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組織が「これなら動く」企画書を作るには?~勝手に作って売ってこい!では結果は出ない

組織が「これなら動く」企画書を作るには?~勝手に作って売ってこい!では結果は出ない

「発明塾」塾長の楠浦です。
企業内発明塾参加者のお声とともに、「発明塾で何をどう教えているか」を紹介しています。

今回は、企業内発明塾に支援者として参加されている方の「第3回討議」後のお声を紹介します。
討議は全6回ですので、中間地点ですね。
第3回は、まだまだ悩みが多いタイミングですが、この辺で「一気に道が開ける」「霧が晴れる」方が多い印象です。

僕がいつもお話しするのは、「水の入ったコップに、石を入れていく」というたとえ話です。
コツコツ石を入れているけど、なかなか水はあふれ出ない。
でも、そこであきらめると終わり。
あるタイミングで、一気に出てくる。
知的な作業って、多くは、こういう感じだと思います。

イメージの世界ですね。
でも、イメージを持てないものは、人間は実現できないんですよね。
漫画・アニメ「葬送のフリーレン」でも、主人公の魔法使いが「魔法はイメージの世界だ」と言っています。(何の話?笑)

話を元に戻しましょう。

・新規事業提案が進まない、提案が集まらない
・新規事業について、「ノーアイデア」の状態で進まない、進め方が分からない
・漠然としたアイデアはあるが、考えても同じところをグルグルするだけでまったく深まらず、堂々巡りで時間だけが過ぎていく、提案につながらない
・考えるアイデアは、すでに他社が手掛けているものばかりだ、どうすればよいか途方に暮れている
・新規事業や研究テーマを積極的に提案できる人材を育成したい
という方々に、ぜひご転送や回覧含め、ご紹介をお願いします。

「企業内発明塾参加者の方」による、「人を動かす企画じゃないとスタートは切れない」「モノだけ勝手に作って売ってこい、じゃ営業は動かない」「顧客リストは開発者が作るもの」「人が、これなら動きます、という企画を作るのが開発の仕事」というお声を取りあげ、発明塾の指導内容や考え方を紹介します。

受講者の興奮度と熱気をそのままお伝えするため、あえて当方で校正を入れず、原文のまま紹介します。
原文の勢いって、大事なんですよね。

==お声、ここから

組織を、人を動かす企画でなければスタートは切れない。
なんで今までの 新規事業、商品がうまく行かないか?の理由の一つが見えた。

今回 顧客リストをつくるのは開発者、技術者の仕事と言い切った楠浦さんの言葉に衝撃をうけました。なぜならば私は逆の考えでした。私は営業が考えること、事業部が考える事とどこかそのような考えでした。実は昨日 衝撃をうけてしばらく頭が真っ白だったのです。

振り返ってみて出てきたのは 「うまくいかない理由の一つとして言えるかも。モノだけ勝手につくって 誰かに売ってこいじゃ」 関係者が動くわけないですね。仮に社長が売ってこい!と命令すれば動くかもしれませんが、それって動きたいということではないんですね。皆がそんなテンションではうまくいくわきゃないわなと。

組織が、人が これなら動けますという企画をつくるのが 「開発」という仕事をする者の 最低限求められる力量なのかも?と考えます。
いずれにしても 直接、しかも1on1で やらせてもらっているからこそ 直に脳に届いた話でした。
残り 4~6で 作り上げることは 組織、人を動かせる企画書(にしたい。)です。

部品メーカー(東証プライム市場上場)企画部門の方

==お声、ここまで

熱い(笑)。熱いっすね(笑)。
いや、僕じゃなくて、この方が(笑)。

今回も、一つひとつ見ていきましょう。

「人を動かす」企画でないと!

組織を、人を動かす企画でなければスタートは切れない。
なんで今までの 新規事業、商品がうまく行かないか?の理由の一つが見えた。

ビジネスやコミュニケーションに関する分野で有名なアメリカの作家 デール・カーネギー の名著の一つに「人を動かす」という本があります。
もちろん僕も持ってます。
「人を動かす」という言葉というか言い回し自体は、僕はあまり好きではないのですが、この本に書かれていることは、ホントその通りだなということばかりです。

「自分一人では何もできない」という、ある種のあきらめというか、「覚悟」を持つことが、組織では重要になります。
もちろん、「最後は自分一人になっても頑張るぞ」という覚悟も必要なんですけどね。
こういう、「矛盾した精神状態」を適切に操って、成果を出すのがリーダーの仕事だ、と僕は考えています。
アメリカの小説家 スコット・フィッツジェラルド も、同じようなことを言っていますね(笑)。

「モノだけ勝手に作って、売ってこい」では誰も動かない

今回 顧客リストをつくるのは開発者、技術者の仕事と言い切った楠浦さんの言葉に衝撃をうけました。なぜならば私は逆の考えでした。私は営業が考えること、事業部が考える事とどこかそのような考えでした。実は昨日 衝撃をうけてしばらく頭が真っ白だったのです。
振り返ってみて出てきたのは 「うまくいかない理由の一つとして言えるかも。モノだけ勝手につくって 誰かに売ってこいじゃ」 関係者が動くわけないですね。仮に社長が売ってこい!と命令すれば動くかもしれませんが、それって動きたいということではないんですね。皆がそんなテンションではうまくいくわきゃないわなと。

実はこれ、僕が前職と現職で、たびたび経験したことなんですよね。
前置きとして、新製品開発、ある程度ベースがある新規事業開発、完全にゼロイチの新規事業開発、の違いを、説明します。
川崎重工時代は、オートバイの新機種開発担当で、エンジン設計を一人ですべて担当していました。
結構大変な仕事ですが、開発して出せば必ずある程度売れます。販売店があるからです。カワサキファンもいます。
これは新製品開発ですね。

コマツ時代の新規事業では、ある程度の規模の顧客を先に見つけてから、開発に着手しています。
その上で、技術開発しながら、さらに顧客開拓をしていくというサイクルを、回し始めたところでした。
これは、ある程度ベースがある、新規事業開発ですね。
(最初の顧客を見つけるところは、ゼロイチの部分が少しありますが、見つけさえすれば売るものはあったので、やはり土台があったと言えるでしょう)

前職のナノテクスタートアップは、設立当初「技術はない」「顧客も想定していない」という、完全に「ゼロイチ」の取り組みです。
ある程度の市場ターゲット(これが曲者です 笑)と、世に受け入れられるために到達すべき、最低限の技術レベルはわかっていましたが、具体論はなかったんですね。
そんな状態であるにもかかわらず、「ナノインプリント装置を売りましょう」「代理店にお願いしましょう」で、売れるわけがない(笑)。
代理店の営業担当者も、誰になんて言って売ったらいいかわかりませんので、最初は「こんな面白そうなものがありまして」と、アポ取りの話題の一つとして紹介してくれましたが、そのうち忘れ去ってしまいます(笑)。
自分でやってみるとわかりますが、営業現場では「売れるモノを売る」ことに徹するのが普通なので、「これを売ってください」と言っても、営業担当者は売らないんですよね。売れたらなんでもいいので(笑)。

なので僕は、「最初は自分で売ってみたらいいですよ」と、すべての起業家と技術者にお伝えしています
「何がどうなると売れるのか」「誰がどう売っているのか」を知らないで、「これで売れます」「売ってください」とか言っても、説得力のかけらもないんですよね(笑)。

さて、最初は自分で売ってみる前提だと、「顧客リスト」作りが最も重要になります。
逆に、「顧客リスト」があれば、周りの人も「その会社知ってるよ」「その人知ってるから紹介する」「その人は知らないけど、同じ部署の人を知ってる」となって、つながっていくんですね。
だから、自分で売らなくて済む(笑)。
非常に不思議なことに、「自分で売るつもりで顧客リストを整備したら、誰かが売り始める」という状況が、勝手に生じます(笑)。これが「企画」の威力です(笑)。
企画とは、こういうことを指すんですよね、僕の中では。

命令しても動かないけど、自分が覚悟を決めると、周りが勝手に動く。
それが「企画」「企画書」「企画提案書」の目指すところです。
もちろん、自分で動いてもオッケーです(笑)。

組織や人に「これなら動きます」と言ってもらえるのが、真の「企画書」

組織が、人が これなら動けますという企画をつくるのが 「開発」という仕事をする者の 最低限求められる力量なのかも?と考えます。
いずれにしても 直接、しかも1on1で やらせてもらっているからこそ 直に脳に届いた話でした。
残り 4~6で 作り上げることは 組織、人を動かせる企画書(にしたい。)です。

僕が設計者(Architect, Designer)だからということもありますが、発明塾では「企画書は設計図」「発明提案書は設計書」だと、いつもお話していますね
設計図は、設計者個人の手を離れて、それだけで人を動かす力を持ちます
設計図を、現場で作業者に説明している人をたまに見かけますが、それが必要なのであれば、設計者失格です。
設計図が不完全だ、あるいは、相手に伝わらないものになっている、ということだからです。

僕は、カワサキとコマツ時代に、「現場から電話がかかってきたら負け」というルールを、自分に課していました。
もちろん、毎日電話がかかってくるので(苦笑)、100戦99敗ぐらいなのですが、そこで分かったことは、「何が相手がわからないか」「何が書いてないと相手が動かないか」、考え抜いてすべて図面に書け、ということです。
現場の作業者の方によっても「わからない部分」は変わるので、終わりのない作業なのですが、ある程度の法則性というか「肝」があります
ここを押さえれば、大きなトラブルは起きない、という部分ですね。

肝の部分を押さえて「人を動かす」設計図、「人と組織が動く」企画書を作らないと、どんなに良いアイデアも企画も、価値はゼロです。
誰も動かないなら、すべてが無駄になります。
企画する以上、絶対に動いてもらう。そういう企画提案書を作るのが、発明塾です。
(もちろん、誰も動かないなら自分で動いて、絶対に無駄にはしないのですが)

こういうことを僕が皆さんと一緒にやっていく上で、「いずれにしても 直接、しかも1on1で やらせてもらっているからこそ 直に脳に届いた」っていうのも、大事なんでしょうね。
「ワン・オブ・ゼム」(One of them)だったり、自分の企画でない、なんかヒトゴト、他人事、だと「脳に直で届く」ことはないんでしょうね。
僕だけが頑張っても、何も起きないわけです。

皆さんも、是非、「脳に直で届く」のが特徴の「発明塾」をご活用ください(笑)。
企業内発明塾でも、月額顧問でも、「1on1」は可能です。

・新規事業提案が進まない、提案が集まらない
・新規事業について、「ノーアイデア」の状態で進まない、進め方が分からない
・漠然としたアイデアはあるが、考えても同じところをグルグルするだけでまったく深まらず、堂々巡りで時間だけが過ぎていく、提案につながらない
・考えるアイデアは、すでに他社が手掛けているものばかりだ、どうすればよいか途方に暮れている
・新規事業や研究テーマを積極的に提案できる人材を育成したい
という方々に、ぜひご転送や回覧含め、ご紹介をお願いします。

 

楠浦 拝

 

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