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ありきたりなアイデアでも、育てていくと発明になる

「発明塾ではなぜ次々に発明が生まれるのですか」
僕のところによくこの質問がきます。これについて、答えはたくさんあるのですが、一つだけ、生まれた発明すべてに共通して言えるのが「アイデアを育てている」からです。これは発明塾での原理原則です。

 

ここで、企業のリーダーや上司の方に伺いたいのですが、新製品や新規事業になるようなアイデアってそうそう簡単にはでてきませんよね。だから誰かが出してくれたアイデアって貴重なものですよね。でも、そのアイデアに対して「要するになんなの?」「これはダメだ」などと言って蓋をしてしまうことはありませんか? 心当たりがある…というなら、とてももったいないことです。だって最初のアイデアって往々にして未熟なものですから。

発明塾では、まず、出たアイデアは否定しないようにしています。最初の思いつきのようなアイデアでも発明過程の中で出てきたアイデアでもです。では、否定しないで具体的にどうやって進めていくのか、実際の発明創出事例でお話をしましょう。


以前、大学生が重金属に汚染された土壌を浄化するシステムの発明に取り組みました。その時、その学生さんは植物が専門だったこともあって、最初に「重金属を吸収する植物を用いたらどうだろうか、そんな植物の品種も創出してみたい」というアイデアを出してきたんです。

しかし、その時、僕はすでに先行研究が多く行われていることを知っていました。植物が水や養分を吸収する力を利用して、汚染物質を土壌から分離する技術はファイトレメディエーションと言って、一般的な技術です。
植物の専門ではない僕でも知り得る情報だったので、恐らく似たようなアイデアはたくさん見つかるだろうと感じていました。それでも「面白そうだけど、なかなか新しく入り込む余地はないかもしれないから、それはやめましょう」と簡単に却下せずに、まずは彼の着眼点を生かそうと考えるんです。
そして、そのアイデアを踏み台にして一度一気に具現化していきます。いきなりディープなところまで入ってみて、そこで課題と解決手段を掘り起こしてみるんです。

この発明の場合では、具現化の一つに「汚染物質を広く吸収するために、根を深く張る植物を改良してはどうか」と、次の具体的なアイデアを思いつきますが、「それだと、多くを吸収してくれるかもしれないけれど、回収が大変だよね、どうやって回収する?」と、吸収しやするくすると回収困難になる、というトレードオフ(矛盾)になっていることに気がついたりと、新たなより深い課題にたどり着いていきました。

このように、一つ一つ具現化していくことで、解決方法が見つかってきますし、課題と解決方法を書き出していくと、アイデアの裏にある設計思想を言語化することができます。そしてこれを繰り返して明確になってくると、発明の方向性が見えてきます。

この時は、結局、発明の理想状態に近づくには必ずしも植物に拘る必要はない、ということが分かって、そこからすぐに解決に向かいました。結果としては、植物から始まったアイデアは、電気泳動技術で浄化するシステムの発明になったんです。


発明塾では、ありきたりなアイデアでも育てていくので、最終的に最初のアイデアと全然違う分野の発明になることもよくあります。課題を解決する方法がわかれば、専門分野じゃなくても発明は可能なんです。最初のアイディアを捨ててしまうと、一から考え直さなければいけません。
ちなみに、始める前に「課題はなんなのか」とブレークダウンを始める人もいますがそれもよくありません、それだと最初からかなりの専門的な知識が必要になって、時間がいくらあっても足りず、アイデアを出すというスタートにもなかなか辿り着けません。特に限られた時間の中で発明を出すにはこの2つのことは重要です。


これは、僕自身の経験やこれまでの発明塾での経験から確立した発明法で、発明塾の大きな特徴の一つです。この発明創出のプロセスなどもっと詳しく知りたい方は、弊社書籍
『新規事業を量産する知財戦略』、または動画セミナー「発明塾事例紹介セミナー」をご覧ください。

語り:楠浦崇央(弊社代表)
構成:鈴木素子



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