英語が読めなくても米国特許を検索する方法

英語が読めなくても米国特許を検索する方法

2021.3.10

日本の特許公報は読み慣れていても、米国特許など海外の特許公報はハードルが高いと感じている方も多いようです。ただ、自社の事業への影響の大きい特許が日本では出願されない場合もありますし、最新の出願動向を把握する上では、海外の特許公報を調査することは必須になります。

本記事では、無料ツールを使った手軽な米国特許の調査方法について、Google Patentsを使った方法を中心に解説します。英語が読めなくても調査を進められる、翻訳ツールを使った手法も解説するので、ぜひご活用ください。

 

Google Patentsで米国特許を検索する方法

米国特許の検索ツールにもいろいろありますが、Google Patentsは無料ツールの中で特に操作が簡単で、直観的に使えるのが特徴です。以下に利用方法を記載します。

Google Patents Advanced Searchを使う

 

まず、Google Patentsを使った検索方法について解説します。キーワードのみの簡易検索もできますが、Google Patents Advanced Searchを使うと、キーワードに加えて出願時期や企業、出願国などが指定できるので便利です。

 

例えば、「2020年以降に出願されたApple社の米国特許出願」について調べたい場合、次のように各項目を埋めていきます(図参照)。

・Date欄の項目を ”Filing”(出願日)に設定し、期間を2020-01-01以降にする
・Assignee欄にアップル社の英名 ”Apple Inc.” を入力
・Patent Office欄で”US”を選択
・Type欄で ”Patent” (特許) を選択

入力後、自動的に検索結果一覧が表示されます。

技術分野で絞り込む

Google Patentsで表示される上位のCPC分類

Google Patentsで表示される上位のCPC分類

 

検索結果一覧の中で、一部の内容のみを調べたい場合もあると思います。キーワードで絞り込む方法もありますが、どんな言葉が使われているか分からない場合は、技術分野で絞り込む方法が有効です。

Google Patentsの検索結果一覧を下の方にスクロールすると、最下部に ”Relative count of top 5 values” という項目があり、Asignee, Inventors, CPCsという3項目からCPCsを選ぶと、技術区分の上位5つが表示されます。例えば、G06Tという技術区分をクリックすると、イメージデータ処理関連の出願に絞り込んだ検索結果が表示され、VRデバイス等に関する特許出願が参照できます。

 

米国特許公報の読み方のコツ〜英語が苦手でも翻訳機能で読める

Google PatentsとChromeの翻訳機能を組み合わせる

ブラウザのChromeを使うと右クリックで日本語翻訳が使える

ブラウザのChromeを使うと右クリックで日本語翻訳が使える


米国特許はハードルが高いと感じる最大の理由は、英語で書かれていることだと思います。原文で読むのに時間がかかりすぎる場合は、翻訳機能を活用する方法もあります。

例えばGoogleの提供するブラウザであるChromeの翻訳機能を使うと、各国の言語を日本語に翻訳して読むことができます。ChromeでGoogle Patentsの特許公報ページを開き、右クリックで表示される項目から「日本語に翻訳」を選択すると、特許公報の日本語訳が表示されます。米国特許に限らず、中国特許など様々な言語の特許を調べたい際にも有用です。

最近ではGoogle翻訳の精度がかなり上がっており、「大枠の内容を理解する」という目的で使う分には問題ないレベルになっています。細部を正確に理解する際には原文を読むべきですが、特許の概要を理解する段階では翻訳機能を活用してもよいと思います。


日本の特許公報と米国特許公報は記載の順序が違う

Google PatentsのWebページでは図やクレームの配置が固定されているので、あまり気にしなくて良いですが、PDFなどで米国特許公報を読む際には、日本の特許公報との違いに注意が必要です。

日本の特許公報では要約の次に請求項、最後に図面が配置されていますが、米国特許公報は要約の次に図面、最後に請求項、という逆の順序になっています。予め順序を頭に入れておくと、例えば請求項を先に参照したい場合などに迷わなくてよいので、効率的に読めます。


Google Patentsに反映されない最新の米国特許を読む(USPTOの検索データベース等の活用)

Google Patentsは便利ですが、データベースは最新情報が反映されるまでに何週間かタイムラグがあり、最新情報を漏れなく入手するには別のツールを使う必要があります。

そんな時におすすめしたいのが、米国特許商標局(USPTO)が提供している無料データベースがPatent Fulltext Databaseです。

USPTOのPatent Fulltext Database

Patent Fulltext Databaseのトップページ。データベースが登録特許と公開特許に分かれている

Patent Fulltext Databaseのトップページ。データベースが登録特許と公開特許に分かれている

データベースが2つに分かれており、特許登録された公報のデータベースであるPatFTと、出願された公開特許公報のデータベースであるAppFTのどちらかを選択します。最新の出願を見る場合はAppFTを使うのが一般的です。

AppFTのAdvanced Search画面では、検索式のコードが参照できます。例えば「アップル社の、技術分類(CPC)がG06Tの出願」を調べたい場合 ”AN/APPLE-Inc AND G06T” という検索式を入れると結果一覧が表示されます。

試しに、2021年2月9日にAppFTで上記の検索を行ったところ、2021年2月4日に出願されたUS20210034885が最新の出願として表示されました。同日にGoogle Patentsで検索してもUS20210034885はヒットせず、最新の出願を調べる際はAppFTを使った方が良いことが確認できました。

USPTO以外が提供する海外特許検索ツール

上記のPatent Fulltext Databaseは最新の米国特許を調べる上では有用ですが、やや使いにくいのが難点です。海外特許の検索用ツールで、比較的使いやすいものを以下に紹介します。

世界知的所有権機関(WIPO)の提供する無料の特許情報検索サービスPATENTSCOPEは、国際出願の特許公報と、米国を含む52の国や地域(2018年5月1日現在)の特許文献をデータとして収録しています。検索方法はWIPOの資料でも解説されており、比較的簡単な操作で高度な検索式が作れます。

また、欧州特許庁が運営するデータベースのEspacenetでは、欧州・米国を含む90以上の国・地域の特許情報が収録されています。検索方法については、例えば特許庁資料「特許情報の利用」のp52に記載されています。

海外特許公報を読みこなして最先端の情報をつかもう

アップルのヘッドマウント型デバイスに関する出願の例(Google Patentsより)

アップルのヘッドマウント型デバイスに関する出願の例(Google Patentsより)

 

以上、Google Patentsを中心に、米国特許の調査方法について紹介しました。使い勝手のよいGoogle Patentsで予備調査を行い、詳細な調査は他のツールも組み合わせて行うと、効率的に調査が進められます。

海外企業は基本的に本国で最初の出願を行うので、最先端の情報をつかむには米国特許を含む海外特許情報を広く調査することが重要です。ニュースなど一般情報からは入手しにくい情報も、海外特許情報を見るとすんなり把握できる場合があります。

例えばCNET Japanのニュース記事でアップルがMRヘッドセットを開発中であるという噂が報じられていましたが、先述したGoogle Patentsのイメージデータ処理関連の検索結果を見ると、US20210011289A1などヘッドマウント型のデバイスに関する出願情報から具体的な手がかりを入手できます。

弊社の教材でも、米国特許を含む海外特許を積極的に調査することを推奨しています。調査方法についてはe発明塾「特許情報の検索と活用(初級)」で、海外の特許制度についてはe発明塾「特許基礎」でカバーしているので、ぜひご活用ください。

その他、弊社の教材に関する資料は資料ダウンロードページより無料でご提供しております。ご興味のある方はぜひご参照ください。

 

 

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