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「尖った20点」を育て、「新規事業」と「投資」で、よい社会を作ろう

「尖った20点」を育て、「新規事業」と「投資」で、よい社会を作ろう

TechnoProducer株式会社CEO/発明塾塾長 の 楠浦(くすうら) です。
今回は、2024年10月19日に「知的財産マネジメント研究会(Smips)」で開催したセミナーについて、近況報告を兼ねて、情報共有いたします。

▼セミナー内容はこちら
https://www.techno-producer.com/news/smips_conference_info_241019/

「尖った事業を企画するための特許情報分析 ~ Patent Information for Victory ~」というテーマで講演し、当日の会場には20名程度いらっしゃいました。
オンラインで100名以上の方に参加いただいたようです。
ありがとうございました。

10年以上前の話になりますが、僕も「知財キャリア分科会」という、人材育成やキャリアに関する分科会の運営を担当しておりました。
実は「発明塾」(学生向け)の誕生にも、Smipsが深く関わっているのですが、長くなるのでその話はあとにします。
まずは、当日お話した内容と、いただいたご感想とご質問を、かいつまんでご紹介します。

「尖った事業を企画するための特許情報分析」とは?

当日の要点を、サマリーのスライドから抜粋しておきます。
時間は1時間30分でした。

1.特許情報は「尖った仮説やアイデア」を生み出す上で極めて有用な情報源
2.IR情報と比較した特許情報の特徴と、その活用方法について、トヨタの事例をもとに解説
3.尖った企画に必要とされる「他人が気づいていないネタ」や、「知られざるすごい企業」を見つけるための考え方と、具体的な調査の方法を解説
4.最後に、特許調査から見出された多数の企業の中でも、ダントツに面白く、尖った新規事業企画のモデルになる企業として花王を紹介

「3.」で取りあげた事例は、「インターナショナル・ペーパー」「朝日インテック」「花王」の事例です。
書籍「Patent Information For Victory」でも、解説しています
当日は、資料にない「ここだけの話」をかなりしています。
今後のセミナーも、おそらくそうなると思います。
資料は、後で見れますからね(笑

「話が面白すぎて、資料の内容が頭に入ってこなかった(笑)」というコメントもいただいております。
後で書きますが、Smipsには大変お世話になったので、お礼の意味も込めて、いつもより多めにお話しました(笑

花王の事例に関して、「花王のように、尖った20点を育てろ!と言ってくれるならやりやすい、そう言ってもらえない企業では、どうしたらええの?」というご質問をいただきました。
「それで花王が、V字回復してまっせ」といえばいいのでは?と回答しました。

日本企業は横並び主義だ、と嘆く方がいらっしゃいます。
僕は、嘆くヒマがあったらアクションしたい主義です(笑
起きていることはすべて正しいという本が、僕は大好きで、折を見て読み返します。
経済評論家の勝間和代さんの本です。

この本の主題の一つは「リフレーミング」です。
要するに、モノゴトに良い悪いは無くて、捉え方次第だ、ということですね。
発明塾で重視する「インサイト」の根底にも、基本的には「リフレーミング」があります。
他の人が気付かないことに気づく、とは、そういうことです。

実は横並び主義は、考えようによっては(これが「リフレーミング」のキーワード)、とっても都合がいいんですよね。
「(実は)隣の(有名な)会社もやってますよ」と言えばよいのです(笑
あからさまに言うと反発を受けることもありますので、花王の事例を、なんとなく社内に周知すればよいのです。
まぁ要するに「まず、僕の新著を買って、社内回覧すればエエんでないの?」ということですね(笑
そんなに簡単ではないでしょうが、何もしないと、何も動きません
3,300円で、一手打てるんですから、安いもんですよね。

皆さんが動きやすくなるように、僕はこの本を、何年もかけて書いたわけです
ネタになるセミナーから数えると、7年かかってます。
構成を考え、原稿を整備し始めたのが、3年ほど前でしょうか。

花王の知財戦略は、もう10年以上調べていますし、過去に何度もセミナーをやっています。
マイクロソフトも、クアルコムも、テルモも、10年以上調べています。
どこかで誰かから、「何年前から書き始めたのか?」と質問された気がしますが、おおよそ10年ぐらいかけている、ということになります。

後で紹介するファンドマネージャーの方は、企業に投資するまでに、数年かけて40年以上のデータを調べるそうです。
数字だけでなく、会社の歴史のような、定性的なデータも、ずーっと遡って見ておられます(もちろん、特許も)。
僕はその話を聞いたときに、やっぱそうですよね、と申し上げました。
プロって、そんなもんですよね。

当日お聴きになった方で、まだ資料をダウンロードされていない方は、ぜひ、ご質問やご感想を以下のアンケートにご記入いただき、資料をダウンロードしておいてください。
(アンケートへご記入いただいた方に、資料をお送りしています)

▼アンケートフォーム
https://forms.gle/j2ZADrf3gu1xrYzc9

「新規事業」「投資」で、よい社会を作る

書籍「Patent Information For Victory」の中に、対談が2つあります。

1つ目は、僕が支援し指導している「投資アナリスト」の方が、特許情報を日々、現場でどう使っていて、それが投資にどう役立っているか、詳細に伺ったものです。
非常にわかりやすく、かつ、具体的なアクションまで書かれていますので、ぜひご一読ください。

2つ目は、なかのアセットマネジメント株式会社(なかのアセット)の 山本潤さん(山本さん) との対談です。
山本さんのお話にある通り、弊社は、なかのアセットの支援を行っています。

当日僕は、「株式市場」という、資本主義の根底にある仕組み、すでにある仕組みをうまく使えば、(より)よい社会を作ることができる、というお話をしました。
株式を保有する、というのは「発言権」「投票権」を得ることですから、企業の行動に対して、一定の影響力を持つことになります。
これを活用すれば、「社会課題ー顧客課題(ー技術課題)」を一気通貫で解決し、よりよい社会を実現していこうとする企業を、お金と知恵を出して後押しし、その企業価値向上を通じて、自身も豊かになれる

こういう考え方を「エンゲージメント投資」と呼びます。
山本さんと初めてお会いしたときに、「エンゲージメント投資をやるんだ」という話を聞いて、僕は、社会起業家 「よい社会」をつくる人たち (PHP新書)」という書籍を思い出しました。
僕はこの本を2000年頃に読んで、「事業は世の中を(より)よくするためにある」、ということを学びました。
その後、コマツの新規事業部門へ転職、ナノテクスタートアップの立ち上げ、そして、弊社TechnoProducer株式会社と発明塾の設立へ。
その原点が、「社会起業家 「よい社会」をつくる人たち」なんですよね。

出会ったのは、27-8歳ぐらいの時でしょうか。
いまでも、電子化せずに手元にあります。
第1版第1刷なので、正真正銘の初版なんですよね。
2004年のナノテクスタートアップ設立時、当時の社長に「これ読んでくれ」と渡したら、「楠(くす)は、ほんとに変わったやつだな」と言われました。
楠浦(くすうら)は長いので、社長以下、みんな僕のことを「くす(楠)」と呼んでいました。
よく可愛がっていただきました。

脱線しました。

「実は投資もそうだった」ということです。
僕にとって、新規事業と投資は、社会をより良くするための両輪なわけです。

そもそも、スタートアップ投資(ベンチャー投資)は、「ハンズオン投資」と呼ばれるスタイルが一般的で、これもある種「エンゲージメント投資」だと思っています
ただ、僕が実際にスタートアップを経営した範囲では、そこまで「エンゲージ」してくれる投資家は少数でした。
「なんだかんだ言って、結局、儲かればいいんでしょ」と、思ってました(笑

そこに、山本さんが現れて、「上場企業への投資」で同じことをやる、とおっしゃるわけですから、もはや手伝わない理由がないですよね。
「発明塾」は、企業の新規事業や個人の起業の支援、および、長期のエンゲージメント投資家の支援を通じて、世の中をより良くしていく仕組みなんですね。

Smipsでのセミナーへのご質問・ご感想に、「楠浦さんが発明塾の普及に取り組む原動力は、”面白い”だと思っていたが、”(より)よい社会にしたい”ということもあるんだと知った、のようなコメントがありました。
僕にとって、「オモロい」は、「(より)よい社会にしていく」ことと、イコールです。
よりよい社会につながらないものは、面白くはないわけです。
社会起業家 「よい社会」をつくる人たち (PHP新書)」の話です。
事業の面白さは、「よい社会」実現のツールだ、というところにあるわけですね。

皆さんの課題が解決されて、取り組んだ人も豊かになって、全員ハッピー。
こんな面白いこと、他にありますか?ということです。
もっと新規事業やりましょう、ということですね(笑
ちなみに僕がここで「新規事業」と呼ぶのは、狭い意味では、「未解決の課題」に取り組む事業を指します。
2番煎じではオモロないよね、と僕が言うのは、そういうことです。
社会をよくしない事業は、全然、オモロないわけですね。

また脱線しました。

さてエンゲージメント投資を弊社がどんな風に支援していて、なかのアセットでどういう議論やエンゲージメント投資が行われているか。
新著「Patent Information For Victory」の対談をお読みください。

なかのアセットのみなさんも、「社会起業家(企業家)」なんだろうと、僕は思っています。
みなさんも、「なかのアセット」のファンドを通じて、エンゲージメント投資に参加しませんか?ということですね。

今後のセミナー予定は、「Patent Information For Victory」特設サイトに掲載しています。

「発明塾」が誕生したのはSmipsだった

長くなりましたが、Smipsの話に戻ります。
実は、発明塾の正真正銘の第一期生(第一号)は、当時Smipsに参加してくれていた学生さんです。
東京の大学で、土木工学を専攻されていて、弁理士試験にも合格されていた方です。
Hさんとしておきましょう。

Smipsで、「発明してみない?」という怪しい話をして、最初に乗ってきてくれたのがHさんでした。
ほぼ同じタイミングで、面白そうですねという方が3名ほどいらっしゃって、発明塾の開催が決まりました
京都大学の品川オフィスで、毎週土曜日の朝、オフィスが開くと同時に無料のスペースをお借りして開催していました。
流石に京大OBOGと言えども、土曜日の朝に品川まで来て仕事をする人は居ませんでしたので、誰の迷惑になることもなく、発明討議に没頭できました(笑
ラッキーでした。

当時の京大品川オフィスの受付の方には大変よくしていただいて、無料スペースを予約するという無理難題も聞いていただいて、感謝しかありません。
その後、京都大学の僕の講義に出席してくれた学生さんが賛同してくれて、京都でも発明塾を開催することになります。
そして、企業向けのセミナーで学生向けの取り組みを紹介したところ、見学したい、という方があらわれて、企業内発明塾に発展し、現在に至ります。

ちなみに東京の場合、土曜日がSmipsの時は、Smipsの会場である政策研究大学院大学のフリースペースをお借りして、発明討議をしていました。
現弊社メンバーの「畑田(はただ)」が、「部屋の中に雲を造る」というぶっ飛んだ発明に、個人発明家として取り組んでいるのですが、その討議を、Smips開催前の時間によくやっていましたね。

先日、久しぶりに政策研究大学院大学を訪問して、フリースペースの机で仕事をしていたのですが、当時のことを思い出しすぎて、結局、何一つ仕事はできませんでした(笑
あきらめて、仕事をしている「ふり」をして思い出に浸っていたら、仕事に関するいろいろなアイデアが浮かんできました。
思い出がありすぎるのは、良いことなんでしょうね。

 

楠浦 拝

 

★本記事と関連した弊社サービス

①企業内発明塾®
「既存事業の強みを生かした新規事業の創出」を支援するサービスです。技術マーケティングのプロである楠浦の直接支援により、BtoC、BtoBを問わず、あなたの会社の強みを生かした新規事業の企画を生み出せます。
例えば「ガソリン車の部品技術の新用途を医療・介護分野で創出」「スマートフォン向けの材料の新用途を食品分野で創出」など、次々に成果が出ています。

 

➁無料メールマガジン「e発明塾通信」
材料、医療、エネルギー、保険など幅広い業界の企業が取り組む、スジの良い新規事業をわかりやすく解説しています。
「各企業がどんな未来に向かって進んでいるか」を具体例で理解できるので、新規事業のアイデアを出したい技術者の方だけでなく、優れた企業を見極めたい投資家の方にもご利用いただいております。週2回配信で最新情報をお届けしています。ぜひご活用ください。

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★弊社書籍の紹介

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※KindleはPCやスマートフォンでも閲覧可能です。ツールをお持ちでない方は以下、ご参照ください。

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➁特許情報を活用して企業の真の価値と将来性を見抜く新しい投資アプローチを提案する『Patent Information For Victory』特許が投資に役立つ理由を、専門知識がなくても理解できるようわかりやすく解説します。特設ページで「Chapter.1」まで全文無料公開中です!

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