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新規事業においてチーム内の「温度差」や「思惑のギャップ」は、どう解消していけばよいのか?

新規事業においてチーム内の「温度差」や「思惑のギャップ」は、どう解消していけばよいのか?

「発明塾」塾長の楠浦です。
今回は、12月6日(金)に開催したセミナー「研究シーズから事業化へのストーリーを描く方法 ~サイエンスと産業のギャップを埋めた実例から学ぶ」の報告、第2弾です。

事後アンケートでいただいたご質問と、追川様からのご回答の紹介、および僕からの補足です。
なかなか興味深いご質問です。

発明塾セミナー「研究シーズから事業化へのストーリーを描く方法 ~サイエンスと産業のギャップを埋めた実例から学ぶ~」(セミナーは終了しています)
https://www.techno-producer.com/news/seminar-research-to-business/

セミナー動画販売は以下↓
https://e-hatsumeijuku.techno-producer.com/research-to-business

ご質問:チーム内でのギャップ、距離感などが変わった瞬間は?

【ご質問】 

開始当初、チーム内に温度差や思惑のギャップがあったかもしれません。
そのチーム内でのギャップ、距離感などが「あっ!なんか空気変わったか?」と感じる瞬間などはございましたでしょうか?
そのきっかけが有り、具体的なエピソードなどあれば差し支えない範囲で教えていただけますと幸いでございます。

なかなか面白い着眼ですね。
確かに、新製品開発や新規事業のチームにおいて、「温度差」「ギャップ」は生まれがちかもしれません
企業内発明塾では基本的に、「一人一テーマ、自分で提案して自分で実行する」という人が、1名から4名集まってディスカッションを行うので、そもそも温度差のような問題は生じにくいのですが、東北大学の事例では、「全員で協力して、スピンゼーベック効果の用途を見つける」というお題でしたので、「温度差」「ギャップ」は生まれていましたね。

追川様の回答:メンバーが絞りこまれたとき、良いアイデアが出た時

【追川様の回答】

二段階あると思います。
一段階目は参加者が適切な人員に絞り込まれたときだと思います。
当初は実験的に様々な人を議論の場に入ってもらったのですが、やるモチベーションがない人、方法論に懐疑的な人、課題に真剣に取り組まない人は、都度外れてもらうようにしました。
それは本人たちが悪いのではなく、研究者として注力したいこと、時間を使いたいことが違うと言うことです。
取り組みにコミットするメンバーになると、不要な説得や説明がなくなるので、自然と歯車が回り始めます。

二段階目は、メンバーの多くがそれは良いアイデアかもしれない、というものが出たときだと思います。
そのアイデアが最後まで残るかは分かりませんが、そのアイデアを検証していく過程で、手法が腑に落ちていきます
ああ、特許のここを読むんだな、筋の良い課題ってのはこういうのか、こういうのをエッジ情報というんだな、と言う感じです。
これで歯車が回り続けると思います。

※太字は弊社

これは当時、僕も明確に感じていたことですね。
回答の通り、メンバーが途中で一部入れ替わったりして、運営はかなりイレギュラーな形になりましたが、結論としてはそれでよかったと思います。
また、「良いアイデアかもしれない」というものが出た瞬間に、やはり空気は変わったなと僕は記憶しています。
それを積極的に検証しよう、という雰囲気になり、検証していく中で全員がいろいろなことを理解する。

「ここに、こういうことが書いてあるよね」と僕が言えば、「ああ、そこを読むのか」と思う人がいる。
「これはスジのいい課題だよね」と誰かが言えば、「なんでそう思うの?」と「深堀り」「言語化」をされる。
こういうのは、机上の空論や仮想事例ではなかなか難しくて、やはり「自分ごと」として「真剣勝負」をする中で起こることだと僕は思ってます。

楠浦補足:「結果が出れば、人は育つ」に尽きる

やはり、「結果が出る瞬間を目の当たりにする」ことでしか、感じ取れないものはあるでしょうし、「自分が正解づくりに参加する」ことでしか、身につかないものがあります。
僕がここで、「正解づくり」と言っているのは、「これはよいアイデアかもしれない」という「仮説」を誰かが出したとして、それを検証する過程で、微妙に、都度都度変更が加えられるからです。

例えば、ガスタービンのコーティングだけど、当初燃焼器のコーティングが気になってたけど、実はタービンブレードなんじゃないか、とか、「仮説検証」のための調査を通じて、さらなるヒントが得られ、アイデアはどんどん変わっていくんですよね。
このあたりは、前著「新規事業を量産する知財戦略」の第5章の事例で詳しく解説しています。

新規事業を量産する知財戦略 特設ページ
https://www.techno-producer.com/books/

結果が出れば、人は育つ、に尽きますね。
前回の配信で、「勝負するから、身につく」と言っていたのと、同じことです。

 

楠浦 拝

 

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