「発明塾」塾長の楠浦です。
さて今回は、企業内発明塾参加者/月額顧問サービス利用者/発明塾8週間集中パッケージ受講者のお声とともに、「発明塾で何をどう教えているか」を紹介しています。
今回は、少し趣向を変えて、書籍「Patent Information For Victory」出版を記念して、「企業内発明塾」の進化発展、成長の軌跡を振り返る号にしたいと思います。
ここにも、多くの方の「お声」が活かされています。
改めて、弊社WEBサイト内「企業内発明塾」のページを見てみましょう。
この記事の内容
上記画像内に、
”10年以上の経験から「ネタ探し」の失敗パターンを解消できるので、思いつきではない「必然性の高い新規ネタ」探しができる”
とあります。
これも、お客様のお声にもとづいた、発明塾の進化発展の一例です。
当初は、「アイデア出し」の手法なども、かなり重視して時間を割いて指導していたのですが、
「しょせん思いつきに左右される」
「思いつきに頼りたくない」
というお声が多くあり、
「蓋然性の高い仮説を、一定の手法に沿って、導き出す」
方法を指導し、その場で実践いただき、その場でフィードバックを行い、仮説検証を繰り返していくようなスタイルになっています。
その隣に、
”どこで行き詰まっても立ち直れる手法を確立しているので、探し当てたネタを「勝てる」「独占できる」企画へ育て上げることができる”
とあります。
当初は、話を分かりやすくするために
「だいたい、こうやればうまくいきますよ」
「成功パターンは、こういう感じですよ」
というものを、古今東西の事例を示しながら説明し、それを学んで、それに沿って進めていただくようにしていました。
でも、実際にやってみると、そう簡単ではない。
もちろん僕は、それも理解していたのですが、はじめて学ぶ方からすると、
「お前、これで上手く行くって言うたやんけ、どうしてくれるねん」
みたいな話になるわけです(笑
(関西のお客さんです 笑)
学生向けで、すでに
「唯一、あるいは、万能の上手くいく方法は存在せず、必要なのはむしろ、”失敗から立ち直るノウハウと能力”、であり、”傷を深くしないこと” だ」
とわかっていたので、その後、教材と進め方を大幅に変更し、現在に至ります。
このへんは、前著「新規事業を量産する知財戦略」で、概要を紹介していますね。
新規事業を量産する知財戦略ー未来を預言するアイデアで市場を独占しよう!
https://www.techno-producer.com/books/
さらにその隣に(笑)
”アイデアが育つ過程を参加者が理解して楽しめるから、メンバー全員がワクワクしながら活発に議論するようになる”
とあります。
これは、お客様の声というか、「学生版発明塾」で学生さんに「続けてもらう」ために何をすべきか、という話です。
参加歴の長い学生さんだと、4年間、毎週参加した学生さんもいます。
なんだかんだ言って、楽しいんでしょうね。
多くの学生さんが、参加したら卒業まで在籍してくれていました。
卒業後も、アイデアを持ち込んでくれた「猛者」もいます(笑
他のメンバーのアイデアが育つ過程を見るのも楽しいし、つい手伝ってしまう。
自分のアイデアを育てるヒントにもなるし、自分もやらなきゃと思う。
そんな感じだったようですね。
この辺の雰囲気については、現メンバーでは塾生であった「畑田さん」が詳しいかもしれません。
僕が見ているのは、あくまでも「僕から見た景色」なので、「塾生から見た景色」は、また異なったものだろうと思います。
月額顧問サービスは、参加者数が無制限ですので、ある意味、「学生版発明塾」の雰囲気に近づけられると想定しています。
もちろん、「近づけられる」というだけのことであって、そうしなければならないわけではないですし、放置しておいてそうなるわけでもありません。
そのあたりは、「自社でイノベーションを起こすために、どういう場を作りたいか」について、ご要望含め、イメージを共有いただいたり、まずはそのあたりのディスカッションを含め、有志で始めさせていただいて、進めていくのが良いように思います。
もちろん、楽しければ結果が出るというほど甘いものではないことも、多数の事例からわかっていて、その違いを僕は、「結果が出る楽しさ」という言葉で表現しています。
「ワクワク」は必要だろうと思いますが、だからと言って結果が出るわけではないんですよね。
必要条件と十分条件の話です。
数学ですね(笑
結局、発明は数学なんです。
発明は証明問題、ですから。
これも、実はお客様の声にもとづいて、こうなったんですよね。
15年ぐらい前ですが、創業時からのお客様で、知財セミナーを多数開催させていただいたお客様から、「次は、いよいよ楠浦さんの発明セミナーをやりたい」とのことで、3年ほど開催しました。
毎回、セミナー後のアンケートも高評価でしたので、主催者も弊社も満足していたのですが、ある日、先方の知財部長さんから、
「たしかに面白いし、アンケートによると参加者の満足度は高いけど、その後追跡調査すると、良い発明につながっている形跡はないし、過去参加者にヒアリングしても、大半の人は教わった方法を使いこなせてないようだ」
との意見が寄せられました。
数年がかりで追跡調査いただいた当時の知財部長さんには、感謝しかありません。
その場で盛り上がったからとか、アンケートが良かったとかは、言い訳でしかないんですよね。
企業であり、仕事ですから、「結果が出たか」がすべて。
その後、セミナーの改善だけでなく、企業内発明塾のカリキュラムを全面的に見直し、研修的な位置づけであったものを、今の「実働支援」形式に大幅変更。
ご意見くださった知財部長さんの肝いりで、そのお客様の研究所でも実施して、無事に「(いろいろな意味で)武器になる知財」を創出できました。研究所長さんにも、「結果について」非常に高い評価をいただきました。
当時の参加者は、今は幹部になられていますね。
結果が出れば、人は育ちます。
今のスタイルに至るまでは、ここからさらに紆余曲折があります。
長くなりすぎるので割愛しますが、弊社の17年の歴史が詰まっている、ということです。
でも、17年ってあっという間なんですよね。
毎日、アイデアを育ててきて、気が付いたら17年。
そんなもんです。
アイデア・発明が高い価値を持つことを「青い目の投資家」に教わって、17年。
17は、数学の世界では「レイランド素数」の最小の数として有名なんですよね(笑)。
大学入試の数学の問題のネタにも、出てきます。
そんな縁起の良い節目の年(笑)に、「知財・特許x投資」の書籍を出版できました。
Kindle版も出ましたので、電子書籍が良い方はそちらをお求めくださいませ。
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そんなことを言っている間に、10月1日で、弊社は18期目に入りました。
引き続きよろしくお願いいたします。
楠浦 拝
★本記事と関連した弊社サービス
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「既存事業の強みを生かした新規事業の創出」を支援するサービスです。技術マーケティングのプロである楠浦の直接支援により、BtoC、BtoBを問わず、あなたの会社の強みを生かした新規事業の企画を生み出せます。
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