「発明塾」塾長の楠浦です。
本日は、新規事業・研究開発テーマ・知財戦略の検討を支援する「楠浦さんAI」についてご紹介します。
あわせて、「新規事業のアイデア創出に、AIをどう活用すればよいのか」についても、考えてみたいと思います。
新規事業の検討に、生成AIを使う方が増えていますよね。
これは、もう止められない流れでしょう。
市場調査、競合整理、顧客課題の仮説化、アイデア発散、企画書の作成。
こうした作業については、AIがかなり使えるようになってきました。
実際、2026年に公表されたKleinert & Urbigの研究では、171件の新規事業ピッチを用いてLLMによる評価を検証し、資金調達結果との対応などにおいて、LLMが一定の評価能力を示したと報告されています。
Kleinert, S. & Urbig, D. (2026), "Startup Evaluations with Generative Artificial Intelligence"
https://doi.org/10.1177/10422587261430320
一方で、
「では、新規事業検討をAIに任せればよいのか?」
というと、話はそれほど単純ではなさそうです。
興味深い研究があります。
2026年に公表されたCheng & Gaoの研究では、Product Huntに投稿された約29万件の製品ローンチを分析しています。
その結果、ChatGPT登場後、製品アイデアが一般的なカテゴリーへ集中する傾向が強まり、「特徴的なローンチ」(独自性の高い製品)の割合が25%から16%へ低下したと報告されています。もちろん、これは観察研究であり、すべてを生成AIの因果効果と断定することはできません。
しかし少なくとも、
「AIを使えば、自動的に尖った新規事業が生まれる」
とは考えない方がよさそうです。
Cheng, Z. & Gao, K. (2026), "Does Generative AI Make Startup Ideas Alike? Evidence from Product Hunt"
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=7151418
私自身も、ここは新規事業でAIを使う際の重要なポイントだと考えています。
たとえば、
「○○業界の新規事業アイデアを10個考えて」
と多くの人が同じように質問すれば、当然ながら似た情報をもとに、似た答えへ近づく可能性があります。
言い換えれば、
AIは調査を100倍速くしてくれても、調べる方向が凡庸なら、「凡庸な方向を100倍速く調べる」
ことにもなり得る。
そこで重要になるのが、
「何を見るのか」
「どの情報を重視するのか」
「どこに違和感を持つのか」
「自社だからこそ成立する部分はどこなのか」
という、仮説の立て方です。
もう一つ、AIによるアイデア創出について興味深い議論があります。
Journal of Business Venturingに2026年に掲載された論文では、生成AIが出した新奇なアイデアについて、
本当に画期的なアイデアなのか、それともAIによるもっともらしいハルシネーションなのか
を、利用者自身が判断しにくい問題が「Ideator's Dilemma」として論じられています。
Rady, J., Townsend, D. & Hunt, R. (2026), "From algorithmic hallucinations to alien minds: Addressing the ideator's dilemma through entrepreneurial work"
https://doi.org/10.1016/j.jbusvent.2025.106550
つまり、AIが非常に説得力のある文章を書けるようになるほど、
「答えが出ること」と「その答えが採用できるレベルのものであること」は別問題
になります。
これは新規事業では、特に重要です。
そこで、私たちが開発してきたのが、
「楠浦さんAI」
です。
▼「楠浦さんAI」とは?(料金・セキュリティ・利用者の声)
https://www.techno-producer.com/kusuura-ai/
楠浦さんAIは、一言でいえば、
新規事業・知財を考えるための、24時間使える対話型の壁打ち相手
です。
企業内発明塾や、新規事業・知財戦略の実務支援で蓄積してきた、
・ 仮説の立て方
・ 情報の探し方
・ アイデアの育て方
・ 顧客仮説の詰め方
・ 自社の強みとの結び付け方
・ 企画の絞り込み方
・ 次の一歩の決め方
などの思考プロセスを、AIとの対話型で利用できるようにしています。
ここで大切にしているのは、
AIの中で全部処理して、完成品だけを人間に渡す「完全ブラックボックス」にしないこと
です。
「なぜそう考えるのか」
「その根拠は何か」
「別の可能性はないか」
「この企画の弱いところは何か」
「次に何を調べれば判断が変わるのか」
と、AIと人間が対話しながら企画を進めていきます。
発明塾では以前から、「エッジ情報」という考え方を重視しています。
誰もが知っている市場規模や業界動向だけではなく、
「その情報を知ったら、自分の仮説や意思決定が変わる情報」
を探す、という考え方です。
たとえば、
「市場規模上位の用途」
だけを見るのではなく、
「市場として認識されていないが、顧客が困っている作業はないか」
といった視点です。
AIによってアイデアが平均化する可能性が指摘される時代だからこそ、これは重要な視点だと考えています。
最近、社内外の利用者と話していて興味深かったのが、
「楠浦さんAIは、なぜか答えの納得感が高い」
という声が複数あったことです。
これは現時点では研究結果ではなく、あくまで利用者の声です。
ただ、なぜそう感じるのかを考えてみると、非常に興味深いものがあります。
詳しくはこちらにまとめました。
▼AIが出す「答え」の「納得感」の正体とは?(試論)
https://note.com/kusuura/n/n39bab0179335
新規事業には、数学の問題のような唯一の正解はありません。
A案もあり得る。
B案もあり得る。
将来予測も外れます。
だからこそ、
「正解を当てる」こと以上に、「なぜこの仮説を選ぶのか」という判断ロジックを自分自身が理解できること
が重要なのではないかと思っています。
これが「納得感」につながっているのではないか、というのが現在の私たちの仮説です。
ここは、私たちが特に重視している点です。
AIに、
「良い企画を作って」
と依頼して、完成した企画書だけが出てきたとします。
仕事は速くなります。
しかし、担当者本人が、
「なぜその企画になったのか」
を説明できなければ、人材育成という意味では少し問題が残ります。
楠浦さんAIでは、
「なぜそう判断したか」
「何を重要な情報とみなしたか」
「どんな仮説から調査を始めたか」
「どんな情報が出たら方向転換するか」
というロジックを、対話の中で確認できます。
したがって、繰り返し使うことで、
「こういう順番で仮説を立てればよいのか」
「こういう情報を探すのか」
「この段階では、市場規模よりこちらを見るのか」
といった新規事業を考える『型』そのものを学ぶことも狙っています。
この考え方は、最近の研究とも親和性があります。
2026年のReview of Managerial Scienceの研究では、AIと新規事業創出の関係を、単なる業務自動化ではなく、AIとの相互作用を通じたentrepreneurial learning(起業家的学習)という観点から分析しています。
D'Angelo, V. et al. (2026), "Artificial intelligence and new venture creation: an entrepreneurial learning perspective"
https://doi.org/10.1007/s11846-026-01008-x
(この論文は、非常に面白いので、別途深堀りする予定です)
私たちも、
「AIが担当者の代わりに考える」より、「AIとの対話によって、担当者自身がより良く考えられるようになる」
ことが重要だと考えています。
もちろん、楠浦さんAIの中だけで新規事業が完成するわけではありません。
顧客に聞く。
試作品を見せる。
値段を提示する。
営業してみる。
そして、本当にお金を払ってくれる人がいるか確認する。
ここはAIでは代替できません。
2026年8月に公表されたPattynらの研究でも、16社のソフトウェアスタートアップへの調査から、MVP以前の検証について、単に「何回検証したか」よりも、どの程度強い証拠を得たかが重要である可能性が示されています。
その研究では例えば、実際に支払う顧客を得ることが、特に強い市場証拠であるとしています。
Pattyn, F., Dillen, Y. & Goetz, P. (2026), "Validate Before You Build: Exploring Pre-MVP Evidence Levels—Not Quantity—And Startup Performance in Early-Stage Software Ventures"
https://doi.org/10.3390/computers15080535
つまり、AIの役割は、
「正解を作ること」ではなく、現実世界で確かめる価値のある仮説を、より早く、より深く作ること
なのだと思います。
まとめると、
AIに新規事業を丸投げするサービスではありません。
むしろ、
良い仮説を立てる
↓
エッジのある情報を探す
↓
自社ならではの企画へ絞り込む
↓
なぜその結論なのか、ロジックを確認する
↓
次に現実世界で何を検証するか決める
というプロセスを、人間とAIの対話で高速に回すためのサービスです。
そして、その過程そのものを通じて、新規事業担当者の「考える力」も高めたい。
これが「楠浦さんAI」の基本的な考え方です。
現在のサービス内容、料金、セキュリティ、実際の利用者の声などは、以下にまとめています。
▼「楠浦さんAI」とは?(料金・セキュリティ・利用者の声)
https://www.techno-producer.com/kusuura-ai/
まずは1か月、ご自身が実際に抱えているテーマを相談してみていただくのが、一番分かりやすいと思います。
「普通の生成AIだと、一般論で終わってしまう」
「もっと自社らしい、尖った企画にしたい」
「AIに仕事を任せるだけでなく、担当者にも考え方を身につけてほしい」
という方は、ぜひ一度お試しください。
引き続き、楠浦さんAIの利用にご興味のある方向けに、アンケートを実施しております。
無料デモのお申込みも受け付けておりますので、ぜひお気軽にご回答ください。
・重複回答もOKです(当方で適宜調整します)
・楠浦さんAI以外のAIに関する希望を書いていただいても構いません
・個人利用/法人利用とも対応可能です(ChatGPTベースのシステムなので、法人利用の際はご所属の組織に利用の可否をご確認ください)
▼「楠浦さんAI」利用希望者向けアンケート
https://forms.gle/EjNRSkuTQ4SGNZhi9
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▼お問合せ
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▼楠浦さんAI(新規事業・知財AI活用支援メンバーシップ)お申込み・決済ページ
https://e-hatsumeijuku.techno-producer.com/kusuura-san-ai-monthly
皆様からのご意見・ご感想も、ぜひお寄せください。
楠浦 拝
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