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新規事業・起業アイデアの考え方と出し方 ~発想法と成功事例を紹介

2021.10.20

新規事業・起業では、通常の製品開発よりインパクトの大きいアイデアが求められ、アイデア出しのハードルも上がります。
本記事では、新規事業・起業アイデア創出の前提となる考え方を解説した後、ユーザーのニーズを掘り下げてアイデアを出すデザイン思考やジョブ理論の考え方と事例を紹介します。さらに、斬新なアイデアを生む手法として、ビジネスデザイナーの濱口秀司氏の発想法と事例を紹介します。

 

新規事業・起業アイデアの考え方 ~課題を発見し、クレージーな方法で解決する

誰の深い課題を解決するか、がアイデアのポイント

アイデアの事業化には、当然ながら「誰かに買ってもらえること」が必須ですが、顧客ニーズを正しくつかめずに失敗するケースが多いようです。例えばスティーブン・G・ブランク著『スタートアップ・マニュアル』では、「顧客が欲しいものが分かっている」という思い込みがスタートアップ失敗の主要な原因であることが指摘されています。

上記の失敗を回避するために重要なのが、実在する顧客の具体的な課題を発見すること、特に顧客自身も気づいていないような「深い課題」を発見し、解決することが、価値のあるアイデアには求められます。

一見クレイジーなアイデアが求められる

一方、新規事業で容易に追従されないためには「最初に聞いた人の多くが反対する」ような、一見クレージーなアイデアであることも重要です。「誰もが賛成するアイデア」では次々に他社が参入し、差をつけることが困難になります。

以上の背景を踏まえ、まずは「顧客の深い課題を解決するためのアイデアの出し方」を紹介します。

 

新規事業・起業アイデアを顧客ニーズから生み出すデザイン思考とジョブ理論

デザイン思考による顧客中心のアイデア創出の考え方と成功事例

「デザイン思考」はデザインコンサルタント会社IDEOのメンバーを中心に提唱された考え方で、IDEO会長のティム・ブラウン氏の著書『デザイン思考が世界を変える』で詳細に解説されています。

デザイン思考の実践ではブレインストーミングなどの発想法も使われますが、顧客を観察し、話を聞き、共感しながらニーズを抽出する、という顧客中心のプロセスが最も重視されます。

例えば、2006年にノキアが取り組んだモバイル機器開発では、実地調査から「顧客は既に電話には興味がなく、新しい物事の発見と共有に興味が移っている」というニーズの変化を把握しました。開発メンバーは顧客とのコミュニケーションを繰り返しながら、写真共有やブログなど「発見の共有を促進するサービス」のアイデア出しと実装を進め、新規事業創出に成功しています。

顧客ニーズをベースに考えることで、ハードウェア中心の開発体制を刷新し、成功した事例と言えます。

ジョブ理論におけるイノベーションの考え方と成功事例

ジョブ理論の考え方の例(「企業内発明塾」の教材を一部修正して作成)

 

一方、クレイトン・クリステンセン氏の著書『ジョブ理論』では、「顧客が達成したいこと(ジョブ)」に合致した体験を提供するイノベーションの考えが紹介されています。身近な例では、「牛丼チェーン」は「短時間で空腹を満たしたい」というジョブに着目して成功したビジネスと言えます(図参照)。

事業開発の成功事例としては、キンバリー・クラークの「見た目・着け心地とも通常の肌着と同様の成人用おむつ」の開発が知られています。同社は調査から「失禁に関する悩みをもつが、紙おむつを使うのは恥ずかしい」という顧客ニーズをつかみ「おむつの恥ずかしさも失禁の不安も無く生活したい」というジョブに合致する製品の提供に成功しました。

ここまで、顧客ニーズ中心の考え方を解説しましたが、次項ではアイデアの「斬新さ」にフォーカスした発想法を紹介します。

 

斬新な新規事業・起業アイデアを生み出す濱口秀司氏の発想法と成功事例

通常のデザイン思考で「イノベーションの要件」を満たすのは難しい

ビジネスデザイナーの濱口秀司氏は、USBメモリーのコンセプトをはじめとする多くのイノベーションを主導したことで知られており、その思考法を著書『SHIFT:イノベーションの作法』で解説しています。

濱口氏はイノベーションを

①見たこと・聞いたことがない
②実行可能である
③議論を生む

の三条件を兼ね備えたもの、と定義しており、ニーズを満たすことを目標とするデザイン思考で条件を満たすアイデアが出すのは困難であることを指摘しています。

その課題を打破する手法として濱口氏が提唱しているのが「バイアスブレーク」で、「一般的な考え方(バイアス)」を可視化し、構造を把握した上で、それを壊すアイデアが生む発想法です。

専門家のバイアスを打破したUSBメモリーの成功事例

では、具体的にどのようにバイアスブレークを起こすのか、USBメモリーの事例から紐解いてみます。

この例では、濱口氏はイスラエルのフラッシュメモリー会社から新製品アイデアの提案依頼を受け、まずは顧客とのブレーンストーミングでアイデアを出しています。それらのアイデアを「データサイズの大小」と「ユーザー体験(触れられる/触れられない)」の2軸で整理したところ、全てのアイデアが「データサイズが大きく、触れられない」のエリアに含まれており、そこにバイアスがあることがわかりました。

その知見を踏まえ、「データサイズが大きく、触れられる」というコンセプトでUSBメモリーが発案されました。このアイデアは「データが手元にある手触り感は欲しい」というニーズも満たしており、斬新かつ顧客ニーズを満たす新製品として普及しました。

ちなみに、既存アイデアのバイアスを壊すアイデア創出の事例は、弊社書籍『新規事業を量産する知財戦略』第4章でも紹介しています。そちらもぜひご参照ください。

 

新規事業・起業アイデアを無駄にしないために ~調査と特許戦略も重要

ここまで、事業創出では顧客の具体的な課題を解決しつつ、クレイジーなアイデアが求められること、アイデア出しの際にデザイン思考やジョブ理論、バイアスブレークの考え方がどう役立ち、どんな事例があるかを紹介しました。

本記事では発想にフォーカスしましたが、実際の事業創出では「すでにそのアイデアが他社に特許化されている」という状況も多く、前出のIDEOメンバーの著書『The Art of Innovation』でも「特許のバリア」は難題と記載されています。アイデアを無駄にせず、事業化するには調査と特許戦略も重要になり、発想法だけではカバーできません。

弊社の新規事業創出支援サービス「企業内発明塾」、起業支援サービス「起業家向け発明塾」では、発想法と調査法を組み合わせながらアイデアをブラッシュアップし、特許戦略まで含めてサポートします。一般論を網羅しつつ、独自の手法・事例を教材化しており、組み合わせて使いながらアイデアを創出して頂けます。ご興味のある方は無料ダウンロード資料をご参照下さい。

 

★本記事と関連した弊社サービス資料

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畑田 康司

畑田康司

TechnoProducer株式会社シニアリサーチャー
発明塾東京一期生。現在は企業内発明塾™における発明創出支援、教材作成に従事。
個人でも発明を創出し、権利化を行う。

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