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花王に学ぶ「パラメーター特許×分割出願」戦略 - 競合他社を圧倒する知財網の構築法

本記事は、当社が開催した花王のヘルスケア食品知財&新事業戦略セミナーのエッセンスをお届けするものです。セミナーの重要な知見を、どなたでも気軽に学べる形でまとめています。

みなさん、こんな経験はありませんか?

せっかく良い技術を開発したのに、他社に真似されてしまう。

製品化したら類似品がすぐに市場に出回る。

特許を取得しても、簡単に回避されてしまう。

こんな悩みを抱える企業は少なくありません。でも大丈夫!実は、この問題を見事に解決した企業があるんです。それが花王です。

弊社代表取締役の楠浦が解説する花王のヘルスケア食品事業の特許戦略から、あなたの会社でも使える特許網構築のヒントをご紹介します。「パラメーター特許」と「分割出願」を駆使した、競合他社を寄せ付けない知財戦略の秘訣とは?

花王のヘルスケア食品事業が「黒船」と呼ばれた理由

思い当たることはありますか?ある日突然、業界の常識が覆される瞬間。

それが花王のヘルスケア食品参入の際に起きたことです。楠浦は「花王は、ヘルスケア食品のパイオニアで、食品の黒船」と表現しています。なぜそう呼ばれるのでしょうか?

「健康に良いけど美味しくない」というトレードオフへの挑戦

「良薬は口に苦し」ということわざがありますよね。でも実際には、苦いものをみんな進んで飲むでしょうか?

楠浦によれば、花王はここに着目したのです。「良薬は口に苦しでは誰も健康にならない」というシンプルな課題。この当たり前の問題に真正面から取り組みました。

例えば花王の「ヘルシア緑茶」。カテキンを効果的に摂取できる健康飲料ですが、単にカテキンを入れただけでは苦すぎて商品になりません。この「体に良いけど美味しくない」というトレードオフを、特許技術で解決したのです。

風味を損なわずに機能性を発揮する技術。これを徹底的に特許で押さえた花王の戦略が、業界に大きなインパクトを与えました。

サントリーが参入断念した強固な特許網の実態

この花王の特許戦略がどれほど強力だったか、その証拠があります。

「サントリーがこの市場に参入しようと思ったけれども、花王の特許が参入障壁となった」と楠浦は言います。これはサントリーの知財責任者自身が認めた事実なのです。

なぜそれほど強固な特許網を構築できたのでしょうか?

秘密は「パラメーター特許」と「分割出願」の組み合わせにありました。花王はこの2つの手法を駆使して、競合他社が簡単に真似できない特許の壁を築いたのです。

楠浦は「花王の特許事例を熟読していただければ、パラメーター特許と分割出願の手法を理解でき、まず間違いない出願ができる」と説明しています。それほど効果的な特許戦略だったのです。

あなたの会社でも実践できる「パラメーター特許×分割出願」戦略

自社の技術を特許で保護したいと思っても、効果的な特許戦略を立てるのは簡単ではありません。しかし花王が実践した特許戦略には、多くの企業が学べるポイントがあります。その核心となるのが「パラメーター特許」と「分割出願」の組み合わせです。

パラメーター特許の基本と活用法 - 数値範囲で権利を確保する手法

パラメーター特許って何でしょう?

楠浦の説明によれば、「数学的な方法を用いて取る特許」です。簡単に言うと、製品や技術の特性を数値や数式で表現し、その範囲を特許で押さえる方法です。

例えば、花王の特許では「カテキンが2種類あります。A種とB種の比率が○○以上○○以下」というように、成分の配合比率や条件を数値で規定します。これが「パラメーター特許」なのです。

なぜこれが強力かというと、数式や数値範囲で表現することで、競合他社が読み解くのが難しくなるからです。楠浦は「これが数百出てくると、なかなか読み解くのが大変」と説明しています。

さらに興味深いのは、楠浦の「当たり前のものを特許にするのが知財の仕事」という言葉。花王は基本的な技術でも、パラメーターで表現することで強い特許に仕上げていったのです。

分割出願の戦略的活用 - 特許網を複雑化し排他性を高める方法

パラメーター特許だけでも強力ですが、これに「分割出願」を組み合わせると、さらに強固な特許網が構築できます。

分割出願とは何でしょうか?楠浦によれば「原出願という元の出願にいくつかの視点が含まれている場合、それを分けて出す」方法です。一つの発明から複数の特許を生み出すイメージですね。

花王のマヨネーズに関する特許を例に楠浦は説明しています。「元の特許(親の特許)では、ある成分の性質に厳しい条件を設定する代わりに、別の成分の条件を緩くしています。次の特許(子の特許)では逆に、最初に厳しくした条件を緩め、代わりに別の条件を厳しくしているんです」

つまり、同じ技術に対して、少しずつ条件を変えた複数の特許を取得するのです。これにより、特許の網の目が複雑になり、競合他社が回避するのが極めて難しくなります。

楠浦は「パラメータ特許出して、分割してっていうのを繰り返すと、もう誰も分からなくなる。出した本人も分からなくなるぐらいの権利が取れる」と言います。それほど強力な組み合わせなのです。

この戦略は「食品業界だけの話」ではありません。楠浦は「分野と国に関係ない」と断言しています。どの業界でも応用できる普遍的な特許戦略なのです。

まとめ:自社の技術を守る特許戦略の実践へ

花王の事例から学べることは明らかです。単に特許を取得するだけでなく、「どう取るか」が重要なのです。

パラメーター特許と分割出願を組み合わせることで、競合他社が容易に回避できない特許網を構築できます。それは楠浦の言葉を借りれば「当たり前のものこそ特許にする」という発想の転換から始まります。

今日から、あなたの会社の技術も、花王のような強固な特許戦略で守ってみませんか?特許は数だけでなく、取り方次第で、その威力が何倍にも高まるのです。

最後に楠浦のメッセージを紹介します。「特許は数だけでなく、パラメーター特許や分割出願のような戦略的な取り方が重要です。花王の事例のように、当たり前と思われる技術でも、特許の取り方次第で強力な参入障壁になります。自社の強みとなる技術は、ぜひこうした特許戦略で守っていきましょう」

技術と知財は、ビジネスの強力な武器になります。花王のように、その力を最大限に引き出せる特許戦略を実践していきましょう。

※本記事はAI技術を活用して作成しています。内容の正確性に努めておりますが、表現や解釈に独自性がある場合がございます。

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