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脱炭素経営EXPO,スマートエネルギーWEEK参加レポート

【速報】脱炭素経営EXPO・スマートエネルギーWEEK2024参加レポート~ホンダ燃料電池・丸紅トレーサビリティ管理・日本電子/レーザーテック電池検査など注目技術を一挙紹介!

東京ビッグサイトで開催中の脱炭素経営EXPOスマートエネルギーWEEKに取材に行ってきました!

X(Twitter)で実況中継した内容を整理してお届けします。

補足情報として、弊社の関連コラムも紹介しますので、理解を深めたい方はぜひご活用ください!

※以下の記事で事前調査も行っております。関連するニュース・特許情報も紹介しているので、こちらもぜひご参照ください。
【レポート】脱炭素経営EXPO・スマートエネルギーWEEK 2024 注目企業 ~トヨタ燃料電池、旭化成の水素製造、レーザーテック検査装置など先進技術を一挙紹介!

 

①水素燃料関連 ~ホンダのモビリティ、旭化成水素製造など実用化の最先端

ホンダ(ブース:W1-45)はゼネラルモーターズ(GM)と共同開発した燃料電池モジュールを展示していました。バイクなど最終品メーカーのイメージが強いホンダですが、燃料電池ではBtoBビジネスを積極的に行っているようです。

川崎重工(ブース:W1-5)も水素エンジンの二輪車を展示。水素モビリティの実用化が進んでいます。

トヨタ(ブース:W1-19)は、協業する企業の製品も含め、水素燃料に関する幅広い技術を展示していました。

一方、水素の「製造」に関する技術も展示されていました。

旭化成(ブース:W11-46)は、水素製造用の大型アルカリ水電解システム「Aqualyzer」を展示。2025年の実用化を目指して本気度の高い取り組みを進めています。

実用化におけるハードルとして、太陽光・風力発電など再生可能エネルギーの供給に関する制限があるようです。クリーンな発電設備が増えれば、水素製造の普及も進みそうです。

KOBELCO(神戸製鋼、ブース:W8-48)は再生可能エネルギー由来の水素を利用した水素ステーションのシステムを展示。

以下の弊社コラムで紹介しましたが、神戸製鋼はCAES(圧縮空気エネルギー貯蔵)を使った蓄電システムにも取り組んでおり、クリーンエネルギーに関する幅広い技術を手がけています。
【図解】CAES(圧縮空気エネルギー貯蔵)とは? ~神戸製鋼や中国科学院の最新技術を解説

②サーキュラーエコノミー関連 ~アドバンテック脱炭素まちづくり、丸紅トレーサビリティ管理など先進事例

真空配管など半導体分野の部品を手がけるメーカーのアドバンテック(ブース:E57-71)は、脱炭素のまちづくりに関する仕組みと技術を展示。企業が先進的なまちづくりをリードする取り組みとして興味深かったです。

エプソン(ブース:E54-9)はオフィス用紙のリサイクルシステムを展示。紙を繊維状にほぐして再度紙にするので、少量の水で紙を再生できるようです。技術的には、紙以外にもいろいろと用途がありそうです。

兵新装備(ブース:E22-2)は、食品廃棄物などの破砕と移送に使われるモーノポンプを展示。製造設備をリサイクル用途に使う事例も増えているようです。

ヤンマーとパナソニックの共同ブース(E56-1E57-1)では、排熱を利用したエネルギー省力化の技術を展示。熱エネルギーの管理を最適化する技術も進化しています。

 

サーキュラーエコノミーの最先端となる技術を展示していたのが、丸紅のブース(E71-5)。丸紅はオランダのCircularise B.V.と提携し、トレーサビリティ管理プラットフォームの実証実験を進めています(2021年2月のリリース参照)。

樹脂などの材料は製造工程だけでなくリサイクル履歴も含めて管理が求められる時代になっており、設計段階からバリューチェーン全体を考えることが重要ですね。

 

③太陽光・風力発電関連 ~AGC発電ガラス、NEC検査システムなど多様なメーカーが活躍

太陽光パネル洗浄も、ロボットによる自動化が進んでいます。

AGC(ブース:E58-12)は太陽光パネルを内蔵した板ガラスを展示。

渋谷潜水工業のブース(W20-74)では、洋上風力発電設備の構造が分かりやすく展示されていました。

NEC(ブース:W19-81)は送電ケーブル内の光ファイバーにパルス光を送ることで長距離の検査を可能にする技術を展示。一般的な送電ケーブルに内蔵された光ファイバーが使えるので、ケーブルを加工せずに検査ができるようです。

古河電工(ブース:W17-49)は地中送電用の保護管を展示。新型の保護管は垂直性と軽量性の両立を実現できるようです。

中国バッテリー大手のCATL(ブース:E48-8)も、再生可能エネルギーを使った蓄電システムを展示。

中国メーカーでは、Huawei(華為技術、ブース:E11-45)も住宅用蓄電システムを展示していました。スマートフォンのイメージが強い企業ですが、EV関連の事業も拡大しています。

2024年1月の日経モビリティによると、スマートフォン大手のシャオミも世界5位以内の自動車メーカーになる目標を掲げており、中国のEV市場競争も激化しているようです。

 

④電動モビリティ向けバッテリー関連 ~日本電子・レーザーテックなど半導体業界のトップ企業も活躍

ホンダのバッテリー関連のブース(E36-52)では、電動スクーターとバッテリーパックが展示されていました。

冨士色素の社内ベンチャーGSアライアンス(Green Science Alliance, ブース:E41-51)は酸化物系の固体電解質など材料を展示。トヨタ固体電池が話題になり、引き合いは増えてるようです

3Dシミュレーションモデルで有名なダッソー・システムズ(DASSAULT SYSTEMS K.K.、ブース:E31-51)は、バッテリーのシミュレーションに関するシステムを展示。

 

三井化学分析センター(ブース:E30-37)は電池の分析について幅広く対応。

電池関連で特に興味深かったのが、半導体製造・検査分野で有名な日本電子(JEOL)とレーザーテックの展示でした。

 

半導体マスクのビーム描画で有名な日本電子(JEOL、ブース:E30-43)は、電池の断面加工・解析のシステムを展示。コンタミ無しで切断できるので、汎用性が高い技術ですね。

半導体マスクの検査、特にEUV露光用のマスク(レチクル)の検査で独占的なポジションを持つレーザーテック(ブース:E28-37)は、電池断面の解析システムを展示。

個人的な印象ですが、日本電子やレーザーテックの技術はバイオ・医療分野でもニッチな用途で活躍しそうで、ワクワクしました。既存技術の強みを生かしてさらに活躍の幅を広げることが期待されますね。

日本電子のマルチビーム描画システムについては、以下の弊社コラムでも解説しています。
マルチビーム描画装置とは? 日本電子と提携したIMS、東芝傘下のニューフレアなどメーカーの最新動向を解説

 

レポートは以上となります。
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畑田 康司

畑田康司

TechnoProducer株式会社シニアリサーチャー
大阪大学大学院工学研究科 招へい教員
半導体装置の設備エンジニアとして台湾駐在、米国企業との共同開発などを経験した後、スタートアップでの事業開発を経て現職。個人発明家として「未解決の社会課題を解決する発明」を創出し、実用化・事業化する活動にも取り組んでおり、企業のアイデアコンテストでの受賞経験あり。その経験を会社の仕事にも活かし、「起業家向け発明塾」では起業に向けた発明の創出と実用化・事業化を支援している。

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