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研究者・技術者でも特許について学ぶべき理由3つ

2021.3.3

企業における研究開発は、「自社の事業収益につながる知識」を生み出し、製品化に向けて活用するプロセスと言えます。そんな研究開発の場においても、特許は優れた知識(アイデア)を世に出すための重要なツールとして活用されています。

しかし、論文とは異なり「読み方」から「活用法」までを学べる機会がないことから、「よくわからない」と敬遠されがちです。

そこで本記事では「そもそも特許を知ることが研究者・技術者にどのような価値をもたらすか」について解説します。

まず研究開発における特許スキルの意義を説明し、特許の情報源としての価値と、特許スキルの向上が組織と研究者・技術者にどのようなメリットをもたらすか、を順に説明します。

 

なぜ特許スキルが研究開発に必要なのか

特許の出願から登録までには、一般的に1件当たり100万円程度のコストがかかります。その企業が特許を出願するということは、「そのアイデアに資金を投じる」と判断されたということであり、企業の投資判断が出願の裏にあります。

よって、特許を出すスキルは、予算の取れるアイデアを継続的に生み出す能力と直結しており、企業の研究者・技術者が獲得すべき能力と言えます。また、評価は他のアイデアとの比較によって決まるので、研究者・技術者自身が既存の特許を読み、アイデアを理解した上で、自身のアイデアの価値を明示することが重要です。

もちろん特許が成果の全てではありませんが、特許になるアイデアを出す能力は、企業で求められる研究開発能力と直結していると言えます。

 

理由1:特許調査により研究開発の戦略と進捗が論文より早く正確にわかる

特許として権利が認められるためには他社より早くアイデアを出すことが必要であり、一般的に論文投稿より先に特許が出願されます。特に、優れた特許戦略を持つ企業ほど事業化前の構想段階で特許出願を進めており、それらの出願を読みこなせば、「どんな事業を目指しており、現時点でどこまで開発が進んでいるか」を推測することも可能です。

また、企業の成果は論文にならないケースが多いようで、例えば科学技術・学術政策研究所の科学技術指標2018を見ると2015~2017年の国内論文数は全分野で計6万3330件、特許出願件数はその4倍以上の26万1681件でした。特許の方が情報源として豊富であることが、数字にも表れています。

もちろん、科学的な知見を把握する上で論文は重要であり、特許よりも読み慣れている人も多いと思います。ただ、企業活動を把握するという観点では特許を読まない理由は無く、特許を読むことが他社の研究開発の現状を理解する近道であることは間違いありません。

 

理由2:特許スキルは研究開発の生産性向上につながる

上記のように、特許を読む能力を磨くことで他社の研究開発動向を押さえることができ、自社が取り組むべきテーマを絞り込むことができます。また、特許になるアイデアを出す能力を磨くことで、「自社の事業収益につながる知識」を効率よく出せます。つまり、研究開発の生産性が上がります。

また、特許が読めると、未知の分野にも具体的な情報を取得しながら切り込めるので、イノベーション創出において大きな力になります。

例えば、弊社メンバーが先日アップルウォッチの研究開発動向に関する記事を投稿しました。ウェアラブルデバイスの専門知識は無い状態から調査を進めましたが、特許から新たに得た知識を元に、アップルの戦略や開発動向を分析できました。

 

理由3:特許は研究者・技術者の実力を示す名刺代わりになる

前記の「研究開発の生産性向上」は企業に価値を提供しますが、特許を取得することは発明者である研究者・技術者にも大きな価値をもたらします。特許は研究者・技術者として社内的にも、対外的にも評価の対象となり、自身の実力を知ってもらう名刺代わりになります。

少し古いデータですが、2010年から2011年にかけて日米欧の特許発明者に対して行われた調査によると、経済価値の高い発明は昇進・キャリアアップにつながる傾向があることも示されています。自身のキャリアアップという観点からも、価値のある特許取得にトライしてみてはいかがでしょうか。

 

特許スキルを磨き、組織と個人を成長させる

ここまで、企業が投資すべきと判断したアイデアが出願される特許であり、事業の方向性と開発状況を読み解く情報源としても論文以上の価値があること、特許活用が組織の生産性を上げ、個人にも利益をもたらすことを解説しました。特許に関心がなかった方も多いかもしれませんが、所属組織と自身を成長させる手段として、特許スキルを磨くきっかけになれば幸いです。

弊社の事業も、特許に全く関心のなかった研究者・技術者が、事業存続の危機に陥ってから初めてその価値に気づき、特許情報活用により危機を乗り越えた経験がベースになっています。”技術者に知ってほしい「知財・特許で得する」こと”セミナーでは、それらの経験談も交えつつ、特許を知るメリットについて解説しています。

具体的な特許スキルとして、特許を読む力を磨きたい方にはe発明塾「本質から学ぶ特許概論」を、特許を出す力を磨きたい方にはe発明塾「発明提案書のための発明の把握法」をお勧めします。いずれも単なる視聴型のeラーニングではなく、具体的なアウトプットを出すための書き込み式ワークシートも提供しており、実践形式で取り組んで頂けます。

その他、弊社の教材に関する資料は資料ダウンロードページより無料でご提供しております。ご興味のある方はぜひご参照ください。

 

★本記事と関連した弊社サービス資料

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★本記事と関連した弊社サービス

e発明塾_本質から学ぶ特許概論

 

★書籍出版のお知らせ

弊社初となる書籍『新規事業を量産する知財戦略』を出版しました!新規事業や知財戦略の考え方と、実際に特許になる発明がどう生まれるかを詳しく解説しています。

『新規事業を量産する知財戦略』書籍画像

※KindleはPCやスマートフォンでも閲覧可能です。ツールをお持ちでない方は以下、ご参照ください。

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