の発明塾生さんの参加も一つのきっかけになっています。
(東海地方の高校生の方です)

物理も化学も生物も、まだ完全に履修が終わっておらず、
技術的に高度な発明を読み解くのに、時間がかかりすぎるからです。

アートには、世代や言葉を超えた、情報としての価値がある、と
発明塾では考えています。

そして、アートを入り口に、テクノロジーやサイエンスを理解してもらう。
新しい試みですが、効果があると感じています。

脱線しました。


本日、取りあげるのは、

「音」

をサイエンスした、サービスです。

生産性と睡眠を向上させるパーソナルな「音環境」を生み出す Endel が5.3億円調達
https://jp.techcrunch.com/2020/09/24/2020-09-23-endel-series-a/


以下、要所を一部抜粋しつつ、見ていきます。

==以下、抜粋

「仕事を始めた当初は、環境音楽を生成する機械を作ろうと考えていました」と彼は振り返る。
しかしリサーチを進めると「パーソナルなものでないとダメだ。ひとつの曲や、ひとつの
プレイリストや、ひとつの音風景では実現しない。それは、自分だけの宇宙に強く依存するからだ」
と気付いたそうだ。

そしてそれが、Endelの製品となった。彼らのテクノロジーであるEndel Pacific
(エンデル・パシフィック)が作り出す「音環境」は、集中、睡眠、リラックスをしたいとき、
または外に出かけるときであっても、それぞれの人に応じてデザインされる。
この環境は、時刻や天気、またはユーザーの心拍数や動作などによって、部分的に変化する。

==抜粋、ここまで


音を使って、集中や睡眠をコントロールしようという取り組みは、これまでもありました。
また、好みのプレイリストを自動的に作成し、再生するという音楽アプリもあります。

それらと何が違うのでしょうか。
続きを読んでみますね。


==以下、抜粋

ローズ氏は、「リアルタイムのフィードバックを利用して、肉体を非常にポジティブな方向に
コントロールし変化させる、閉ループシステムというアイデア」に興奮を覚えたという。
そしてEndelは「科学に裏打ちされている」と強調する。

「Endelのアプローチは、いくつかの科学分野から引き出されている」とスタビッツキー氏。
概日リズム(毎日の睡眠周期の中の今どこにいるかを把握)、ペンタトニック音階
(心地よいサウンド)、サウンドマスキング(気が散る音を小さくする)に関する研究だ。

==抜粋、ここまで


「概日リズム」(サーカディアンリズム)
「ペンタトニック音階」(5音の音階:後述)
「サウンドマスキング」(気が散る音を小さくする)

が特徴だ、と主張しています。

熱いキーワードをカバーしており、マーケティングのセンスは良いようです。


最近は、読者の方に、技術に明るくない、という方も増えているようですので、
用語の解説もしておきます。

「概日リズム」(サーカディアンリズム)は、おおよそ24時間で変動する、
人間の生理現象のことで、「体内時計」などと呼ばれたりします。

「ペンタトニック音階」(5音の音階)とは、ドレミファ・・・の中から、
5つの音を選んだ音階のことで、たとえば、「沖縄音楽」や「ブルース」は
それぞれ、独自の「ペンタトニック音階」から成ります。
沖縄、ブルース、など、多くの民族音楽が独自のペンタトニック音階を使用して
おり、ある種「癖になる」音楽が生まれる音階である、とも言えます。
(楠浦の、ミュージシャンとしての経験から来る私見です)

「サウンドマスキング」(気が散る音を小さくする)は、そのままですね。
最近では、オフィスにサウンドマスキングのデバイスが設置されるなどの
例もあります。

続きを読みましょう。


==以下、抜粋

このアプローチを支える科学の検証を強化するために同社はパートナー企業と協力しているが、
すでにフローの概念を提唱し関連本も執筆している心理学者であるMihaly Csikszentmihalyi
(ミハイ・チクセントミハイ)氏が開発した経験サンプリング法を用いて、その音環境が
集中力を6.3倍高め、不安を3.6倍鎮めることを確認できているという。

==抜粋、ここまで


「フロー」とは、何かにのめり込み、没頭し、非常に充実した心理状態にある
ことを指します。発明塾でも、発明に没頭している状態を作り出すことを意識し
チクセントミハイのフロー理論について、塾生さんには、理解するよう指導しています。

実は、この原稿を執筆している間、試しに

「Endel」

のアプリを利用してみました。
(一週間無料、とのことでしたが、その後自動課金が始まるのでご注意を!)

「集中」

モードを15分利用してみた成果が、本原稿です(笑


さらに理解を深めたい方は、以下の記事も参考になります。

心拍数をベースにBGMを自動生成。スマホアプリEndelで、あっと言う間にリラックスできた
https://community.exawizards.com/aishinbun/20191226/


さて、前置きはこれぐらいにして、特許を見てみましょう。
特許を読まないと、発明塾らしくありませんからね(笑

System and method for creating a personalized user environment
https://patents.google.com/patent/US20200142371A1


現時点で、GooglePatents の範囲内で見つかる関連特許は、上記一件だけです。

請求項を読むと

「心拍」
「気温」
「天候(雨センサー)」

などの情報にもとづき、音や画像を生成する、とあります。


請求項を読み進めていくと、

「照明」
「空調」

なども、併せて制御する、とあります。


ここからは、楠浦の先読みです。
楠浦メモから、抜粋になります。
(全文は、企業内発明塾参加中の方には、お知らせしております)


==以下、抜粋

引用文献を見る
先行技術との差を把握しやすいから

① AT&Tのものは、広告
② フィリップスのものは、周辺環境のセンシング
③ Ubithing のものは、請求項4を見ると、温度など周辺環境に応じて「再生する音楽」を選ぶとある

Endel の発明は、請求項8にある、心拍などの情報を加えることが特徴か?
つまり「バイオフィードバック」が本丸

請求項には、照明、空調などを制御することも記載している
これは、どういう「未来」予想、預言に結びつくのか

音とバイオフィードバックを軸に、スマートホームを再構築してくる感じか
個人に紐づいた快適環境をつくる
空調だけ、照明だけ、では難しいことも「音(ウエアラブル)」を使えばできる
音によって、パーソナライズされた快適環境を作ることは可能
フローに入りやすい音、あるいは、涼しく感じる音(風鈴とか)、などは既に存在する

空調だけでパーソナライズは難しいが、「イヤホン」という「ウエアラブル」デバイスを
使えば、安価で手軽に、パーソナライズされた「環境」が作れる

「音」が切り口だけど、「音」だけで終わらず、「環境」を

「個と全体」

のトレードオフを回避して、個人最適化できるツールになるのか

つまり

「ウエアラブル」=「パーソナライズ」された「スマートホーム(スマート環境)」という感じか

音だからこそ、手軽にできること、があった

==抜粋、以上


まだまだ、いろいろ考えられると思います。

続きをぜひ、考えてみてください。

企業内発明塾参加者の方、および、起業家向け発明塾参加希望の方、ぜひ、
ディスカッションさせてください。

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楠浦 拝

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