新規事業や発明を行う際、特許や論文、世界各国のニュースなどから課題を探したり、最先端の情報を見つけたりと、とにかく情報収集・分析は終始ついて回ると思います。
発明塾では、いわゆる発明創出の課程において特に「これは発明のきっかけに繋がる!」という重要な情報のこと「エッジ情報®」と言っていて、(当コラム キーワード①エッジ情報®もご参照)、僕はセミナーなどでよく、このエッジ情報®探しが重要で、特に未知の分野で発明を進める時には有効だ、と話をしています。
そんな発明プロセスで重要となるエッジ情報®探しですが、ただ、誤解がないように言っておくと、まずエッジ情報®を見つけ、見つかってから発明を考えるんだ、とか、エッジ情報®を必死で見つけて、見つけたら発明が自動的に生まれるということではありません。エッジ情報®というのは、渡り歩いて、渡り歩いていくもので、本当のエッジ情報®は、プロセスの最後の方にならないと出てこないんですね。なぜなら、最初は知識が深まっていないので調べきれないからです。
そこで、今回は特に初期から中期のフェーズにおいてエッジ情報®探索作業における2つのポイントを簡単にお話します。
発明塾では、発明の取り組みはだいだいグループで行いますが、例えば最初の段階で一斉に「お題」に沿って面白い情報を拾っていく作業をする際、調べる時間は10~15分程度。一旦そこで切ります。4人で行ったとして1人15分調べたらトータルで1時間分ですから、もうそれだけで膨大な情報が見つかってきます。
逆にそれ以上調べると、情報を全部読み込んで理解するのに数日かかるでしょう。読めないくらいの情報を集めてもムダですし、仮になんとか全部読めたとしても、大半の人はそんな膨大な情報は頭で処理できず、かえって結論が出せなくなるんです。「調べすぎの罠」ですね。
ですので一つ目のポイントは、時間を決めてサクッと調査したら一旦止め、できるだけその日のうちに読み終わることです。そして検出した情報を一度構造化して、本当の論点になりそうなところはどこか、どんな技術があり、どんな課題が指摘されているか、求められることはなにか、を明らかにしてみてください。
発明作業は、調査、検討、仮説を立てる、の繰り返しですから、フェーズを分けて明確にしていく。限られた時間の中でサイクルを早く回す上でも大事なことだと考えます。
2つ目のポイントは「仮説を立てて検索する」です。アイデアと実際の課題の間に何か結び付けられる接点がないかを探っているような段階の時には、まだ具体的な文言で検索ができず、思いついたワードを並べて検索したりしますよね。もちろんこのフェーズではそうするしかないのですが、塾生さんを見ていると、ワード検索をしてもなかなか欲しい情報が見つからない、ということがよく起こります。みなさんの中に経験のある方もいるのではないでしょうか。
その原因の多くは、恐らく単に言葉選びが下手とかではなく、仮説を立てていないことにあると思います。
こういう技術があるなら、こういうことやっている人や文献があるはず、未来はこうなっているはず、そう考え仮説に基づいて検索すると、ドンピシャなものが見つかってきます。発明塾ではこのことを「仮説検索」と呼称しています。
文献は英語の方が圧倒的に多いので、検索ワードは英語にしてみてください。
仮説を立ててキーワードをプランニングする。そして見つかった情報からさらに、ここまではあるのか、ではこの先どうだろう。例えばこういうのもあるか、もっとこういうことをやっている人がいるんじゃないか、とギリギリのとこまでしかけていく。そうやっていくとその時点のエッジ情報®が見つかるはずです。
エッジ情報®探しについては、発明塾®動画セミナー「エッジ情報®探索」とその活用や「エッジ情報®」探索に必要な考え方を紹介する7日間無料メール講座「新しいコトを興す」ための情報探索術 、深掘りコラム「特許を取れるネタの探し方~先行技術を調べて巨人の肩の上に立つ~」でも詳しく学べますので、ぜひそちらもご覧ください。
語り:楠浦崇央(弊社代表)
構成:鈴木素子
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