3行まとめ
3,000億円の戦略投資による「保険関連サービスプロバイダー」への構造転換
中期経営計画において3,000億円の戦略投資枠を設定し、海外事業やBenefit One買収などの非保険領域へリソースを集中的に投下しています。
インドGCC設立とAI開発環境導入による開発内製化の推進
Microsoftとの提携や生成AI開発環境「exaBase Studio」の導入で開発効率50%向上を掲げ、インド拠点(GCC)を活用した開発の内製化へ舵を切っています。
スーパーアプリ化と知財戦略による顧客体験(CX)の革新
「第一生命アプリ」への機能統合とID基盤整備を進めつつ、営業支援システムや健康増進ロジックに関するビジネスモデル特許で競争優位を確立しています。
この記事の内容
第一生命ホールディングス(以下、DLHD)は、2030年に向けた長期ビジョンにおいて、伝統的な「生命保険会社」から、顧客のWell-being(幸福)に貢献する「保険関連サービスプロバイダー」への構造転換を標榜している。2024年度から開始された中期経営計画(2024-2026年度)は、このビジョン実現のための基盤構築フェーズと位置付けられており、資本コスト(Cost of Capital)を一貫して上回る資本効率の実現が最優先課題として設定されている1。
この経営課題に対し、DLHDは技術的アプローチとして、ITインフラのクラウドネイティブ化(Microsoft Azure全面採用)、開発体制のグローバル内製化(インドGlobal Capability Center設立)、および生成AIによる業務プロセスの抜本的自動化を推進している。特筆すべきは、中期経営計画期間中に設定された3,000億円規模の「戦略投資枠」であり、その資源配分は従来の国内保険事業の維持管理ではなく、海外事業の拡大および非保険領域(エコシステム)の構築へ集中的に投下されている。これは、国内人口動態の変化による市場縮小を見越した、不可逆的なリソースシフトであることを示唆している2。
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観点 |
2024-2025年度の実績・現状 (Status Quo) |
2026年度・2030年の目標値 (Targets) |
技術的ドライバー (Tech Drivers) |
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資本効率 |
修正ROE 10.7% (FY2024実績) |
修正ROE 10%程度 (FY2026)、資本コスト8%以下 |
データドリブンなALM高度化、ポートフォリオ入替 |
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利益成長 |
グループ修正利益 4,395億円 (FY2024実績) |
グループ修正利益 4,000億円 (FY2026) |
海外事業M&A (Protective, TAL)、Benefit Oneシナジー |
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CX変革 |
デジタルチャネル加入率 40% (2023年) |
顧客満足度 国内No.1 (2030年) |
スーパーアプリ「第一生命アプリ」、AI開発環境「exaBase」 |
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海外事業 |
海外事業利益寄与度 約25% |
海外事業利益寄与度 40% (1,600億円規模) |
ボルトオンM&A、グローバル共通ITガバナンス |
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IT基盤 |
外部ベンダー依存型からの脱却過渡期 |
完全なハイブリッド・内製化体制の確立 |
インドGCC、Microsoft Fabric、ServiceNow |
詳細解説
DLHDの技術経営における最大の特徴は、「保障(Protection)」という単一価値から、「資産形成・承継(Asset Formation/Succession)」および「健康・医療(Health/Medical)」を含む複合的な「体験価値(Experience)」へのシフトを、デジタル技術を用いて実装している点にある。
2024年度(2025年3月期)の決算において、グループ修正利益は4,395億円となり、中期経営計画の最終年度目標である4,000億円を初年度で超過達成した。この要因には、円安による海外利益の嵩上げや国内株式売却益といった金融市況要因が含まれているものの、技術投資による生産性向上が固定費抑制に寄与し始めている点は看過できない。
特に、IT・デジタル戦略においては、Microsoft社との戦略的提携により、生成AIおよびクラウドコンピューティングの導入を全社規模で加速させている。また、スタートアップ企業である株式会社エクサウィザーズ(exaWizards)との協業により、AI開発環境「exaBase Studio」を導入し、開発効率の50%向上という定量的目標を掲げている。これにより、従来のウォーターフォール型の大規模開発から、アジャイルかつデータドリブンな開発体制への移行を図っており、ビジネスの市場投入速度(Time-to-Market)の短縮を目指している1。
DLHDは、2024-2026年度の中期経営計画において、以下の数値目標と資源配分を公表している。これらは、技術経営の方向性を規定する最上位の指針であり、IT投資および知財戦略はこの枠組みの中で執行される。
主要経営指標(KPI)と技術的関連性
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指標カテゴリ |
項目 |
FY2024実績/現状 |
FY2026目標 |
関連する技術・知財施策 |
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財務目標 |
グループ修正利益 |
4,395億円 |
4,000億円 |
事務オペレーションのRPA/AI化、請求査定自動化 |
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財務目標 |
修正ROE |
10.7% |
10%程度 |
リスク管理モデルの高度化(ERM)、資本効率モニタリング |
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財務目標 |
資本コスト |
8%超(推計) |
8%以下(恒常的) |
ALM(Asset Liability Management)システムの刷新 |
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非財務目標 |
顧客数(国内) |
約1,500万人 |
維持・拡大 |
CX向上アプリ「第一生命アプリ」、OMO(Online Merges with Offline) |
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非財務目標 |
顧客数(海外) |
約4,500万人 |
拡大 |
海外M&A後のPMI(システム統合)、共通基盤導入 |
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投資配分 |
戦略投資枠 |
- |
3,000億円(3年間累計) |
海外InsurTech、ヘルスケアテックへの出資、Benefit One統合 |
詳細解説
中期経営計画における「戦略投資枠3,000億円」の配分方針は、DLHDの技術経営における意思決定の重心を明確に示している。この投資枠の約3分の2(約2,000億円相当)は、海外保険事業およびアセットマネジメント事業へ充当される計画である。残りの約1,000億円の枠は、国内の非保険領域(ヘルスケア、ITサービス等)の新規事業開発およびM&Aに割り当てられる2。
具体的には、米国子会社Protective Life CorporationによるShelterPoint Groupの買収(グループ保険領域への進出)や、株式会社ベネフィット・ワン(Benefit One)の買収(福利厚生プラットフォームの獲得)がこの投資枠に関連する重要施策である。これらのM&Aは単なる事業規模の拡大ではなく、買収先が保有する技術基盤や顧客データプラットフォームの獲得(Acqui-hireおよびData Acquisition)としての側面を強く持つ。Benefit Oneの買収により、DLHDは日常的な顧客接点を持つプラットフォームを獲得し、従来の「万が一の時」にしか接点を持たない保険ビジネスの限界を、技術的に突破しようとしている3。
また、国内事業においては、3万名を超える営業職員(生涯設計デザイナー)チャネル(リアル)とデジタルチャネルの融合(OMO)が進められており、2023年時点で新規契約の40%がデジタルチャネル経由となっている事実は、UI/UXへの技術投資が実際のセールスパフォーマンスに寄与し始めていることを示唆している。このデジタルシフトを支えるため、タブレット端末「DL Pad」やスマートフォン端末の刷新、およびそれらで稼働する営業支援システムの特許出願が継続的に行われている3。
統合報告書およびIRプレゼンテーション資料から、各責任者(CxO)の技術に対するコミットメントレベルと具体的なアクションプランを分析する。
経営陣による技術戦略コミットメント
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役職 |
氏名(2025/2026時点) |
主要発言・コミットメント内容 |
技術的焦点領域 |
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Group CEO |
菊田 徹也 |
「保険関連サービスプロバイダーへの進化」「資本効率の向上」 |
ビジネスモデル変革、非連続な成長のためのM&A |
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Group CIO/CDO |
該当情報なし (Not Disclosed) |
「インドGCCの設立」「Microsoftとの戦略提携」「AI内製化」 |
クラウド移行、AI基盤整備、グローバルITガバナンス |
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Group CSuO |
該当情報なし (Not Disclosed) |
「サステナビリティとDXの連動」「ペーパーレス化」 |
ESGデータ管理基盤、業務プロセスのデジタル化 |
詳細解説
経営陣のメッセージにおいて、「トランスフォーメーション(変革)」という用語が頻出しており、その実現手段として「デジタル(DX)」と「人的資本(HR)」が不可分のセットとして語られる傾向にある。
特筆すべき戦略的決定は、2025年6月にインドにおける「Global Capability Center (GCC)」の設立に関する複数年契約を締結した点である。これは、従来の外注依存型(Vendor-Dependent)のIT開発体制から、グループ内での開発能力保有(In-house Capability)へと大きく舵を切ったことを意味する。インドの豊富なIT人材を活用し、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の中核拠点として機能させることが意図されている3。
また、2024年8月に発表されたMicrosoft社との複数年にわたる戦略的パートナーシップにおいては、Microsoft Azureを優先クラウドプラットフォームとして選定し、データ分析基盤「Microsoft Fabric」や生成AIサービス「Azure OpenAI Service」を活用して顧客データのリアルタイム分析や生成AIによる業務効率化を推進する方針が示されている。これにより、サーバー構築時間の90%短縮などの具体的な成果目標が設定されており、インフラコストの削減と開発スピードの向上を同時に追求している7。
DLHDおよびその主要子会社(第一生命保険、ネオファースト生命等)が出願・保有する特許ポートフォリオは、製造業のような「物質・構造」に関するものではなく、金融・保険サービスのプロセスやアルゴリズムを権利化した「ビジネスモデル特許(FinTech/InsurTech)」に特化している。特に、「情報処理装置」「プログラム」「査定システム」といったIPC分類(国際特許分類)への集中が見られる。
主要特許・公開特許リスト(2020-2025出願・公開分抜粋)
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公開番号/特許番号 |
発明の名称 |
出願人 |
技術分野/ビジネス実装 |
ステータス/公開日 |
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JP2022-013130A |
情報処理装置、プログラム及び情報処理装置の動作方法 |
第一生命HD |
顧客行動データの分析に基づく保険商品提案ロジック |
公開: 2022/01/18 |
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JP2021-044735A |
サーバ装置、サーバ装置のプログラム及び情報処理システム |
第一生命HD |
デジタルプラットフォーム基盤におけるデータ処理 |
公開: 2021/03/18 |
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JP2020-173612A |
情報提供装置、プログラム及び情報提供方法 |
第一生命HD |
健康増進アプリにおけるユーザーへの情報配信・動機付けロジック |
公開: 2020/10/22 |
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JP2017-054524A |
携帯端末を用いた新契約申込手続処理システム |
第一生命保険 |
営業職員用端末(Taskall等)におけるUI/UX、不備防止機能 |
公開: 2017/03/16 |
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特許第6987115号 |
(名称非開示・ビジネスモデル特許) |
パートナー企業等 |
保育園向けおむつサブスク「手ぶら登園」の在庫・配送管理モデル |
登録済(共創案件) |
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特許第7010919号 |
(名称非開示・ビジネスモデル特許) |
パートナー企業等 |
同上(定額制使い放題ビジネスモデルの管理システム) |
登録済(共創案件) |
詳細解説
DLHDの知財戦略は、自社単独でのコア技術の権利化に加え、オープンイノベーションを通じたパートナー企業との共同出願や、エコシステム形成のための知財活用(IP Ecosystem)が特徴的である。
DLHDの顧客接点技術(Frontend Technology)は、複数のアプリの統廃合を経て、2025年に「スーパーアプリ化」に向けた大きな転換点を迎えている。
アプリケーション・サービス変遷表
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アプリ/サービス名 |
リリース/変更時期 |
技術的特徴・変更内容 |
ステータス (2026/01時点) |
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健康第一アプリ |
2025/05/21 終了・統合 |
健康診断結果OCR解析、将来の顔予測(FaceAI)、健康年齢算出 |
「第一生命アプリ」へ統合・リニューアル |
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第一生命アプリ |
2025/05/21 リニューアル |
生体認証ログイン(FIDO)、契約管理、健康増進機能の統合 |
現行メインプラットフォーム |
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QOLism |
2021/04 開始 |
ウェアラブル連携、ポイントプログラム、行動変容ロジック |
株主優待利用は2025年度で終了予定 |
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Healstep |
2025年 継続展開 |
医療費予測AI、健康経営支援B2B SaaS |
健保組合・法人向けに展開中 |
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Digi Daftar |
2024/04 (インド) |
営業職員用モバイルオフィス、リード管理、リアルタイム分析 |
インド現地法人(SUD Life)にて稼働中 |
詳細解説
2025年5月21日をもって、長らくDLHDの健康増進サービスの顔であった「健康第一」アプリは、「第一生命アプリ」へと名称変更・統合リニューアルされた。これは、従来「契約管理(手続き)」と「健康増進(エンゲージメント)」で分断されていたユーザー体験を統合し、単一のIDで全てのサービスにアクセスできる「スーパーアプリ化」を目指す戦略的統合である12。
技術的には、2025年3月に「第一生命ID」へのID基盤統合が実施されており、OAuth等の標準プロトコルを用いたシングルサインオン(SSO)基盤が整備されたことで、シームレスなサービス連携が可能となった。これにより、顧客データの分断(Data Silo)が解消され、より精度の高いクロスセル・アップセル提案が可能になると予測される。
一方で、株主優待としても利用されていた健康増進アプリ「QOLism」については、2025年度をもって株主優待での利用登録受付が終了し、2026年6月にはポイントが失効する等の動きがある。これは、サービスポートフォリオの整理・縮小(Rationalization)が進められていることを示唆しており、リソースを「第一生命アプリ」およびBenefit Oneとの連携サービスへ集中させる意図が読み取れる14。
海外拠点であるインド子会社(Star Union Dai-ichi Life)においては、2024年4月に営業支援アプリ「Digi Daftar」をリリースしている。このアプリは、営業職員に対してリアルタイムのパフォーマンス分析、コミッション追跡、見込み客管理機能を提供しており、導入後の利益成長率25%増に寄与したとされる。これは、日本国内で培った営業支援システムのノウハウが、グローバル拠点へ移転(Tech Transfer)され、現地化されている好例である16。
DLHDが採用している主要な外部技術パートナーと、導入されているソリューションのカタログ。
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パートナー/ベンダー |
導入技術・ソリューション |
適用領域・成果 |
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Microsoft |
Azure, Microsoft Fabric, Azure OpenAI |
全社クラウド基盤、データ分析基盤、生成AIチャットボット |
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exaWizards |
exaBase Studio |
生成AI開発環境、開発内製化支援、生産性50%増 |
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Red Hat |
Ansible Automation Platform |
サーバー構築自動化(構築時間90%短縮) |
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YuLife (英国) |
Gamification InsurTech |
エンゲージメント型保険モデルの日本導入、行動変容 |
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Benefit One |
福利厚生プラットフォーム |
非保険領域(エコシステム)の基盤強化、会員基盤統合 |
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Laspy |
あんしんストック(防災備蓄) |
災害リスク対策、備蓄管理プラットフォーム(防災テック) |
詳細解説
Microsoftとの提携は、単なるインフラ提供に留まらず、DLHDのデジタルトランスフォーメーションの中核を成している。特に「Microsoft Fabric」の採用は、グループ内に散在する顧客データや契約データを統合し、AIによるリアルタイム分析を可能にするためのデータ基盤整備(Data Governance)の一環である。これにより、従来のバッチ処理中心のデータ活用から、リアルタイムな意思決定への移行が進められている7。
また、exaWizardsとの提携により導入された「exaBase Studio」は、AIモデルと社内データを組み合わせたアプリケーションを、エンジニア以外の社員でも開発可能にする(ローコード/ノーコード開発)ことを目指している。DLHDはこれを「AI活用プラットフォーム」として位置づけ、開発の民主化とスピードアップを企図しており、外部ベンダーへの依存度を下げる狙いがある4。
DLHDは、東京、シリコンバレー、ロンドンの世界3拠点に「Innovation Lab」を設置し、現地のスタートアップ発掘と技術検証(PoC)を継続的に実施している。
各拠点のフォーカスエリアと活動実績
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拠点 |
活動内容・特徴 |
具体的な提携・投資先例・活動 |
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Tokyo |
国内スタートアップ連携、ビジネス開発 |
CureApp(治療用アプリ)、Oishi Kenko、Laspy |
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Silicon Valley |
最先端テック探索、ヘルスケア、AI |
(具体的な投資先名は資料中Not Disclosed) |
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London |
欧州InsurTech、Well-being、Ecosystem |
YuLife(Gamification)、Sprout.ai(Claims Automation) |
詳細解説
ロンドンラボの活動として特筆すべきは、英国のInsurTech企業「YuLife」への出資および日本市場へのモデル導入である。YuLifeは、ゲーミフィケーションと行動経済学を活用した健康増進型保険を提供しており、DLHDはこのノウハウを取り込むことで、従来の「死後・疾病時」の金銭的補償から、「日常の健康維持」への価値転換を図っている。YuLifeのモデルは、アプリの利用頻度を高め、解約率を低下させる効果が実証されており、DLHDの顧客エンゲージメント戦略の中核を担う可能性がある17。
また、2025年9月には、英国ケンブリッジで開催された「Cambridge Tech Week」において、英国のスタートアップ(Sprout.ai等)がDLHDの経営幹部に対してピッチを行うイベントを実施している。ここでは特に、AIを活用した保険金請求処理の自動化(Claims Automation)や、ファイナンシャル・ウェルビーイングに関する技術探索が行われており、欧州の先進的なAI技術を日本国内の業務プロセスへ導入しようとする意欲が見られる19。
Benefit One買収(2024年完了)とシステム統合
DLHDによるBenefit Oneの買収は、国内の福利厚生代行サービス最大手の顧客基盤とサービスメニューを獲得したことを意味する。技術的な観点からは、Benefit Oneが持つ「ベネフィット・ステーション」と、DLHDの顧客プラットフォームのID連携やデータ統合が重要なテーマとなる。DLHDは2025年度より、株主優待において「QOLism」アプリの登録を不要とし、Benefit Oneのサービスを直接利用可能にするなどの統合作業を進めている。これにより、保険契約者に対して日常的に利用可能なサービスを提供し、顧客接点頻度(Touchpoint Frequency)を劇的に高める狙いがある5。
Protective社(米国)によるM&A戦略
米国子会社Protective Lifeは、伝統的に「買収による成長(Acquisition-led Growth)」を戦略の柱としており、他社の保険ブロック(保有契約)の買収と統合を得意とする。2025年1月にはShelterPoint Groupの買収を完了し、グループ保険市場への進出を果たした。Protective社の強みは、買収した異なるシステム・データ形式の契約群を、自社のプラットフォームに効率的に移行・統合する「マイグレーション技術・プロセス」にある。このノウハウは、DLHDグループ全体におけるシステム統合力の源泉となっている3。
DLHDはグループ全体で「知的財産基本方針」を策定し、自社知財の保護と他社権利の尊重を明記している。特に、AIやデータ利活用が進む中で、以下の点がガバナンスの焦点となっている。
金融機関として極めて高い可用性が求められる基幹システムに加え、顧客向けのデジタルチャネルの重要性が増している。Red Hat Ansible Automation Platformの導入によるサーバー構築の自動化は、手動操作による人的ミスの削減(Human Error Reduction)と、システム障害時の復旧迅速化(Resilience)に寄与する施策である。また、災害時の事業継続計画(BCP)の一環として、データセンターの分散化やクラウド活用による冗長化が進められており、物理的な障害に対する耐性も強化されている7。
国内大手生保(日本生命、明治安田生命)および損保系(SOMPOホールディングス)との技術戦略比較を行い、DLHDの立ち位置を明確化する。
大手保険グループ技術戦略比較
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比較項目 |
第一生命HD (Dai-ichi) |
日本生命 (Nippon Life) |
SOMPOホールディングス |
明治安田生命 (Meiji Yasuda) |
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コア戦略 |
保険関連サービスプロバイダー (Service Provider) |
圧倒的資産規模×グローバル分散 (Global Asset Manager) |
リアルデータ・プラットフォーム (Data Platformer) |
地域密着×デジタル (Community & Digital) |
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主要ITパートナー |
Microsoft, exaWizards |
(特定ベンダー依存なし、分散型) |
Palantir (資本提携含む) |
(自社システム子会社主体) |
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データ戦略 |
ID統合、健康データ利活用、スーパーアプリ |
顧客基盤最大、営業端末N-Phoneによる対面強化 |
パランティアFoundryによるデータ統合・外販 |
営業職員の対面強化支援 (MYリンク) |
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海外M&A |
Protective (米国), TAL (豪州), Benefit One |
Resolution Life, Corebridge (兆円規模投資) |
Endurance (現Sompo Intl), Globanet |
StanCorp (米国) |
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アプリ戦略 |
第一生命アプリ(スーパーアプリ化) |
日本生命アプリ |
Sompo Park, ひまわりアプリ |
MYほけんページ |
詳細比較・インサイト
公式資料および中期経営計画から読み取れる技術的なマイルストーン。
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本レポートは、公開情報をAI技術を活用して体系的に分析したものです。
情報の性質
ご利用にあたって
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