3行まとめ
長期運用IPを市場別最適化で収益化
ネクソンの収益基盤は「Dungeon & Fighter」「MapleStory」「Mabinogi」などの長期稼働IPで、30年以上のライブ運用経験とハイパーローカライゼーションを軸に各地域の嗜好へ適応している。
2025年売上収益は過去最高水準の4751億円
2025年12月期の売上収益は475,102百万円で、前年比6.5%増を記録した。一方、営業利益は124,012百万円で前年比0.1%減となり、収益拡大と利益率管理が並行課題となっている。
2026年変革計画でROI審査を厳格化
ネクソンはTransformation Plan 2026で、コスト規律強化と厳格なROIに基づくレビューを優先事項に掲げた。新作『ARC Raiders』は発売後15週間で1,400万本超を販売し、既存IP拡張と新規グローバル市場開拓を並行して進めている。
この記事の内容
株式会社ネクソンが展開する事業概要に関する事実を公式開示資料に基づき記載する。株式会社ネクソンは、オンラインゲームの分野においてグローバルに事業を展開するエンターテインメント企業である。株式会社ネクソンは、PC、コンソール、およびモバイルの各プラットフォームに向けてオンラインゲームコンテンツを企画、開発、および配信する事業モデルを採用している。株式会社ネクソンの公式文書における説明によると、同社はゲーム業界において30年以上のライブ運用経験を有しており、この経験を基盤として新鮮なゲームコンテンツを継続的に提供するパイオニアとしての立場を掲げている。同社の事業ポートフォリオは、「Dungeon & Fighter(アラド戦記)」、「MapleStory(メイプルストーリー)」、「FC」、および「Mabinogi(マビノギ)」といった長期間にわたり稼働している複数のコアフランチャイズによって構成されている。さらに、同社は市場ごとに異なる文化的背景を認識しており、各地域のプレイヤーの嗜好に合わせてゲームコンテンツを適合させる「ハイパーローカライゼーション(Hyper-localization)」というアプローチを事業戦略の核として設定している。
株式会社ネクソンの財務状況に関する事実を公式の法定開示に基づき記載する。2026年2月12日に提出された「2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」によると、株式会社ネクソンの2025年12月期(対象期間:2025年1月1日から2025年12月31日まで)の連結経営成績における売上収益の実績は475,102百万円であり、対前期増減率で6.5%の増加を記録した。同期間の営業利益の実績は124,012百万円(対前期増減率0.1%減)、税引前利益の実績は140,451百万円(対前期増減率28.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益の実績は92,052百万円(対前期増減率31.7%減)であった。株式会社ネクソンの2025年12月期末における資産合計の実績は1,410,188百万円であり、親会社所有者帰属持分比率は75.0%を記録した。資本配分および株主還元に関して、株式会社ネクソンは前年の営業利益の33%以上を株主に還元する方針を示している。この方針に従い、同社は2025年10月に25,000百万円を上限とする自己株式取得の完了を報告した。さらに、同社は2025年11月12日から2026年1月26日を対象期間として、残額25,000百万円の自己株式取得枠を承認した。また、同社は2025年12月期の期末配当予想を1株当たり15円から30円に引き上げる方針を発表した。
株式会社ネクソンの技術および知的財産に関する事実を公式開示および公的データベースに基づき記載する。株式会社ネクソンの有価証券報告書等における定義によれば、同社の研究開発活動は基礎研究や新技術開発を行うものではなく、グループ内で開発しているオンラインゲームコンテンツの企画承認時から商用化日までに発生する労務費、外注費およびその他経費を研究開発費として計上している。この定義に基づく2024年12月期(対象期間:2024年1月1日から2024年12月31日まで)の研究開発費の実績は24,944百万円であった。新技術の導入事例として、株式会社ネクソンは2025年5月15日にブロックチェーン技術を活用した「MapleStory N」の提供開始を発表した。このタイトルには、ゲーム内における実績と報酬をトラッキングする機能が実装されている。また、知的財産の保護に関して、米国特許商標庁(USPTO)の公式公報において、「NEXON CO., LTD., TOKYO, JAPAN」を出願人とする標準文字商標「NEXON」の公報掲載情報が確認されている。この公報には、カナダ出願番号1,391,845(出願日2008年4月17日)およびカナダ登録番号TMA796457(登録日2011年5月2日)が参照情報として記録されている。指定役務には、コンピュータソフトウェアの設計・開発、ウェブサイトの作成および保守等が含まれている。
株式会社ネクソンの戦略および成長に向けた取り組みに関する事実を公式のプレゼンテーション資料に基づき記載する。株式会社ネクソンは、2026年3月31日に「Capital Markets Briefing 2026」と題するオンライン決算説明会および資本市場向け説明会を開催し、「2026年変革計画(Transformation Plan 2026)」を発表した。同社の公式資料において、2026年は変革の初年度として位置付けられており、利益率拡大に向けた最初の構造的なステップとして説明されている。この計画では、5つの優先事項が掲げられている。具体的には、「Dungeon & Fighter Mobileの回復」、「MapleStoryフランチャイズの成長維持」、「ワールドカップの熱狂を活用したFCコミュニティの活用」、「強化されたコスト規律」、および「厳格なROI(投資収益率)に基づくレビューの実装」である。新規タイトルの開発状況として、同社は株式会社ネクソンの子会社であるEmbark Studiosが開発する『ARC Raiders』を2025年10月30日に全世界に向けてリリースした。さらに、2025年8月12日には新たなAAAタイトルである『Woochi the Wayfarer』を公開し、既存IPの拡張と新たなグローバル市場の開拓を並行して推進する方針を示している。
株式会社ネクソンのリスク管理およびESG(環境・社会・ガバナンス)に関連する事項を公式開示資料に基づき記載する。株式会社ネクソンは、事業に影響を及ぼす外部環境のリスク要因として、金融市場および資本市場の変動を挙げている。これに加えて、米国の通商政策や関税といった国際的な政策動向に基づく下振れリスクを認識しており、グローバル展開におけるマクロ経済環境の変化に対する注意を公式文書内で言及している。市場における事業展開上の課題としては、対象地域ごとに異なる文化的背景の違いを事業遂行上のリスクおよび機会として認識している。株式会社ネクソンは、この文化的差異に対応するため、提供するコンテンツを各市場のプレイヤーの嗜好に合わせて高度に適応させる「ハイパーローカライゼーション」を実施し、収益の最大化を図っている。業界エコシステムへの貢献およびサステナビリティに関する活動として、株式会社ネクソンはゲーム開発者間の技術および知見の共有を目的とした「Nexon Developers Conference 25」を、2025年6月24日から2025年6月26日までの対象期間で開催した。
株式会社ネクソンが公表している統合報告書や有価証券報告書等の開示資料によると、株式会社ネクソンはエンターテインメント業界におけるオンラインゲームのグローバルリーダーとして事業活動を行っている1。株式会社ネクソンは東京都港区六本木1丁目4番5号のアークヒルズサウスタワーに本社拠点を構えており、東証プライム市場において証券コード3659として上場している企業である1。株式会社ネクソングループは、PC、コンソール、およびモバイルなど複数のプラットフォームに向けてオンラインゲームコンテンツを企画、開発し、世界中の数億人のユーザーに対して配信する事業を展開している1。株式会社ネクソンは、自社の事業の基盤について「30年以上のライブ運用経験」を有していることを公式文書で表明しており、この長年にわたるライブ運用のノウハウを活用して、常に新鮮なゲームコンテンツを継続的に市場に提供し続ける業界のパイオニアとしての立場を明確にしている1。
株式会社ネクソンの収益基盤は、長期間にわたり市場で稼働している複数の確立された知的財産(IP)からなるコアフランチャイズによって構成されている1。代表的なフランチャイズの一つである「Dungeon & Fighter(アラド戦記)」は、PCおよびモバイルプラットフォームで展開される同社の主力IPである1。株式会社ネクソンが発表した2025年12月期の業績報告によると、当該フランチャイズ全体としての実績は、モバイル版の減収要因により減少した1。しかしながら、中国市場において展開されているPC版は、ゲーム内のアップデート施策が成功したことによりプレイヤーのエンゲージメントが活性化し、成長を記録した事実が報告されている1。さらに、韓国市場において展開されているPC版の「Dungeon & Fighter」は、過去最高の年間売上収益を達成した実績が公式資料に記録されている1。
もう一つの主要フランチャイズである「MapleStory(メイプルストーリー)」は、22年という長期の運用歴史を持つIPである1。株式会社ネクソンの2025年12月期における公式報告では、同フランチャイズ全体の実績として増収を記録した1。この増収は、韓国市場における実績の回復に加え、大規模なコンテンツアップデートの実施、および後述する「ハイパーローカライゼーション」戦略が奏功したことによるものと説明されている1。株式会社ネクソンは、既存の「MapleStory」IPを新規タイトルへと拡張する取り組みも実施しており、2025年11月に配信を開始した新作タイトル『MapleStory: Idle RPG』は、配信対象のモバイルアプリストアにおいて上位にランクインした実績がある1。また、同フランチャイズの『MapleStory Worlds』は、2025年4月にアジアの追加地域へと展開市場を拡大し、これが株式会社ネクソンの大幅な増収に寄与したことが確認されている1。
「FC」フランチャイズは、サッカーをテーマとしたスポーツゲームのシリーズである。株式会社ネクソンの開示によると、2025年12月期においては主要なプロサッカーの国際イベントが存在しなかった期間であるにもかかわらず、当該フランチャイズ全体の売上収益の実績は、前年同期の対象期間の実績と比較してほぼ横ばいの水準を維持した1。
さらに、21年の歴史を持つIPである「Mabinogi(マビノギ)」についても、株式会社ネクソンは事業展開のロードマップを示している4。株式会社ネクソンが公開したプレゼンテーション資料によれば、同社はこのIPに対して「Core」、「Expansion」、「Light Expansion」、および「Definitive Expansion」という4つの段階からなる拡張計画を策定している4。株式会社ネクソンは2025年3月27日に韓国市場においてモバイル向けゲーム『Mabinogi Mobile』の配信を開始しており、同社はこの実績をもって「Mabinogi」フランチャイズの規模拡大の可能性を実証したと説明している1,4。
株式会社ネクソンがこれらのフランチャイズをグローバルに展開する上で事業戦略の根幹に据えているのが、「ハイパーローカライゼーション(Hyper-localization)」である1。同社の有価証券報告書等を含む開示資料によれば、株式会社ネクソンは市場ごとの事業環境を分析する中で、「市場間の文化的違い(cultural differences between markets)」を重要な事業要因として認識している1。この認識に基づき、単なる言語の翻訳にとどまらず、提供するゲームコンテンツを各対象地域のプレイヤーの文化的背景や嗜好に適合するように高度にカスタマイズする戦略を採用している1。株式会社ネクソンは、このハイパーローカライゼーション戦略の実施が「MapleStory」をはじめとするタイトル群の収益増加に直接的に寄与しているという事実を業績報告の中で公表している1。
株式会社ネクソンの財務状況と資本配分について、公式の法定開示文書に基づいて詳細な事実を記載する。株式会社ネクソンが2026年2月12日に東京証券取引所を通じて発表した「2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」によると、株式会社ネクソンの2025年12月期(対象期間:2025年1月1日から2025年12月31日まで)の連結経営成績における売上収益の実績は475,102百万円であった1。この数値は、前年同期(2024年12月期実績:446,211百万円)に対する増減率として6.5%の増加に該当し、株式会社ネクソンのCEOであるJunghun Leeは同日の決算発表において、2025年を通じた売上収益実績が「記録的な収益(record-breaking revenue)」であると表明している1。
同対象期間における利益指標の各実績は以下の通りである。営業利益の実績は124,012百万円であり、前年同期(実績:124,176百万円)に対する増減率で0.1%の減少であった1。税引前利益の実績は140,451百万円であり、前年同期(実績:195,987百万円)に対する増減率で28.3%の減少であった1。当期利益の実績は89,699百万円であり、前年同期(実績:136,216百万円)に対する増減率で34.1%の減少であった1。親会社の所有者に帰属する当期利益の実績は92,052百万円であり、前年同期(実績:134,848百万円)に対する増減率で31.7%の減少であった1。当期包括利益合計額の実績は143,943百万円であり、前年同期(実績:181,401百万円)に対する増減率で20.6%の減少であった1。また、持分法による投資損益の実績として、2025年12月期に1,697百万円の損失(マイナス1,697百万円)が計上されており、前年同期の5,179百万円の損失(マイナス5,179百万円)から損失幅が縮小している1。
一株当たり指標および利益率に関する2025年12月期の実績は以下の通りである。基本的1株当たり当期利益の実績は114.48円(前年同期実績:161.79円)、希薄化後1株当たり当期利益の実績は114.11円(前年同期実績:161.09円)であった1。親会社所有者帰属持分当期利益率の実績は8.9%(前年同期実績:14.1%)、資産合計税引前利益率の実績は10.5%(前年同期実績:16.6%)、売上収益営業利益率の実績は26.1%(前年同期実績:27.8%)であった1。
連結財政状態に関して、2025年12月期末(対象期日:2025年12月31日)時点における株式会社ネクソンの資産合計の実績は1,410,188百万円であり、前年同期末(実績:1,256,771百万円)と比較して増加している1。資本合計の実績は1,065,918百万円(前年同期末実績:1,030,525百万円)、親会社の所有者に帰属する持分の実績は1,057,544百万円(前年同期末実績:1,019,013百万円)であった1。親会社所有者帰属持分比率の実績は75.0%(前年同期末実績:81.1%)であり、1株当たり親会社所有者帰属持分の実績は1,336.28円(前年同期末実績:1,238.18円)であった1。
連結キャッシュ・フローの状況について、2025年12月期(対象期間:2025年1月1日から2025年12月31日まで)の実績は以下の通りである。営業活動によるキャッシュ・フローの実績は171,872百万円の収入(前年同期実績:100,968百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローの実績は102,247百万円の収入(前年同期実績:7,445百万円の収入)、財務活動によるキャッシュ・フローの実績は118,688百万円の支出(前年同期実績:64,777百万円の支出)であった1。これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高の実績は498,868百万円(前年同期末実績:331,931百万円)を記録した1。株式会社ネクソンのエグゼクティブ・チェアマンであるPatrick Söderlundは、2026年3月31日の資本市場向けブリーフィングにおいて、同社が2025年の年度末時点で8,000億円超の現預金を有していたという事実を投資家に向けて説明している5。
株式会社ネクソンの収益基盤を地域別およびプラットフォーム別で確認する。同社の決算説明資料(2024年12月期の実績値を含む資料)によると、収益が発生した地域に基づく区分における売上収益の構成比実績は以下の通りである。同社にとって最大の収益地域は韓国セグメントであり、全体の44%を占めている7。次いで中国セグメントが37%を占めており、これらアジア地域への収益依存度が高いことが示されている7。また、事業のグローバル展開先である北米および欧州セグメントは9%、その他の地域(他のアジア諸国および中南米諸国を含む)セグメントは6%、日本セグメントは4%の構成比実績であった7。さらに、法人所在地に基づく事業セグメント(2024年の業績実績に基づく)では、韓国セグメントが売上収益の実績413,098百万円、セグメント利益の実績154,434百万円を計上して収益の大半を創出している1。対照的に、日本セグメントは2,633百万円のセグメント損失、北米セグメントは4,059百万円のセグメント損失、その他セグメントは9,188百万円のセグメント損失を計上した実績が公開されている1。プラットフォーム別の売上収益構成比(2024年12月期実績)については、モバイルが全体の43%を占めている事実が公式資料に記載されている7。
株式会社ネクソンは、こうした財務基盤を背景に明確な資本配分および株主還元の方針を提示している。公式発表資料によると、株式会社ネクソンは「前年の営業利益の33%以上を還元する」という方針を掲げている7。この株主還元方針の実施の一環として、株式会社ネクソンは2025年10月に25,000百万円を上限とする自己株式取得を完了した実績を報告している7。さらに、同社は2025年11月12日から2026年1月26日までの対象期間において、残額である25,000百万円の自己株式取得枠を新たに設定し、その承認を行った7。配当金に関しても、株式会社ネクソンは2025年12月期の期末配当予想について、従来の1株当たり15円から30円へと倍増させる計画を発表した7。「2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」によれば、この配当支払開始予定日は2026年3月26日と設定されている1。同社の公式プレゼンテーション資料では、継続的な成長の実績、強力なキャッシュフローの創出能力、および堅固なバランスシートの維持が、この株主還元方針を安定的かつ継続的に実行するための良好なポジションを同社に提供していると説明している7。
株式会社ネクソンの研究開発活動の実態について、同社が提出した有価証券報告書等の法定開示文書に基づく事実を記載する。株式会社ネクソングループの会計方針および事業運営における定義によれば、同社は基礎研究や新技術開発等、いわゆる一般的な研究開発に相当する活動は実施していない8。その代わりとして、同社はグループ内で開発しているオンラインゲームコンテンツが企画承認された時点から、実際に市場で商用化される日までの過程を対象期間とし、当該期間中に発生する業務にかかる費用を「研究開発費」として計上している8。この研究開発費には、開発人員に関わる労務費、外部への委託に関わる外注費、およびその他経費が含まれる8。この会計上の定義に基づき、株式会社ネクソンは2024年12月期(対象期間:2024年1月1日から2024年12月31日まで)の実績として、研究開発費の項目に24,944百万円を計上した8。同社の開示資料においては、当該会計年度中における研究開発活動の内容に関して重要(significant)な変更は生じていない旨が明記されている8。(※なお、2025年12月期の研究開発費の具体的な金額数値については、株式会社ネクソン本体の公式法定開示文書からの直接的な確認が調査範囲内では完了できなかったため、これに関連する外部情報は後述の「未確認事項まとめ」に記載する。)
知的財産の権利保有状況に関して、米国特許商標庁(USPTO)の公式公報を用いた検索結果に基づく事実を記載する。米国特許商標庁の公式公報(Official Gazette)に記録された情報によれば、「NEXON CO., LTD., TOKYO, JAPAN」を出願人とする標準文字商標「NEXON」が公報に掲載されている9。確認された公報掲載情報には、カナダにおける出願(出願番号1,391,845、出願日2008年4月17日)およびカナダ登録番号TMA796457(登録日2011年5月2日)が参照情報として記録されている9。指定されている役務には、「コンピュータソフトウェアの設計、開発」、「ウェブサイトの作成と保守」、「他者のウェブサイトのホスティング」、「デジタルコンテンツのオンライン注文の電子認証の提供および電子許可コードの生成」、「ソフトウェアアプリケーションプロセスに関するコンサルティング」などが含まれている9。この事実は、米国特許商標庁の公式公報上で、株式会社ネクソンのブランド名称に関する商標出願情報が公示されたことを示している。
株式会社ネクソンは、既存の知的財産(IP)を拡張するための新たな技術展開の一環として、ブロックチェーン技術を自社のゲームタイトルに適用する取り組みを実施している。同社の公式ニュースおよびプレスリリース履歴によれば、株式会社ネクソンは2025年5月15日に「MapleStory N」の提供開始を発表した10。株式会社ネクソンの公式声明において、この「MapleStory N」はブロックチェーン技術を用いて設計されており、プレイヤーのゲーム内における実績(Achievements)や獲得した報酬(Rewards)のトラッキングを可能にするシステム仕様を備えていることが説明されている10。同社はこうした技術の適用を通じて、既存の主力IPである「MapleStory」の新たな展開を模索し、プレイヤーに対して分散型台帳技術に基づいた新しいユーザー体験を提供する方針を具現化している。
株式会社ネクソンは、既存IPの継続的な拡張戦略と、新規のグローバル市場へ向けたタイトル展開を目指し、複数の新製品パイプラインを並行して進行・リリースしている。同社の公式発表および「IP成長戦略」の提示資料に基づき、各プロジェクトのステータスと展開状況の事実を記載する1。
株式会社ネクソンの経営方針および成長戦略に関する事実を、同社が主催した公式説明会の内容に基づき記載する。株式会社ネクソンは2026年3月31日に、「Capital Markets Briefing 2026」と題した資本市場および投資家向けのオンライン経営戦略説明会を開催した5。このイベントには、株式会社ネクソンの経営陣であるエグゼクティブ・チェアマンのPatrick Söderlund、CEOのJunghun Lee、およびCFOの植村士朗が登壇し、自社の事業戦略の進捗と今後の計画に関するプレゼンテーションを行った5。
この説明会において、株式会社ネクソンは「2026年変革計画(Transformation Plan 2026)」を発表した4。経営陣が提示した公式のプレゼンテーション資料(Capital Markets Briefing 2026 Deck)によると、株式会社ネクソンは2026年を「変革の初年度(First Year of Our Transformation)」として定義し、この計画の実行が「利益率拡大に向けた最初の構造的なステップ(first structural step toward margin expansion)」に該当すると位置付けている4。同計画は、ゲーム開発プロセスの再設計、コスト規律の強化、長期継続ブランドを軸とするIPポートフォリオ管理、およびグローバル市場に向けた新規ゲームパイプラインの展開を中心として構成されている5。
「2026年変革計画」における具体的な事業運営の指針として、株式会社ネクソンは以下の5つの優先事項(2026 Plan and Priorities)を公式資料で提示した4。第一の優先事項は、「Dungeon & Fighter Mobileの回復(Restore Dungeon&Fighter Mobile)」である。業績報告において収益の低下が確認された当該主力モバイルタイトルの実績を立て直すことを目標に掲げている4。第二の優先事項は、「MapleStoryフランチャイズの成長維持(Sustain MapleStory Franchise Growth)」である。22年の歴史を持つ本IPの成長軌道を継続させ、さらなる収益化を図る4。第三の優先事項は、「ワールドカップの熱狂を活用したFCコミュニティの強化(Leverage World Cup Enthusiasm with FC Community)」である。サッカーIPにおいて、現実世界の国際的なスポーツイベントと連動したコミュニティ施策を展開し、ユーザーの関与を高める4。第四の優先事項は、「強化されたコスト規律(Enhanced Cost Discipline)」である。開発やライブ運営における費用の最適化と統制を図る4。第五の優先事項は、「厳格なROI(投資収益率)に基づくレビューの実装(Implement Strict ROI-Based Review)」である。投資効率をより重視した形で、プロジェクトの評価および継続判断の体制を社内に導入する4。
この説明会の場において、エグゼクティブ・チェアマンのPatrick Söderlundは投資家に対して声明を出し、株式会社ネクソンが2025年に記録的な収益の実績を上げ、年度末時点で8,000億円超の現預金を有していた実績を引証した5。その上で、現在同社が進めている変革計画が、業績不振の企業が実施するような「企業再生(Turnaround)のストーリーではない」と説明した5。
また、CEOのJunghun Leeは、株式会社ネクソンが保有するプロダクトポートフォリオの詳細なレビューを提示した5。同CEOは、直近において22年に及ぶ「MapleStory」フランチャイズを新作ゲームや新たな体験へと拡張した取り組みが成功を収めた実績について言及し、これが「Dungeon & Fighterのような大規模な既存フランチャイズを成長させるための青写真(blueprint)を提供するものである」と説明した5。同社は、特定のタイトルで実証されたIP拡張戦略の再現性を、全社の事業方針として水平展開していく計画を示している5。
株式会社ネクソンの事業運営に関わるリスク管理と環境要因への対応に関する事実を公式開示資料に基づき記載する。株式会社ネクソンは、有価証券報告書等の開示において、同社の事業の遂行や財務成績に重大な影響を及ぼす可能性のある外部環境のリスク要因を列挙している1。株式会社ネクソンは、グローバルに事業を展開する企業として、金融市場および資本市場の変動を注視すべきリスクとして特定している1。これに加えて、公式資料において株式会社ネクソンは、米国の通商政策や関税の動向を含む国際的な政策の変化が、事業の収益性に悪影響を及ぼす「下振れリスク(downside risks)」として認識している旨を明記している1。同社は、各国の法規制や政策変更が同社の事業に与える影響を継続的に監視する対象としている。
事業展開上の戦略的リスクに対する緩和策として、株式会社ネクソンは地域ごとの文化的差異への対応を挙げている。公式開示資料によれば、株式会社ネクソンは世界各地でゲームを提供・運用する上で、「市場間の文化的違い(cultural differences between markets)」を事業を左右する重要なリスク要因ならびに収益拡大の機会と認識している1。この課題に対する具体的な緩和策および事業推進戦略として、株式会社ネクソンは「ハイパーローカライゼーション(Hyper-localization)」を実施している1。これは、ゲーム内のコンテンツ、イベント設計、マネタイズ手法などを、各地域の対象プレイヤーの文化的背景や嗜好に合わせて高度に適応およびカスタマイズする戦略である1。株式会社ネクソンは、「MapleStory」等のフランチャイズにおいてこの戦略を実施した結果、地域ごとのプレイヤーのエンゲージメントが向上し、収益の増加に寄与した実績があることを業績報告の中で表明している1。
知的財産に関する訴訟および紛争リスクについて、株式会社ネクソンが提出した有価証券報告書等の法定開示資料、および政府や規制当局が提供する公式データベース等を今回の調査範囲内で確認した結果、株式会社ネクソンの事業継続に重大な影響を及ぼすような特許権侵害訴訟や、知財関連の重大な紛争の発生を対象企業自身が公式に発表・報告した事実は特定できなかった。
株式会社ネクソンの業界エコシステムに対する貢献およびサステナビリティに関連する取り組みの事実を記載する。株式会社ネクソンの公式ニュースリリースによると、同社はゲーム開発者向けの知見共有および技術交流の場を提供する目的で、「Nexon Developers Conference 25(略称:NDC25)」というイベントを開催した10。公式発表において、このカンファレンスの対象期間は2025年6月24日から2025年6月26日までと設定されていた10。カンファレンスの開幕日である2025年6月24日には、株式会社ネクソンのCEOであるJunghun Leeが開会宣言(オープニング)を行い、イベントが開始された実績が記録されている10。同社はこのようなカンファレンスの主催を通じて、自社のみならず業界全体の技術力および企画力の底上げを図る取り組みを実施している10。さらに、株式会社ネクソンは自社の公式ウェブサイト内に「Sustainability」セクションを設け、企業の社会的責任(CSR)に関連する情報公開を行っている11。
本セクションでは、今回の調査の過程において外部メディア、民間データベース、ブログ等の二次情報源で探索・発見されたものの、株式会社ネクソンの公式発表資料(法定開示、IR資料、公式ニュース、公式サイト等)または公的データベース(USPTO、J-PlatPat等)上で、対象企業(株式会社ネクソンまたはその一次情報上で明示された対象子会社)自身に直接帰属する事実として内容の照合および特定が完了できなかった事項を列挙する。これらは本レポート本文における事実根拠としては採用していない。
本セクションでは、株式会社ネクソンに関する定量的および構造化された情報をMarkdownの表形式で提示する。
以下は、株式会社ネクソンが公式開示資料、IRページ、および公式ニュースにおいて発表・実施した主要なIR(インベスター・リレーションズ)および企業イベントの実施日・予定日である。
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実施日/予定日 |
区分 |
イベント内容 |
出典・根拠 |
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2025年5月13日 |
実績 |
2025年第1四半期 決算発表(Earnings for First Quarter 2025) |
公式ニュース |
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2025年6月24日〜26日 |
実績 |
Nexon Developers Conference 25 開催(CEOによる開会宣言) |
公式ニュース |
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2025年8月13日 |
実績 |
2025年第2四半期 決算発表(Earnings for Second Quarter 2025) |
公式ニュース |
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2025年11月11日 |
実績 |
2025年第3四半期 決算発表 |
公式IRカレンダー |
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2026年1月8日 |
実績 |
2025年第4四半期および通期決算発表日の公式告知 |
公式ニュース |
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2026年2月12日 |
実績 |
2025年12月期(第4四半期および通期)決算発表・オンライン決算説明会 |
決算短信 |
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2026年3月24日 |
会社予定 |
2025年12月期 有価証券報告書 提出予定日 |
決算短信 |
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2026年3月25日 |
会社予定 |
定時株主総会 開催予定日 |
決算短信 |
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2026年3月26日 |
会社予定 |
2025年12月期 配当支払開始予定日 |
決算短信 |
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2026年3月31日 |
実績 |
Capital Markets Briefing 2026(オンライン資本市場向け経営戦略説明会) |
公式ニュース |
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2026年5月15日 |
会社予定 |
2026年第1四半期 決算発表予定 |
公式IRニュース |
本表は市場シェアを直接示すものではないが、対象企業が公開している決算説明資料に基づく、最新の地域別売上収益(収益発生地域に基づく区分)の構成比実績を提示する。
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地域・区分 |
構成比(%) |
備考 |
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韓国(Korea) |
44% |
同社最大の収益発生基盤 |
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中国(China) |
37% |
Dungeon & Fighter PC版等が牽引する市場 |
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北米・欧州(North America and Europe) |
9% |
グローバル展開の重点開拓地域 |
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その他(Rest of World) |
6% |
アジアの他の諸国および中南米諸国を含む |
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日本(Japan) |
4% |
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公的データベースである米国特許商標庁(USPTO)の公式公報において確認できた、株式会社ネクソンに関する標準文字商標「NEXON」の公報掲載情報である。TMA796457は米国商標登録番号ではなく、同公報内で参照されているカナダ登録番号である。
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種別 |
出願人 |
番号 |
区分・内容 |
有効期限/状態 |
情報源 |
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米国商標公報掲載情報 |
NEXON CO., LTD., TOKYO, JAPAN |
カナダ出願番号1,391,845、カナダ登録番号TMA796457(参照情報) |
コンピュータソフトウェアの設計・開発、ウェブサイト作成・保守等の役務 |
米国登録番号および米国登録の有効期限としては採用しない |
USPTO Official Gazette |
株式会社ネクソンの公式サイトにおける会社概要ページに基づく、同社の主要拠点の所在地情報である。
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拠点区分 |
所在地 |
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本社 |
〒106-0032 東京都港区六本木1丁目4番5号 アークヒルズサウスタワー 6F |
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本レポートは、公開情報をAI技術を活用して体系的に分析したものです。
情報の性質
ご利用にあたって
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