「発明塾」塾長の楠浦です。
今回は、「発明塾」で重視してきたことが、AI時代にはますます重要になりそうだな、と感じたエピソードを一つ。
AI時代に最も重要な「模索の手法」を教える
https://note.com/kusuura/n/n5347a2e5696c
目次を転記しておきますね。
【目次】
1.「模範解答幻想」を壊す ― 解ける人の“現場”はもっと泥臭い
2.「学びの本質」は“正解”ではなく“探索”にある
3.教えるとは「完成品」を見せることではない
- 教育・指導・創造のすべてに共通する“本質”
4.「すっぴんの計算用紙」こそが“知のリアル”
5.「いろんな人の計算用紙」を見る意味 ― 知の多様性が“引き出し”を作る
6.「飾らないプロセス」を共有することが、学びを民主化する
7.まとめ:「思考は結果ではなく“風景”を共有するもの」
取りあげているのは、東進ハイスクールの「林修(はやしおさむ)」先生のエピソードです。
「今でしょ!」の人ですね(笑)。
発明塾でも、「今でしょ感」という言葉をよく使うので、何か通じるものがあるのかもしれません(笑)。
林先生のエピソードの概要は以下です。
・ 授業直前に予習不足に気づき、休講を検討した。
・ 「授業を休まないことが最優先」と考え直し出講を決断。
・ 準備不足のまま東大の過去問を初見で解説することに。
・ 試行錯誤しながら問題を解き切って、授業をやり遂げた。
・ 生徒から「わかりやすい授業だった」と好評を得た。
こういうのって、「けがの功名」っていうんでしたっけ?
失敗や偶然の行動が、思いがけず良い結果を生むこと、ありますよね。
準備しなかったのは褒められたことではないですが、「プロ講師が、本気の試行錯誤を目の前で見せる」ということの効果は、確かにあるでしょうね。
企業内発明塾を始めたころは、研修型の講義演習の後に、今の月額顧問に近いイメージの「実践編」というメニューがありました。
と言っても、それをやっていたのは一社だけですが(笑)、そこでは、実際に皆さんが検討中の内容を持ち込んで、僕と一緒に発明塾式で作業をするんですね。
現在の企業内発明塾よりは、「学生版」の発明塾に近い感じですね。
その場その場で、リアルタイムで必要な作業を決め、調査や分析、アイデア出しを行っていきます。
当時の皆さんは、「楠浦さんは、予習もなしに、本当に目の前で、初見で発明を出す」と、たいへんびっくりしていましたね。
そういうことなんだと思います。
目の前で、実際にどうやっているか、こちらも初見で作業をして、実際の様子を見てもらう。
ここに、(一定の)意味があるんですよね。
「模範解答のような綺麗な答え」が、いきなり出てくると思い込む。
「教えてもらったフレームワークで綺麗に解ける」と思い込む。
こういう方は多いのですが、そんなわけありません(笑)。
月額顧問で、僕が(割と)ありのままの調査メモ(ログ)を出すのも、これが理由です。
「割と」と言ってるのは、全部出すと情報量が多すぎるので、あれでも間引いています。
本質が損なわれない程度にしていますが、すべてを見せているわけではない、ということにはなります。
隠しているわけではなく、とんでもない情報量になるのと、あと、書くのがもうめんどくさい(笑)ってときもありますね...
「すっぴんの計算用紙」とは、そういうことです。
それが、「知のリアル」なんですよね。
僕が「計算用紙」を重視する理由は、おそらくですが、高校の数学が起点になっていると思います。
「答え」よりも、「多様な解き方を互いに教えあう」ことを重視する教育を受けてきたので、答えよりも、「どうやって解いたか」がすごく気になるんですよね。
学生向け発明塾でも、学生は全員「楠浦さん、その情報はどうやって見つけたんですか」「そのアイデアをどうやって思いついたんですか」ばかり聞いてきました。
後で説明できないとめんどくさいので(笑)、当時から、試行/思考の過程(プロセス)をすべてメモすることにしていました。
以前のコラムで「プロセスではなく結果」という話を書きましたが、本当のところは、僕はやはり「プロセス」重視の人間ですね。
ただ、僕は経営者なので、「結果」を問わざるを得ない、というだけの話です。
そして、正しくプロセスを追求してきた人は、評価に値する答え(結果)に、確実に近づいてきます。
これは、経験則です。
脱線しました。
発明塾参加者が本当に理解する必要があるのは、「初めて見た難問題を、手元にある知識とツールで、いかに制限時間内で解決するか」なんだと、僕は思ってます。
それを学んで、かつ、その場で結果を出してもらうのが、発明塾です。
だから、いつもその場でどんどん作業して、片づけていくわけです。
それを見れば、あるいは、早すぎて見えない場合は(笑)、僕が書いたログを後で見れば、何が起きていたか、僕がどういうツールをどう使っているか、すべて理解できるんです。
ほかの人の模索の結果からも、学ぶことはたくさんあります。
自身の「引き出し」を短期間で増やすには、これしかありません。
ほかの人がどう模索しているか、をリアルに感じ、記憶に刻み込むには、自分も一緒に模索するのが一番です。
自分が苦労している点を、ほかの人がどう乗り越えたか。
「あー、そういうことか」の連続で、加速度的な学びが生じます。
だから、発明塾は「互いに手伝いながら学び、全員が結果を出す」仕組みになっているのです。
皆さん、企業内発明塾を4時間やると、「疲れた」とおっしゃいますが、僕は、下手すると週に4回とかやってるんです。
まぁまぁ疲れますよ(笑)。でも、ものすごく成長します。
皆さんが成長する以上に僕が成長するので、「楠浦さんみたいになりたい」という皆さんの希望は、当面叶わないようです。
脱線しました。
「模索」を正しく学ぶことが、AI時代にはますます求められるだろうなぁと、僕は日々感じています。
人間に残されたフィールドは、たぶん、そこだからです。
楠浦 拝
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