本記事は、当社が開催した事業転換のための新規事業マーケティングセミナーのエッセンスをお届けするものです。セミナーの重要な知見を、どなたでも気軽に学べる形でまとめています。
みなさん、こんな経験はありませんか?
「うちには素晴らしい技術があるのに、どう活かせばいいかわからない…」
「既存市場が縮小している。このままじゃ大変なことに!」
「新規事業を立ち上げたいけど、どこから手をつければいいの?」
実は、こうした悩みを見事に乗り越えた日本企業があるんです!
弊社代表取締役の楠浦が研究した富士フイルムと出光興産の事例から、既存技術を全く異なる分野で花開かせた秘密をご紹介します。
これは単なる成功物語ではなく、あなたの会社でも実践できる「技術転用の方法論」です。
写真フィルムからヘルスケア事業へ?一見すると関係なさそうですよね。
でも、富士フイルムはこの"無関係"に見える分野への転換を見事に成功させました!
デジタルカメラの普及により、カラーフィルム市場は2000年頃から急速に縮小。富士フイルムは「前年比マイナス30%」という恐ろしいスピードで主力市場を失っていきました。2006年には5000人ものリストラも実施。まさに生き残りをかけた戦いが始まったのです。
では、どうやって富士フイルムは再生医療という全く新しい分野に進出できたのでしょうか?
答えは「コラーゲン」にありました!
「写真フィルムの基本がコラーゲンで、これが細胞培養や再生医療に使えるんです」と楠浦は説明します。つまり、フィルムを作るために長年培ってきた技術が、実は医療分野でも大きな価値を持っていたのです。
具体的には:
特に注目すべきは、コラーゲンを加熱・変性したゼラチンの活用法です。これが細胞培養の足がかりとなりました。
この技術転用の中心にいたのは、ある一人の人物でした。楠浦が特許情報を分析して見つけた「中村さん」という人物です。
中村さんの特許出願履歴を追うと、2000年以前から一貫してゼラチン技術の新しい用途を探索していたことがわかります。最初は血液検査キットやドラッグデリバリーで実験し、最終的に細胞培養へと進化させていったのです。
「特許を読むと、彼らも簡単に再生医療だ!と出てきたわけではない」と楠浦。実に10年以上もの試行錯誤を経て、現在の方向性にたどり着いたのです。
近年の成果として、2023年には半月板損傷を治療するための再生医療製品を発表。20年にわたる地道な研究開発が、ついに実を結び始めたのです!
一方、出光興産は「厄介者」だった廃棄物から、未来の電気自動車を支える革新的な技術を生み出しました!
出光興産の売上の約8割は燃料油(ガソリンなど)が占めています。化石燃料への依存度が非常に高い同社にとって、脱炭素社会への移行は大きな脅威でした。2030年までに石油由来事業を50%以下にする目標を掲げる同社にとって、新規事業開発は文字通り「生命線」だったのです。
出光興産の成功は「石油精製の過程で生まれる硫化物」という、通常なら扱いの難しい廃棄物を逆手に取ったところから始まります。
「硫化物は危険物でもあって、本来は捨てるのにもお金がかかるようなもの。それを有効活用できないかと模索していた」と楠浦は解説します。
90年代から硫化リチウムの製造技術を開発していた出光興産。当初は樹脂材料としての活用を考えていました。しかし転機は、大阪府立大学(現大阪公立大学)の辰巳砂先生との出会い。硫化リチウムから高い熱伝導度を持つ固体電解質が作れるという発見が、全く新しい事業の種となったのです。
特許情報を分析すると、出光興産のトップ発明者「千賀さん」の存在が浮かび上がります。元々は樹脂開発のバックグラウンドを持つこの人物を中心に、半導体技術者や射出成形の専門家など、社内の多様な技術者が結集。
「持てる固有技術を総動員してやったみたい」と楠浦は分析します。
特に注目すべきは、2015年以降に特許出願件数が急増し、登録率も上がっていること。この時期にブレイクスルーがあり、事業としての実現可能性が高まったと考えられます。
さらに重要なのは、硫化物取り扱いのノウハウという参入障壁の高い強みです。「硫化水素は危険だから、好き好んで扱いたい人はあまりいない」という逆転の発想で競争優位性を構築したのです。
富士フイルムと出光興産の事例から学べる共通点は何でしょうか?
「技術ベースの新規事業マーケティングは難しい」と楠浦は言います。しかし、自社の強みを活かし、長期的視点で取り組むことで、富士フイルムや出光興産のような成功を収めることは可能なのです。
あなたの会社にも、実は新しい分野で花開く可能性を秘めた技術があるのかもしれません。今日から、その可能性を探してみませんか?
※本記事はAI技術を活用して作成しています。内容の正確性に努めておりますが、表現や解釈に独自性がある場合がございます。
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