3行まとめ
CATLは動力電池39.2%・蓄電池30.4%で世界首位を維持
CATLのFY2025実績は、リチウムイオンバッテリー販売量が661 GWh、グローバル総生産能力が772 GWhに達した。動力電池の世界市場シェアは39.2%、エネルギー貯蔵電池の出荷量シェアは30.4%で、いずれも世界第1位だった。
221億元超の研究開発費と5万4,538件の特許で技術基盤を強化
FY2025の研究開発費用は221億4,658万1,000人民元で、前年比19.02%増となった。保有および出願中の国内外特許は54,538件に達し、PCT国際出願は2,203件で企業別世界第5位だった。
LRSモデルと全域増量戦略で米国・航空・船舶・交換事業へ拡張
Ford案件では、CATLがLFP電池技術をライセンス提供し、BlueOval Battery Park Michiganは年産約20 GWhを計画している。新規領域では、eVTOL、船舶用バッテリー、Choco-Swapの1,000カ所以上の交換ステーションなどへ展開している。
この記事の内容
事業概要
Contemporary Amperex Technology Co., Limited(CATL)は、2025年Annual Reportにおいて、動力電池、エネルギー貯蔵電池、バッテリー交換、船舶・航空・低空領域、ゼロカーボン産業パーク、AIデータセンター向けエネルギーソリューションなどの事業展開を開示している。FY2025期末実績におけるグローバルのバッテリー総生産能力は772 GWh、建設中の生産能力は321 GWhであり、FY2025実績のリチウムイオンバッテリー販売量は661 GWhであった。動力電池分野では、SNE Researchデータに基づくグローバル動力バッテリー市場シェアが39.2%、海外動力電池市場シェアが30.0%であり、エネルギー貯蔵分野ではグローバルエネルギー貯蔵バッテリー出荷量シェアが30.4%であった。エネルギー貯蔵プロジェクトは累計約2,300件に達し、同社のバッテリーが搭載された車両のグローバル累計台数はFY2025期末時点で2,400万台を超えた[1][3]。
財務
CATLのFY2025実績における営業収入は4,237億人民元であり、前年比17%増であった。株主帰属純利益は722億人民元であり、前年比42%増を記録した。FY2025第4四半期単体の営業収入は1,406億人民元、同Q4単体実績の純利益は232億人民元であった。FY2025実績の純利益全体は768億人民元であり、非経常的損益は77億人民元であった。営業活動による純キャッシュフローは1,332億人民元であり、負債対資産比率はFY2024実績の65.24%からFY2025実績の61.94%に変化した。契約負債残高は492億人民元で、FY2024期末実績と比較して前年比増減率77%増または76.88%増であり、金額にして214億人民元増加した。配当に関しては、中間配当として10株当たり10.07人民元を実施し、期末配当提案として10株当たり69.57人民元の現金配当、合計315億人民元を提案している[1][2][3]。
技術・知財
CATLのFY2025実績の研究開発費用は221億4,658万1,000人民元であり、前年度のFY2024実績である186億6,756万人民元と比較して前年比19.02%増であった。同社は、過去10年間の累計研究開発投資額がFY2025期末時点で900億人民元を超えたと記載している。研究開発体制として、グローバルで6カ所の研究開発センターを運用し、FY2025期末実績で約2万3,000名の研究開発人員を擁している。知的財産面では、保有および出願中の国内外の特許の合計件数がFY2025期末実績で54,538件であった。WIPOが公表した2025年のPCT国際特許出願統計では、PCT出願総数は275,900件であり、CATLは2,203件で企業別第5位であった。EPO Technology Dashboard 2025に関連してCNIPAが公表した情報では、CATLは2025年の欧州特許出願件数1,305件で企業別第10位であった[1][3][6][7][8][9]。
戦略・成長
CATLは2025年Annual Reportにおいて「全域増量(all-domain growth)」戦略を掲げている。航空および低空領域では、子会社のAutoFlightが5トンクラスのeVTOL航空機の公開飛行を完了し、貨物用バッテリーは中国民用航空局(CAAC)の製造適合性審査に合格し、AS9100D航空宇宙品質管理システム認証を取得した。船舶領域では、船舶用バッテリーシステムが中国、米国、ノルウェー、フランス、イタリアの5つの主要な国際船級協会から型式承認を取得し、世界中で約1,000隻の電動船舶に導入されている。バッテリー交換事業では、乗用車向けブランド「Choco-Swap(巧克力)」のステーションを45都市で1,000カ所以上設置し、商用車向けブランド「QIJI(骐骥)」のステーションを全国26省の幹線道路沿いに300カ所以上設置した。Fordとの米国案件では、Fordが所有するBlueOval Battery Park Michiganにおいて、CATLがLFP電池技術をライセンス提供する形態が公表されている[3][16][17][18][19]。
リスク・ESG
CATLはFY2025実績において中核的な事業運営におけるカーボンニュートラルを達成したと開示している。リサイクル事業を手掛けるBrunp(邦普)を通じて、FY2025実績で21万トンの使用済みバッテリーをリサイクルし、2万4,000トンのリチウム塩を再生した。ESG評価について、CATLの2025年ESG Reportは、MSCI ESG RatingのAA維持、EcoVadis Sustainability Silver Medal、S&P Global Sustainability Yearbook 2026(Global Edition)およびFTSE4Good Index Seriesへの採用を記載している。知的財産リスクとしては、CATLと中創新航科技集團股份有限公司(CALB Group Co., Ltd.)との間で複数の特許侵害訴訟が継続している。防爆装置に関する係争ではCATLが一審で勝訴した案件がある一方、CATLの2件の特許がCNIPAにより全部無効とされ、最高人民法院が関連訴訟でCATLの訴えを棄却した案件もある。CALBは2024年10月18日、CATL等を相手取り4件の特許侵害訴訟を提起し、合計10億700万人民元の損害賠償等を求めた[4][20][21][22][23][24]。
Contemporary Amperex Technology Co., Limited(以下、CATL)が公表した法定開示資料「2025年Annual Report(年次報告書)」によると、FY2025実績の営業収入(Operating Revenue)は4,237億人民元であり、前年度と比較して前年比増減率17%増であった[1]。同対象期間のFY2025実績における株主帰属純利益(Net profit attributable to shareholders)は722億人民元であり、前年比増減率42%増を記録した[1]。四半期単体の業績として、FY2025第4四半期(Q4)単体実績の営業収入は1,406億人民元であり、同Q4単体実績の純利益は232億人民元であった[1][2]。また、FY2025実績の純利益(Full-year net profit)全体としては768億人民元であり、投資収益や株式保有の変動を主因とするFY2025実績の非経常的損益(Non-recurring gains/losses)は77億人民元であった[1][2]。
同社のキャッシュフローおよび財務基盤について、同資料によると、FY2025実績の営業活動による純キャッシュフロー(Net cash flows from operating activities)は1,332億人民元であった[1]。負債対資産比率(Debt-to-asset ratio)は、FY2024実績の65.24%から改善し、FY2025実績において61.94%となった[1][2]。また、顧客からの前受金等を示すFY2025実績の契約負債(Contract liabilities)残高は492億人民元であり、FY2024期末実績と比較して前年比増減率77%増(または76.88%増)となり、金額にして214億人民元増加した[1]。
利益還元・配当政策に関して、CATLはFY2025実績の中間配当(Interim dividend)として10株当たり10.07人民元を実施し、FY2025期末配当予想(会社予想・最終配当提案)として10株当たり69.57人民元の現金配当(合計315億人民元)を提案している[1][2]。H株株主に対する配当は香港ドル(HKD)で支払われ、為替レートに基づいて10株当たり78.83香港ドルに調整される[2]。同資料によると、同社は3年連続で純利益の50%を現金配当として株主に還元する方針を維持しており、この配当が完了した場合の累計配当額は1,000億人民元に近づくと記載している[2][3]。
株式資本について、FY2025期末実績の発行済株式資本(Issued share capital)は4,563,803,488株に増加し、その中に155,915,300株のH株が含まれている[2]。株主構成として、FY2025期末実績の筆頭株主(Xiamen Ruiting Investment Co., Ltd.)が全株式の22.45%を保有しており、総株主数は249,777名(うちH株株主53名)であった[1][2]。
主要な顧客およびサプライヤーの構成比率について、2025年Annual Reportによると、上位5社の顧客がFY2025実績の営業収入全体の約39%を占めており、最大の顧客による収入貢献は582億人民元であった[1][2]。一方、上位5社のサプライヤーはFY2025実績の購入総額の10.4%を占め、最大のサプライヤーからの購入額は233億人民元であった[1][2]。
生産能力および販売実績について、同資料によると、FY2025期末実績におけるグローバルのバッテリー総生産能力は772 GWhであり、同時点で建設中の生産能力は321 GWhであった[1][3]。FY2025実績のグローバルにおけるリチウムイオンバッテリーの販売量は661 GWhであり、前年比増減率39%増であった[1][3]。動力電池(EVバッテリー)分野における実績として、同社はFY2025実績の「全球動力電池使用量市占率(グローバル動力バッテリー市場シェア)」が39.2%(前年比増減率1.2パーセントポイント増)となり、9年連続で世界第1位となった(SNE Researchデータ)[1][3]。また、同社のFY2025実績の「海外動力電池市場市占率(海外市場シェア)」は30.0%であった[1][3]。これまでに同社のバッテリーが搭載された車両のグローバル累計台数は、FY2025期末実績で2,400万台を超えた[1][3]。
事業セグメントの多角化として、エネルギー貯蔵(儲能)分野における実績は、FY2025実績の「全球儲能電池出貨量市占率(グローバルエネルギー貯蔵バッテリー出荷量シェア)」が30.4%であり、5年連続で世界第1位となった(SNE Researchデータ)[1][3]。世界で導入または稼働しているエネルギー貯蔵プロジェクトの累計件数は約2,300件に達しており、エネルギー貯蔵システム統合ビジネスのFY2025実績の出荷規模は前年比増減率160%増であった[1][3]。
CATLの「2025年Annual Report」および関連法定開示によると、FY2025実績の研究開発(R&D)費用は221億4,658万1,000人民元であり、前年度のFY2024実績(186億6,756万人民元)と比較して前年比増減率19.02%増であった[1]。同社は、過去10年間の累計研究開発投資額がFY2025期末実績時点で900億人民元を超えたと記載している[1][3]。
研究開発費用の算定および会計処理について、同資料によると、R&D支出は直接投入コスト、減価償却費および長期繰延費用、設計費、設備試運転費、無形資産の償却費、外部研究開発委託費などで構成されている[1]。研究開発人員の給与はプロジェクトに関連する労働時間に基づいてR&D支出に割り当てられ、他の業務活動と共有される資産(設備、生産ライン、施設等)は、比例する使用時間と面積に基づいてR&D支出に割り当てられている[1]。内部研究開発プロジェクトに関する支出は研究段階と開発段階に分類され、研究段階の支出は発生期間の費用として計上され、開発段階の支出は特定の実現可能性や市場性などの基準を満たした場合にのみ資本化され、プロジェクト完了時に無形資産に振り替えられる[1]。
研究開発の組織および人員体制について、CATLはグローバルで6カ所の研究開発センターを運用(状態:稼働)している[3]。FY2025期末実績において、同社は約2万3,000名(2.1万名以上とする別箇所の記載を含む)の研究開発人員を擁している[1][3]。過去の法定開示資料である2024年Annual Reportの記録によると、FY2024実績の研究開発人員数は20,346名であり、全従業員に占める割合は15.42%であった[5]。当時の学歴別構成は、学士号取得者が8,247名、修士号取得者が5,083名、博士号取得者が361名であった[5]。同社の研究開発イノベーションシステムは「第一原理(first principles)」に基づいていると開示されている[1]。
CATLの2025年Annual Reportおよび公式ESGレポートによると、同社が保有および出願中の国内外の特許の合計件数は、FY2025期末実績で54,538件であった[1][4]。過去の法定開示資料によると、FY2024期末実績の特許件数は合計49,347件(うち中国国内の保有および出願中特許が29,709件、海外の保有および出願中特許が19,638件)であった[5]。
世界知的所有権機関(WIPO)が公表した2025年の特許協力条約(PCT)に基づく国際特許出願統計によると、グローバルでのFY2025実績のPCT国際出願総数は275,900件であった[6]。このうち、CATLのFY2025実績の出願件数は2,203件であり、企業別の世界順位で第5位(Huawei、Samsung Electronics、Qualcomm、LG Electronicsに次ぐ順位)となった[6][7]。中国国家知識産権局(CNIPA)の公式サイトに掲載された欧州特許庁(EPO)の「EPO Technology Dashboard 2025」データによると、中国企業および研究者によるFY2025実績のEPOへの特許出願件数は22,031件であった[8][9]。このうち、CATLのFY2025実績の欧州特許出願件数は1,305件であり、企業別の世界順位で第10位であった[9]。
公的機関および外部機関による評価として、同社は世界経済フォーラム(WEF)から、AIを活用したバッテリー設計の成果に対して「MINDS award」を受賞した[14][15]。また、Clarivate社が発表した2025年度「Top 100 Global Innovators」において、CATLはAutomotive区分で選出された[12]。CATL公式発表では、同社は2025年度Top 100 Global Innovatorsに選出された中国本土企業6社の一つであり、世界のバッテリー産業からの唯一の代表であると説明されている[13]。
特許および技術の詳細な構造に関して、同社が展開する第3世代CTP(Cell-to-Pack)技術である「麒麟電池(Qilin Battery)」について、CATLは2022年6月23日にCTP 3.0として発表した[10]。CATLの公式発表によると、Qilin Batteryは体積利用効率72%、三元系電池システムで最大255 Wh/kg、LFP電池システムで160 Wh/kgのエネルギー密度を実現できるとされている[10]。同発表では、内部クロスビーム、液体冷却プレート、熱パッドを多機能弾性中間層に統合したこと、ミクロンブリッジを備えたこと、セルと多機能弾性中間層で構成される統合エネルギーユニットを用いること、液体冷却機能部品を隣接するセル間に配置することで伝熱面積を4倍にし、熱制御時間を半分に短縮することが説明されている[10]。また、同発表では、5分のホットスタート、10分の急速充電をサポートし、極端な状況でセルを急速に冷却し、セル間の異常な熱伝導を防ぐ設計として説明されている[10]。
特許出願書類(CN114497826A)には、水冷板アセンブリ、水冷システム、バッテリー、バッテリー箱体および電気装置に関する構造が記載されている[11]。同公開文献によると、水冷板アセンブリは、口琴管板(harmonica tube plate)、第一集流体、第二集流体を含み、口琴管板の内部には外層冷却通道および内層冷却通道が形成される[11]。同公開文献では、一方の冷却通道を液冷経路として用い、他方の通道を非液冷通道として構成できる技術方案が示されている[11]。この特許文献に記載された水冷板構造は、CATLが公表したQilin Batteryの公式製品説明における液体冷却機能部品および大表面セル冷却技術の説明とは区別して記載する[10][11]。
従業員に対する知的財産のインセンティブ施策について、同社のESGレポート等によると、知識産権(知的財産)インセンティブ、長期インセンティブ計画、イノベーションポイントなどのメカニズムを通じて、研究開発人材に報酬を提供するポリシーを運用している[4]。同社は2021年、2022年、2023年にそれぞれ株式インセンティブプランを発行し、数千名の従業員を対象として経営陣と従業員の利益を一致させる施策を実施している(状態:稼働)[1][2]。
米国市場などにおける技術展開の手法として、CATLはFord Motor Company(以下、Ford)との案件において、Fordが所有する工場にLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリー技術をライセンス提供する形態をとっている[16][17][19]。本書では、技術ライセンス、ロイヤルティ、およびサービス提供を含むこの形態を「ライセンス・ロイヤルティ・サービス(LRS)モデル」と記載する。ただし、FordおよびCATLの一次情報で確認できる契約形態の表現は、Fordが所有する工場へのLFPバッテリー技術のライセンス提供である[16][17][19]。
米国Fordとの提携において、Fordは米国ミシガン州マーシャルに「BlueOval Battery Park Michigan」という名称のLFPバッテリー工場を全額出資子会社として建設している(状態:計画/建設中)[16][17][18]。Fordの初期発表では、同工場の計画年産能力は35 GWh、雇用創出は約2,500名とされていた[16]。その後、Fordは同プロジェクトを「right-sizing」し、最新の公式更新では、同工場は約20 GWhの年産能力を計画し、2026年にLFPバッテリーセルの生産開始を予定し、1,700名超の雇用を創出すると記載している[17][18]。このプロジェクトにおいて、CATLは資本参加を行わず、LFPバッテリーの化学的性質、製造プロセス、コア技術に関する特許および技術支援を提供し、Fordが工場を所有する構造が公表されている[16][17][19]。
同プロジェクトに関して、米国下院中国共産党特別委員会(Select Committee on the Chinese Communist Party)および下院歳入委員会(House Committee on Ways and Means)がFord社CEO宛てに公開した書簡によると、このライセンス契約に基づき、工場の設備設定および維持のために数百名の中国籍のCATL従業員が雇用される計画であり、これらの従業員は2038年頃まで工場に留まる予定であると記載されている[19]。同委員会は、Fordが米国インフレ抑制法(IRA)におけるセクション30Dのクリーン車両税額控除を最大限に活用するために、従来の合弁事業ではなくライセンス契約という形態を利用し、結果的に米国政府の資金がCATLに還流する構造になっている可能性について、公式書簡を通じて説明を求めている[19]。この記述は、米国下院委員会による照会および懸念の内容として記載する[19]。
2025年Annual Reportによると、CATLはバッテリー事業以外の新規領域への展開として「全域増量(all-domain growth)」戦略を掲げている[1][3]。航空および低空領域において、子会社のAutoFlightが5トンクラスのeVTOL(電動垂直離着陸)航空機の公開飛行を完了した(状態:完了)[3]。同社が開発した貨物用バッテリーは中国民用航空局(CAAC)の製造適合性審査に合格し、同社はAS9100D航空宇宙品質管理システム認証を取得した[3]。船舶領域においては、同社の船舶用バッテリーシステムが中国、米国、ノルウェー、フランス、イタリアの5つの主要な国際船級協会から型式承認を取得しており、世界中で約1,000隻の電動船舶に導入されている(状態:稼働)[3]。
ゼロカーボン技術および循環経済に関する実績として、同社はFY2025実績において中核的な事業運営におけるカーボンニュートラルを達成した[3][4]。リサイクル事業を手掛けるBrunp(邦普)を通じて、FY2025実績で21万トンの使用済みバッテリーをリサイクルし(前年比増減率63.2%増)、2万4,000トンのリチウム塩を再生した(前年比増減率40.4%増)[3]。バッテリー交換事業(Battery swapping)において、乗用車向けブランド「Choco-Swap(巧克力)」のステーションを45都市(長江デルタ、京津冀、川渝、大湾区等)で1,000カ所以上設置し、商用車向けブランド「QIJI(骐骥)」のステーションを全国26省の幹線道路沿いに300カ所以上設置した[3]。これらを通じたバッテリー交換サービスのFY2025累計提供回数は115万回に達した[3]。また、山東省およびその他の地域においてゼロカーボン産業パークの構築を進めており、特に東営市においては風力および太陽光を利用して40 GWhのバッテリー工場に年間8,000時間以上の安定した電力を供給する中国初のオフグリッド型高比率グリーン電力直供ゼロカーボン産業パークプロジェクトの建設を進めている(状態:計画/建設中)[3]。
AI・データセンター向けソリューションとして、同社のストレージ技術が上海のSenseTimeのAIデータセンターに電力を供給しており、年間1,000万kWh以上の電力を節約し、電力コストを7%削減し、約3,000トンのCO2排出を回避している[3]。
ESG(環境・社会・ガバナンス)評価について、FY2025実績において同社はMSCI ESG格付けで「AA」を維持し、EcoVadis Sustainability Silver Medalを獲得し、「S&P Global Sustainability Yearbook 2026(Global Edition)」および「FTSE4Good Index Series」に採用された[4]。CATL公式発表では、FY2025実績においてMSCI ESG格付けで「AA」を獲得し、初めて「S&P Global Sustainability Yearbook(Global Edition)」および「FTSE Emerging Index」に採用されたと記載されている[3]。
CATLと中創新航科技集團股份有限公司(CALB Group Co., Ltd.、以下CALB)の間で発生している複数の特許侵害訴訟について、CALBが香港証券取引所を通じて公表した法定開示資料、および中国商務部(MOFCOM)の公式サイト等に事実が記録されている。中国商務部の2025年1月6日付の記録によると、CATLが2021年7月以降にCALBに対して提起した6件の特許訴訟(請求総額は7億人民元超)のうち、CATLは3勝2敗の成績となっており、残り1件の判決を待機している状態であると記載されている[20][21][22][23]。
CALBの開示資料(2022年9月23日付目論見書、2024年5月21日付進捗報告等)によると、CATLは2021年8月、CALBおよび関連会社に対して、「防爆装置(Explosion-proof device)」(特許番号:201521112402.7、以下「係争特許」)の知的財産権侵害を理由とする民事訴訟を福建省福州市中級人民法院に提起した(Case No.: (2021) Min 01 Min Chu No. 1996)[20]。CATLは、CALBに対して特許権を侵害する関連製品の製造、販売、販売の申出の即時停止を求めるとともに、3億6,500万人民元の経済的損失および120万人民元の侵害停止のための合理的な費用の連帯賠償を求めた[20]。2023年1月に同案件は福建省高級人民法院に移送された[20]。CALBの2024年5月21日付開示によると、福建省高級人民法院の一審判決においてCATLが勝訴し、CALB等に対して4,055万8,257人民元の損害賠償と差し止めが命じられた(状態:一審判決)[20]。これに対し、CALBは上訴の実施および同実用新案特許の無効審判請求を行ったことを報告している[20]。
また、CALBの2023年8月3日付および12月15日付開示資料によると、CATLはCALB等に対して「正極極片および電池(Cathode piece and battery)」(特許番号:ZL201810696957.2)および「リチウムイオン電池(Lithium-ion battery)」(特許番号:ZL201910295365.4)の2件に関する侵害訴訟も提起していた(Case No.: (2021) Min 01 Min Chu No. 1995 および No. 2595)[21][22]。これに対し、CALBは中国国家知識産権局(CNIPA)に両特許の無効宣告請求を提出した[21]。2023年8月3日、CNIPAは無効宣告決定書(第563247号および第562899号)を発行し、これら2件の特許権をすべて無効(invalid in their entirety)とする決定を下した(状態:完了)[21]。これを受け、中華人民共和国最高人民法院は2023年12月14日、民事裁定書((2023) Supreme Court Zhi Min Zhong No. 930 および No. 877)を発行し、福建省福州市中級人民法院における一審の民事起訴を取り消し、CATLの訴えを棄却する最終裁定を下した(状態:完了)[22]。
さらに、CALBの2024年7月26日付開示資料によると、CATLは「二次電池(Secondary Cell)」(特許番号:ZL201720968992.6)の特許侵害を理由に、CALBに対して侵害行為の差し止めと9,200万人民元の損害賠償、ならびに侵害停止のための合理的費用30万人民元を求める新たな訴訟を提起した(状態:提訴)[23]。
一方、CALB側の動きとして、CALBは2024年10月18日に、CATLおよび関連する自動車メーカー等を対象として、電気自動車(EV)用バッテリーに関する4件の中国特許(特許番号:CN202210155731.8、CN202210302091.9、CN201820895186.5、CN202222803519.6)の侵害を理由とする訴訟を湖北省高級人民法院および江蘇省高級人民法院に提起し、10億700万人民元の損害賠償と差し止めを求めた(状態:提訴)[24]。
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項目名 |
数値 |
単位 |
対象期間 |
区分 |
出典表記名 |
|
営業収入(Operating revenue) |
4,237 |
億人民元 |
FY2025 |
実績 |
2025年Annual Report |
|
株主帰属純利益(Net profit attributable to shareholders) |
722 |
億人民元 |
FY2025 |
実績 |
2025年Annual Report |
|
第4四半期営業収入(Q4 Operating revenue) |
1,406 |
億人民元 |
FY2025 Q4単体 |
実績 |
2025年Annual Report |
|
第4四半期純利益(Q4 Net profit) |
232 |
億人民元 |
FY2025 Q4単体 |
実績 |
2025年Annual Report |
|
営業活動による純キャッシュフロー |
1,332 |
億人民元 |
FY2025 |
実績 |
2025年Annual Report |
|
契約負債(Contract liabilities) |
492 |
億人民元 |
FY2025期末 |
実績 |
2025年Annual Report |
|
研究開発(R&D)費用 |
221.46 |
億人民元 |
FY2025 |
実績 |
2025年Annual Report |
|
累計研究開発投資額(過去10年間) |
>900 |
億人民元 |
FY2025時点 |
実績 |
2025年Annual Report / CATL公式発表 |
|
グローバル特許件数(保有および出願中) |
54,538 |
件 |
FY2025期末 |
実績 |
2025年Annual Report |
|
研究開発人員数 |
約23,000 |
名 |
FY2025期末 |
実績 |
2025年Annual Report / CATL公式発表 |
|
WIPO PCT国際出願件数 |
2,203 |
件 |
FY2025 |
実績 |
WIPO 2025年統計 |
|
EPO 欧州特許出願件数 |
1,305 |
件 |
FY2025 |
実績 |
EPO Technology Dashboard 2025 / CNIPA |
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品目ラベル |
数値 |
単位 |
対象期間 |
区分 |
出典表記名 |
|
全球動力電池使用量市占率(Global power battery market share) |
39.2 |
% |
FY2025 |
実績 |
2025年Annual Report(SNE Researchデータ) |
|
海外動力電池市場市占率(Overseas power battery market share) |
30.0 |
% |
FY2025 |
実績 |
2025年Annual Report(SNE Researchデータ) |
|
全球儲能電池出貨量市占率(Global energy storage battery shipments share) |
30.4 |
% |
FY2025 |
実績 |
2025年Annual Report(SNE Researchデータ) |
|
組織・拠点名 |
区分 |
状態 |
所在地/対象地域 |
出典表記名 |
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研究開発センター(R&D centers) |
研究開発 |
稼働 |
グローバル(6カ所) |
2025年Annual Report |
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バッテリー工場(Battery factories) |
生産拠点 |
稼働 |
グローバル(24カ所) |
2025年Annual Report |
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アフターサービスステーション |
サービス |
稼働 |
75の国と地域(1,200カ所) |
2025年Annual Report |
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オフグリッド・ゼロカーボン産業パーク |
生産・エネルギー |
計画/建設中 |
山東省東営市 |
2025年Annual Report |
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BlueOval Battery Park Michigan(Ford社) |
生産拠点(ライセンス契約) |
計画/建設中 |
米国ミシガン州 |
Ford公式ニュース・米議会公開書簡 |
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Choco-Swap(乗用車向けバッテリー交換ステーション) |
サービス |
稼働 |
45都市(>1,000カ所) |
2025年Annual Report |
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QIJI(商用車向けバッテリー交換ステーション) |
サービス |
稼働 |
26省(>300カ所) |
2025年Annual Report |
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対象知財/特許番号 |
当事者 |
ステータス/結果 |
管轄機関 |
対象期間/日付 |
出典表記名 |
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ZL201521112402.7(防爆装置) |
原告: CATL、被告: CALB等 |
一審でCATL勝訴(4,055万元賠償等)、CALBは上訴および無効審判請求中 |
福建省高級人民法院 |
2024年5月21日(開示日) |
CALB 香港証券取引所開示資料 |
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ZL201810696957.2(正極極片および電池) |
原告: CATL、被告: CALB等 |
特許全部無効の決定 |
中国国家知識産権局(CNIPA) |
2023年8月3日 |
CALB 香港証券取引所開示資料 |
|
ZL201910295365.4(リチウムイオン電池) |
原告: CATL、被告: CALB等 |
特許全部無効の決定 |
中国国家知識産権局(CNIPA) |
2023年8月3日 |
CALB 香港証券取引所開示資料 |
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ZL201810696957.2 および ZL201910295365.4 に関する訴訟 |
原告: CATL、被告: CALB等 |
CATLの起訴取消しおよび訴え棄却(最終裁定) |
中華人民共和国最高人民法院 |
2023年12月14日 |
CALB 香港証券取引所開示資料 |
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ZL201720968992.6(二次電池) |
原告: CATL、被告: CALB等 |
CATLが9,200万元の賠償と差し止め、および合理的費用30万元を求め提訴 |
未明記(新規提訴) |
2024年7月26日(開示日) |
CALB 香港証券取引所開示資料 |
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CN202210155731.8、CN202210302091.9、CN201820895186.5、CN202222803519.6 |
原告: CALB、被告: CATL等 |
CALBが10億700万元の賠償と差し止めを求め提訴 |
湖北省・江蘇省高級人民法院 |
2024年10月18日(開示日) |
CALB 香港証券取引所開示資料 |
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