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新規事業の意義と動機~担当者・部門・企業・社会の「幸福」を経営するチャンス!

TechnoProducer株式会社 CEO/発明塾 塾長の楠浦(くすうら)です。
今日は、新規事業とはズバリ「幸せ」を経営することであり、個人・企業・社会の幸せを実現できるチャンスだ、というお話をします。

これは、弊社TechnoProducer株式会社の新規事業創出支援サービス「企業内発明塾®」で、いつもお話していることです。企業内発明塾で用いている教材には、「オモロい」「ワクワク」といった言葉が良く出てくるんですね。もちろん、つまらないよりはオモロい方がいいですし、ワクワクするほうがいいに決まっているのですが、話はそこで終わりません。実はその根底には、関係者全員の「幸せ」「幸福」を実現するために新規事業をやりたいですね、という僕の企業経営の哲学があります。まぁ要するに「新規事業でもっと皆さん幸せになりましょう/しましょう!」ということなんです。

先日、企業内発明塾に参加を希望される方から、「どういう新規事業が良い新規事業なのか」と質問され、ここに書いたお話をしました。よい機会なので、こちらのコラムでも紹介することにします。
是非、最後まで読んでくださいね。

新規事業の意義とは?~企業と社会の「幸福経営」を目指す

新規事業において、僕が最も重視しているのが、「幸せ」「幸福」というワードです。実際、企業内発明塾で用いている教材の中に、「企業経営、事業運営とは、全員を幸せにするためのものです」というメッセージを入れています。ここで、全員とは、担当者はもちろんですが、その企業に属するすべての人と、社会全体を指します。

企業内発明塾に参加された方からは、僕のこの考え方について、以下のようなコメントをいただいています。

「(前略)仕事の場合は、お客様の喜びが一番、それが積み重なって社会が変わる。そんな醍醐味の中で、お金をいただける。これが理想です。」

僕は、新規事業とは「まだ解決されていない顧客課題の解決」を通じて、バリューチェーン全体の課題や社会課題を解決していくことだと考えています。仮に、ある顧客の課題が解決されても、その分、バリューチェーン上の他の関係者の課題や社会課題が増えてしまうのであれば、「モグラたたき」状態ですよね。

顧客は、ものすごく困っていたのだけれど、これまで誰も解決してくれなかった、いや、できなかった課題を解決してくれることに対して、喜んで対価を払うでしょう。それは、企業の利益になり、担当者はもちろん、従業員すべてが幸せになるための原資になります。

まだ誰も解決していない、いや、既存の事業では解決できない課題を解決する。それが新規事業で、自ずとそれは、企業と社会をより幸福にするものになるわけです。僕は、新規事業こそが、担当者・企業・社会の全員を幸せにするために最も重要であり、いわゆる「幸福経営」の一丁目一番地なんじゃないのかなぁ、と考えています。

新規事業と「強み」の関係は?~「強み」を活かし全員を幸せに

僕が、企業内発明塾で新規事業の創出を支援する際、最も重視している考え方の一つに「強みを活かす」があります。例えば「課題解決思考(1)」というテキストがあって、そこでは「コア技術」を強みにして新製品や新規事業を考える手法を、演習形式で紹介しています。でも別に、強みは技術でなくても構わないんです。それぞれの企業が、今まで生き残っているのには、何か理由があるはずです。そこに他者には(あまり)ない「強み」があるわけですね。もちろん、その強みがどの業界でも通用するわけではありません。でも逆に、いくつかの製品や事業をやっていれば、強みは一つや二つではないわけです。

「いやー、うちには何のとりえもないんですわ、ただ顧客密着だけが強みなんです」ということであれば、「顧客密着」度合いが活かせる新天地を見つけてもいいわけです。まぁ、そういう企業は、実は顧客情報管理やデータ分析、営業の手法なんかに実際には強みがあるんでしょうね。例えば最近では、キーエンスという顧客密着で有名なセンサーの会社が「データ分析」の新規事業を始めています。これは「顧客密着」という強みを深堀していくと、データ分析にたどり着いた、という例ですね。非常に面白い例で、僕はこの新規事業の今後に大変注目しています。

強みを活かすことは、競争を避けることにつながります。これは、自社にとってはもちろんですが、他者にとってもよいことですね。村田製作所の創業者が、父親に「他人の仕事を取るようなことは、絶対にしてはダメだ」と言われたという話は有名です。他人の仕事を取ってはいけない。そうではなくて、同業者を含む全員が幸せになるような事業を目指すべきだ、というのが、村田製作所の創業者の父親の教えだったわけです。素晴らしいですね。

強みを活かすことは、競争を避けることだけでなく、顧客満足にもつながります。なぜなら、「(顧客も含む)他者には解決できない課題」を解決できるからです。「あー、それ、今まで誰も解決してくれなかった課題なんです、他の皆さんは、それは絶対に解決できないんだとおっしゃってたんです、よく解決してくださいました、ありがとうございます」ということで、顧客にも大変喜ばれますよね。これが積み重なると、広く社会の課題が解決されていく。社会全体が、どんどん幸せになりますよね。

強みを活かす新規事業は、全員を幸せにする事業を経営することにつながります。まさに「幸福経営」への第一歩、一丁目一番地ですね。

新規事業の動機は?~個人、または技術者としての「幸せ」

個人として、新規事業に取り組むメリットというか、動機としてどのようなものがあるか、という質問は、よくいただきます。新規事業に取り組むのは、やはりそれなりに大変だと皆さん考えておられるんでしょうね。実際、それなりに大変な部分もありますので、何らかのメリットやそれなりの動機がないと、「新規事業を提案してみようかな?」とは、ならないのかもしれません。

一般論としてのメリットや、あり得る動機について、一応軽く紹介したうえで、僕がどういう動機で新規事業に(次々と)取り組んできたか、をお話しますね。まず一般的によく言われることとして、新規事業やその提案に取り組むと「ビジネスパーソンとして大きくスキルアップできる」ことが挙げられます。やはりこれが一番大きいんでしょうね。提案に取り組むだけでも、だいぶ違いますね。企業内発明塾参加者のお声にも「ビジネスマンとしてレベルアップできた」というものもあります。もちろん、結果を出すことで評価も高まり、昇進できるとか、さらなるメリットはいろいろ考えられます。他には、単純に「新しいことに取り組むのが好き」という方も居られます。今までと同じようにやってればよいんだよ、と言われてもそれではつまらない、なんか新しいことやりたいよね、という感じですね。

僕の個人的な動機についても、お話ししておきましょう。そもそも僕は技術屋なので、「技術屋として新規事業に取り組むモチベーションって何ですか?」という質問も結構多いですね。技術屋は技術のことやってればいいんじゃない?とか、技術開発や研究が楽しいから技術屋や研究者やってます、みたいな感じですね。
技術屋の仕事は、「その技術 ”でしか解決できない” 課題の解決」だと、僕は思っています。これがまず一つ、僕にとって一番大事なことです。他と競争しない、というお話ですね。そして、ここでいう「課題」は実は、僕にとっては「顧客課題」「社会課題」なんですね。どんなにいい技術でも「世の中に出なければ、まったく意味がない」と僕は考えているんですね。残念ながら、事業の世界に「努力賞」はありません。世に出なければ、社会にとって、顧客にとって、価値はゼロだというのが僕の感覚です。

さらに言うと、製品や事業にして世に出した上で「(それなりに)儲からないとダメだ」とも考えています。事業とは、「顧客の不の解消」を通じた「社会の不の解消」(「顧客課題の解決」を通じた「社会課題の解決」)であり、その結果の総和で価値が測られる、と僕は考えています。でも、それらを直接測定するのは難しいので、仕方なく「売り上げ」「利益」あるいは「企業価値(時価総額)」などの代替指標で測っているわけです。売れて、儲かって、投資家にも評価されて株価が上がっていったりすることが、あくまで(精度の低い)「代替指標」だけど、顧客課題の解決を通じた社会課題の解決の「進捗の指標」だ、と僕は考えているわけですね。
自分が担当した新製品や新規事業がメチャクチャ儲かって、周りの皆も給料が上がって、さらに会社の株価も上がる。そこに、自分の開発した技術や工夫があって、それは他者にはできないことだった。こういうのが、僕が技術屋として新規事業や新製品を担当するモチベーションになっていました。

「技術として面白い」「難しい技術開発だからやりがいがある」とかでは無かったんですね。もちろん、そういうチャレンジも面白いとは思うのですが、どちらかというと「世に出るか」「誰かを幸せにできるか」ということの方に、より興味があったわけです。この辺は、人によると思うので、押し付けるつもりはありません。僕はそうでしたよ、というだけの話です。結果として、ビジネスパーソンとしてのスキルも上がったとは思うのですが、それも手段でしかない感じです。「もっと経営に詳しくならないと、いい技術があっても、いい製品や事業はできないぞ」という感じですね。今でも、まだまだ足りないなと思います。もっといい製品や事業を世に出していきたいですね。こういうのに終わりはないんです。ひょっとしたら、終わりのないことが好きなのかもしれませんね(笑)。

全員を幸せにする新規事業の心得とは?~幸福経営の実現を

最後に、新規事業と企業経営について、楠浦がいつも考えていること、そして「これが発明塾と TechnoProducer の使命なんじゃないの?」と僕が考えていることを、ここまでのまとめを兼ねてお話しますね。

僕たちの使命は、皆さん一人一人、あるいは、皆さんの会社一つ一つが、他に類を見ない独自の技術や独自の経営資源を駆使して、他者や他社が放置せざるを得ないがゆえに、未だ多くの人が苦しんでいる根深い課題を、皆さんと一緒に創造的に解決することなんですね。他者には解決できないわけですから、その取り組みに競争は存在しません。また、独自の技術や経営資源などの「強み」を活かすことで、すべての人が個性を生かして幸福を追求できる世界が実現できますね。そしてこれは、真に多様で創造的な個人、事業、企業を次々に生み出すことにつながります。

新規事業と課題解決において、企業や事業の規模で優劣はありません。大小様々な未解決の課題が世の中にまだまだ存在していますよね? それらの課題をすべて解決するためには、大小さまざまな事業と企業が必要ではないでしょうか? これらの事業や企業は、課題に応じて適切な規模を持つことが重要であり、また足りない資源を補うために互いに協力し合うことで、持続的に社会を良くできる、と僕は考えています。

発明塾に参加する皆さんには「発明塾」の一部として、ぜひこの使命を共有し、実現に向けて協力していただきたいんです。これは僕からのお願いですね。そして、僕たちはすべての人が幸せになれるよう努力し、社会全体の繁栄に貢献したいんです。これが、発明塾とTechnoProducer株式会社の使命なんですね。
皆さんもぜひ、自分も仲間も、そして、顧客も社会も幸せにするような新規事業を、考えてみませんか?これからの時代の経営者とは、そういうことを毎日毎日考える人なんだろうな、と思うんです。だから、経営者になりたい!という方もぜひ、「企業内発明塾®」に参加いただきたいですね。

ご感想などは、ぜひお問い合わせフォームから、お寄せください。

楠浦 拝

 

 

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