3行まとめ
CSDX戦略で内製開発とクラウド基盤を強化
クレディセゾンは2021年9月に策定したCSDX戦略を軸に、アジャイル開発、伴走型内製開発、AWSなどを活用したクラウドファースト開発を推進している。
デジタル人材1,000名とクラウド活用率80%を目標化
CSDX TARGET 2024では、デジタル人材1,000名創出、クラウド活用率80%達成、業務プロセスの完全デジタル化、セゾン・データプラットフォーム構築を掲げている。
DX銘柄に4年連続選定され全社横断の推進体制を構築
IT部門とデジタル部門の融合、ビジネス部門との連携強化により、CSDX戦略を全社横断で推進している。同社の取り組みは外部機関からも評価され、DX銘柄に4年連続で選定されている。
この記事の内容
株式会社クレディセゾンは、クレジットカード事業をはじめとする多角的な金融サービスを展開している。事業セグメントは、ペイメント事業、リース事業、ファイナンス事業、不動産関連事業、グローバル事業、エンタテインメント事業の6つによって構成されている。既存事業においては、ペイメント事業の構造改革、ファイナンス事業の安定的な成長及び新たな事業領域への進出、グローバル事業のスケールアップを重点方針とする成長戦略を実行し、さらなる成長拡大を図っている。事業推進にあたっては、カード発行と決済機能がスマートフォンで完結する「SAISON CARD Digital」を軸として、異業種企業とのアライアンス締結やデータマーケティングを加速させている。企業情報の詳細として、本店所在地は東京都豊島区東池袋三丁目1番1号であり、代表取締役(兼)社長執行役員COOは水野克己が務めている。また、同社は関東財務局長(15)第00085号の貸金業者登録を受け、日本貸金業協会会員番号第002346号を有している。[1]
株式会社クレディセゾンの2026年3月期決算短信(2026年5月15日公表)に記載された最新通期実績によると、2026年3月期の連結純収益は472,770百万円(対前期増減率11.8%増)、事業利益は101,999百万円(同8.9%増)であり、純収益および事業利益の双方において増加を記録している。一方、税引前利益の実績は91,190百万円(同1.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益の実績は62,751百万円(同5.5%減)であった。親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)の実績は8.6%、資産合計税引前利益率(ROA)の実績は1.9%である。財政状態については、2026年3月期末時点の資産合計が4,953,204百万円、親会社の所有者に帰属する持分が761,657百万円、親会社所有者帰属持分比率が15.4%となっている。キャッシュ・フローの実績においては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナス137,657百万円、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナス25,970百万円、財務活動によるキャッシュ・フローがプラス140,092百万円であった。[2]
株式会社クレディセゾンは、2021年9月に策定したデジタルトランスフォーメーション戦略(CSDX戦略)を推進している。同戦略における技術基盤強化の取り組みとして、Amazon Web Services(AWS)などのクラウドを積極的に活用し、新規サービスはクラウドファーストでの開発を推進している。さらに、全社員の生産性向上と業務プロセス改革に向け、全社員が活用できる生成AIツールの内製開発など、各種システムの導入および構築を進めている。知的財産に関する具体的な自社保有特許の件数やポートフォリオの詳細については、今回調査した一次情報の範囲内では確認できなかったが、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する公的データベース(J-GLOBAL)上で、出願人または特許権者として株式会社クレディセゾンの名寄せID(201551000098192170)が存在し、公開公報「決済システム」(特願2019-187290、特開2021-064074)のレコードが掲載されていることを確認した。[6][9]
株式会社クレディセゾンのCSDX戦略において、「デジタル技術を活用することで、ビジネスを変革・転換し、デジタル時代を先導する企業を目指す」というCSDX VISIONを掲げている。具体的な開発体制として、ビジネス課題をデジタル技術で解決するため、専門知識が不要なノーコード・ローコード開発を活用する体制の構築を目指しており、「ノーコード・ローコードツール標準ガイド」を策定している。デジタル人材の育成においては、2023年10月より「デジタル認定制度」を開講し、社員が自らデータ活用などのデジタル技術に関する知識を習得する環境を整備した。さらに、事業部門の開発担当者がデジタル部門の伴走者とチームを組成し、業務時間の4割(週2日)をノーコード・ローコードツールの知識学習および事業部門の課題解決に取り組む時間にあてるプロジェクトを推進している。[10]
株式会社クレディセゾンは、「サービス先端企業」として、「顧客満足主義の実践」「取引先との相互利益の尊重」「創造的革新の社風創り」の3点を共通の価値観とする経営理念を掲げている。コーポレート・ガバナンス体制においては、監査役・監査役会制度を採用し、取締役会、監査役会、会計監査人を設置している。また、2020年3月より業務執行と管理監督の分離によるガバナンス体制の一層の強化を実施しており、監査部は代表取締役への報告とは別に取締役会への直接レポーティングラインを有している。環境や社会貢献の取り組みとして、カード申し込みや諸変更業務のタブレット対応により紙形式の申込書類の利用を減少させ、紙使用量の削減を実現している。また、神戸大学と連携協定を締結し、セゾンのポイントによる「神戸大学基金」への寄附が可能となるスキームを構築している。[11][12][13]
株式会社クレディセゾンは、東京都豊島区東池袋三丁目1番1号に本店を置く金融サービス企業である。2025年3月期有価証券報告書(2025年6月24日提出)によると、同社の代表取締役(兼)社長執行役員COOは水野克己が務め、事務連絡者は常務執行役員CFOの根岸正樹である。同社は東京証券取引所に上場しており、コード番号は8253である。事業活動においては、「ペイメント事業の構造改革」「ファイナンス事業の安定的な成長及び新たな事業領域への進出」「グローバル事業のスケールアップ」を既存事業における重点方針とする成長戦略を実行している。[3]
株式会社クレディセゾンの2026年3月期決算短信(2026年5月15日公表)に基づく、2026年3月期(実績)の連結経営成績の詳細は以下の通りである。純収益の実績は472,770百万円であり、2025年3月期の実績である422,818百万円と比較して対前期増減率は11.8%の増加を記録した。事業利益の実績は101,999百万円であり、2025年3月期の実績である93,621百万円に対して対前期増減率は8.9%の増加となった。一方で、税引前利益の実績は91,190百万円となり、前年同期の実績92,786百万円と比較して1.7%の減少であった。当期利益の実績は63,595百万円であり、前年同期の67,350百万円に対して5.6%の減少となっている。また、親会社の所有者に帰属する当期利益の実績は62,751百万円であり、前年同期の66,397百万円から5.5%の減少となった。当期包括利益合計額の実績は97,020百万円であり、前年同期の実績66,220百万円と比較して対前期増減率46.5%の増加を記録している。[2]
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項目 |
2025年3月期(実績) |
2026年3月期(実績) |
対前期増減率 |
出典 |
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純収益(百万円) |
422,818 |
472,770 |
11.8% |
[2] |
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事業利益(百万円) |
93,621 |
101,999 |
8.9% |
[2] |
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税引前利益(百万円) |
92,786 |
91,190 |
△1.7% |
[2] |
|
当期利益(百万円) |
67,350 |
63,595 |
△5.6% |
[2] |
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親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) |
66,397 |
62,751 |
△5.5% |
[2] |
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当期包括利益合計額(百万円) |
66,220 |
97,020 |
46.5% |
[2] |
主要な利益指標に関する実績は以下の通り報告されている。基本的1株当たり当期利益は、2025年3月期実績の423.02円から、2026年3月期実績では432.17円へと推移した。希薄化後1株当たり当期利益は、2025年3月期実績の422.19円から、2026年3月期実績では431.65円となっている。親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は、2025年3月期実績の9.4%に対して、2026年3月期実績は8.6%であった。資産合計税引前利益率(ROA)は、2025年3月期実績の2.1%から、2026年3月期実績では1.9%となっている。また、純収益事業利益率は、2025年3月期実績の22.1%に対し、2026年3月期実績は21.6%を記録した。持分法による投資損益の実績については、2025年3月期が13,030百万円、2026年3月期が12,768百万円である。[2]
株式会社クレディセゾンの2026年3月期決算短信による連結財政状態(実績)は以下の通りである。2026年3月期末時点の資産合計は4,953,204百万円であり、2025年3月期末の4,671,143百万円から増加している。資本合計は、2025年3月期末の719,028百万円から、2026年3月期末には776,564百万円となった。親会社の所有者に帰属する持分は、2025年3月期末の705,678百万円から、2026年3月期末には761,657百万円となっている。親会社所有者帰属持分比率は、2025年3月期末実績の15.1%に対し、2026年3月期末実績は15.4%であった。1株当たり親会社所有者帰属持分は、2025年3月期末実績の4,740.04円から、2026年3月期末実績では5,303.12円へと増加した。[2]
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連結財政状態項目 |
2025年3月期末(実績) |
2026年3月期末(実績) |
出典 |
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資産合計(百万円) |
4,671,143 |
4,953,204 |
[2] |
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資本合計(百万円) |
719,028 |
776,564 |
[2] |
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親会社の所有者に帰属する持分(百万円) |
705,678 |
761,657 |
[2] |
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親会社所有者帰属持分比率(%) |
15.1 |
15.4 |
[2] |
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1株当たり親会社所有者帰属持分(円銭) |
4,740.04 |
5,303.12 |
[2] |
同社の2026年3月期第3四半期決算短信によると、2026年3月期第3四半期連結会計期間末の負債合計は4,186,972百万円であり、前連結会計年度末の3,952,115百万円と比較して増加している。この負債の増加は、主に社債及び借入金が2,055億97百万円増加し、営業債務及びその他の債務が184億78百万円増加したことによるものであると明記されている。また、同期間末の資本合計は、前連結会計年度末と比較して354億44百万円増加し、7,544億73百万円となった。資本の増加要因については、主に利益剰余金が367億97百万円増加したことによるものであると記載されている。[14]
キャッシュ・フローの実績については以下のように報告されている。営業活動によるキャッシュ・フローは、2025年3月期の実績がマイナス249,174百万円であったのに対し、2026年3月期の実績はマイナス137,657百万円となった。投資活動によるキャッシュ・フローの実績は、2025年3月期がマイナス15,252百万円、2026年3月期がマイナス25,970百万円である。財務活動によるキャッシュ・フローの実績は、2025年3月期がプラス297,251百万円、2026年3月期がプラス140,092百万円であった。これらの結果として、現金及び現金同等物期末残高の実績は、2025年3月期末の139,399百万円から、2026年3月期末には113,654百万円となっている。[2]
株式会社クレディセゾンの2025年3月期有価証券報告書(2025年6月24日提出、第75期)には、第71期(2021年3月期)から第75期(2025年3月期)までの5年間の連結経営指標等の推移が記載されている。純収益の実績は、第71期の282,625百万円、第72期の299,017百万円、第73期の322,638百万円、第74期の361,604百万円、そして第75期の422,818百万円へと継続的な増加傾向を示している。事業利益の実績についても、第71期の48,352百万円、第72期の52,336百万円、第73期の60,977百万円、第74期の71,941百万円、第75期の93,621百万円と、同様に増加の推移をたどっている。親会社の所有者に帰属する当期利益の実績は、第71期が36,132百万円、第72期が35,375百万円、第73期が43,599百万円、第74期が72,987百万円、第75期が66,397百万円であった。総資産額の実績は、第71期末の3,409,247百万円から、第72期末3,610,778百万円、第73期末3,896,105百万円、第74期末4,335,852百万円、第75期末4,671,143百万円へと継続して拡大している。[3]
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回次 / 決算年月 |
第71期(2021年3月) |
第72期(2022年3月) |
第73期(2023年3月) |
第74期(2024年3月) |
第75期(2025年3月) |
出典 |
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純収益(百万円) |
282,625 |
299,017 |
322,638 |
361,604 |
422,818 |
[3] |
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事業利益(百万円) |
48,352 |
52,336 |
60,977 |
71,941 |
93,621 |
[3] |
|
税引前利益(百万円) |
50,915 |
49,936 |
61,044 |
97,952 |
92,786 |
[3] |
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総資産額(百万円) |
3,409,247 |
3,610,778 |
3,896,105 |
4,335,852 |
4,671,143 |
[3] |
株式会社クレディセゾンは、事業を複数のセグメントに分類して業績管理を行っている。2025年3月期決算短信に記載されたセグメント別の経営成績(2025年3月期実績)は以下の通り報告されている。なお、資料内において純収益は「収益から原価を控除して算出した指標」、事業利益は「当社グループが定める経常的な事業の業績を測る利益指標」として定義されている。[4]
ペイメントセグメントにおける当連結会計年度(2025年3月期)の純収益実績は256,014百万円であり、前連結会計年度(2024年3月期)の実績である235,237百万円に対して8.8%の伸び率を記録した。同セグメントの事業利益実績は30,328百万円となり、前連結会計年度の実績である19,270百万円に対して57.4%の伸び率を示している。[4]
リースセグメントにおける当連結会計年度(2025年3月期)の純収益実績は13,346百万円であり、前連結会計年度(2024年3月期)の実績である12,544百万円に対して6.4%の伸び率となった。同セグメントの事業利益実績は4,110百万円となり、前連結会計年度の実績である4,355百万円に対してマイナス5.6%の伸び率である。[4]
ファイナンスセグメントにおける当連結会計年度(2025年3月期)の純収益実績は69,361百万円であり、前連結会計年度(2024年3月期)の実績である58,502百万円に対して18.6%の伸び率を記録した。同セグメントの事業利益実績は38,675百万円となり、前連結会計年度の実績である28,265百万円に対して36.8%の伸び率を示している。[4]
不動産関連セグメントにおける当連結会計年度(2025年3月期)の純収益実績は28,295百万円であり、前連結会計年度(2024年3月期)の実績である23,942百万円に対して18.2%の伸び率となった。同セグメントの事業利益実績は16,273百万円となり、前連結会計年度の実績である16,407百万円に対してマイナス0.8%の伸び率である。[4]
グローバルセグメントにおける当連結会計年度(2025年3月期)の純収益実績は51,520百万円であり、前連結会計年度(2024年3月期)の実績である27,208百万円に対して89.4%の伸び率を記録した。同セグメントの事業利益実績は3,384百万円となり、前連結会計年度の実績である2,478百万円に対して36.6%の伸び率を示している。[4]
エンタテインメントセグメントにおける当連結会計年度(2025年3月期)の純収益実績は6,665百万円であり、前連結会計年度(2024年3月期)の実績である6,319百万円に対して5.5%の伸び率を記録した。同セグメントの事業利益実績は1,420百万円となり、前連結会計年度の実績である1,079百万円に対して31.5%の伸び率を示している。[4]
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セグメント名称 |
純収益(当連結会計年度) |
純収益伸び率 |
事業利益(当連結会計年度) |
事業利益伸び率 |
出典 |
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ペイメント |
256,014百万円 |
8.8% |
30,328百万円 |
57.4% |
[4] |
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リース |
13,346百万円 |
6.4% |
4,110百万円 |
△5.6% |
[4] |
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ファイナンス |
69,361百万円 |
18.6% |
38,675百万円 |
36.8% |
[4] |
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不動産関連 |
28,295百万円 |
18.2% |
16,273百万円 |
△0.8% |
[4] |
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グローバル |
51,520百万円 |
89.4% |
3,384百万円 |
36.6% |
[4] |
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エンタテインメント |
6,665百万円 |
5.5% |
1,420百万円 |
31.5% |
[4] |
株式会社クレディセゾンは、事業成長の中核としてデジタルトランスフォーメーション戦略(CSDX戦略)を推進している。同社は2021年9月にCSDX戦略を策定し、IT部門とデジタル部門の融合、およびビジネス部門とIT・デジタル部門の連携を強化することで、全社横断的な推進体制を構築している。同社の取り組みは外部機関からも評価されており、経済産業省と東京証券取引所および情報処理推進機構が選定する「DX銘柄」において、4年連続で選定された実績を有している。[2]
株式会社クレディセゾンの公式資料によると、CSDX戦略は「デジタル技術を活用することで、ビジネスを変革・転換し、デジタル時代を先導する企業を目指す」というCSDX VISIONを基本方針として掲げている。このVISIONの実現に向け、複数のテーマとプロセスによって構成されるフレームワークが設定されている。主要な構成要素として、「顧客満足度の向上(CX/EX)」においてデジタル技術活用の拡大による新たな顧客体験の提供を目指すとしている。「デジタル開発プロセス(E1)」においては、アジャイル開発体制の構築、伴走型内製開発の推進、オープンイノベーション戦略が組み込まれている。さらに、「デジタル基盤強化(E2)」の観点から、クラウド利用の加速、外部システム連携の推進、デジタル技術・アプリ活用の推進が定められている。[7]
目標管理の手法として、同社は「CSDX TARGET 2024」を設定している。これに基づき、2024年度中に4つの推進指標における定量・定性目標の達成を目指す方針を示している。公式資料では、2024年度目標として「デジタル人材1,000名創出」「クラウド活用率80%達成」「業務プロセスの完全デジタル化」「セゾン・データプラットフォーム構築」が掲げられている。また、2023年度実績として「デジタル人材328名創出」「クラウド活用率70%に伸長」「業務プロセスのデジタル化着手」「セゾン・データプラットフォーム構築開始」が示されている。[10]
株式会社クレディセゾンは、システム開発の実行体制について、戦略的重要性の高さや開発規模などを考慮し、「内製開発」もしくは「ITベンダーとのハイブリッド開発」によってデジタル化を推進している。特に、素早く改善することで顧客体験向上につながるサービスやプロダクトの開発においては、ビジネス部門とテクノロジーセンターで組成したチームによるアジャイル開発体制を導入し、推進している。これまでのシステム開発の取り組みとして、同社はスマートフォンアプリの内製開発から着手した。この内製開発を通じた取り組みの成果として、開発コストの削減、ソフトウェア活用による業務効率化、デジタル活用による顧客体験の向上などが実現したと報告されている。[8]
開発手法の更なる進化として、同社は「ノーコード・ローコード開発」を活用する体制の構築を進めている。これまでは内製開発のリソースに限りがあったため、優先順位の高い案件から着手している状況であった。今後は、より多くのビジネス課題をデジタル技術で解決するため、定例的に発生する個人の業務や短期間での実装が必要な単純作業などにおいて、専門知識が不要なノーコード・ローコード開発を導入する方針を示している。事業ごとの特性や解決したい課題内容に合わせた適切なツールを選定するため、「ノーコード・ローコードツール標準ガイド」を設けており、事業部門における知識習得や技術活用を目指している。[10]
また、最先端の技術導入として、生成AIを活用した各種システムの導入・構築を進めている。全社員の生産性向上と業務プロセスの抜本的な改革に向けて、全社員が活用できるAIツールを内製開発する取り組みを実施している。[10]
技術基盤の領域において、株式会社クレディセゾンは積極的なクラウドファーストでの開発や既存システムのクラウド移行を推進している。公式のCSDX戦略ページには、「AWSなどのクラウドを積極的に活用し、新規サービスはクラウドファーストで開発を推進しています。今後、計画的にシステムのマイグレーションも実施していきます」と明記されている。このクラウド利用の加速により、コミュニケーション・データ利活用を目的に外部システムを活用し、業務効率化やサービスの精度向上を進める方針が示されている。なお、クラウド利用に関する具体的なシステム構成や実績数値等の詳細については、今回の調査範囲内では確認できず、方針および取り組みの記述にとどまる。[6]
CSDX戦略は、実際のビジネス展開とも密接に連携している。株式会社クレディセゾンは、「カード発行」と「決済機能」がスマートフォンで完結する「SAISON CARD Digital」を展開している。公式の事業戦略において、同社はこのデジタルカードを基盤とし、異業種企業とのアライアンス締結やデータマーケティングを加速させていると記載している。さらに、2022年度のCSDX推進指標に関連する資料では、主要な取り組みとして「セゾンカードデジタルなどのバーチャルカードを拡大」と記載されており、デジタル技術を活用した事業構造の転換を志向していることが確認できる。[5]
株式会社クレディセゾンは、CSDX戦略を全社で推進するための前提として、専門的なデジタル人材の採用、および既存社員に対する全社的なデジタルリテラシーの向上に取り組んでいる。
組織体制の整備として、同社は2019年に最高技術責任者(CTO)を責任者とするデジタル専門組織「テクノロジーセンター」を立ち上げた。このテクノロジーセンターにおいて、エンジニアやデータサイエンティストなどのデジタル人材の採用を積極的に実施している。同時に、デジタル組織への変革を加速させるため、社内公募によるデジタル人材の育成拡大を進めている。各事業を推進するビジネス部門から、本人希望に応じてソフトウェア開発を担当するデジタル部門に配属し、ゼロからプログラミングのスキルを習得する制度を開始した。この制度を通じて、ビジネス知識とデジタル知識・スキルの両方を保有する「ビジネスデジタル人材」の育成を推進している。また、知識やスキルに応じてデジタル人材を3階層に定義し、階層に応じた研修・育成プログラムを実施していく方針を示している。[8]
全社員によるDX実現に向けた取り組みとして、2023年10月より「デジタル認定制度」を開講した。この制度は、社員が自ら手を挙げて参加し、データ活用などのデジタル技術に関する知識を習得するための枠組みである。同社は、学習環境としてe-learningや独自の自主学習コンテンツを用意しており、社員が日常の業務の隙間時間に学習できる環境を整えている。[10]
株式会社クレディセゾンは、ノーコード・ローコード開発担当者が自部門の課題を自ら解決することを目的としたプロジェクトを推進している。このプロジェクトにおいて、事業部門の開発担当者はデジタル部門の伴走者とチームを組成する。そして、業務時間の4割(週2日)を「ノーコード・ローコードツールの知識学習」および「事業部門の課題解決」に取り組む時間にあてる体制を構築している。これにより、実践的な学習と業務効率化を同時に達成する仕組みの定着を図っている。[10]
本調査における一次情報(有価証券報告書、決算短信、コーポレートガバナンス報告書、公式IR・ニュースリリース等)の範囲内では、株式会社クレディセゾンが独自に保有する特許技術の具体的な件数、出願戦略、知的財産ポートフォリオの運用方針、および知財活動に向けた具体的な投資額などに関する記載は確認できなかった。同社のコーポレートガバナンス報告書(2026年提出対象)においても、無形資産投資や知的財産への投資戦略に特化した章立ては調査範囲内では確認できず、経営資源は主にDXの推進、IT人材の育成、およびシステム投資へ振り向けられている旨が記述されている。[6]
政府および公的機関のデータベースを用いた調査において、以下の事実を確認した。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する公的データベース(J-GLOBAL)において、出願人または特許権者として「株式会社クレディセゾン」が登録されているレコードが存在している(名寄せID: 201551000098192170、代理人:弁護士法人クレオ国際法律特許事務所)。当該レコードは、発明の名称を「決済システム」とする公開公報であり、出願番号は特願2019-187290、公開番号は特開2021-064074、出願日は2019年10月11日、公開日は2021年4月22日である。J-GLOBAL上には要約および請求項(抜粋)も掲載されている。ただし、権利の維持状況等に関する詳細は、今回の調査範囲内では未確認である。[9]
神戸大学の公開資料によると、株式会社クレディセゾンは神戸大学と連携協定(2018年11月26日締結)を結んでいる。この協定は「神戸大学基金」事業の推進に向け、それぞれが持つ人材や知識・情報等の資源を活用し相互に協力することにより、教育研究活動や国際交流への支援、人材育成等を目的としたものである。具体的なスキームとして、セゾンの「永久不滅ポイント」による神戸大学基金への寄附が可能となる仕組みが構築されている。[12]
株式会社クレディセゾンは、企業価値の継続的な向上を目指し、経営における透明性の向上と経営監視機能の強化を重要視している。同社は「サービス先端企業」として、「顧客満足主義の実践」「取引先との相互利益の尊重」「創造的革新の社風創り」の3点を共通の価値観として浸透させることを経営理念に掲げている。[11]
株式会社クレディセゾンは、監査役・監査役会制度を採用しており、会社の機関として取締役会、監査役会、会計監査人を設置している。また、株主・投資家等からの信任を確保していくために、社外取締役・社外監査役の選任によるコーポレート・ガバナンスの充実を図っている。取締役会や指名・報酬委員会等において、社外取締役から経営における意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言・提言を受ける体制を構築している。監督機能の強化について、監査役会は内部監査や内部統制統括部門の役員等と連携を図っている。さらに、監査部は代表取締役に対する報告とは別に、取締役会への直接レポーティングラインを有することにより、業務執行からの独立性を確保している。同社は2020年3月より、業務執行と管理監督の分離によるコーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を実施している。[11]
サステナビリティに関する具体的な取り組みとして、株式会社クレディセゾンは事業活動を通じた環境負荷の低減を推進している。2022年度のCSDX推進指標に関する資料によると、同社は提携先施設において専用のタブレット端末を設置し、カードの申し込みや手続きが完結する「デジタルカウンター」の設置を拡大している。このカード申し込みおよび諸変更業務のタブレット対応により、紙形式の申込書類の利用が減少し、結果として紙使用量の削減を実現していると報告されている。[13]
株式会社クレディセゾンの公式IR資料(2026年3月期決算短信等)に基づく、当期の主要なIRスケジュールおよび法定提出予定日は以下の通りである。
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項目 |
日付(予定含む) |
出典 |
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定時株主総会開催予定日 |
2026年6月17日 |
[2] |
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配当支払開始予定日 |
2026年6月18日 |
[2] |
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有価証券報告書提出予定日 |
2026年6月16日 |
[2] |
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決算説明会開催の有無 |
有(機関投資家、アナリスト向け) |
[2] |
配当については、2026年3月期決算短信において、2026年3月期の期末配当は1株当たり130.00円、年間配当は1株当たり130.00円、配当金総額は18,849百万円と記載されている。また、2027年3月期(予想)は期末配当160.00円、年間配当160.00円とされている。[2]
同社は「統合レポート2025」や「オンライン版」、「ダイジェスト動画」などのIR資料の発信を通じて、株主や投資家との対話促進の方針を示している。[1]
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