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知識創造理論必読の本3つ

【知識創造理論を学ぶ】必読本3つとその要約

2021.2.10

知識創造理論は、一橋大学教授の野中郁次郎氏によって提唱された理論で、1996年に出版(※)された竹内弘高氏との共著『知識創造企業』は、米国出版社協会によりビジネス・経営書の「ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、国内外で高い評価を受けています。2020年12月に『知識創造企業』のリニューアル版が出版され、再び話題を集めています。

知識創造理論とは?基礎から実践までわかりやすく解説!の記事では知識創造理論の基礎となる概念や事例を紹介しましたが、本記事では前述の『知識創造企業』をはじめ、知識創造理論の理解に必須となる書籍3冊について、要点を解説します。

※英語版の『The Knowledge-Creating Company: How Japanese Companies Create the Dynamics of Innovation(Oxford University Press)』は1995年に出版

知識創造企業(新装版)(野中郁次郎 竹内弘高, 2020, 東洋経済新報社)

イノベーションで成功する企業の本質

先述の通り、知識創造理論を世に知らしめた書籍が『知識創造企業』であり、本書はその新装版です。企業における知識創造として「イノベーション」に着目し、イノベーション創出に成功した企業の中で何が起きていたのか、を分析しています。

「知識」を「暗黙知」と「形式知」の二種類に分類して考えることが知識創造理論の特徴です。暗黙知には、「洞察」や「直観」のように言語化しにくい知識が含まれており、それらを意識的に扱うことで、イノベーションのような複雑な知識創造プロセスの本質を解き明かしています。

SECIモデルの提唱

本書では、イノベーションの創出に共通したプロセスのモデルとして、「SECIモデル」を提唱しており、松下電工におけるホームベーカーリーの開発などの事例を元に、そのプロセスを解説しています。

また、後半ではキヤノン、GE、シャープ、花王など様々な企業における知識創造の事例を紹介し、理論の裏付けとなる知見を紹介しています。企業経営の普遍的なモデルを創り出すことが本書の目的の一つとなっており、イノベーションの起きる組織を構築したい経営層の方には参考になると思います。

 

ワイズカンパニー(野中郁次郎 竹内弘高, 2020, 東洋経済新報社)

持続的なイノベーションの原動力

前出の『知識創造企業』の続編として2020年に出版された書籍です。タイトルの「ワイズカンパニー」とは、「変化し続ける最前線において、何を正当・善とするかを見極め、実践できる実践知を持ったリーダー(ワイズリーダー)に率いられる企業」といった意味で使われています。

本書では、イノベーションを繰り返し起こす原動力が実践知(フロネシス)であるとしています。実践知を持つリーダーが先導して知識創造を進める企業において持続的なイノベーションが起こることを、事例を交えながら解説しています。

SECIスパイラルという新たなモデル

前著で提唱されたSECIモデルは、知識創造の「サイクル」として説明されていましたが、本書では知識創造のプロセスがらせん階段を登るように進むSECIスパイラルモデルを提唱しています。

知識の創造と実践をくり返すことで、その影響が社会に広がり、持続的なイノベーションと企業の成長が進む様子を、エーザイなどの企業を例に解説しています。後半では、スパイラルの上昇プロセスで成長を遂げた企業の事例を多数紹介しており、不透明な時代に適切な判断を行い、継続的に成長するためのヒントが詰まっています。

 

暗黙知の次元(マイケル・ポランニー , 2003, 筑摩書房)

暗黙知という概念の提唱

本書は、1966年に出版された”The tacit dimension” の邦訳で、著者のポランニーは「暗黙知」という概念を提唱したことで広く知られています。知識創造理論の構築においてポランニーの理論が大きな役割を果たしており、前記の2冊でもポランニーの考えが解説されています。

ポランニーは、人間の知を考える際に「私たちは言葉にできるよりも多くのことを知ることができる」ことを前提とし、言葉や数字で表現できない暗黙知の中身を詳しく論じています。

暗黙知は実践により理解される

前出の『ワイズカンパニー』でも実践の重要性が強調されていましたが、本書でも「理論を真に知るための鍵は、それを実践する私たちの能力の内にある」と書かれており、実践を通じて暗黙知の理解が進むことが示されています。

また、新しい価値の創造は暗黙のうちに生まれ、実践を通じてその価値が明確になっていくことも示されています。少し難解ですが、知識創造理論の背景となる暗黙知についてより深く考え、実践する上で押さえておきたい書籍です。

 

知識創造理論を活用してイノベーションを生む

実践を進める中で明らかになる、というのがこれらの書籍を通じてえがかれた知識創造の特徴です。そう書くと理論は不要ではないか?という疑問が湧きますが、知識創造理論の解説記事でも解説したように、理論を知ることは、イノベーションなど知識創造のプロセスの把握と改善につながります。

また、弊社のITツールe発明塾実働支援サービスの「企業内発明塾」では、新規事業創出の支援と言う形で知識創造の実践をサポートさせて頂いております。ご興味がある方は、資料ダウンロードページにて紹介資料を無償提供しております。サービス紹介以外にも、知識創造に関する優れた戦略で成功した企業の調査レポートもダウンロードページにて提供しておりますので、ぜひご活用ください。


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