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情報を「人」でつなげ「どこの誰が、なぜ、いつ、いくらで買うか」へ導く「センス」を身につけるには?

情報を「人」でつなげ「どこの誰が、なぜ、いつ、いくらで買うか」へ導く「センス」を身につけるには?

「発明塾」塾長の楠浦です。
今回は、2024年12月6日(金)に開催したセミナー「研究シーズから事業化へのストーリーを描く方法 ~サイエンスと産業のギャップを埋めた実例から学ぶ」の報告です。
Amplified.ai COO の追川様との対談含め、「東北大学」でのERATOプロジェクトで「発明塾」を開催した際の気づきやその後の状況などを、紹介しました。

第1弾として今回は、お声のご紹介を中心にします。
次回、ご質問と回答をご紹介します。
なかなか興味深いご質問が来ています。

発明塾セミナー「研究シーズから事業化へのストーリーを描く方法 ~サイエンスと産業のギャップを埋めた実例から学ぶ~」(セミナーは終了しています)
https://www.techno-producer.com/news/seminar-research-to-business/

セミナー動画販売は以下↓
https://e-hatsumeijuku.techno-producer.com/research-to-business

セミナー動画は、いつでもご購入いただけます。
それでは本題へ。

「どこの誰が、なぜ、いつ、いくらで買うか」の解像度が勝負

当方は研究で新規テーマ探索や新規事業探索をしていますが、「どこの誰が、どういう理由で、それが欲しいか(≒顧客の課題)、いつ・いくらで買うか」をどれだけ解像度高く考えられるか。これに尽きました。
90分ですが、気付きや学びが大変多かったです。集中しないと聞き逃すぐらい、情報が多いです。

今回は、50分ほど僕の方からお話をして、その後、追川様との対談になっています。
発明塾ではいつも言っていることですが、「どこの誰が、なぜ、いつ、いくらで買うか」の解像度が勝負です。
それを、特許情報を使ってどう高めたか、具体例で説明しています
お客様の実例を詳細に紹介できたという意味で、非常に貴重なセミナーになりました。

追川様には「支援者としての心構え」など、支援者としての立場からのお話もいただきました
これも貴重でした。

情報を「人」を中心につなげていく事が大切

①市場に製品、商品、サービスを出すにあたり「誰がなぜ買いたいの?」という点を大事にする。 
対象がBであろうとCであろうと 買うと決めるのは心を動かされた人がいなければ買うという行為は生まれない。
情報は情報のままでは価値を発揮せずその情報を「人」を中心につなげていく事が大切なことだと教わりました。
②追川さまの「展示会に行くにしても準備して行く」というエピソードは印象深いです。
こういう準備ができていない人は意外と多い、(ていうか私がそう)こういうこつこつ、蓄積、準備が大切だということを真摯な語り口から感じました。是非活かしたいです。

この方の分析(お声)は、大変興味深いですね。

①は情報分析の基本に関するお話です。
新著「Patent Information For Victory」にも書いている通り、特許情報から「人と組織」を読み取ることの重要性を、非常によく理解されていますね。
「特許にこう書いてあるから」「特許を統計処理するとこうなるから」という、「雑な議論」ではなく、そこから「なぜ」を読み取るわけです。
「特許」の裏には、「人と組織」「アイデア」「戦略」「意思決定」「感情」「欲望」があるのだから、それを読まないとだめなんだ、と仰っているんですよね。
素晴らしいです。
新著を、繰り返し繰り返し、よーく読んでおられるのだと思います。

②は追川様が、技術移転や技術の事業化に際し、特許情報をどう活用されているか、の一つの例です。
僕もやっています。
何だったら僕は、展示物を見ながらその場で特許を調べて、発明者はもちろんですが、構造やスペックを理解したりします。
携帯電話で調べられますからね、特許は。

「最先端の発見の肝を理解する」「センス」を身につけるには?

最先端の発見を生かし、事業化するためには、発見の肝を理解し、類似技術の発明を調査する。
そのあとは発明塾の思想に入ると理解しました。
ただ、その類似技術の発明(何に使えるか)を考えるところにセンス(経験と勘所)が必要と感じました。

追川様も仰っていましたが、技術を理解せずに、その技術の事業化について議論することは、「いろいろな意味で」難しいのではないかと、僕は思っています。
たまたま、言っていることが正しかったとしても、分析結果が正しかったとしても、、、ですね。
これは、別の方から、別の場で質問があったのですが、「技術・事業」には「人(発明者・担当者)」がいるわけですから、その人が「納得するか」「協力してくれるか」「話が通じるか」は大事ですよね。

追川様からも、「研究者の方の中には、科学や技術がわからない人がそれを語ることに抵抗感がある人もいる」という趣旨のお話がありましたが、まさにここです。
「論理」「正論」だけでは、物事は進まないんですよね。
僕も、カワサキやコマツ時代に、製造現場や研究現場の職人さんと、一見無駄とも思える他愛のない話をよくしていましたが、そういう会話を通じて「相手の仕事」と「相手」を知る
だから仕事が進むし、無理も聞いてもらえる。
そんなことばっかり、やっていました(笑)。

開発スケジュールが押している(遅れている)製品開発なので、雑談している暇はないはずなのですが、実は雑談が大事
矛盾しているようで、これが「人であり組織」なんですよね。
彼らはプロですから、「やるとなったら、最優先で、一瞬で終わらせてくれる」わけで、そうなってもらうための準備時間なんて、実は一瞬でペイするんです。
急がば回れ、ですね。

娘さんの進路相談とか、数学の勉強法とか(笑)、いろんな相談に乗りました(笑)。
残業しているのに、「飲みに行くぞ」といわれる時だけは断ってましたが、それ以外は大体つき合ってたと思います。

「勘とセンス」の話は、以前もお話した「暗黙知」の話
これは、「弟子入り」するしかないんですよね。

観察し、分析し、身につける。
ある程度の「解像度」がないと、「観察」も「分析」もままならないので、まずは「観察」「分析」できるレベルの「形式知」を、大急ぎで身につける
そして、師匠を選び、観察し、分析し、それを自身で実践し、その差を測定し、また師匠を観察する
実は、自分も、よく観察しないとだめなんですよね。
これができていない人が、メチャクチャ多いですね。
自分がどういう思考回路でどういう作業をやっているか、作業分析ができていないんですよね。
これでは、永久にスキルアップはしません。

たとえば受験勉強では、テストの後に、自分の回答内容を再度吟味する(再受験しつつ振り返る)のが通常ですが、それと同じですね。

もちろん、師匠選びも、とっても重要です。
勘やセンスは、きわめて合理的な方法で身につけることができるんですよね。
それが、発明塾のプログラムの本質です。
「発明」という、勘やセンスの塊のように思われている作業を、誰でも、どんな分野でも、できるようにしているわけですから。

この話題は、また取りあげます。

 

楠浦 拝

 

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