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新規事業企画のフレームワーク_成功事例を図解で紹介

新規事業企画のフレームワーク【図解あり】 ~構想・仮説検証の成功事例をジャベリンボードの具体例も使って紹介

2021.10.27

新規事業企画は、壮大なビジネスを構想しつつ、地に足のついた具体的な課題の掘り下げも求められるため、担当者は混乱しがちです。

そこで本記事では、新規事業企画の基本的な考え方と、構想・具体化に使えるフレームワークを紹介します。フレームワークとして、ビジネスモデルを可視化する図解と、顧客の課題とソリューションに関する仮説を深掘りするジャベリンボードの使い方を事例とともに解説します。

 

新規事業企画の考え方 ~フレームワークを選ぶ前に企画の本質を理解する

業界をまたいだビジネスプロデュースのための「構想」を具体化する

将来の自社の基盤となる事業の創出には、業界をまたぐ大きな絵を描きつつ他のプレーヤーと連携する「ビジネスプロデュース」が求められます。

ビジネスプロデュースについては、ドリームインキュベータの三宅氏・島崎氏の著書『3000億円の事業を生み出すビジネスプロデュース戦略』で詳しく解説されており、IT・広告業界をまたぐ事業を創出したグーグルなどが成功事例として紹介されています。

グーグルが無料検索ツールで大量の顧客との接点をつくり、様々な企業を巻き込んだように、多くのプレーヤーに「参加したい」と思わせるビジネスモデルを構想することがビジネスプロデュースの第一歩になります。

解決する課題を定め、顧客の顔が浮かぶレベルまで具体的に考える

一方、壮大な構想があっても、「それを確実に求めている最初の一人」がいなければ事業にはならないので、「誰のどんな課題を解決するのか」を明確にするとも重要です。

顧客が誰で、どんな問題を抱えているか、といった前提について仮説検証を繰り返すプロセスは「顧客開発」と呼ばれ、シンディ・アルバレス氏の著書『リーン顧客開発』などで詳述されています。スタートアップを中心に使われる手法ですが、大企業の新規事業においても、具体的な顧客を仮定し、検証する作業の重要さは変わりません。

以上の背景を踏まえ、以下に新規ビジネスの構想に役立つフレームワークと、ターゲット顧客の仮説検証に役立つフレームワークをそれぞれ紹介します。

※フレームワークを使ってまとめた情報を決裁者向けの企画書に仕上げる方法については以下の記事をご参照ください。

新規事業企画書の書き方と成功事例【見本あり】 ~3つの視点で事業の魅力を伝える

新規事業企画の可視化フレームワーク ~ビジネスモデル図解で構想を俯瞰する

エコシステム全体が得をするビジネスモデルを設計する

ビジネスモデル図解とは、法人/個人などを表す「シンボル」と、それらの関係性を表す「コネクタ」で「ヒト、モノ、カネの流れ」を描く図解法で、ビジネスモデルの構造を整理・理解するフレームワークとして広く使われています。

『ビジネスモデル2.0図鑑』では、様々な業界の優れたビジネスモデルの図解を広く紹介しており、著者の近藤氏は自身のNoteで無料のツールキットも配布しています。以下、実践例としてアマゾンの電子書籍ビジネスについて図解してみます。

アマゾンKindleのビジネスモデル図解

アマゾンKindleのビジネスモデル図解(「ビジネスモデル図解ツールキット 配布版」を利用して自作)

 

Kindleのビジネスモデルを図にすると、電子書籍の販売システムやデバイスに加え、出版社や著者が重要なプレーヤーとして可視化されます。魅力的なプラットフォームを作るには、各プレーヤーにメリットのある仕組みの設計が必要になります。

アマゾンはこの点を熟知していたようで、前出の『3000億円の事業を生み出すビジネスプロデュース戦略』によると、同社は出版社や著者に利益の出る価格条件を提示した交渉を事前に行っていたようです。ソニーもKindleより高性能な電子書籍リーダーを開発したようですが、大きな市場の創出に成功したのは、仕組みづくりを周到に進めたアマゾンでした。

技術に強みのある企業は技術的なソリューションに目が行きがちなので、ビジネスモデル図解を活用し、エコシステム全体を俯瞰しながら考えると、失敗を防げるかもしれません。

※以下の記事では創業期のアマゾンのビジネスモデルをまとめたリーンキャンバスを紹介しています。興味のある方はぜひご参照ください。

新規事業・起業アイデアのフレームワーク3つ【アマゾン成功事例の見本あり】

新規事業企画の仮説検証フレームワーク ~ジャベリンボードで仮説を深掘り

ジャベリンボードの具体例と各エリアの使い方の説明(企業内発明塾の教材を一部改変して作成)

顧客の課題の仮説を深掘りするジャベリンボード

ジャベリンボードは顧客の課題や解決手段に関する仮説と、インタビューなどで確認できた内容を一覧し、仮説を深めるためのツールで、新規事業・起業アイデアのフレームワークの記事でも紹介した『起業の科学』などの書籍で解説されています。

以下、急速充電システムに関するアイデアの検証を仮想ケースとして用い、ジャベリンボードの使い方を解説します。

「駅の自動販売機でパソコンの急速充電ができるサービス」のジャベリンボード

まず、ジャベリンボードの左端に記載されたテーマでてブレーンストーミングを行い、各項目の仮説を書き出します(上図の右上)。今回のケースでは、「外回りの多いビジネスマン(顧客)」の「PCの充電場所が無く、モバイルバッテリーによる充電もできない」という課題に対し、「駅の自動販売機で急速充電する」ことが解決手段になるのではないか、という仮説を立てました。

次に、想定顧客へのインタビューを実施し、把握した内容を書き込みます(上図の右下)。インタビューから、一部のビジネスマンは喫茶店などで休憩を兼ねて充電しており、急速充電にお金を払う可能性は低いことがわかりました。一方、やり手のビジネスマンは充電の時間も惜しいと考えており、急速充電にお金を払う可能性があることがわかりました。

このような流れで顧客の人物像と課題を徐々に具体化し、「確実に買う人のいる解決手段」も考案できれば、新規事業企画の最初の一歩が見えてきます。

 

妄想で終わらない新規事業企画を立ち上げるために

ここまで、業界をまたぐビジネスプロデュースや顧客開発など新規事業企画の基本的な考え方と、ビジネスモデル図解を用いた仕組みの設計、ジャベリンボードを用いた仮説検証について、具体例を交えて紹介しました。

ただ、特にBtoB分野では顧客開発を行うハードルが大きく、企画も単なる妄想で終わってしまいがちです。弊社の動画セミナー「特許情報分析を用いた技術マーケティング」では、BtoB分野で特許情報を活用した顧客開発の成功事例について当事者が解説しまています。顧客開発にお悩みの方はぜひご参照ください。

また、実際の新規事業企画では、顧客の課題と解決手段の深掘りを何度も繰り返す非常に根気のいる作業が必要です。ただ、乗り越えれば事業創出だけでなく、自分自身の大きな成長にもつながります。実際に体験したい方は、弊社の実働支援サービス「企業内発明塾」をご活用ください。

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畑田 康司

畑田康司

TechnoProducer株式会社シニアリサーチャー
工場設備エンジニア、スタートアップでの事業開発を経て現職。現在は企業内発明塾®における発明創出支援、教材作成に従事。個人でも発明を創出し、権利化を行う。発明塾東京一期生。

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