3行まとめ
内製開発で金融デジタル基盤を強化
横浜フィナンシャルグループは、外部委託からシステムの内製開発へシフトし、スマートフォンアプリ「はまぎん365」や営業店向け端末「AGENT」の機能追加を自社内で推進している。
AI実装で融資・販売記録業務を効率化
2023年11月に行内ChatGPTを導入し、融資稟議書作成支援AIでは年間最大19,500時間の業務効率化を見込む。応接記録検証AIでは検証業務の作業時間を約20%削減した。
デジタルチャネルが個人・法人顧客に拡大
個人向けアプリ「はまぎん365」は2025年6月末時点で141万人を突破し、法人向けポータル「ビジネスコネクト」は横浜銀行で2025年3月末時点5.2万社が利用している。
この記事の内容
株式会社横浜フィナンシャルグループ(旧称:株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ、2025年10月1日に商号変更を実施)は、東京都中央区日本橋2丁目7番1号東京日本橋タワー34Fに所在地を置く金融持株会社である[1]。事業内容は、銀行および銀行法により子会社とすることのできる会社の経営管理、ならびにそれらに付帯関連する一切の業務を掲げている[1]。株式会社横浜銀行および株式会社東日本銀行等を傘下に有し、「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」を目指す方針を示している[3]。株式会社横浜銀行は、データで見る横浜銀行の開示によれば、神奈川県内の預金シェアにおいて26.9%の実績を有している[4]。統合報告書2024における企業価値向上へのロジックツリーにおいては、レジリエンスの高い事業ポートフォリオ構築による業績ボラティリティの改善、サステナビリティ経営の高度化によるESG評価の向上、およびホームマーケットの経済活性化によるマテリアリティごとの主要KPI実現を掲げ、これらを通じてROE向上および株主資本コストの抑制を図る方針を示している[1]。
株式会社横浜フィナンシャルグループの2026年3月期第3四半期決算短信に基づく連結業績(2025年4月1日から2025年12月31日までの当第3四半期連結累計期間実績)において、四半期純利益は86,083百万円(前年同期実績は62,978百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は85,008百万円(前年同期実績は62,758百万円)、その他の包括利益は70,511百万円(前年同期実績はマイナス17,487百万円)を計上している[5]。2026年3月期第1四半期決算短信に基づく連結業績(2025年4月1日から2025年6月30日までの累計実績)では、経常収益112,939百万円(対前年同四半期増減率21.9%)、経常利益38,331百万円(同17.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益27,036百万円(同19.2%)である[6]。同第1四半期末時点の総資産は24,895,939百万円、純資産は1,330,455百万円、自己資本比率は5.2%(自己資本1,317,105百万円)である[6]。2026年3月期通期の連結業績予想(会社予想)として、2025年8月公表の第1四半期決算短信では経常利益145,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益95,500百万円を掲げていた[6]。2025年11月公表の第2四半期(中間期)決算短信では、経常利益151,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益103,000百万円に修正され、2026年2月公表の第3四半期決算短信においても同予想が記載されている[5][9]。
株式会社横浜フィナンシャルグループの知的財産戦略および管理体制について、有価証券報告書等の開示情報によれば、特許権や商標権などの知的財産はグループ各社において所管部署等を定め、管理および活用を行っている[7]。同社が長期的にめざす姿への取り組みを進めるなかで、知的財産の活用等を進める方針を記載している[7]。技術開発の観点では、外部委託からシステムの内製化開発へのシフトを加速させている[3]。株式会社横浜銀行のスマートフォンアプリ「はまぎん365」や、営業店向け次世代型タブレット端末「AGENT」の機能追加などの開発を自社内で推進している[3]。AI技術の活用実績として、2023年11月に株式会社横浜銀行および株式会社東日本銀行で行内ChatGPTを導入し、一般的に文書作成業務などにおいてChatGPTを利用した場合、利用しない場合に比べ、作業時間を37%削減することができると言われている旨を紹介している[3]。さらに、融資稟議書作成支援AIの実装に向けた検証による年間最大19,500時間の業務効率化見込みや、投資信託等の販売における記録簿を検証する応接記録検証AIを導入し、約20%の業務削減を実現した実績を開示している[3]。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)戦略において、同社はデジタル技術を駆使した金融および非金融サービスを通じて新たな体験価値を提供するため、データに基づいた1to1コミュニケーションによる最適提案、キャッシュレス決済の促進、デジタル化支援を推進している[3]。株式会社横浜銀行が提供するスマートフォンアプリ「はまぎん365」は、2025年6月末時点で利用者数141万人を突破した実績を有する[3]。法人向けポータル「ビジネスコネクト」は、株式会社横浜銀行で2025年3月末時点で5.2万社が利用しており、株式会社東日本銀行でも2022年12月より提供を開始している[3]。店舗DXの取り組みとして、株式会社横浜銀行は2024年3月末までにセミセルフ窓口を77店舗に導入し、2023年4月には来店予約サービスを全店に導入した[3]。さらに、2025年4月に株式会社横浜銀行のITソリューション部内に「イノベーション推進グループ」を新設し、AI導入のガバナンス整備や開発・運用を担う体制を構築した[3]。
株式会社横浜フィナンシャルグループは、コーポレートガバナンスおよびリスク管理体制の一環として、内部監査部門と監査等委員会の連携体制を構築している[7]。監査等委員会または同委員会が選定する監査等委員は、内部監査基本計画について内部監査部門長から報告を受け、取締役会の決定に先立って同意決議を行う[7]。また、内部監査部門と定例的および必要に応じて会合を設け、監査結果等について報告を受け、意見交換を行う体制としている[7]。ESGおよびサステナビリティに関する取り組みとして、統合報告書において「サステナビリティ経営の高度化」や「特定した6つのマテリアリティ(優先的に解決すべき重要課題)」を掲げている[1]。人的資本の観点では、経営戦略と連動した「グループ人財戦略」を策定し、2027年度までを計画期間として、「営業人員数(Quantity)」の増強と「一人あたりソリューション収益(Quality)」の向上を掲げている[7]。多様な人財が能力を最大限に発揮し得る生産性の高い組織の構築および人的資本の価値最大化に向けた取り組みを進めている[7]。
株式会社横浜フィナンシャルグループは、東京都中央区日本橋2丁目7番1号東京日本橋タワー34Fに所在地を置く金融持株会社である[1]。株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループを前身とし、2025年10月1日付で株式会社横浜フィナンシャルグループへと商号を変更した[2]。同社が公表した2026年3月期第3四半期決算短信等の法定開示書類においては「株式会社横浜フィナンシャルグループ(コード番号7186)」の商号が使用されており、変更前の2026年3月期第1四半期決算短信等においては「株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ」の商号が記載されている[5]。事業内容として、(1)銀行および銀行法により子会社とすることのできる会社の経営管理、(2)前号に掲げる業務に付帯関連する一切の業務、(3)前二号に掲げる業務のほか、銀行法により銀行持株会社が営むことができる業務、を定めている[1]。
統合報告書における開示情報によれば、株式会社横浜フィナンシャルグループは「お客さまに信頼され、地域にとってなくてはならない金融グループ」としてあり続けることを理念として掲げている[8]。企業価値向上に向けた具体的な事業ポートフォリオ戦略のロジックツリーとして、レジリエンスの高い事業ポートフォリオ構築を通じた業績ボラティリティの改善を目指す方針を示している[1]。さらに、サステナビリティ経営の高度化を通じたESG評価の向上、およびホームマーケットの経済活性化によるマテリアリティごとの主要KPIの実現を推進し、これらを通じてROE向上および株主資本コストの抑制を図る構造を記載している[1]。市場環境の変動を見据えた有価証券ポートフォリオに関する議論を深め、部門別配賦資本の最適化および部門別リスク・リターンの状況に向けた取り組みを進めている[7]。
主要な傘下企業である株式会社横浜銀行のデータによれば、同行は神奈川県内の預金シェアにおいて26.9%の実績を有しており、右肩上がりで推移していることを開示している[4]。株式会社横浜フィナンシャルグループは、グループ銀行の業務や営業現場の理解を深めるための役員向け営業店視察の機会の提供や、マーケットから寄せられる意見・提言に対する認識を深めるための株主・アナリスト等との対話の機会を提供する体制を整備している[7]。過去の経営統合の歴史として、統合報告書2023において、株式会社神奈川銀行との経営統合に関する特集が記載されている[8]。
株式会社横浜フィナンシャルグループが公表した最新の財務データに関して、2026年3月期第3四半期決算短信(連結)、2026年3月期第1四半期決算短信(連結)、およびその他の決算開示資料に基づく詳細な数値を記載する。
2026年3月期第3四半期(2025年4月1日から2025年12月31日まで)の当第3四半期連結累計期間実績における四半期純利益は86,083百万円であり、前第3四半期連結累計期間(2024年4月1日から2024年12月31日まで)実績の62,978百万円から増加した[5]。このうち、親会社株主に帰属する四半期純利益の実績は85,008百万円(前年同期実績は62,758百万円)、非支配株主に帰属する四半期純利益の実績は1,074百万円(前年同期実績は220百万円)である[5]。また、その他の包括利益の実績は70,511百万円(前年同期実績はマイナス17,487百万円)を計上している[5]。
2026年3月期第1四半期(2025年4月1日から2025年6月30日まで)の連結累計期間実績における経常収益は112,939百万円であり、対前年同四半期増減率は21.9%であった(前年同期実績は92,624百万円、増減率9.7%)[6]。経常利益の実績は38,331百万円であり、対前年同四半期増減率は17.3%であった(前年同期実績は32,676百万円、増減率396.1%)[6]。親会社株主に帰属する四半期純利益の実績は27,036百万円であり、対前年同四半期増減率は19.2%であった(前年同期実績は22,665百万円、増減率11.2%)[6]。包括利益の実績は48,311百万円(対前年同四半期増減率351.8%)であり、前年同期実績の10,691百万円(同増減率マイナス81.1%)から増加した[6]。1株当たり四半期純利益は、2026年3月期第1四半期実績で23.68円であり、前年同期実績の19.46円から増加した[6]。潜在株式調整後1株当たり四半期純利益の実績についても同額の23.68円(前年同期実績19.46円)である[6]。
連結財政状態に関して、2026年3月期第1四半期末時点の総資産実績は24,895,939百万円であり、2025年3月期末実績の24,793,138百万円から増加した[6]。純資産の実績は1,330,455百万円であり、2025年3月期末実績の1,292,594百万円から増加した[6]。自己資本比率の期末実績については、2026年3月期第1四半期末時点で5.2%(参考となる自己資本実績は1,317,105百万円)であり、2025年3月期末実績の5.1%(自己資本実績1,287,705百万円)から変動した[6]。同決算短信の注記によれば、この自己資本比率は、期末純資産の部合計から期末非支配株主持分を控除した数値を期末資産の部合計で除して算出したものであり、自己資本比率告示に定める自己資本比率ではない旨が開示されている[6]。
また、2025年11月13日に公表された2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信(対象期間:2025年4月1日から2025年9月30日まで)における連結経営成績の項目別内訳データは以下の通りである。信託報酬の当期実績は141百万円(前年同期実績113百万円)、役務取引等収益の当期実績は44,432百万円(前年同期実績36,896百万円)、特定取引収益の当期実績は247百万円(前年同期実績382百万円)、その他業務収益の当期実績は17,663百万円(前年同期実績17,403百万円)、その他経常収益の当期実績は6,424百万円(前年同期実績5,801百万円)である[9]。経常費用の当期実績は158,694百万円(前年同期実績126,073百万円)であり、その内訳として、資金調達費用の当期実績が45,123百万円(前年同期実績30,724百万円、うち預金利息の当期実績が27,197百万円、前年同期実績12,928百万円)、役務取引等費用の当期実績が8,269百万円(前年同期実績7,678百万円)、その他業務費用の当期実績が26,242百万円(前年同期実績16,793百万円)、営業経費の当期実績が73,436百万円(前年同期実績65,095百万円)、その他経常費用の当期実績が5,622百万円(前年同期実績5,780百万円)である[9]。経常利益の当期実績は79,523百万円(前年同期実績64,196百万円)、特別利益の当期実績はゼロ(前年同期実績71百万円、全額固定資産処分益)、特別損失の当期実績は323百万円(前年同期実績632百万円、全額固定資産処分損)となっている[9]。
2026年3月期通期の連結業績予想(会社予想)については、2025年8月公表の第1四半期決算短信では、経常利益145,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益95,500百万円を掲げていた[6]。2025年11月公表の第2四半期(中間期)決算短信では、経常利益151,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益103,000百万円に修正され、2026年2月公表の第3四半期決算短信においても同予想が記載されている[5][9]。配当の状況については、2025年3月期の実績として第2四半期末13.00円、期末16.00円の年間合計29.00円を実施した[6]。2026年3月期の配当予想(会社予想)としては、第2四半期末17.00円、期末17.00円の年間合計34.00円を掲げており、直近に公表されている配当予想からの修正の有無は「無」と記載されている[6]。
株式会社横浜フィナンシャルグループの知的財産に関する管理・活用体制について、有価証券報告書等の法定開示書類において基本方針が開示されている。同社は、特許権や商標権などの知的財産について、グループ各社において所管部署等を定めて管理および活用を行っている[7]。同社が長期的にめざす姿への取り組みを進めるなかで、知的財産の活用等を進める方針を記載しており、関連するサステナビリティの取り組み等については統合報告書や公式ホームページを通じて開示する体制を整備している[7]。具体的な保有特許件数や個別の特許出願ポートフォリオに関する定量的な目標数値については、今回の調査範囲内では確認できず、公的データベース上での包括的な権利状況の照合も今回の調査では未確認である。
同社の技術戦略および知的財産創出に関連する取り組みとして、デジタルシステムの自社開発体制への移行が挙げられる。株式会社横浜銀行では、顧客ニーズへの迅速な対応と技術進化への適応を目的として、システムの外部委託から内製開発体制へのシフトを加速させている[3]。具体的には、個人顧客向けのスマートフォンアプリ「はまぎん365」や、営業店向け次世代型タブレット端末「AGENT」、各種ウェブサービスの機能追加等の開発業務を自社内で推進している[3]。外部ベンダーに依存しない独自のシステム基盤とデジタルアセットを構築・運用することにより、利便性の高い金融サービスを早期に市場へ提供する体制を整備している[3]。
さらに、組織体制の強化として、2025年4月に株式会社横浜銀行のITソリューション部内に「イノベーション推進グループ」を新設した[3]。同グループは、AI導入を加速するためのガバナンス体制の整備や、銀行業務の効率化を目的としたAIの開発・運用を専任で担う組織として位置づけられており、業務プロセスの革新と競争力の向上に寄与する方針を掲げている[3]。
株式会社横浜フィナンシャルグループは、「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」を目指すビジョンを掲げ、デジタル技術を駆使した金融・非金融サービスを通じた地域社会の持続的な発展への貢献をデジタル戦略の基本方針としている[10]。急速に進展するデジタル社会において、あらゆる情報のデータ化とつながりを活用し、顧客に対する1to1コミュニケーションに基づく最適提案を提供する方針を示している[10]。
株式会社横浜銀行における個人顧客向けの取り組みとして、スマートフォンアプリ「はまぎん365」のUI/UX改善および機能拡充を推進している[10]。同アプリは顧客接点のメインチャネルとして位置づけられており、2025年6月末時点の実績において利用者数141万人を突破した[3]。機能拡充の実績として、住宅ローン残高や契約内容の確認機能の追加、およびスマートフォン決済サービス「はまPay」との連携強化を実施した[3]。2025年度以降の計画として、AIを活用したチャット機能の実装や、アプリ限定の定期預金の取り扱い開始を予定している[3]。キャッシュレス決済の促進施策については、「はまPay」を通じた小口決済インフラ「ことら送金」(10万円以下の個人間送金手数料無料)への対応を実施し、さらに2023年4月からは固定資産税等の納付が可能な「ことら税公金」への対応を開始した[3]。
店舗業務のDX化および生産性向上の取り組みとして、次世代型店舗への移行を進めている[3]。株式会社横浜銀行では、職員のサポートを受けながら顧客自身で入出金等を行う「セミセルフ窓口(クイックカウンタATM)」を2024年3月末時点の実績として77店舗に導入した[3]。また、次世代型営業店端末であるタブレット「AGENT」を導入し、口座開設、住所変更、相続受付などの主要取引機能を提供している[3]。2023年10月には、同端末に普通預金ICキャッシュカードの新規発行機能を実装した[3]。非対面取引の拡充として、2023年2月より一部店舗において相続手続きのテレビ窓口運用を開始し、本部専門部署によるサービス提供を実施している[3]。さらに、2023年4月には全店において来店予約サービスを導入し、24時間365日のWEB予約受付を通じて待ち時間の短縮を図っている[3]。
法人顧客向けのデジタルソリューション提供として、オンライン完結型の取引や情報提供を行う法人向けポータル「ビジネスコネクト」を展開している[10]。同ポータルは、株式会社東日本銀行において2022年12月より提供を開始した[10]。株式会社横浜銀行においては、2025年3月末時点の実績として5.2万社が利用している[3]。デジタル化支援の施策として、約60社のデジタル系企業と連携し、クラウド型労務・人事システム等の導入支援サービスを提供するとともに、浜銀総合研究所によるDXコンサルティングとの連携も実施している[3]。株式会社東日本銀行では、行内の業務効率化推進を目的としたRPA(Robotic Process Automation)の活用や、顧客へのインターネットバンキング(IB)の利用推進を並行して行っている[10]。
株式会社横浜フィナンシャルグループは、知的財産や独自技術の源泉となるAI技術の積極的な導入とデータサイエンスの活用を推進している。従業員の生産性向上を支えるAI活用の実績として、2023年11月に株式会社横浜銀行および株式会社東日本銀行において、従業員専用の「行内ChatGPT」を導入した[3]。同システムは行内の規程やマニュアルの照会、文書作成等の業務に活用されており、一般的に文書作成業務などにおいてChatGPTを利用した場合、利用しない場合に比べ、作業時間を37%削減することができると言われている旨が示されている[3]。
融資審査等の高度な専門業務へのAI技術の実装に向けた取り組みとして、融資稟議書作成支援AIの開発および検証を実施している[3]。同システムは稟議書作成業務の抜本的な効率化を目的としており、年間最大19,500時間の業務削減効果を見込んでいる[3]。同時に、顧客に対するヒアリング不足箇所を明確化する機能を通じて、従業員の審査スキルの向上を図る方針である[3]。また、投資信託等の金融商品販売業務における記録簿の検証業務において「応接記録検証AI」を導入し、担当者の検証業務に係る作業時間を約20%削減した実績を開示している[3]。
データサイエンスおよびデジタルマーケティング領域における独自のシステム構築として、リテール戦略部等の主導のもと、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)を活用した「顧客ニーズ検知システム」の開発・運用を行っている[11]。同システムは、顧客の属性情報とデジタルチャネル上での行動データを組み合わせてニーズを定量的に推定し、Webチャネルでの商品獲得を起点として、コールセンターにおけるアウトバウンドコールのアプローチ最適化を目的として構築された[11]。具体的な業務プロセスとして、金融商品の推進施策の立案、MA(マーケティングオートメーション)ツールを用いたカスタマージャーニーの設計、SQLを用いたビッグデータの分析、成果の集計・分析を実施している[11]。さらに、顧客に対してカードローン等を案内した際に申込に至る可能性を予測する機械学習モデルの開発実績を有している[11]。データ分析の基盤として、統計計算とデータ解析に特化したパッケージ型ソフトウェアであるSAS(Statistical Analysis System)の活用に関する言及も見られる[11]。
これらのAI・デジタル技術の稼働を支えるITインフラストラクチャとして、イントラネットの刷新および高度なセキュリティフレームワークである「SASE(Secure Access Service Edge)」の導入を実施し、安全性向上とクラウド利用の推進基盤を整備した[3]。さらに、MEJAR参加5行による共同利用型の「営業・融資サポートシステム(次世代SFA・CRM)」を2024年1月に導入し、2025年5月より共同利用をおこなっている[3]。
株式会社横浜フィナンシャルグループは、「ソリューション・カンパニー」への転換に向けた経営戦略と連動する形で「グループ人財戦略」を策定し、人的資本への投資を積極的におこなっている[4]。同戦略は2027年度までを計画期間として設定し、「営業人員数(Quantity)」の増強と「一人あたりソリューション収益(Quality)」の向上を重点目標として掲げている[7]。「人づくり」「組織づくり」「環境づくり」をテーマとし、従業員一人ひとりの能力を高め、多様な人財が持てる能力を最大限に発揮し得る生産性の高い組織の構築を通じた人的資本の価値最大化に向けた取り組みを進めている[4]。
デジタル・IT領域を牽引する人財の育成体制について、全従業員を対象とした生成AIの利用教育プログラムを展開している[12]。具体的には、動画配信による教育や地域勉強会の実施を行っている[12]。また、本部各部門に「生成AI推進担当」を設置し、利活用に関する定例会を開催する体制を構築している[12]。高度専門人財の獲得と育成の観点から、プロジェクトマネージャー(PM)、サイバーセキュリティ、AI開発などの分野における専門人材の採用・育成を推進し、全従業員のAIリテラシー向上を図っている[3]。
役員に対する情報提供体制の充実も図られており、就任後に経営理念、経営方針、経営計画および事業構造等に関する知識・情報を習得する機会を提供している[7]。就任後においても、グループ銀行の業務や営業現場の理解を深めるための営業店視察の機会や、マーケットから寄せられる意見・提言に対する認識を深めるための株主・アナリスト等との対話の機会を提供する方針を掲げている[7]。
株式会社横浜フィナンシャルグループのコーポレートガバナンス体制の一環として、監査等委員会および内部監査部門を中心とした牽制・連携機能が構築されている[7]。有価証券報告書等の開示情報によれば、監査等委員会または同委員会が選定する監査等委員は、内部監査基本計画について内部監査部門長から事前の報告を受け、取締役会での決定に先立って同意決議を行う体制を整備している[7]。さらに、内部監査部門と定例的および必要に応じて会合を設け、内部統制報告書や有価証券報告書等に関する監査結果等について報告を受け、意見交換を行うことで、監査の独立性と実効性を担保している[7]。
同社の大株主の状況について、有価証券報告書における大量保有報告書の内容として、ブラックロック・ジャパン株式会社および共同保有者7名が76,850,600株を保有しており、株券等保有割合は6.53%である事実が開示資料に記載されている[7]。なお、開示資料においては2025年3月31日現在における実質所有株式数が確認できないための措置として、当該データを大株主の状況の表本体には含めていない旨が注記されている[7]。
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日付 |
区分 |
出典表記名 |
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2025年8月5日 |
2026年3月期 第1四半期決算短信発表日 |
2026年3月期第1四半期決算短信 |
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2025年11月13日 |
2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信発表日 |
2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信 |
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2026年2月5日 |
2026年3月期 第3四半期決算短信発表日 |
2026年3月期第3四半期決算短信 |
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2026年5月12日 |
2026年3月期 本決算発表日(予定) |
株予報Pro 適時開示情報 |
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項目 |
数値 |
対象期間・時点 |
区分 |
出典表記名 |
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株式会社横浜銀行 神奈川県内預金シェア |
26.9% |
(調査範囲内では年度記載確認できず) |
実績 |
データで見る横浜銀行 |
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項目名 |
対象機能・概要 |
導入時期・完了日等 |
実績・計画数値・ステータス等 |
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はまぎん365 |
スマートフォンアプリ |
- |
2025年6月末利用者数141万人突破(実績) |
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ビジネスコネクト |
法人ポータル(株式会社横浜銀行) |
- |
2025年3月末 5.2万社利用(実績) |
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ビジネスコネクト |
法人ポータル(株式会社東日本銀行) |
2022年12月 |
提供開始 |
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セミセルフ窓口 |
クイックカウンタATM |
2024年3月末 |
77店舗導入完了(実績) |
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来店予約サービス |
全店WEB予約サービス |
2023年4月 |
導入完了 |
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行内ChatGPT |
規程・マニュアル照会、文書作成 |
2023年11月 |
一般的に文書作成業務等で作業時間37%削減と言われている旨 |
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融資稟議書作成支援AI |
稟議書作成の効率化・ヒアリング不足明確化 |
推進中 |
年間最大19,500時間削減(見込) |
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応接記録検証AI |
投資信託等販売記録検証業務 |
導入完了 |
検証業務約20%削減(実績) |
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SFA・CRM |
営業・融資サポートシステム |
2024年1月 |
MEJAR5行に導入。2025年5月より共同利用を実施 |
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顧客ニーズ検知システム |
CDP活用による顧客行動データの分析・予測 |
運用中 |
Webチャネル・コールセンター最適化(実績) |
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本レポートは、公開情報をAI技術を活用して体系的に分析したものです。
情報の性質
ご利用にあたって
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