3行まとめ
5重点技術と知財ミックスで「三菱自動車らしさ」を守る戦略
三菱自動車は電動化技術・四輪制御技術・耐久信頼性技術・快適性技術・安全性技術の5重点分野を中核に据え、UX・UIでは特許と画像意匠を組み合わせる知財ミックスで保護を強化しています。さらにDYNAMIC SHIELDやHEXAGUARD HORIZONなど、ブランドを象徴するデザインや商標も戦略的に権利化しています。
R&D874億円・小売58.9万台でも、電動化投資を継続
2026年3月期第3四半期累計の実績は、連結売上高1兆9,765億円、研究開発費874億円、グローバル小売販売台数58.9万台でした。販売は前年同期比6%減ながらも、電動化への投資を維持し、今後の競争力確保を優先している点が重要です。
2030年に電動車50%へ、ASEAN主導とPHEV開発で次の成長を狙う
中期経営計画「Challenge 2025」では、2030年に新車販売の50%を電動車とする目標を掲げ、今後5年間で16車種(うち電動車9車種)を投入する計画です。加えて、三菱自動車はアライアンスでASEAN・オセアニアのリファレンス・カンパニーを担い、大型車向けPHEVやバッテリーリユース、エネルギーマネジメントサービスなど新事業への展開も進めます。
三菱自動車工業株式会社は、企業理念におけるミッションとして「独創的な商品と優れたサービスにより、お客様に新たな体験を提供します」「社会の持続可能な発展に貢献します」「信頼される企業として誠実に活動します」「アライアンスを活用し、ステークホルダーにより高い価値を提供します」の4点を掲げる1。同社は価値創造プロセスにおいて、財務資本、製造資本、知的資本、人的資本、社会関係資本、自然資本の6つの資本を事業活動のインプットとして投入する仕組みを構築する1。同社はアウトプットに基づく提供価値として、「環境×安全・安心・快適」に裏付けられた信頼感により、冒険心を呼び覚ます心豊かなモビリティライフを提供することを示す1。また、事業活動を通じて、道路交通事故の削減への寄与、お客様に満足いただける品質とサービスの提供、事業の展開地域における経済発展の促進、能力を発揮できる多様な人材の輩出、および電動車を活用した電力供給システムなどの災害対策施策の推進を提供する1。中期経営計画「Challenge 2025」に基づき、地域成長性を踏まえた各国マーケットのカテゴリー化と、それぞれの地域特性に合った戦略の実行を推進する1。ルノー・日産・三菱アライアンスにおいて、同社はASEANおよびオセアニア(オーストラリアおよびニュージーランドを含む)地域において「リファレンス・カンパニー(Reference company)」としての役割を担い、アライアンスの地域戦略を統括する2。2026年3月期第3四半期累計期間におけるグローバル合計の小売販売台数の実績は589千台(前年同期比6%減)である3。
同社が公表する2026年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)によると、2026年3月期第3四半期累計期間(2025年4月1日~2025年12月31日)における連結売上高の実績は1,976,533百万円である3。同期間における連結営業利益の実績は31,627百万円である3。同期間における販売費及び一般管理費合計の実績は272,484百万円である3。決算補足説明資料に基づく、同期間における研究開発費(連結ベース)の実績は874億円であり、設備投資(計上ベース)の実績は575億円である4。純資産の部において、2025年12月31日時点での純資産合計の実績は936,882百万円(前期末比36,700百万円減)を計上し、自己資本比率の実績は38.4%(前年度末は41.6%)である3。同社は2026年3月期通期の連結業績予想について、当第3四半期連結会計期間の販売実績および足もとの需要動向を踏まえ、2025年11月5日公表の予想数値を修正し、連結売上高の会社予想を2,900,000百万円とする3。一方で、連結営業利益の会社予想は70,000百万円に据え置く方針を示す3。なお、統合報告書2025において報告される2024年度のインプット実績として、財務資本は総資産2兆2,459億円、自己資本比率41.6%、フリーキャッシュ・フロー599億円である1。
同社は知的財産に関する基本方針として、培ってきた信頼性や走破性の技術を磨き上げ、独創的で存在感のある商品を提供するため、革新的な技術の創出とその保護・活用に取り組むことを掲げる5。同社は「環境×安全・安心・快適」を実現する技術を「三菱自動車らしさ」の構成技術と位置づけ、5つの重点技術分野である電動化技術、四輪制御技術、耐久信頼性技術、快適性技術、およびそれらのベースとなる安全性技術に対して、戦略的な権利取得および保護・活用を推進する5。ナビゲーションやディスプレイなどのUX・UIの領域においては、画像意匠と特許を併用する「知財ミックス」による権利保護を実施する5。また、デザイン部門と連携し、フロント外観の「DYNAMIC SHIELD(ダイナミック・シールド)」やリア外観の「HEXAGUARD HORIZON(ヘキサガード・ホライズン)」をはじめとするブランドを象徴するデザインの保護を進める5。商標の保護では、現実社会のモデルネームに加え、メタバース空間や仮想現実での使用を見据えた権利保護を実行する5。組織の推進体制として、知的財産部が所属する管理本部の本部長が議長を務める「特許戦略会議」(2021年4月より四半期ごと開催)および「意匠戦略会議」(2022年4月より定期開催)を設置し、開発部門およびデザイン部門の管理職とともに知財戦略を策定する体制を構築する5。
中期経営計画「Challenge 2025」において、同社は技術・地域・モビリティビジネスの3領域で15年後の世界観についてのシナリオを構築し、バックキャストする形で戦略を立案する手法を採用する6。地球規模の課題であるカーボンニュートラル対応を促進するため、2030年に新車販売の50%を電動車とする目標を掲げる6。この目標に向け、研究開発費と設備投資の電動化分野への支出割合の増加による電動車比率の向上を図る1。同社は今後5年間にわたり全16車種(うち電動車9車種)のグローバル投入を計画する6。ルノー・日産・三菱アライアンスの協業強化として、リーダー・フォロワー(Leader-Follower)戦略の下、三菱自動車は大型車両(larger vehicles)向けのプラグインハイブリッド(PHEV)技術の開発を担当する方針を示す7。さらに、自動運転、コネクティッド、モビリティビジネスの領域における競争力強化には進化するデジタル技術が不可欠であると定義し、デジタル化推進・新ビジネス領域への進出としてデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる1。具体的には、バッテリーリユースやエネルギーマネジメントサービスといった新事業への取り組みの推進を計画する1。
コーポレート・ガバナンス体制において、同社は指名委員会等設置会社の形態を採用する8。取締役会は、コーポレート・ガバナンスの実効性評価項目の一つとして「企業倫理とリスク管理」を対象とするアンケート調査を実施する8。業務執行の側面では、代表執行役社長が委員長を務める「内部統制委員会」を設置し、内部統制に関わる事項の審議および決定を行う体制をとる8。監査委員会は内部統制システムの実効性や「重大なリスクを内包し得る業務」の監視・検証を担い、2024年度の具体的な活動として、道路運送車両法に関する一連の業務プロセスについてのヒアリングを実施したことを報告する8。関連当事者(主要株主等)との取引においては、当社の利益を害することがないよう経済合理性を検討した上で、権限委譲規定(DOA規則)に基づき、責任者等の複数人によるチェックおよび承認を経て取引を行うルールを適用する8。環境指標の目標として、カーボンニュートラルへの貢献に向け、2030年度における新車平均CO2排出量(Tank to Wheel)を2010年度比で40%削減する計画を掲げる1。人的資本の実績(2024年度)として連結従業員数28,572人を報告し、社会関係資本として社会貢献支出額4億9,800万円の実績を記録する1。
三菱自動車工業株式会社は、企業理念体系においてミッションとビジョンを明確に定義し、経営の根幹とする1。同社のミッションは以下の4項目で構成される。「1. 独創的な商品と優れたサービスにより、お客様に新たな体験を提供します」「2. 社会の持続可能な発展に貢献します」「3. 信頼される企業として誠実に活動します」「4. アライアンスを活用し、ステークホルダーにより高い価値を提供します」1。同社はこれらのミッションを達成するため、価値創造プロセスを通じて様々なアウトプットおよび提供価値を創出する体制を構築する1。
同社が示す提供価値の根幹には、「環境×安全・安心・快適」に裏付けられた信頼感により、冒険心を呼び覚ます心豊かなモビリティライフの提供がある1。具体的な事業を通じた提供価値として、道路交通事故の削減への寄与、お客様に満足いただける品質とサービスの提供、事業の展開地域における経済発展の促進、能力を発揮できる多様な人材の輩出、および電動車を活用した電力供給システムなどの災害対策施策の推進を掲げる1。
同社は事業活動を持続的に展開するため、6つの資本をインプットとして投入するプロセスを採用する1。統合報告書2025において公表された2024年度のインプット実績は以下の通りである。 財務資本に関する実績として、総資産は2兆2,459億円、自己資本比率は41.6%、フリーキャッシュ・フローは599億円を計上する1。製造資本の実績として、設備投資額は1,006億円を記録し、グローバル拠点は5カ国7拠点に展開する体制をとる1。知的資本に関する実績として、研究開発費は1,267億円を投入する1。
非財務資本の領域において、人的資本に関する実績として、連結従業員数は28,572人を数える。その地域別の内訳は、日本が18,640人、アセアンが8,801人、その他地域が1,131人である1。社会関係資本に関する実績として、社会貢献支出額は4億9,800万円を記録する1。自然資本に関するインプット実績として、エネルギー使用量は7.1PJ(10の15乗ジュール)、取水量は4,155千立方メートルを計上する1。これらの資本を基盤として、同社は持続的な成長に向けたガバナンスと事業の展開を推進する1。
同社は2023年度に中期経営計画「Challenge 2025」を始動し、持続的な成長を実現するための全社戦略を展開する9。本計画の策定プロセスにおいて、同社は技術・地域・モビリティビジネスの3つの領域で15年後の世界観についてのシナリオを構築する6。構築されたシナリオからバックキャストする手法を用いることで、中長期的な目標に向けた具体的な戦略を立案する6。市場戦略として、地域成長性を踏まえた各国マーケットのカテゴリー化を行い、それぞれの地域特性に合った戦略の実行を推進する方針を示す1。
環境課題への対応として、地球規模の課題であるカーボンニュートラル対応の促進を計画の柱に据える6。同社は2030年に新車販売の50%を電動車とする目標を掲げる6。この目標の達成に向け、研究開発費と設備投資における電動化分野への支出割合を増加させることにより、電動車比率の引き上げを図る1。また、アライアンス協業の強化および事業排出CO2の削減を並行して進める1。製品計画として、同社は今後5年間にわたり全16車種のグローバル投入を計画する6。全16車種のうち、電動車は9車種を占める計画であり、電動化加速フェーズに向けて電動車の開発とアライアンスとの連携強化に取り組む6。環境目標の数値として、カーボンニュートラルへの貢献に向け、2030年度における新車平均CO2排出量(Tank to Wheel)を2010年度比で40%削減する計画を示す。なお、2024年度の実績は2010年度比で19%の削減である1。
同社は、自動運転、コネクティッド、およびモビリティビジネスの領域における競争力強化には、進化するデジタル技術が不可欠であると定義する1。体験・共感・タイムパフォーマンスを重視するZ世代に向けたマーケティング活動の変化にも対応し、大変革時代の生き残りをかけたデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる1。新事業への取り組みとして、デジタル化の推進とともに、バッテリーリユースやエネルギーマネジメントサービスといった新ビジネス領域への進出を計画し、実行に移す体制を整備する1。
同社が公表する「2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」および補足資料に基づき、2026年3月期 第3四半期累計期間(2025年4月1日~2025年12月31日)の財務パフォーマンスを以下の通り報告する。 連結経営成績において、同期間の連結売上高の実績は1,976,533百万円である3。連結営業利益の実績は31,627百万円である3。四半期連結損益計算書における販売費及び一般管理費合計の実績は272,484百万円である3。
研究開発費および設備投資について、決算補足説明資料における連結ベースの実績は以下の通りである。研究開発費の実績は、第3四半期単独(2025年10月-12月)において297億円、第1-3四半期累計期間において874億円を計上する4。設備投資(計上ベース)の実績は、第3四半期単独において212億円、第1-3四半期累計期間において575億円を記録する4。
純資産および財務健全性に関して、2025年12月31日時点での純資産合計の実績は936,882百万円であり、前期末の実績と比較して36,700百万円の減少となる3。この結果、自己資本比率の実績は38.4%となり、前年度末実績の41.6%から低下する3。純資産の部の主な内訳として、株主資本合計は850,361百万円、その他の包括利益累計額合計は41,510百万円、非支配株主持分は45,003百万円を計上する3。
第3四半期累計期間(2025年4月1日~2025年12月31日)における連結セグメント別の業績実績は以下の通りである。 自動車事業セグメントにおける売上高の実績は1,952,284百万円であり、同セグメントの営業利益の実績は28,920百万円である3。 金融事業セグメントにおける売上高の実績は36,151百万円であり、同セグメントの営業利益の実績は2,355百万円である3。
外部顧客の所在地を基礎として区分した地域別の売上高の実績は以下の通りに報告される。 日本地域における売上高の実績は450,303百万円である3。 北米地域における売上高の実績は458,117百万円である3。 欧州地域における売上高の実績は129,517百万円である3。 アジア地域における売上高の実績は437,842百万円である3。 オセアニア地域における売上高の実績は200,916百万円である3。 その他地域における売上高の実績は299,834百万円である3。
同社は2026年3月期通期(2025年4月1日~2026年3月31日)の連結業績予想について、当第3四半期連結会計期間の販売実績および足もとの需要動向を踏まえた修正を実施する3。2025年11月5日公表の業績予想から連結売上高見通しを修正し、通期の売上高の会社予想を2,900,000百万円とする3。一方で、営業利益、経常利益、および親会社株主に帰属する当期純利益に関する会社予想は、2025年11月5日公表の数値を据え置くことを決定する3。これに伴い、通期の営業利益の会社予想は70,000百万円となる3。
決算補足説明資料に基づく、2025年度(2026年3月期)第3四半期累計期間(2025年4月-12月)における主要国別販売台数の実績は以下の通りである。
主要国別小売台数(Grand Total)の累計実績は589千台である(前年同期比6%減)3。 地域別小売台数の累計実績の詳細内訳は以下の通り報告される。 日本市場における小売台数の実績は85千台(前年同期84千台)である4。 北米市場における小売台数の実績は120千台(前年同期比12%減、17千台減)である4。 欧州市場における小売台数の実績は34千台(前年同期比13%減、5千台減)である4。 アジア市場における小売台数の実績は190千台であり、このうちASEAN地域の実績は183千台である4。中国・その他の実績は7千台(前年同期比22%減、2千台減)である4。 豪州・ニュージーランド(オセアニア)市場における小売台数の実績は53千台(前年同期比16%減、10千台減)である4。 中南米・中東・アフリカ他のその他市場における小売台数の実績は107千台(前年同期比5%増、5千台増)である4。 なお、第3四半期単独(2025年10月-12月)における主要国別小売台数(Grand Total)の実績は205千台である4。
主要国別卸売台数(Grand Total)の累計実績は665千台である4。第3四半期単独における主要国別卸売台数の実績は238千台である4。
決算補足資料に示される「アセアン・オセアニア 小売販売台数・マーケットシェア」に基づき、主要アセアン諸国における2025年度第3四半期の実績値は以下の通りである。
タイ市場におけるマーケットシェアの実績は、第3四半期累計(4-12月)で4.1%(前年同期実績は4.8%)であり、第3四半期単体(10-12月)で3.4%(前年同期実績は5.2%)である10。 インドネシア市場におけるマーケットシェアの実績は、第3四半期累計で8.5%(前年同期実績は8.2%)であり、第3四半期単体で8.6%(前年同期実績は8.0%)である10。 フィリピン市場におけるマーケットシェアの実績は、第3四半期累計で18.5%(前年同期実績は19.3%)であり、第3四半期単体で18.0%(前年同期実績は19.0%)である10。 ベトナム市場におけるマーケットシェアの実績は、第3四半期累計で14.6%(前年同期実績は13.3%)であり、第3四半期単体で17.7%(前年同期実績は11.6%)である10。
同社は2025年度(2026年3月期)の通期見通しにおいて、グローバル合計の小売台数の会社予想を830千台(前年度比12千台減、増減率-1%)とする10。 各地域の通期小売台数の会社予想は以下の通りである。 アセアン地域:257千台(前年度比7千台増、増減率+3%)10。 日本地域:127千台(前年度比9千台増、増減率+8%)10。 北米地域:165千台(前年度比21千台減、増減率-11%)10。 中南米・中東・アフリカ他地域:148千台(前年度比9千台増、増減率+6%)10。 欧州地域:46千台(前年度比5千台減、増減率-10%)10。 豪州・NZ地域:75千台(前年度比11千台減、増減率-13%)10。 中国他地域:12千台(前年度比増減なし)10。
同社は企業理念のミッションの一つとして「アライアンスを活用し、ステークホルダーにより高い価値を提供します」と定めている8。ルノー・日産・三菱アライアンスは、製品および技術開発における効率を向上させるため、「Leader-Follower」スキームを導入し、新たな協力のビジネスモデルを構築する11。このスキームの目的は、各社が個々の強みを活かし、互いの戦略を補完することによって、投資に対するリターン(return on investment)を高めることにある11。
「Leader-Follower」スキームの下、アライアンスを構成する3社は、それぞれが強みを持つ特定の地域において「リファレンス・カンパニー(Reference company)」の役割を担う11。この枠組みにおいて、三菱自動車はASEANおよびオセアニア(オーストラリアとニュージーランドを含む)地域におけるリファレンス・カンパニーに指定され、同地域でのアライアンス戦略を統括する役割を担う2。日産自動車は中国、北米、日本、中東、南アフリカ地域を、ルノーは欧州、ロシア、南米、北アフリカ、韓国地域をそれぞれ担当する2。
コアテクノロジーの開発に関する役割分担において、各パートナーはアライアンス全体で使用される車両および技術の開発に対する責任を負う7。三菱自動車は、大型車両(larger vehicles)向けのプラグインハイブリッド(PHEV)技術の開発を担当する方針が示されている7。一方で、日産自動車はすべてのコンパクトクロスオーバーSUV、自動運転技術、および大型車両向け電動パワートレインの開発を担当し、ルノーはすべてのサブコンパクトクロスオーバー、車載コネクティビティ(中国市場以外向けのAndroidベースのコネクテッドカー技術システムを含む)、および小型車両向け電動パワートレインの開発を担当する体制が構築される2。
同社は製品の競争力強化と新技術の創出を支えるため、国内外に研究開発およびデザインの拠点を配置し、グローバルなネットワークを構築する12。国内の研究開発およびデザインを担う拠点として、以下の施設を運営する。 デザイン機能を有する拠点として、愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地に「デザインセンター」を配置し、東京都港区芝浦三丁目1番21号(msb Tamachi 田町ステーションタワーS)に「東京デザイン」を配置する12。 技術開発の機能を有する拠点として、愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地に「技術センター」を配置し、電気自動車(EV)技術の専門拠点として愛知県岡崎市仁木町字川越1番地1に「EV技術センター」を配置する12。 その他の研究拠点として、京都市右京区太秦巽町1番地に「京都研究所」を、北海道河東郡音更町字長流枝22番1号に「十勝研究所」をそれぞれ配置し、多様な環境下での試験・研究を実施する12。
海外の研究開発体制として、欧州および北米に主要拠点を設置する。欧州においては、ドイツのトレバー(Diamantstrasse 1 65468 Trebur FEDERAL REPUBLIC OF GERMANY)に「ミツビシ・モーター・アールアンドディー・ヨーロッパ・ジーエムビーエイチ(MRDE)」を配置し、デザインスタジオの運営および認証業務を担う12。北米においては、米国ミシガン州(3735, Varsity Drive, Ann Arbor, Michigan 48108 U.S.A)に「ミツビシ・モーターズ・アールアンドディー・オブ・アメリカ・インク(MRDA)」を配置し、自動車関連の調査、試験、研究の業務を実行する12。
同社グループは、知的財産に関する基本方針として、培ってきた信頼性や走破性の技術に磨きをかけ、新しい価値を持った独創的で存在感のある商品の提供を実現するため、革新的な技術の創出と、その保護・活用に取り組むことを宣言する5。中期経営計画「Challenge 2025」に基づき、限られた資源で最大限の効果を発揮するための出願戦略を立案し、実行する5。この計画的な権利取得・保護・活用を通じて知的資本を強化し、ブランドマネジメントの実行による収益力の向上につなげる方針を示す5。
同社は「環境×安全・安心・快適」を実現する技術を、「三菱自動車らしさ」を構成する技術と位置づけ、以下の5分野を重点技術分野として出願戦略を展開する5。 第一に、電動化技術分野である。これは同社が注力するPHEVシステム等を含む中核技術である5。 第二に、四輪制御技術分野である。S-AWC(Super All Wheel Control)等の具体的なシステムによって走破性と安定性を支える中心技術である5。 第三に、耐久信頼性技術分野である5。 第四に、快適性技術分野である5。 第五に、安全性技術分野である。同社はこの安全性技術を、上記すべての技術のベースとなる最重要分野として位置づける5。
特許権だけでなく、意匠権や商標権を組み合わせた多角的な知的財産の保護戦略を展開する。ナビゲーションやディスプレイなどのUX・UI(ユーザーエクスペリエンス・ユーザーインターフェース)の領域においては、画像意匠としての登録のみならず、特許と併用する「知財ミックス」による権利保護を図り、知的資本の強化を進める5。
デザインの保護活動において、知的財産部はデザイン部門と密に連携する体制をとる5。これにより、フロント外観の特徴である「DYNAMIC SHIELD(ダイナミック・シールド)」や、リア外観の特徴である「HEXAGUARD HORIZON(ヘキサガード・ホライゾン)」をはじめとする、ブランドを象徴し「三菱自動車らしさ」を表現するデザインについて、漏れのない積極的な出願と権利保護を進める5。
商標の保護戦略として、現実社会における車両のモデルネームの保護を継続するだけでなく、メタバース空間や仮想現実(VR)での使用を視野に入れた商標の権利保護を計画し、実行する5。
同社は、戦略的な権利取得、保護、および活用のためのガバナンス体制を整備する。中期経営計画に基づき、知的財産部が中心となり、開発部門、デザイン部門、商品企画部門の各部門と緊密に連携しながら知財戦略を企画・立案し実行する体制を構築する5。意思決定機関の運営において、知的財産部が所属する管理本部の本部長が「特許戦略会議」および「意匠戦略会議」の両会議で議長を務める仕組みを導入する5。これにより、開発およびデザインの現場部門の目線と、コーポレート部門としての目線のバランスを取った運営を実現する5。
特許領域の意思決定機関である「特許戦略会議」は、2021年4月から四半期ごとに開催される5。同会議の議長は各開発本部および管理本部の本部長が務める5。会議には各開発部門のキーパーソン(管理職)の出席を必須とする運用を行う5。特許戦略会議においては、出願戦略の提案と承認を行うとともに、他社の特許動向分析を含めた技術戦略の策定を進める役割を担う5。
意匠領域の意思決定機関である「意匠戦略会議」は、2022年4月から定期的に開催される5。同会議の議長はデザイン本部および管理本部の本部長が務める5。意匠戦略会議においては、デザイン戦略に沿った知財戦略を構築し、内外装デザインの漏れのない保護を図るための議論と決定を行う5。
同社は自社の知的財産を保護するだけでなく、他社の知的財産権を尊重する意識を醸成するための方針を定める5。模倣品への対策活動として、疑義品の摘発を推進するほか、同社のウェブサイト上で正規品使用に関する注意喚起を実施する5。また、関係業界団体と連携し、国内外の政府機関への働きかけを行うことで、模倣品の排除に向けた市場環境の整備に取り組む5。
他社の知財を尊重する意識の醸成および従業員の知識向上のため、教育プログラムを実施する。2024年度の活動実績として、全従業員を対象とした特許、意匠、商標、著作権の入門講座(eラーニング)を実施したことを報告する5。さらに、役員への定期的な知財情報共有や、各部門に向けたカスタマイズ教育を展開する5。
社内の知的財産創出のインセンティブを強化する仕組みとして、「社員報奨制度」を運用する5。特許発明や意匠創作のうち、社外表彰を受けたものや、商品の販売に貢献したものに対してタイムリーに報奨を行うことで、従業員のモチベーション向上と良質な知的財産の創出を促進する5。また、ブランディング活動の一環として、自社の車両を玩具やゲームへ商品化する業務を、専門の管理部門である知的財産部が担うことで、幅広い消費者層に対する同社車両の認知度向上に努める活動を並行して実施する5。
同社は「指名委員会等設置会社」の形態をとる8。コーポレート・ガバナンスの実効性を確保するため、取締役会は評価項目の一つとして「企業倫理とリスク管理」を対象としたアンケート調査を実施する8。また、業務執行におけるリスク管理体制として、代表執行役社長が委員長を務める「内部統制委員会」を設置し、内部統制に関わる事項の審議および決定を統括する8。
監査委員会は、内部統制システムの実効性や「重大なリスクを内包し得る業務」の監視・検証を行う権限を持つ8。2024年度の具体的な監査活動の実績として、監査委員会は道路運送車両法に関する一連の業務プロセスについてのヒアリングを実施したことを報告する8。監査体制の実行組織として、監査本部内に「業務監査部」と「品質監査部」を設置する8。監査委員会は監査本部と定期的なミーティングを行うことで、国内外の関係会社を含む内部監査結果の状況を把握し、監査活動の実績を取締役会へ年2回報告する体制をとる8。
アライアンスや他社との提携に伴い発生し得る利益相反リスクを管理するため、取締役および執行役との競業取引や利益相反取引について、取締役会での事前承認と事後報告を義務付ける規程を運用する8。主要株主等の関連当事者との取引にあたっては、同社および株主の利益を害することがないよう、経済合理性の検討を行う8。その上で、権限委譲規定(DOA:Delegation of Authority規則)に基づき、複数部門によるチェックおよび責任者等の適切な決裁権者による承認を経て取引を行うルールを定め、厳格に管理する8。
※決算発表日および業績予想修正日以外の詳細なイベントカレンダーの日付と内容は、情報源(公式サイトのIRカレンダーページ等)へのアクセスができなかったため調査範囲内では確認できず。
|
イベント種別 |
日付 |
内容・ステータス |
出典 |
|
第3四半期決算発表 |
2026年2月5日 |
2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)および補足資料の公表(完了) |
3 |
|
業績予想修正公表 |
2025年11月5日 |
2026年3月期 通期の連結業績予想の公表・修正(完了) |
3 |
アセアン諸国のマーケットシェア(2025年度 第3四半期実績)
※決算補足資料「アセアン・オセアニア 小売販売台数・マーケットシェア」に基づく。
|
地域・国名 |
2025年度 第3四半期累計 (4-12月) 実績 |
2025年度 第3四半期単体 (10-12月) 実績 |
出典 |
|
タイ |
4.1% |
3.4% |
10 |
|
インドネシア |
8.5% |
8.6% |
10 |
|
フィリピン |
18.5% |
18.0% |
10 |
|
ベトナム |
14.6% |
17.7% |
10 |
重点技術分野と対象領域(「Challenge 2025」および知財戦略関連)
|
重点分野・領域 |
位置づけ・保護方針 |
関連する具体的技術・戦略の例 |
出典 |
|
電動化技術 |
「三菱自動車らしさ」の構成技術(重点5分野) |
PHEVシステム、Leader-Follower戦略に基づく大型車両向けPHEVの開発 |
5 |
|
四輪制御技術 |
「三菱自動車らしさ」の構成技術(重点5分野) |
S-AWC (Super All Wheel Control) |
5 |
|
耐久信頼性技術 |
「三菱自動車らしさ」の構成技術(重点5分野) |
走破性と安定性を支える技術群の保護 |
5 |
|
快適性技術 |
「三菱自動車らしさ」の構成技術(重点5分野) |
MI-PILOT(マイパイロット)等の運転支援・快適技術 |
5 |
|
安全性技術 |
上記すべての技術のベースとなる分野(重点5分野) |
道路交通事故の削減に寄与する車両設計・制御技術 |
1 |
|
デザインの保護 |
ブランドを象徴する意匠・デザイン戦略 |
DYNAMIC SHIELD(フロント外観)、HEXAGUARD HORIZON(リア外観) |
5 |
|
UX・UI |
知財ミックスによる権利保護領域 |
ナビゲーションやディスプレイ技術(画像意匠と特許の併用による保護) |
5 |
|
商標・メタバース |
現実社会から仮想現実への商標戦略の拡張 |
メタバース空間や仮想現実(VR)での使用を視野に入れたモデルネームの権利保護 |
5 |
国内外の研究開発およびデザイン拠点ネットワーク
|
拠点名称 |
所在地 |
役割・機能 |
出典 |
|
デザインセンター |
愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地 |
国内のデザイン機能・研究開発 |
12 |
|
東京デザイン |
東京都港区芝浦三丁目1番21号(msb Tamachi 田町ステーションタワーS) |
国内のデザイン機能・研究開発 |
12 |
|
技術センター |
愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地 |
国内の技術開発機能 |
12 |
|
EV技術センター |
愛知県岡崎市仁木町字川越1番地1 |
電気自動車(EV)技術の専門的な開発機能 |
12 |
|
京都研究所 |
京都市右京区太秦巽町1番地 |
国内の試験および研究開発機能 |
12 |
|
十勝研究所 |
北海道河東郡音更町字長流枝22番1号 |
多様な環境下での国内試験・研究機能 |
12 |
|
ミツビシ・モーター・アールアンドディー・ヨーロッパ・ジーエムビーエイチ(MRDE) |
ドイツ・トレバー(Diamantstrasse 1 65468 Trebur FEDERAL REPUBLIC OF GERMANY) |
欧州地域のデザインスタジオ運営、および認証業務等 |
12 |
|
ミツビシ・モーターズ・アールアンドディー・オブ・アメリカ・インク(MRDA) |
米国・ミシガン(3735, Varsity Drive, Ann Arbor, Michigan 48108 U.S.A) |
北米地域の自動車関連の調査、試験、および研究業務 |
12 |
本レポートのPDF版をご用意しています。印刷や保存にご活用ください。
本レポートは、公開情報をAI技術を活用して体系的に分析したものです。
情報の性質
ご利用にあたって
本レポートは知財動向把握の参考資料としてご活用ください。 重要なビジネス判断の際は、最新の一次情報の確認および専門家へのご相談を推奨します。
TechnoProducerは、貴社の「発明力と知財力」を最大化します
→ 月額顧問サービス
特許活用から経営戦略まで、事業成功のプロがあらゆる課題に対応
→ 発明塾®動画セミナー
個人での学習や、オンラインでの社内教育はこちら
→ まず相談したい・お問い合わせ
サービス選択に迷う場合や、個別のご相談はこちら
ここでしか読めない発明塾のノウハウの一部や最新情報を、無料で週2〜3回配信しております。
・あの会社はどうして不況にも強いのか?
・今、注目すべき狙い目の技術情報
・アイデア・発明を、「スジの良い」企画に仕上げる方法
・急成長企業のビジネスモデルと知財戦略