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特許は新規事業アイデアの宝庫、技術者ほど読むべき情報源

特許に書かれてあるのは「技術情報」「人と組織の情報」「権利情報」

「特許情報分析からアイデアが生まれますので、技術者のみなさん、ぜひ特許情報を毎日読んでくださいね」と、僕はいつも言っています。
発明や新規事業のネタ探しで、僕が最も有効な情報源だと思うのが特許情報です。例えば、特許にはまだカタチになっていないアイデアが書かれていたりするので、それを元にもっといいアイデアを思いつくことができたり、新たな課題を見つけられる。ほかにも、技術開発や事業の「本気度」の調査など特許情報は使い方次第でいろいろなことが可能となる宝の山です。特許情報分析は、発明塾®独自の発明法の一つになっています。

ただ、特許って少々読みにくいですよね。技術者でちゃんと読みこなして活用している人はまだまだ少数だと感じています。でも、だからこそチャンスです!と言いたい。あまり人が読まない情報源を使うのは他社を出し抜くための定石ですから読まない手はありませんよね。

では、改めて質問です。特許情報には何が書かれているでしょうか?
答えはズバリ3つ、「技術情報」と「人と組織の情報」と「権利情報」です。
特許には、発明の内容が書かれていますので、「技術情報」なんだということは、多くの方が理解されているでしょう。また、どの範囲について排他権があるか、どの範囲について権利が欲しいかなど、特許発明の技術的範囲などが書かれた「権利情報」だというのも分かると思います。そしてもう一つが「人と組織」の情報です。発明をした人や共同発明者の名前、特許を出した企業の名前が書かれています。

                特許には3つの情報が載っている
図:特許情報は「技術情報」「人と組織の情報」「権利情報」の3つ

特許が読みにくいのは、権利になるよう「翻訳」されているから

こう説明すると簡単に読めそうな感じですが、読みにくいのは、やはり法律文書という側面があるからでしょう。例えば、言い回しが微妙に堅苦しかったりします。加えてもう一つ、多くの人がなんとなく特許って分かりにくいなあ、と思う大きな理由があるんです。

実は、特許のほとんどは、思いついたアイデアをそのまま説明したものではなく、取りたい権利になるように翻訳したものなんですね。だから特許をそのまま読んでもわからないんです。

「発明」は多くの場合、次のような作業を経て「特許」に翻訳され、生まれ変わります。まず、技術者や開発者が、思いついたアイデアを書いた発明提案書を出します。受け取った知財部では、例えば「技術者はこれが課題だと言ってるけど、別の課題を設定し直した方が、権利は取りやすいかもしれないですね」というような議論をします。そういう議論を通じて、全然違う「特許用の発明」に生まれ変わることがよくあります。多くの場合、この「生まれ変わった発明」が特許出願されています。だから、情報の字面だけを読んでもあまり意味がないというか、かえって混乱したり、ミスリードになる場合があります。これを知らないと特許は読めません。ということで、いわば「逆翻訳」して元の発明を推定することが必要になってきます。

 

3つの情報と「知財戦略」を組み合わせて、読むべき特許を効率よく見つけよう

いずれにせよ、「技術情報」「人と組織の情報」「権利情報」の3つの側面を同時に意識して特許を読むのはとても大変です。特に技術者は、権利情報として特許を読むのに慣れておらず、敬遠しがちでしょう。しかし、権利情報としての側面をうまく利用すると、読むべき特許を効率良く見つけだし、新規事業のアイデアに繋がるネタに辿り着けるようになります。
例えば、ある特許を出した後、それをさらに小分けにして別の特許として出す分割出願という特許の出し方を多用していたら、その企業が本気で特許を権利化したいと思っている証拠ではないかな、これは読むべきだな、という具合です。これは「知財戦略」ですので、知財戦略を理解していると特許が読みやすくなる、とも言えますね。

知財初心者の方向けの特許の特徴や読み方などは、また当コラムでご紹介していきたいと思います。もっと詳しく学びたい方は、弊社のe発明塾®動画セミナー技術者に知ってほしい『知財・特許で得する』ことや、深掘りコラム「研究者・技術者でも特許について学ぶべき理由3つ」などもぜひご覧ください。

語り:楠浦崇央(弊社代表)
構成:鈴木素子

 

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