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小林一三の鉄道ビジネスは、現代の知財戦略そのもの

僕は京都出身なので、あずき色の阪急電車によく乗っていました。その阪急電車の創業者といえば小林一三ですね。彼の伝記は今でもたまに読み見返します。破天荒だったらしくてめちゃくちゃな人なのですがとても面白い人ですし、僕が本当に凄い人だ!と尊敬している人の一人です。

 

小林一三は「乗客は電車が創造する」というビジネスモデルを打ち出し、 鉄道を引くことによって沿線の地域開発を促しました。

鉄道を引くといっても、もともと存在していた都市と都市を繋ぐように引いたのではなく、大阪の中心である梅田から誰も住んでいないような田舎に向かって鉄道を引いたんですよね。そして彼は沿線の土地も所有し、そこでデベロップして土地と住宅を分譲販売。住宅ローンも考案し導入しました。ローンというシステムによって多くの人が購入可能になるので「鉄道も通っているしここは便利だな」と人が住むようになるはず、と考えたんです。

それが見事に当たると次は、沿線のさらなる人口増加と鉄道乗客誘致に向けて、沿線上に動物園や宝塚などの娯楽施設も作ろう、ターミナルの駅には駅直結の百貨店を建設しよう、と考え、実際にそういうのを全部つくったんです。エコシステムづくりの最たるものだと思います。

東急電鉄の五島慶太も同様です。関東在住の方ならこちらの方が馴染み深いでしょう。阪急電鉄の経営手法を倣って関東で鉄道ビジネスを行ったのが五島慶太で、小林一三は東急電鉄の源流となる田園都市株式会社の経営に携わっていました。ですから阪急電鉄と東急電鉄はとても関係が深いんですね。ちなみに現在、一世紀の歴史を経て両社は2022年9月上旬までの予定で提携SDGsトレインを運行しています。

話を戻します。インフラなので当然といえば当然ですが、こうやって鉄道でも土地でも儲かるし、商業施設でも儲かる。そこに住む人が鉄道を起点にずっとお金を落としてくれるので、何重にも利益が上がるということを、この時代に分かっていたというのがすごいですよね。

結局、新しいビジネスを考えた時、インフラエコシステムをどうやって作っていくか、そのときにその障害のあるものを取り除いていったのが、鉄道を引くという活動(鉄道ビジネス)だったのではないかと思います。

 

実は、不動産や土地を購入するということは、知財の一つのアナロジー。鉄道ビジネスだけではなく、いろいろな新規事業に置き換えられるんです。将来発展しそうなところの土地をどうやって買うか、そこに道をどうやって作るか、どのようなエコシステムを作るか。それが今日の新規事業開発という仕事なのだと考えます。

僕のアナロジーでは、適切に開発したい人、リーズナブルにそこに住みたい人を招きこんでくるために「特許」という現代の鉄道を引いているのがクアルコムやマイクロソフトです。僕はそんなイメージを持っています。

知財はイノベーションのインフラです。そしてそれを整備するのが知財・特許戦略というわけです。今日では新規事業と特許は切り離すことができません。クアルコムの戦略については『e発明塾』『発明塾動画セミナー「クアルコムの知財戦略」』、当サイト内のテーマ別深掘りコラム「インテル・クアルコムのオープンクローズド戦略」などで詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

語り:楠浦 崇央(弊社代表)
構成:鈴木 素子

 

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