3行まとめ
印刷技術の知財を異分野へ転用し、エレクトロニクス部門が営業利益の約半数を創出
大日本印刷は「P&I(Printing & Information)」戦略のもと、エッチング技術をOLEDメタルマスクへ、コンバーティング技術をリチウムイオン電池用バッテリーパウチへと応用。売上高構成比17.0%のエレクトロニクス部門が、営業利益構成比では49.5%を占める高収益構造を実現している。
5年間で2,600億円超の集中投資を推進し、営業利益目標を1年前倒しで達成
2023~2027年度の5年間で注力事業領域に総額2,600億円以上の成長投資を計画し、M&Aによる外部知財の獲得も推進。2025年3月期の営業利益は936億円に達し、当初2026年3月期に設定していた850億円の目標を1年前倒しで達成した。
インドR&D拠点の新設やメタバース実証など、グローバル知財創出体制を加速
インド工科大学ハイデラバード校に海外2カ所目の研究開発拠点を開設し、モビリティ・メディカル分野の知財創出を推進。さらに、ブロックチェーン技術を活用した3Dアイテム流通の実証実験や、日本発IPの日米同時物販催事など、デジタルクリエイティブ領域でのIP活用も本格化している。
この記事の内容
(事業概要の観点) 大日本印刷株式会社の事業は、「スマートコミュニケーション部門」「ライフ&ヘルスケア部門」「エレクトロニクス部門」の3つの主要なセグメントによって構成される。大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、2024年4月1日から2025年3月31日を対象期間とする2025年3月期の実績において、セグメント別の売上高構成比はスマートコミュニケーション部門が49.0パーセント、ライフ&ヘルスケア部門が34.0パーセント、エレクトロニクス部門が17.0パーセントを示す1。同対象期間におけるセグメント別の営業利益構成比の実績は、エレクトロニクス部門が49.5パーセント、スマートコミュニケーション部門が29.9パーセント、ライフ&ヘルスケア部門が20.6パーセントを示す1。また、大日本印刷株式会社の「2026年3月期 第3四半期決算短信」によると、2025年4月1日から2025年12月31日を対象期間とする当第3四半期連結累計期間の実績において、スマートコミュニケーション部門は写真プリント用部材を扱うイメージングコミュニケーション事業が欧米およびアジア市場において好調な推移を示し、情報セキュア関連事業においてはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の大型案件が寄与した実績を示す3。同対象期間のライフ&ヘルスケア部門の実績においては、リチウムイオン電池用バッテリーパウチがIT向けにおいて堅調な推移を示し、太陽電池関連事業も世界的な需要拡大を背景に前年同期実績を上回る推移を示す一方、車載向けの事業は市場の不透明感から前年同期実績を下回る推移を示す3。
(財務の観点) 大日本印刷株式会社の「2026年3月期 第3四半期決算短信」によると、2025年4月1日から2025年12月31日を対象期間とする当第3四半期連結累計期間の実績において、売上高は1,128,219百万円(前年同期比4.6パーセント増)、営業利益は76,328百万円(前年同期比21.8パーセント増)、経常利益は87,508百万円(前年同期比9.8パーセント増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は85,411百万円(前年同期比26.4パーセント減)を示す3。前年同期の親会社株主に帰属する四半期純利益実績である116,092百万円には、投資有価証券の売却に伴う特別利益44,509百万円の計上が含まれる事実を示す3。同対象期間の1株当たり四半期純利益実績は192.31円、包括利益実績は65,802百万円(前年同期比35.5パーセント減)を示す3。また、2025年4月1日から2026年3月31日を対象期間とする2026年3月期の通期会社予想において、大日本印刷株式会社は直近に公表されていた業績予想からの修正の有無を「有」とし、修正後の売上高会社予想を1,515,000百万円(前期比3.9パーセント増)、営業利益会社予想を103,000百万円(前期比10.0パーセント増)、経常利益会社予想を116,000百万円(前期比0.1パーセント増)、親会社株主に帰属する当期純利益会社予想を100,000百万円(前期比9.7パーセント減)として公表した実績を示す3。2026年3月期の配当の状況に関する会社予想について、直近に公表されている配当予想からの修正の有無を「無」とし、年間合計配当予想を40.00円(第2四半期末実績18.00円、期末予想22.00円)とする方針を示す3。
(技術・知財の観点) 大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、同社は「P&I」(Printing & Information)の強みとパートナーとの連携によって、知的資本の面から事業ポートフォリオを強化する基本戦略を掲げる4。印刷プロセスを基盤とする多様な技術をコア技術と位置づけ、その応用事例として、「スタンプ」の印刷工程において用いられるエッチング技術をOLED(有機EL)ディスプレイ用のメタルマスクの開発へと応用した実績や、パッケージング事業において培われたコンバーティング技術をリチウムイオン電池用のバッテリーパウチの開発へと応用した実績を示す5。研究開発体制の拡充に関して、大日本印刷株式会社の公式ニュースリリース(2026年3月23日発表)によると、インド工科大学ハイデラバード校の構内に海外で2カ所目となる研究開発拠点を開設した実績を示し、同拠点においてモビリティ分野やメディカル・ヘルスケア分野を中心とした知財創出と技術革新を目指す方針を掲げる(ステータス:稼働)3。技術および知的財産を製品化した実績として、2026年4月23日に自動車用のディスプレイに対応する加飾フィルムの量産を開始した実績を示し(ステータス:稼働)、2026年4月16日に単一の素材で構成されるモノマテリアルの医療用滅菌包材の提供を開始した実績を示す(ステータス:稼働)3。さらに、デジタルクリエイティブ領域における知的財産(IP)の活用展開として、2026年4月8日にメタバース環境やXR(Extended Reality)技術を活用し、デジタルアイテムの流通管理基盤としてブロックチェーン技術を導入したVTuberと3Dクリエイターの共創による3Dアイテム流通の実証実験の開始を発表した実績を示す(ステータス:稼働)6。
(戦略・成長の観点) 大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、中長期的な成長戦略として、2023年度から2027年度(2028年3月期)までの5年間を対象期間とし、注力事業領域に対して総額2,600億円以上の集中投資を推進する計画を示す5。この集中投資の計画には、M&A(企業の合併・買収)を通じた技術的シナジーの創出を目的とする投資が含まれており、連携対象の具体例としてCMIC CMO、新光電気工業、レゾナック・パッケージングなどの企業との協業および投資事例を示す5。企業価値向上のための指標に関して、大日本印刷株式会社はPBR(株価純資産倍率)向上のロジックツリーを設定し、ROE(自己資本利益率)の向上とPER(株価収益率)の向上の両輪を追求する方針を示す5。ROEの向上に向けては、利益拡大および資産効率の最大化を図るとともに、自己資本圧縮や有利子負債活用などのレバレッジの活用を推進する方針を掲げる5。PERの向上に向けては、リスク低減、株主還元、ESG(環境・社会・ガバナンス)強化を通じた株主資本コストの低下を図るとともに、成長戦略および事業ポートフォリオ改革を通じた期待成長率の向上を推進する方針を示す5。目標達成の進捗に関して、2024年4月1日から2025年3月31日を対象期間とする2025年3月期(2024年度)の実績における営業利益は93,600百万円(936億円)を示し、当初設定していた2026年3月期(2025年度)の営業利益目標である85,000百万円(850億円)を1年前倒しで達成した実績を示す5。
(リスク・ESGの観点) 大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、人的資本ポリシーに基づき人への投資を拡大し、非財務活動の直接的な効果として既存事業の拡大および収益力の向上を目標とする方針を掲げる4。具体的な人的資本の強化施策として、ICT(情報通信技術)人材およびDX(デジタルトランスフォーメーション)人材の確保と育成、ならびに業務現場におけるデジタル化を推進するための市民開発を実施する計画を示す4。事業環境の変化におけるリスクを、コア技術の進化と深耕によって成長機会に転換し、事業活動を通じて「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に貢献する方針を非財務戦略として明示する5。外部からのESG関連の評価に関して、大日本印刷株式会社の公式ニュースリリース(2026年4月13日発表)によると、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2026」に選定された実績を示す6。この選定評価においては、データ流通、AI(人工知能)、次世代通信などの技術知財の活用を通じた価値創造の実績が含まれる6。また、同社の公式ニュースリリース(2026年3月31日発表)によると、長年にわたる技術蓄積と知的財産の継承を背景とし、2026年3月31日をもって創業150周年を迎えた実績を示す6。
本章では、大日本印刷株式会社の直近の財務実績および業績動向について、各四半期の決算短信等の一次情報公表データに基づき詳細な数値を記述する。
大日本印刷株式会社が公表した「2026年3月期 第3四半期決算短信」によると、2025年4月1日から2025年12月31日を対象期間とする当第3四半期連結累計期間における主要な経営成績の実績は以下の数値を示す3。 売上高の実績は1,128,219百万円を示し、前年同期比4.6パーセント増の推移を示す3。前年同期(2024年4月1日から2024年12月31日を対象期間とする前第3四半期連結累計期間)の売上高実績は1,079,058百万円を示す3。 営業利益の実績は76,328百万円を示し、前年同期比21.8パーセント増の推移を示す3。 経常利益の実績は87,508百万円を示し、前年同期比9.8パーセント増の推移を示す3。 親会社株主に帰属する四半期純利益の実績は85,411百万円を示し、前年同期比26.4パーセント減の推移を示す3。この減少要因に関連し、前年同期の親会社株主に帰属する四半期純利益実績である116,092百万円には、投資有価証券の売却に伴う特別利益44,509百万円の計上が含まれていた事実を示す3。 1株当たり四半期純利益の実績は192.31円を示す3。前年同期の1株当たり四半期純利益実績は248.85円を示す3。 包括利益の実績は65,802百万円を示し、前年同期比35.5パーセント減の推移を示す3。
同対象期間(2025年4月1日から2025年12月31日)における費用項目の実績として、販売費及び一般管理費の実績は198,316百万円を示す3。のれんを除く無形固定資産を含む減価償却費の実績は37,917百万円を示す3。のれんの償却額の実績は1,164百万円を示す3。
財政状態に関して、同資料によると、2025年12月31日時点を対象期間とする総資産の実績は1,980,353百万円を示す3。同対象期間の純資産の実績は1,218,435百万円を示す3。同対象期間の自己資本比率の実績は57.7パーセントを示す3。
大日本印刷株式会社が公表した「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」によると、2025年4月1日から2025年9月30日を対象期間とする中間期の経営成績の実績は以下の数値を示す7。 売上高の実績は738,701百万円(対前年中間期増減率4.3パーセント増)、営業利益の実績は46,648百万円(対前年中間期増減率22.2パーセント増)、経常利益の実績は52,910百万円(対前年中間期増減率5.8パーセント増)、親会社株主に帰属する中間純利益の実績は60,358百万円(対前年中間期増減率32.7パーセント減)を示す7。中間期の包括利益実績は29,420百万円(対前年中間期増減率52.9パーセント減)を示す7。中間期の1株当たり中間純利益実績は135.02円を示す7。2025年9月30日時点を対象期間とする総資産実績は1,972,025百万円、純資産実績は1,205,092百万円、自己資本比率実績は57.3パーセントを示す7。
また、大日本印刷株式会社が公表した「2026年3月期 第1四半期決算短信」によると、2025年4月1日から2025年6月30日を対象期間とする当第1四半期連結累計期間の経営成績実績は以下の数値を示す8。売上高実績は366,140百万円を示す8。売上原価実績は278,432百万円、売上総利益実績は87,707百万円を示す8。2025年6月30日時点を対象期間とする負債純資産合計の実績は1,963,169百万円を示す8。
大日本印刷株式会社の「2026年3月期 第3四半期決算短信」において、2025年4月1日から2026年3月31日を対象期間とする2026年3月期通期の会社予想数値が公表されている3。同資料において、大日本印刷株式会社は直近に公表されている業績予想からの修正の有無について「有」と明記し、上方修正された数値を公表する実績を示す3。 修正後の通期売上高の会社予想は1,515,000百万円(前期比3.9パーセント増)を示す3。 営業利益の会社予想は103,000百万円(前期比10.0パーセント増)を示す3。大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」の記載によると、2026年3月期(2025年度)の当初の営業利益目標として94,000百万円(940億円)が設定されていた実績を示すが5、第3四半期決算短信による最新の会社予想において103,000百万円に修正された実績を示す3。 経常利益の会社予想は116,000百万円(前期比0.1パーセント増)を示す3。 親会社株主に帰属する当期純利益の会社予想は100,000百万円(前期比9.7パーセント減)を示す3。 1株当たり当期純利益の会社予想は226.57円を示す3。
2026年3月期の配当の状況に関する会社予想について、大日本印刷株式会社は直近に公表されている配当予想からの修正の有無を「無」と明記する実績を示す3。 2025年4月1日から2026年3月31日を対象期間とする年間配当金の会社予想に関して、第2四半期末配当金実績は18.00円を示し、期末配当金の会社予想は22.00円を示し、年間配当金の合計会社予想は40.00円を示す3。 この1株当たりの配当数値に関して、大日本印刷株式会社は2024年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合をもって実施された株式分割に伴う影響を考慮した算定であることを公式資料内に明記する実績を示す3。
大日本印刷株式会社の事業は、主に「スマートコミュニケーション部門」「ライフ&ヘルスケア部門」「エレクトロニクス部門」の3つのセグメントに分類して開示される方針を示す1。
大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、2024年4月1日から2025年3月31日を対象期間とする2025年3月期実績におけるセグメント別売上高構成比の実績は、スマートコミュニケーション部門が49.0パーセント、ライフ&ヘルスケア部門が34.0パーセント、エレクトロニクス部門が17.0パーセントを示す1。 同対象期間のセグメント別営業利益構成比の実績は、エレクトロニクス部門が49.5パーセント、スマートコミュニケーション部門が29.9パーセント、ライフ&ヘルスケア部門が20.6パーセントを示す1。売上高構成比において最大の割合を占める部門と、営業利益構成比において最大の割合を占める部門が異なる構造の実績を示す。
大日本印刷株式会社の「2026年3月期 第3四半期決算短信」によると、2025年4月1日から2025年12月31日を対象期間とする当第3四半期連結累計期間におけるスマートコミュニケーション部門の売上高実績は550,600百万円(前年同期比5.4パーセント増)、営業利益実績は26,400百万円(前年同期比29.8パーセント増)を示す3。同部門の事業概況に関して、写真プリント用部材を扱うイメージングコミュニケーション事業が欧米およびアジア市場において好調な推移を示した実績を示す3。また、情報セキュア関連事業においてはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の大型案件が業績に寄与した実績を示す3。 同対象期間のライフ&ヘルスケア部門の事業概況に関して、リチウムイオン電池用バッテリーパウチがIT向けにおいて堅調な推移を示し、太陽電池関連事業も世界的な需要拡大を背景に前年同期実績を上回る推移を示した実績を示す3。一方で、車載向けの事業は市場の不透明感から前年同期実績を下回る推移を示した実績を示す3。なお、2026年3月期第3四半期におけるエレクトロニクス部門の売上高実績および営業利益実績の具体的な数値は、今回の調査では未確認である3。
本章では、大日本印刷株式会社の技術戦略および知的資本の強化に関する基本方針を一次情報の記述に基づき詳述する。
大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、同社は「P&I」(Printing & Information)の強みとパートナーとの連携によって、知的資本の面から事業ポートフォリオを強化する基本戦略を掲げる4。同資料内における経営の基本方針において、事業環境の変化におけるリスクを、コア技術の進化と深耕によって成長機会に転換する方針を示す5。 大日本印刷株式会社のすべての事業は「印刷プロセスを基盤とする多様で高度な技術」をコアとして構築されている事実を示す5。技術応用の具体的な歴史的展開実績として、元来「スタンプ」の印刷工程において用いられていたエッチング技術を応用し、現在ではOLED(有機EL)ディスプレイ用のメタルマスクの開発および製造へと事業領域を転換・拡大した実績を示す5。また、パッケージング事業において長年培われたコンバーティング技術を応用し、リチウムイオン電池用のバッテリーパウチの開発へと事業領域を拡大した実績を示す5。これらの実績は、既存の知財基盤を新規成長領域へ適用する技術戦略の方針を示すものである。
知的資本の源泉となる人材基盤の強化に関して、大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、同社は人的資本ポリシーに基づき人への投資を拡大する方針を示す5。具体的な人材育成の方針として、ICT(情報通信技術)人材およびDX(デジタルトランスフォーメーション)人材の確保ならびに育成を実施する計画を掲げる4。また、業務現場におけるデジタル化を自律的に推進するための「市民開発の推進」を人材育成戦略の一環として実施する方針を示す4。これらの非財務活動を通じた直接的な効果として、既存事業の拡大および収益力の向上を目標として設定し、社内外へもたらす間接的な変化として、事業創出による社会への価値提供および売上の増大を目標として設定する方針を示す4。
大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、DNP独自の強みと外部のパートナーとの連携を活かし、知的資本を強化する方針を示す5。具体的な連携強化の対象として、技術ベンチャーとの連携、および社外研究機関との連携を推進する計画を掲げる4。組織内における知財戦略として、新規事業創出部門と既存事業部門間における製品およびサービスへの技術活用の連携を強化する方針を示す4。
本章では、大日本印刷株式会社の最新の公式ニュースリリースおよび公表資料に基づき、研究開発体制の拡充および新規事業・製品展開の具体的な事例を記述する。
大日本印刷株式会社の公式ニュースリリース(2026年3月23日発表)によると、インド工科大学ハイデラバード校の構内に、同社にとって海外で2カ所目となる研究開発拠点を開設した実績を示す(ステータス:稼働)3。同研究開発拠点においては、モビリティ分野やメディカル・ヘルスケア分野を中心とした技術革新および知財創出を目指す方針を示す6。この拠点の新設は、グローバル市場における研究開発リソースの獲得と、現地の学術機関との連携強化を意図する方針を示すものである6。
大日本印刷株式会社の公式情報によると、研究開発の成果として以下の製品およびサービスの事業化実績を示す。 2026年4月23日に、自動車用のディスプレイに対応する加飾フィルムの量産を開始した実績を示す(ステータス:稼働)3。 2026年4月16日に、単一の素材で構成されるモノマテリアルの医療用滅菌包材の提供を開始した実績を示す(ステータス:稼働)3。 2026年8月には、改正された犯罪収益移転防止法に対応する機能を持つ「本人確認アプリ」のリリースを予定する方針を示す(ステータス:計画)3。
本章では、大日本印刷株式会社が保有または提携するIP(知的財産)を活用した、デジタル領域およびグローバル市場へのコンテンツ展開事業について記述する。
大日本印刷株式会社の公式ニュースリリース(2026年4月8日発表)によると、同社は日本発の知的財産(IP)を活用したコンテンツビジネスのグローバル展開を推進する方針を示す6。具体的な取り組みとして、「東京アニメセンター」を事業展開の起点とし、日本発のIPを用いた物販催事を日本国内とアメリカ合衆国において同時期に展開する方針を発表した実績を示す(ステータス:合意)6。この取り組みは、同社が関係するIPの価値を最大化し、グローバル市場における流通経路を強化する目的を持つ方針を示す6。
大日本印刷株式会社の同日(2026年4月8日)の公式ニュースリリースによると、メタバース環境やXR(Extended Reality)技術を活用し、VTuberと3Dクリエイターが共創した3Dアイテムの流通に関する実証実験を開始した実績を示す(ステータス:稼働)6。この実証実験においては、デジタル空間上で取引されるアイテムの真正性証明や流通管理基盤の要素技術として、ブロックチェーン技術を活用する方針を示す6。
大日本印刷株式会社の公式ニュースリリース(2026年3月12日発表)によると、同社は群馬県との間でデジタルクリエイティブ分野におけるメディア連携を開始した実績を示す(ステータス:稼働)6。この連携事業においては、地域創生、教育、およびコンテンツビジネスを主要な軸として、デジタル空間上におけるIP(知的財産)の多角的な活用を推進する方針を掲げる6。
本章では、大日本印刷株式会社の中長期的な成長投資計画の数値目標、M&A戦略、および企業価値向上のための財務・非財務戦略の連動構造について記述する。
大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、成長戦略として2023年度から2027年度(2028年3月期)までの5年間を対象期間とし、注力事業領域に対して総額2,600億円以上の集中投資を推進する計画を示す5。この大規模な投資計画は、社会課題の解決およびメガトレンドに通じる注力事業ならびに新規事業に対する事業構造改革を目的とする方針を示す5。 成長投資の具体的な実行手段として、M&A(企業の合併・買収)を通じた技術的シナジーの創出と外部知財の獲得を計画する5。M&Aや大規模な提携を通じた連携対象の具体例として、CMIC CMO、新光電気工業、レゾナック・パッケージングなどの企業との協業および投資実績を示す5。
大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、企業価値向上のための重要指標としてPBR(株価純資産倍率)向上のロジックツリーを設定し、公表する方針を示す5。このロジックツリーにおいて、PBRの向上は「ROE(自己資本利益率)の向上」と「PER(株価収益率)の向上」という2つの主要素から構成される方針を示す5。 ROEの向上に向けては、事業活動を通じた利益拡大および資産効率の最大化を図るとともに、自己資本の圧縮や有利子負債の活用を含むレバレッジの活用を推進する方針を示す5。 PERの向上に向けては、経営基盤の強化を通じたリスク低減、株主還元策の継続的な実行、およびESG(環境・社会・ガバナンス)強化を推進することで、市場からの株主資本コストの低下を図る方針を示す5。同時に、成長戦略の実行および前述の事業ポートフォリオの改革を推進することで、期待成長率の向上を図る方針を示す5。この論理構造において、知的資本を含む経営基盤の強化は、リスク低減と期待成長率の向上の双方に直接的に寄与する要素として位置づけられる方針を示す5。
大日本印刷株式会社の事業構造改革の進捗を示す数値として、「DNP Integrated Report 2025」によると、2024年4月1日から2025年3月31日を対象期間とする2025年3月期(2024年度)実績の営業利益は93,600百万円(936億円)を示す5。同社は当初、2026年3月期(2025年度)の営業利益目標として85,000百万円(850億円)を設定していたが、2025年3月期の実績値をもって当該目標を1年前倒しで達成した実績を示す5。
本章では、非財務活動における環境、社会、ガバナンス(ESG)の取り組み目標、およびデジタルトランスフォーメーションに対する公的な外部評価の実績について記述する。
大日本印刷株式会社の「DNP Integrated Report 2025」によると、非財務戦略における事業活動の根幹として、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の3つの社会目標の実現に貢献する方針を掲げる5。具体的な環境配慮型製品の開発実績として、第4章で記述した単一の素材で構成されるモノマテリアルの医療用滅菌包材の提供(2026年4月16日開始)は、製品のリサイクル適性の向上を通じた循環型社会への貢献に寄与する活動として位置づけられる実績を示す3。
大日本印刷株式会社の公式ニュースリリース(2026年4月13日発表)によると、同社は経済産業省と東京証券取引所が共同で実施し、優れたDX推進企業を選出する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2026」に選定された実績を示す(ステータス:完了)6。この選定においては、同社が推進するデジタルトランスフォーメーションを通じた事業の価値創造が評価の対象となり、具体的にはデータ流通の基盤構築、AI(人工知能)の事業適用、次世代通信などの技術知財の活用実績が評価要素として含まれる事実を示す6。
大日本印刷株式会社の公式ニュースリリース(2026年3月31日発表)によると、同社は印刷技術を基盤とする長年にわたる技術蓄積と知的財産の継承を背景とし、2026年3月31日をもって創業150周年を迎えた実績を示す6。
本調査において、以下の事項は一次情報の調査範囲内において具体的な数値や事実内容の記載を特定できなかったため、未確認事項として列挙する。
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対象項目 |
確認ステータスおよび理由 |
該当一次情報群 |
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研究開発費の実績および予想 |
2025年3月期および2026年3月期における研究開発費の具体的な金額実績、ならびに会社予想の数値(全社総額およびセグメント別内訳)は、調査範囲内では確認できず。 |
3 |
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設備投資額の実績および予想 |
2025年3月期および2026年3月期における設備投資額の具体的な金額実績、ならびに会社予想の数値は、調査範囲内では確認できず。 |
5 |
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特許保有件数の実績値 |
大日本印刷株式会社の国内および海外における具体的な特許保有件数の最新数値、ならびに直近3カ年の推移に関する具体的な数値は、調査範囲内では確認できず。 |
5 |
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第3四半期 エレクトロニクス部門の業績 |
2026年3月期第3四半期におけるエレクトロニクス部門の売上高実績および営業利益実績の具体的な数値は、今回の調査では未確認。 |
3 |
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全国発明表彰の具体的な受賞名称 |
大日本印刷株式会社としての2024年度および2025年度における「全国発明表彰」の具体的な受賞内容(発明の名称等)の言及は、調査範囲内では確認できず。 |
6 |
本章では、前段までに記述した大日本印刷株式会社の主要な財務指標、ならびに事業・研究開発の拠点・イベントの進捗状況を一覧表として整理する。
以下の表内の数値はすべて大日本印刷株式会社の公表資料に基づく。
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項目 |
数値 |
単位 |
対象期間 |
区分 |
出典表記名 |
|
売上高 |
1,515,000 |
百万円 |
2025年4月1日~2026年3月31日 |
会社予想 |
3 |
|
営業利益 |
103,000 |
百万円 |
2025年4月1日~2026年3月31日 |
会社予想 |
3 |
|
経常利益 |
116,000 |
百万円 |
2025年4月1日~2026年3月31日 |
会社予想 |
3 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
100,000 |
百万円 |
2025年4月1日~2026年3月31日 |
会社予想 |
3 |
|
1株当たり当期純利益 |
226.57 |
円 |
2025年4月1日~2026年3月31日 |
会社予想 |
3 |
|
第2四半期末配当金 |
18.00 |
円 |
2025年9月30日基準 |
実績 |
3 |
|
期末配当金 |
22.00 |
円 |
2026年3月31日基準 |
会社予想 |
3 |
|
年間配当金合計 |
40.00 |
円 |
2025年4月1日~2026年3月31日 |
会社予想 |
3 |
|
中期成長投資計画総額 |
260,000(以上) |
百万円 |
2023年度~2027年度(5年間累計) |
計画 |
5 |
(注)上記の2026年3月期の配当金会社予想数値および第2四半期実績数値は、2024年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合をもって実施された株式分割に伴う影響を考慮した算定であることを示す3。直近に公表されている業績予想からの修正の有無は「有」、配当予想からの修正の有無は「無」である事実を示す3。
以下の表は、大日本印刷株式会社の公式ニュースリリース等の一次情報から確認できるプロジェクトおよび拠点の稼働状況等を示す。
|
拠点・対象プロジェクト名称 |
分野・用途・目的 |
実施日・発表日等 |
ステータス |
出典 |
|
デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2026 |
データ流通、AI、次世代通信の技術知財活用に対する公的選定 |
2026年4月13日(発表日) |
完了 |
6 |
|
自動車用ディスプレイ対応加飾フィルム |
車載エレクトロニクス向けの製品化および量産対応 |
2026年4月23日(実施日) |
稼働 |
3 |
|
モノマテリアル医療用滅菌包材 |
メディカル・ヘルスケア分野における循環型社会対応製品の提供 |
2026年4月16日(実施日) |
稼働 |
3 |
|
東京アニメセンターを起点とした日本・米国での物販催事 |
アニメIP(知的財産)のグローバル流通チャネルの強化 |
2026年4月8日(発表日) |
合意 |
6 |
|
VTuberと3Dクリエイター共創による3Dアイテム流通 |
メタバース、XR、ブロックチェーン技術を活用したデジタルアイテム流通の実証 |
2026年4月8日(発表日) |
稼働 |
6 |
|
群馬県とのメディア連携事業 |
地域創生、教育、コンテンツビジネスにおけるデジタルIPの活用推進 |
2026年3月12日(発表日) |
稼働 |
6 |
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インド工科大学ハイデラバード校内 研究開発拠点 |
海外2カ所目の研究開発拠点。モビリティ、メディカル・ヘルスケア分野の知財創出 |
2026年3月23日(発表日) |
稼働 |
3 |
|
改正犯罪収益移転防止法対応「本人確認アプリ」 |
情報セキュア関連領域における法改正対応アプリケーションのリリース |
2026年8月(予定日) |
計画 |
3 |
(注)上記のステータスは、調査における基準日である2026年4月24日時点において一次情報から確認できた最新の公表状況を示す。発表時点で未来の事項(2026年8月予定のアプリリリース等)は「計画」として扱う。
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情報の性質
ご利用にあたって
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