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10年後を見据えた先読み発明戦略をマイクロソフトに学ぶ

本記事は、当社が開催したクアルコムに学ぶ「知財戦略」の基礎セミナーのエッセンスをお届けするものです。
セミナーの重要な知見を、どなたでも気軽に学べる形でまとめています。

10年後、あなたの会社はどんな事業をしていると思いますか?
AI、IoT、自動運転、メタバース...新しい技術が次々と生まれる今、魅力的な事業機会はたくさんあります。しかし、実際に参入しようとするとこんな状況になっているかもしれません。

  • 魅力的な新市場を発見したのに、重要特許を他社が押さえていて参入できない
  • 技術開発に成功したのに、商品化の段階で特許の壁に直面
  • やっと製品化できたのに、ライセンス料で利益が吹き飛ぶ

でも実は、この問題を解決する方法があるんです!

それが今日ご紹介する「先読み発明」という考え方。未来を予測して、今のうちに必要な特許を仕込んでおく戦略です。

【要約】マイクロソフトに学ぶ先読み発明戦略

マイクロソフトは「10年後に必要な特許を今のうちに取っておく」という先読み発明戦略で競争優位を築いています。将来の魅力的な事業機会に確実に参入するため、未来を予測して必要な権利を事前に確保する手法です。

本記事では以下の内容を解説します。

  • マイクロソフトの「フォワードインベンションミーティング」の仕組みを理解する
  • 従来の発明手法と先読み発明戦略の根本的な違いを把握する
  • 預言者のような未来予測から発明を生み出す手法を学ぶ
  • 将来の事業機会に向けた「椅子を確保する」逆算思考を実践する
  • 継続的な未来洞察の仕組みづくりを組織に導入する

10年後の魅力的な事業テーブルに確実に着席するため、今から必要な権利を準備していきましょう。

先読み発明とは何か:マイクロソフトの「フォワードインベンション」

フォワードインベンションミーティングの実態

まず、「先読み発明」って何でしょうか?これはマイクロソフトが実際に使っている「フォワードインベンション(FORWARD INVENTION)」という英語を日本語に訳したもの。直訳すると「先を見据えた発明」といった意味です。

マイクロソフトでは定期的に「フォワードインベンションミーティングというもの」を開催しているそうです。このように組織として未来予測と発明を結びつける仕組みを作っています。

多くの企業が研究成果から特許を考える中、マイクロソフトは逆のアプローチを取っているんです。

従来の発明手法との根本的違い

多くの企業では、こんな流れで特許を取っています。

研究開発でアイデアが生まれる
→それを商品化する
→「せっかくだから特許も取っておこう」。

でも、マイクロソフトのやり方は真逆!

まず未来の事業機会を想像する。
→そこで必要になりそうな特許を逆算して考える。
→そして今のうちに発明して権利を取っておく。

この順番なんです!

マイクロソフトの考え方はこうです。将来魅力的な事業機会が現れた時、そこに参入するための「権利(特許)」を持っていなければ、事業展開できない可能性がある。

だから今のうちに必要な特許を確保しておこうという発想なんです。

預言者のような発明アプローチ

楠浦氏とマイクロソフト研究所長の出会い

弊社代表の楠浦がマイクロソフトの研究所長と話した時のことです。楠浦氏が学生向けの「発明塾」で教えているアイデア出し手法について説明すると、その所長は「それはPROPHETINGのやり方じゃないか。俺と一緒だ」と共感したそうです。

PROPHET(プロフェット)は何かというと、「預言者」という意味!つまり「未来はこうなるって預言してアイデアを出すってことを彼は言ってるんだな」と楠浦氏は理解したんですね。

未来予測から発明を生み出す手法

具体的にはこんな考え方です:「10年後にはこういう未来になるはずだ。その時に必要とされるものは、こういうVRデバイス(仮想現実機器)だとか、ユーザーインターフェース(人と機械の操作画面)だとか、何かこの巻物のディスプレーが必要だとか、そういうことを考えるのが発明者の役割」

この研究所長は「発明家がごちゃごちゃいじって何か生まれたとか、たまたまいいアイデアがひらめいたとか、そんなことを言っているのではなくて」、意図的に未来を設計して発明するアプローチを取っているんです。

さらに重要なのは、「研究開発の前にアイデアがあるはずです。つまり発明があるはずなんだけど、みんな研究開発の話はするけれど、誰も発明の話をしないね」という問題意識。つまり、製品開発の前に、まず発明ありきという考え方なんです。

先読み発明の実践ステップ

「椅子を確保する」ための逆算思考

マイクロソフトでは、将来の事業機会を「椅子」に例えています。「彼らにとっていい面白い事業領域があって、そこに美味しい料理並んでるけど椅子がないみたいな状態は避けたいので、椅子をという、彼はそんなイメージを持っているみたいですね」

つまり、将来の魅力的な事業テーブルに着席するための「椅子(特許)」を今のうちに確保しておこうということです。

継続的な未来洞察の仕組み

実際の実践方法として、まず「5年後、10年後に生まれる事業機会」という長期的な時間軸で考えることが重要です。

そしてマイクロソフトが「フォワードインベンションミーティング」を継続しているように、定期的に未来予測と発明テーマの見直しを行います。

この継続的な取り組みにより、競合他社が気づく前に重要な特許を押さえることができるというわけです!

まとめ:先読み発明で事業機会を確実に掴む

先読み発明戦略の本質は、発明のタイミングを変えることです。製品開発の後で特許を考えるのではなく、「10年後にはどんな技術が必要になるか?」から逆算して今のうちに発明し、特許を押さえておく

この戦略により、将来の魅力的な事業機会に確実に参入できる「権利」を事前に確保できます。マイクロソフトが継続的に「フォワードインベンションミーティング」を開催しているように、組織として取り組むことで競争優位を築けるのです。

あなたの会社でも、今日から始められます。まずは「10年後、うちの業界はどうなっているだろう?」という問いかけから。そして定期的に未来を議論する場を作ってみてください。

未来の事業テーブルに着席するための椅子を、今のうちに確保する。これが先読み発明の真髄です!

※本記事はAI技術を活用して作成しています。内容の正確性に努めておりますが、表現や解釈に独自性がある場合がございます。


このコラムの元となった動画セミナーについて

今回ご紹介した「先読み発明戦略」は、クアルコムとマイクロソフトの知財戦略を解説した動画セミナーの内容を基にしています。

「直近で新規テーマを提案する機会があるので、参考にしたい。」など、実際の受講者からも戦略的な知財活動への実践的な価値を評価いただいています。

先読み発明による競争優位の築き方をさらに深く学びたい方は、ぜひご検討ください。動画では先読み発明戦略を含め、知財戦略全般について具体的な企業事例と手法を解説しています。

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