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全固体電池のキープレイヤーと技術の応用先:特許と事業戦略から読み解く市場動向

2025.11.11

エグゼクティブサマリ

 

  • 技術分野の市場概観と重要性:
    全固体電池(ASSB)市場は、2025年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR36%から57%という極めて高い成長が予測されています 1ASSBは、可燃性の液体電解質を固体に置き換えることで、電気自動車(EV)の航続距離、充電時間、安全性という根本的な課題を解決する潜在力を持ちます 7。しかし、市場は「EV向け(未来・大規模)」9 と「マイクロデバイス向け(現在・小規模)」3 に明確に二分されており、プレイヤーの戦略もこれに応じて分断されています。
  • 本レポートで分析する「主要な戦略グループ」の分類と主要プレイヤー:
    本レポートは、特許蓄積、事業規模、戦略投資の3基準に基づき、主要プレイヤーを以下の4つの戦略グループに分類します。
    1. 「垂直統合型EVメーカー」: 最終製品(EV)を持ち、特許とパートナーシップを通じて技術の囲い込み(内製化)を目指す企業群。(例:トヨタ自動車、Volkswagen (PowerCo)BMW
    2. 「総合電池メーカー(既存巨人)」: 既存の製造能力と顧客基盤を武器に、EV向けASSBの量産で主導権を狙う大手電池メーカー。(例:サムスンSDILG Energy Solution、パナソニック、CATL
    3. 「素材・電解質サプライヤー」: 電池セル全体ではなく、固体電解質という中核部材の供給(水平分業)に特化する化学・素材メーカー。(例:出光興産、Solid Power
    4. 「小容量・特定用途スペシャリスト」: EV市場とは一線を画し、ウェアラブルや医療機器といったニッチ市場で既に商用化と収益化を進める電子部品メーカー。(例:TDK、マクセル、村田製作所)
  • 主要な技術応用先の分類:
    • 「現在」の市場: TDKの「CeraCharge12 やマクセルがターゲットとする 11、医療機器(パッチ、センサー)、ウェアラブル、RFIDタグといった小容量・ニッチ市場が中心です。このセグメントは20mAh以下の容量帯でCAGR 62.7%2025-2030年)と、最も急成長しています 3
    • 「未来」の市場: 本命はEV市場であり 3QuantumScapeVWと組み、まずドゥカティのレースバイク 13 という高付加価値・小規模なショーケースで技術を実証する戦略を採っています。
  • 市場全体の主要トレンドと今後の課題:
    市場のトレンドは、「硫化物系 酸化物系」といった材料開発競争と、「垂直統合 vs. 水平分業」というビジネスモデル競争が並行して進んでいます。最大の課題は、研究開発(特許)レベルの性能を、GWh(ギガワット時)級の「量産技術の確立」7 へといかに低コストかつ安定的に移行させるかという点に集約されます。

 

本文

 

【第1章】技術分野の定義と市場概観

 

対象技術の範囲定義(何をする技術か)

 

全固体電池(All-Solid-State Battery, ASSB)は、現代のデジタル社会を支えるリチウムイオン電池(LIB)の基本的な構成要素(正極、負極、電解質、セパレータ)のうち、「電解質」と「セパレータ」の機能に着目した革新技術です。

従来型LIBでは、電解質として可燃性の有機溶媒(液体)が用いられており、これがセパレータの損傷時に短絡(ショート)し、発熱・発火を引き起こす根本的な安全性の課題を抱えています 7

全固体電池は、この液体電解質を、不燃性の「固体電解質」材料(セラミックスや高分子など)に完全に置き換えるものです 2。この置換により、以下の技術的利点が期待されます。

  1. 安全性の飛躍的向上: 電解質が固体かつ不燃性であるため、液漏れ、発火、低温環境下での凍結といったリスクが原理的に排除されます 7。これにより、従来LIBでは必須であった厳重な安全装置(BMSによる監視、冷却システムなど)の簡素化が可能となります 14
  2. 高エネルギー密度化: 従来のLIBではデンドライト(リチウムの針状結晶)の発生により使用が困難であった、理論容量が最も大きい「リチウム金属負極」の採用が可能になると期待されています。これにより、電池のエネルギー密度が大幅に向上し、EVの航続距離延長やデバイスの小型化に直結します。
  3. 設計自由度の向上: 電池セルを直列に積層するバイポーラ構造が容易になり、体積あたりのエネルギー密度向上や、薄型・フレキシブルなど多様な形状への対応が可能となります。

 

現在の市場規模と成長予測(市場レポート等に基づく)

 

全固体電池市場は、現在(2025年時点)は黎明期にあるものの、今後10年間で爆発的な成長が予測される点で、複数の市場調査レポートの見解が一致しています。

  • Grand View Research (2024年) は、2025年の市場規模を0億米ドルと推定し、2030年までに150.7億米ドルに達し、CAGR(年平均成長率)は56.6%2025-2030年)にのぼると予測しています 3
  • MarketsandMarkets (2025年) は、2025年の6億米ドルから2031年までに17.7億米ドルに達し、CAGR 37.5%で成長すると予測しています 1
  • Straits Research (2025年) は、予測期間中(2025-2033年)のCAGR4%と予測しています 2
  • Roots Analysis (2025年) は、2025年の7億米ドルから2035年には482.3億米ドルに達し、CAGR 39.98%と予測しています 6

一方で、2025年時点の市場規模予測には、「0.26億米ドル」9 から「16.7億米ドル」6 まで、レポート間で10倍以上の大きな幅がみられます。

この予測値の解離は、市場の「定義」の違いに起因すると分析されます。Mordor Intelligence (2025) の「0.26億米ドル」という予測は、レポートタイトルが「EV Solid-state Battery Market9 となっていることからも、EV向け市場に限定したものと推定されます。これは、2025年時点ではEV向けASSBの商用化がほぼ存在しない実態を反映しています。

対照的に、Grand View Research (2024) は「20mAh以下の容量セグメント」がCAGR 62.7%2025-2030年)で最も急速に成長すると指摘 3 しており、MarketsandMarkets (2025) も「医療パッチ」や「RFIDラベル」といった小容量・使い捨て(Primary)電池の用途に言及しています 10

したがって、2025年時点の市場は「(1) EV向け(未来・高ポテンシャル)」と「(2) マイクロデバイス/ニッチ向け(現在・高成長)」の2つの異なる市場が混在しており、分析においてはこの二分化を明確に認識する必要があります。

 

なぜ今、この技術がビジネス上重要なのか

 

全固体電池は、単なる既存LIBの性能改良(マイナーチェンジ)ではなく、エネルギー貯蔵のあり方を変革する「ゲームチェンジャー」として位置づけられています。

ビジネス上の重要性は、主に以下の2点に集約されます。

第一に、EV普及の最終障壁を突破する鍵であることです。EV市場は急速に拡大していますが、「航続距離への不安(Range Anxiety)」「長い充電時間」「安全性(衝突時の発火)への懸念」という3つの大きな障壁が、大衆への完全な普及(マスアダプション)を妨げています。全固体電池は、これら3つの課題を同時に解決し、EVを内燃機関車と遜色ない、あるいはそれ以上に安全で便利なモビリティへと変貌させる可能性を秘めています 8

第二に、新たなデバイス市場の創出です。TDKの「CeraCharge12 やマクセルの産業機器向け電池 11 にみられるように、従来のLIBでは安全面やサイズ面で搭載が難しかった分野(例:医療用インプラント、身体装着型パッチ、超小型IoTセンサー)への電源搭載を可能にします。これにより、既存の電子機器市場の枠を超えた、新たなアプリケーションとビジネスモデルを生み出す原動力となります。

 

【第2章】キープレイヤーの特定と戦略グループ分類

 

本レポートでは、全固体電池市場の複雑な競争構造を理解するため、主要なプレイヤーを「戦略的グループ」に分類して分析します。この分類は、以下の3つの分析基準を総合的に評価し、定義したものです。

  1. 分析基準1:技術蓄積(特許出願動向): 過去5年間(2020-2025年)を中心とした特許出願数、出願ファミリー数、およびその技術的範囲。
  2. 分析基準2:事業規模(現在の市場シェアや生産能力): 既存のLIB事業の規模、またはASSBのパイロットラインの生産能力。
  3. 分析基準3:戦略投資(IR発表、投資額、大手企業とのアライアンス): IR資料やプレスリリースで公表されているロードマップ、投資額、および自動車メーカー(OEM)や素材メーカーとの提携関係。

この分析に基づき、全固体電池市場のプレイヤーは、その「ビジネスモデル」と「ターゲット市場」によって、以下の4つの戦略グループに明確に分類されます。

 

グループ1: 「垂直統合型EVメーカー」(Vertical Integrator EV Makers

 

  • 定義: 最終製品である電気自動車(EV)を製造・販売する自動車メーカー(OEM)。彼らはバッテリーを単なる「購入部品(コモディティ)」とはみなさず、車両性能を差別化する「中核部品」と位置づけ、特許、R&D、スタートアップへの投資やパートナーシップを通じて、技術の囲い込み(内製化)または技術への優先的アクセス権の確保を目指します。
  • 該当企業: トヨタ自動車Volkswagen (PowerCo)BMWFord本田技研工業
  • 選定理由:
    • トヨタは、WIPO(世界知的所有権機関)のデータ(2000-2023年)において、全固体電池の特許ファミリー数で世界シェアの約40%を占める 15 など、圧倒的な技術蓄積(基準1)を誇ります。 KnowMade2025年第1四半期レポートでも、主要な特許権者として名を連ねています 16
    • **Volkswagen (VW)**は、バッテリー事業を統括する子会社「PowerCo」を2022年に設立し、VW本体が保有していたASSB関連特許をPowerCoに移管する 16 など、戦略的な体制を構築しています(基準3)。さらに、スタートアップのQuantumScapeと強力なパートナーシップを結んでいます 13
    • BMWFordは、両社ともグループ3に分類されるSolid Power社と緊密な開発パートナーシップを結んでおり(基準317、技術へのアクセスを確保しています。
    • 本田技研工業も、2025年第1四半期の主要な特許権者として特定されています 16

 

グループ2: 「総合電池メーカー(既存巨人)」(Incumbent Battery Giants

 

  • 定義: 現在のリチウムイオン電池(LIB)市場において、グローバルで支配的なシェアを持つ大手電池メーカー。ASSBを既存事業の延長線上にある「次なる主戦場」と位置づけ、既存の膨大な製造ノウハウ、サプライチェーン管理能力、およびOEMとの強固な顧客関係(基準2)を最大限に活用し、ASSB時代への移行(トランジション)においても主導権を維持することを目指します。
  • 該当企業: サムスンSDILG Energy Solution (LGES)パナソニックCATL
  • 選定理由:
    • これらの企業は、グループ1OEMと共に、特許出願ランドスケープにおいて常に上位にランクインしています(基準116
    • サムスンSDIは、2027年からのEV向けASSB量産開始という、主要メーカーの中で最も具体的かつ野心的なロードマップを公式に発表しています(基準319
    • LGESパナソニックは、2025年第1四半期および第2四半期において、トヨタやサムスンと並ぶ主要な特許権者としてリストアップされています(基準116
    • CATLも同様に、主要な特許権者として特定されています.18

 

グループ3: 「素材・電解質サプライヤー」(Material/Electrolyte Specialists

 

  • 定義: バッテリーセル全体の製造(垂直統合)ではなく、ASSBの性能を決定づける中核部材、特に「固体電解質」の開発と量産・供給(水平分業)に特化する企業群。多くが化学、石油、ガラス、セラミックといった異業種の既存技術を応用して参入しています。
  • 該当企業: 出光興産Solid Power日本電気硝子 (NEG)オハラ
  • 選定理由:
    • 出光興産は、石油精製事業で培った硫黄化合物の取り扱い技術を応用し(基準120、硫化物系固体電解質の量産技術開発に注力しています。この取り組みは経済産業省の「蓄電池に係る供給確保計画」に認定され、約11億円の投資(うち約6億円が助成)を行うなど、戦略的投資(基準3)を加速しています 21
    • Solid Powerは、自らを「固体電解質技術のリーディングデベロッパー」と定義(基準317 しており、2025年の主要目標として電解質のパイロット連続製造ラインの設置を掲げています 22
    • 日本電気硝子 (NEG) 23オハラ 24 は、それぞれの本業であるガラスおよび光学ガラスの技術を応用した「酸化物系」の固体電解質材料で強みを持ちます(基準1)。

 

グループ4: 「小容量・特定用途スペシャリスト」(Small-Capacity / Niche Specialists

 

  • 定義: EVという巨大市場のハイプ(過度な期待)とは一線を画し、すでに「現在」の市場(ウェアラブル、医療、産業機器)向けに、小容量ASSBを商用化、あるいは具体的な量産・採用計画を持つ電子部品メーカー群。
  • 該当企業: TDKマクセル (Maxell)村田製作所
  • 選定理由:
    • TDKは、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の技術を応用した酸化物系ASSBCeraCharge」ブランドで、すでに製品を市場に投入しています(基準212
    • マクセルは、硫化物系のASSBについて、2025年度に大手産業機器メーカーの製品に採用される見込みであると報じられており(基準311、商用化の段階に入っています。
    • 村田製作所も、2025年第1四半期の主要な特許権者として名を連ねており(基準116、電子部品としてのASSB開発に注力していることが示唆されます。

 

【第3章】主要な技術応用先の分析

 

全固体電池の技術応用先は、要求されるバッテリー容量、性能、コストによって、明確に「現在」の市場と「未来」の市場に分かれます。

 

「現在」商用化されている応用先(小容量・ニッチ市場)

 

EV向けASSBがまだ開発・試作段階にあるのに対し、小容量(マイクロキャパシティ)のASSBは、すでに商用化され、具体的な市場を形成しています。

  • 具体的な製品・サービス:
    • ウェアラブル・ヒアラブル機器: スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホン、スマートグラスなど。
    • 医療・ヘルスケア機器: 体内に埋め込む(インプラント型)医療センサー、薬剤を自動放出するスマートパッチ、補聴器など 10
    • 産業用IoT・センサー: 資産追跡用のRFIDタグ、小型のワイヤレスセンサー、エネルギーハーベスティング(環境発電)デバイス 2
  • 市場ポテンシャル:
    このセグメントは、ASSB市場全体において最も急速に成長している領域です。Grand View Research (2024) の予測では、「20mAh以下」の容量セグメントは2025年から2030年にかけてCAGR 62.7%で成長し、これは市場全体のCAGR6%)を上回る最高値です 3
  • 導入の障壁:
    主な障壁は、従来のコイン電池や小型LIBに対するコストです。しかし、これらの応用先では、(1) デバイスの小型化・薄型化、(2) 人体への装着・埋め込みのための絶対的な安全性(不燃性・非毒性)、(3) 頻繁な電池交換が困難な場所での長期信頼性、といった要求がコストよりも優先されます。したがって、導入障壁はEV向け市場に比べて相対的に低いと言えます。この領域は、グループ4に分類されるTDK 12 やマクセル 11 の独壇場となっています。

 

特許情報や実証実験から推定される「未来」の応用先(3年後、5年後)

 

特許情報の大半と、グループ123のプレイヤーの戦略投資は、「未来」の大容量市場、すなわち電気自動車(EV)に集中しています。

  • 具体的な製品・サービス(本命):
    • 電気自動車(EV: 市場のプレイヤーの大半が最終目標とする本命市場です 2ASSBの搭載により、航続距離1,000km超、充電時間10分以下、そして発火リスクのない安全なEVが実現すると期待されています。
  • その他の応用先:
    • 航空宇宙・防衛: Solid Power社などが初期のターゲットとして言及しているように 14、軽量性、高エネルギー密度、および過酷な環境(温度、圧力)での信頼性が求められる分野。
    • エネルギー貯蔵システム(ESS: 安全性が求められる家庭用・産業用蓄電池。

 

応用先ごとの市場ポテンシャルや、導入の障壁は何か

 

EV向け応用先は、潜在的な市場規模(数百GWh/年)がマイクロデバイスとは比較にならないほど巨大です。しかし、その導入には深刻な障壁が存在します。

  1. 量産技術の未確立(最大の障壁): 最大の課題は、研究室レベルで実証された高性能なセルを、GWh規模の巨大工場(ギガファクトリー)で、既存LIBと同等以下のコストで、かつ安定した品質(例:数百万個に1個の不良率)で製造する技術が未だ確立されていない点です 7
  2. 技術的課題: 固体同士である電極と電解質の「界面」をいかにナノレベルで安定的に密着させ、イオンの移動抵抗(界面抵抗)を低く保つか 7、充放電に伴う電極材料の体積変化にどう追従させるか、といった根本的な技術課題が残存しています。
  3. コスト: 材料(特に硫化物系電解質)の製造コストや、セル組立プロセス(例:高温での焼結や高圧でのプレス)にかかるコストが、現行LIBに対してまだ高すぎます。

この「量産化の障壁」を認識した上で、QuantumScapeQS)が採る市場導入戦略は、極めて巧妙なものと分析されます。QSは、パートナーであるVWグループ 13 と組み、最初の搭載アプリケーションとして、大衆車(ゴルフなど)ではなく、グループ傘下の**ドゥカティ(Ducati)の電動レースバイク「V21L**を選びました 13

これは、以下の3つの狙いを持つ、計算された戦略的ステップであると推定されます。

  • (1) 量産問題の回避: バイクに必要なバッテリーは少量であり、GWh規模の量産ラインは不要です。「B1サンプル」25 レベルのパイロット生産で対応可能です。
  • (2) 技術の極限実証: レースという過酷な環境は、「高出力(急加速)」と「高エネルギー密度(航続距離)」を同時に要求し 13ASSBの性能を実証する最高のショーケースとなります。
  • (3) 高いマーケティング効果: 「低量だが高視認性(low-volume but high-visibility)」13 であり、技術的優位性を市場に強く印象付けることができます。

QSは、いきなり大衆車市場(量産の壁)に挑むのではなく、まず「ハイパフォーマンス・ニッチ」市場を確立し、そこで得たデータとブランド力、そして(推定される)高い利益率をテコに、段階的にプレミアムEV、そして大衆車EVへと技術を浸透させる戦略を描いている可能性が示唆されます。

 

【第4章】主要戦略グループ別の詳細分析

 

 

4-1. グループ1「垂直統合型EVメーカー」の戦略

 

このグループの戦略は、バッテリー技術を自社の競争力の源泉とみなし、その開発とサプライチェーンを強力にコントロール下に置くことにあります。

  • トヨタ自動車:
    • 戦略: 「圧倒的特許による技術の源流支配とオプション確保」
    • 分析: トヨタの戦略は、特許ポートフォリオの圧倒的な厚み 15 に象徴されます。2000年代から続く長期的な研究開発投資により、硫化物系、酸化物系、電極材料、製造プロセスに至るまで、ASSBに関するほぼ全方位の技術領域でIP(知的財産)の壁を構築しています。
    • 彼らの狙いは、単に自社でASSBを内製化すること(Make)に留まらないと推定されます。将来、他社(競合OEMや電池メーカー)がASSBを量産しようとした際に、トヨタの特許を回避することが極めて困難な状況を作り出すこと。これにより、(1) 自社の技術的優位性を確保する、(2) 有利なクロスライセンス交渉を行う、(3) 莫大なライセンス収入を得る、といった複数の戦略的「オプション」を確保しています。
  • Volkswagen (PowerCo) & QuantumScape (QS):
    • 戦略: 「特定技術への集中投資とマイルストーン管理」
    • 分析: VWは、自社での全方位的な基礎研究(トヨタ型)ではなく、QuantumScapeという特定の技術(独自のセラミックセパレータ)を持つスタートアップとの強固なパートナーシップ 13 を選択しました。
    • 戦略の核は「マイルストーン管理」です。QSIR資料 25 は、技術開発の進捗を「Aサンプル」「Bサンプル」といった具体的かつ検証可能な段階に分け、その達成(例:2025年第3四半期の「B1サンプル」出荷達成 13)を逐次報告するスタイルを徹底しています。これは、巨額の投資に対する進捗の透明性をパートナー(VW)と市場に示す、規律あるR&D戦略です。前述のドゥカティでの実証 13 も、このマイルストーンの一部です。

 

4-2. グループ2「総合電池メーカー(既存巨人)」の戦略

 

このグループの戦略は、LIBで培った「量産技術」と「OEMとの関係性」という最大の資産を活用し、ASSBへの移行においても主導権を握ることにあります。

  • サムスンSDI:
    • 戦略: 「アグレッシブな量産目標と二正面(ヘッジ)戦略」
    • 分析: サムスンSDIは、2027年からのEV向けASSBの量産開始 19 という、主要プレイヤーの中で最も野心的なロードマップを公表しています。
    • 彼らの戦略が巧妙なのは、この目標達成のための「ヘッジ(保険)」をかけている点です。一方で、自社で特許出願(トップティア 18)とパイロットライン(2023年に水原で稼働 19)を推進する(Plan A)と同時に、もう一方では、グループ3Solid Powerと提携(202510月発表)し 17、同社の電解質技術へのアクセスも確保しています(Plan B)。
    • これは、「自社技術が間に合わなくても、SLDPの技術を使ってでも、2027年という市場投入タイミングを絶対に逃さない」という、時間軸を最優先する強い意志の表れと分析されます。

 

4-3. グループ3「素材・電解質サプライヤー」の戦略

 

このグループは、高リスク・高リターンの「セル製造」そのものではなく、ASSBの性能を決定づける中核部材(特に固体電解質)の供給という「水平分業」モデルで確固たる地位を築くことを目指します。

  • Solid Power (SLDP):
    • 戦略: 「電解質ファーストの水平分業モデル」
    • 分析: SLDPのIR資料は、自社が「電解質技術」の企業であることを明確に打ち出しています 17。彼らの2025年の最重要目標も、EV用セルの開発ではなく、「電解質の連続生産パイロットラインの設置」です 22
    • 彼らのビジネスモデルは、ASSBサプライチェーンにおける「インテル・インサイド」のようなポジションを狙うものです。顧客(BMW, Ford, SK On, サムスンSDI 17)に対し、中核部材である電解質を供給します。最大の強みは、彼らの硫化物系電解質が「既存のリチウムイオン製造プロセスと互換性がある」17 と主張している点です。これにより、顧客(電池メーカーやOEM)は、ASSB生産のために全く新しい工場をゼロから建設する必要がなく、既存設備を流用・改良することで設備投資を大幅に削減できる、という強力な価値提案を行っています。
  • 出光興産:
    • 戦略: 「国家支援型・素材ピボット戦略」
    • 分析: 出光興産の戦略は、本業である石油事業 20 からの「ピボット(戦略転換)」です。石油精製で培った硫黄化合物の取り扱い技術 20 を、硫化物系固体電解質の製造に応用しています。
    • この取り組みは、経済産業省から約11億円の投資(うち6億円が助成)を受ける「供給確保計画」に認定 21 されており、単なる一企業の戦略を超え、日本のバッテリーサプライチェーンを強化する国策としての側面も持ちます。SLDPと同様、トヨタやパナソニックといった日本の「セルメーカー」への素材供給(水平分業)を目指す戦略が明確です。

 

4-4. グループ4「小容量・特定用途スペシャリスト」の戦略

 

このグループは、EV市場の激しい競争や「量産化の壁」というリスクとは無縁の、異なる市場で確実な収益化を目指します。

  • TDK / マクセル:
    • 戦略: 「酸化物系による高収益ニッチ市場の先行確保」
    • 分析: EV向けの主流である硫化物系(高性能だが扱いにくい)とは異なり、TDKの「CeraCharge12 などは、製造安定性と安全性に優れる「酸化物系(セラミック)」を採用していると推定されます。
    • 彼らの戦略は、EVほどの超高性能は不要だが、安全性や小型化が絶対条件である医療機器 11 やウェアラブル 12 という、既存のコイン電池では対応できない高付加価値なニッチ市場(第3章参照)を先行して開拓・確保することです。EV市場のハイプ 27 の外側で、すでに商用化 12 と収益化(2025年度の採用拡大 11)を実現しており、最も堅実なビジネスモデルを確立しています。

 

【第5章】特許戦略と事業戦略の整合性

 

特許出願(技術の「足跡」)と、IR資料などで公表される事業戦略(公式の「宣言」)を比較することで、各社の戦略の「本気度」や「隠れた狙い」が推定されます。

 

トヨタ自動車: 「ギャップ(乖離)あり」

 

  • 特許戦略(分析基準1: 圧倒的な世界12000年代から全方位的な技術を網羅し、巨大なIPの壁を構築 15
  • 事業戦略(分析基準3: 実際のEV市場へのASSB搭載ロードマップは、他社(例:サムスンSDI2027年量産 19)と比較して、具体的時期の明言に慎重であり、不透明さが残ります。
  • 評価と推定: この「特許(先行)」と「事業(慎重)」のギャップは、意図的な戦略であると推定されます。トヨタの「本音」は、(1) 現行LIBでのEV競争(特にコスト競争)では無理をせず、(2) 2030年頃に、自社特許で完全に固めた「本命」のASSB搭載車で市場全体をリセットすること、にある可能性が示唆されます。あるいは、(3) ASSBを内製化しない(またはできない)競合他社から莫大なライセンス料を徴収する「IPビジネス」の準備である可能性もあります。特許は「防衛」であると同時に、将来の「攻撃(ライセンス要求)」のための布石です。

 

QuantumScape (QS): 「高い整合性」

 

  • 特許戦略(分析基準1: 独自のセラミックセパレータとリチウム金属負極技術という、中核となる「ブレークスルー技術」に特化。
  • 事業戦略(分析基準3: IRで公表する「B1サンプル出荷」(2025年達成 25)などの技術マイルストーンが、VWとのパートナーシップ 13 という事業戦略の根幹をなしています。
  • 評価と推定: 特許で守る「コア技術」と、IRで進捗を報告する「事業開発」が完全に一致しています。ギャップはなく、戦略の透明性は非常に高いです。「本気度」は極めて高く、技術が実証されれば(ドゥカティでの実証 13)、VWという巨大な顧客を通じて一気に市場を席巻するポテンシャルを持ちます。反面、VWという単一パートナーへの依存度が極めて高いというリスクも内包します。

 

Solid Power (SLDP): 「高い整合性」

 

  • 特許戦略(分析基準1: 硫化物電解質の「組成」と、既存LIBラインで使える「製造プロセス」 17 に集中。
  • 事業戦略(分析基準3: IRで「電解質技術ロードマップの実行」と「パイロット連続製造ラインの設置」(2025年目標 22)を最重要課題として掲げる。
  • 評価と推定: 「電解質サプライヤーになる」という事業戦略と、そのための「製造技術」の特許戦略が完全に一致しています。QSのような「一発逆転のブレークスルー」型ではなく、顧客(BMW, Ford, Samsung 17)の既存ライン 17 で使える材料を安定供給するという、堅実なB2B戦略であり、本気度も高いと評価されます。

 

サムスンSDI: 「戦略的ヘッジによる整合」

 

  • 特許戦略(分析基準1: 高い出願件数を維持し 18、自社技術(Plan A)を強力に推進。
  • 事業戦略(分析基準3:2027年量産」19 という至上命題を達成するため、SLDPとの提携(Plan B17 も実行。
  • 評価と推定: 一見、外部(SLDP)との提携は、自社技術(Plan A)の遅れや不足を認める「ギャップ」のようにも見えます。しかし、これは「何が何でも2027年に市場に製品を投入する」という事業戦略(目標)を達成するための、極めて合理的な「ヘッジ(保険)」戦略です。したがって、「事業目標の達成」という観点では高い整合性があり、サムスンの市場投入への本気度の高さを示しています。

 

【第6章】主要戦略グループおよび企業の競合比較

 

 

主要戦略グループ間のポジショニング分析

 

  • グループ1(垂直統合型EV グループ2(既存巨人): これは、ASSBの「内製化(Make)」を目指す自動車メーカーと、LIB時代と同様に「外部供給(Buy)」のビジネスを維持したい電池メーカーの戦いです。もしグループ1(トヨタ、VW)がASSBの完全内製化に成功すれば、グループ2の電池メーカーは市場の一部を失うか、下請け的な存在になるリスクがあります。
  • グループ3(素材) グループ1/2: グループ3は、グループ1および2の「Make or Buy」の戦略的判断にその運命が左右されます。サムスンSDI(グループ2)がSLDP(グループ3)から「Buy」する 17 一方で、トヨタ(グループ1)が電解質も「Make(内製)」する 15 といったように、顧客の戦略によって明暗が分かれます。
  • グループ4(ニッチ): 他の3グループとは競争軸が異なります。EV市場(グループ1, 2, 3)が量産化の壁 7 やハイプ疲れ 27 に直面しても、グループ4は自らのニッチ市場(医療・ウェアラブル 3)で安定した成長と収益を確保する独自のポジションを築いています。

 

主要企業の戦略ポジショニング比較表(マトリクス)

 

 

企業名

戦略グループ

主要技術(推定)

ターゲット応用

ビジネスモデル

2025-27年の戦略

根拠資料

トヨタ自動車

G1: 垂直統合EV

硫化物系(本命)

 

全方位

EV

垂直統合(内製)

 

IPライセンス(推定)

R&D・試作

 

IPポートフォリオの拡大

15

VW (QuantumScape)

G1: 垂直統合EV

 

(G4: スタートアップ)

酸化物系(セパレータ)

 

リチウム金属負極

EV(まず高価格帯 13

垂直統合(パートナー)

Bサンプル出荷 (2025) 25

 

Ducatiでの実証 13

13

サムスンSDI

G2: 既存巨人

硫化物系(推定)

EV

垂直統合(既存)

 

+水平分業(ヘッジ)

2027年 量産開始

17

Solid Power

G3: 素材サプライヤー

硫化物系

EV(パートナー経由)

水平分業(電解質供給)

電解質パイロットライン稼働 (2025)

14

出光興産

G3: 素材サプライヤー

硫化物系

EV(パートナー経由)

水平分業(電解質供給)

電解質量産技術開発(投資 21

20

TDK

G4: ニッチ

酸化物系(セラミック)

ウェアラブル, IoT, 医療

水平分業(電子部品)

商用販売中 (CeraCharge)

12

マクセル

G4: ニッチ

硫化物系

産業機器, ウェアラブル

水平分業(電子部品)

2025年度 採用拡大

11

 

【第7章】今後の市場リスクとビジネス機会

 

 

この技術分野における技術的ボトルネック(未解決の課題)

 

  1. 量産技術の確立: 最大のリスクであり、ボトルネックです。研究室レベルの性能(高エネルギー密度、高速充電)を、GWh規模で、数百万個単位で、安定的に製造する技術(例:ロール・ツー・ロール方式 14)は、依然として実証されていません 7
  2. 界面制御: 固体同士(電極と電解質)の界面をいかに安定的に密着させ、イオン抵抗を低減するか、という根本的な課題が残っています。充放電に伴う材料の体積変化への追従も課題です 7
  3. デンドライト問題: 特に高容量化の鍵となるリチウム金属負極を使用する場合、デンドライト(リチウムの針状結晶)の発生による内部短絡のリスクが、液体LIBと同様に(あるいはそれ以上に)課題となります。

 

サプライチェーンや規制のリスク

 

  • リチウム資源の制約: 全固体電池は、LIBの「可燃性」は解決しますが、「リチウム資源への依存」は解決しません。むしろ、リチウム金属負極を採用する場合、単位容量あたりのリチウム使用量は増加する可能性があり、LIBと同様の地政学的リスク(資源の偏在)や価格変動リスクにさらされます。
  • 硫化物系材料の課題: 硫化物系電解質は、水分と反応して有毒な硫化水素ガスを発生するリスクがあり、製造・リサイクルプロセスにおいて厳重な(=高コストな)環境管理が求められます。

 

市場リスク

 

  • 「ハイプ(過度な期待)の終焉」: 市場では「全固体電池はいつも数年先の技術だ」という「ハイプ疲れ」27 が観測され始めています。サムスン 19QS 25 が掲げるロードマップが遅延した場合、投資家の失望を招き、スタートアップの資金調達が困難になるリスクがあります。
  • 既存技術の進化(最大の競合): ASSBの最大の競合は、他のASSBではなく、「改良型LIB(液体)」です。LFP(リン酸鉄リチウム)電池の低コスト化・高性能化や、開発が進むナトリウムイオン電池など、安価で「十分な」性能を持つLIBが進化を続けています。もしASSBが劇的なコストダウンを実現できない場合、その用途は「高価格・高性能」が求められる一部の高級車や航空宇宙 14 に留まり、大衆車市場への普及が遅れるシナリオ 27 も十分に考えられます。

 

競合が手薄な「空白地帯」(応用先、技術領域)

 

  1. ミッドレンジ市場(中容量・安全重視): 市場の関心は「EV(大容量)」と「ウェアラブル(超小型)」に二極化しています。しかし、「電動バイク(Ducati 13 はその第一歩)」「産業用ロボットのアーム」「配送ドローン」「小規模な家庭用・ポータブル蓄電池」といったミッドレンジ市場は、航続距離よりも「安全性(不燃)」7 と「信頼性」が重視されます。ここは、グループ4の技術(11)をスケールアップする、あるいはグループ13の技術をデチューンして投入する好機が存在します。
  2. 製造・検査装置: 真の勝者は、電池セルメーカーではなく、「GWh規模のASSB量産・検査装置」を世界で初めて開発・標準化した企業(例:日本の製造装置メーカー)になる可能性があります。これは「ゴールドラッシュにおけるツルハシ売り」のビジネスモデルです。
  3. リサイクル技術: ASSB(特に酸化物系や硫化物系)の効率的なリサイクルプロセスは未確立です。リチウムやその他のレアメタルを安全かつ低コストで回収する技術を先行して開発・特許化することは、将来の巨大なビジネス機会となります。

 

【総括】分析結果の客観的サマリー

 

(本章では、第1章から第7章までの分析で明らかになった「客観的な事実」のみを再整理し、主観的な提言や未来予測を排除する)

  • 市場の定義: 全固体電池(ASSB)市場は、「(1) EV(電気自動車)向け」9 と「(2) 小容量・特定用途(ウェアラブル、医療機器等)」32つの異なるセグメントで構成されます。市場予測のCAGR36%57%と高いものの 12025年時点の市場規模予測値の幅は、これらセグメントの定義の違いに起因します。
  • 技術的利点: ASSBは、電解質を液体から固体に置換することで、安全性(不燃性、液漏れ防止)を大幅に高め 7、高エネルギー密度化を可能にする技術です 2
  • 戦略グループの分類: 主要プレイヤーは、そのビジネスモデルとターゲット市場に基づき、4つの戦略グループ(「垂直統合型EVメーカー」「総合電池メーカー(既存巨人)」「素材・電解質サプライヤー」「小容量・特定用途スペシャリスト」)に分類可能です。
  • 主要な応用先: 小容量セグメントはTDK 12 やマクセル 11 によって既に商用化が進んでいます。EVセグメントは開発段階であり、サムスンSDI2027年の量産開始ロードマップを公表 19 し、QuantumScape2025年にB1サンプルを出荷 25 しています。
  • 特許戦略と事業戦略の比較:
    • トヨタ自動車は、特許出願数(技術蓄積)で世界を圧倒 15 していますが、公表されている事業戦略(EV量産)との間には時間的なギャップが観測されます。
    • QuantumScape 13Solid Power 22 は、特許戦略とIRで公表する事業戦略(B2Bパートナーシップ、電解質供給)との間に高い整合性が見られます。
    • サムスンSDIは、自社開発 19 と外部提携(Solid Power17 を組み合わせるヘッジ戦略を採っています。
  • 主要な課題: 市場全体の最大のボトルネックは、研究開発フェーズからGWh規模の「量産技術の確立」7 へと、低コストかつ安定的に移行できるかどうかにあります。また、既存の改良型LIBLFP電池とのコスト競争力 27 も課題です。

引用文献

  1. 全固体電池の世界市場:電池タイプ別、容量別、用途別 - 予測(~2031年), 11 11, 2025にアクセス、 https://www.gii.co.jp/report/mama1781110-solid-state-battery-market-by-battery-type-primary.html
  2. 固体電池市場の規模、需要、動向予測(2033年まで) - Straits Research, 11 11, 2025にアクセス、 https://straitsresearch.com/jp/report/solid-state-battery-market
  3. Solid State Battery Market Size, Share | Industry Report 2030, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.grandviewresearch.com/industry-analysis/solid-state-battery-market
  4. Solid-State Battery Market Size, Share, Growth | Forecast [2032] - Fortune Business Insights, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.fortunebusinessinsights.com/solid-state-battery-market-110342
  5. Solid State Battery Market Size & Share | Growth Trends 2035 - Research Nester, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.researchnester.com/reports/solid-state-car-battery-market/4984
  6. Solid State Battery Market Size & Insights Report, 2035 - Roots Analysis, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.rootsanalysis.com/solid-state-battery-market
  7. 全固体電池の種類やメリットと課題、利用用途を解説!実用化はいつ? - スマートエネルギーWeek, 11 11, 2025にアクセス、 https://www.wsew.jp/hub/ja-jp/blog/article_29.html
  8. 【期間限定アーカイブ】全固体電池 実用化ロードマップ2025 技術課題と日本の勝ち筋, 11 11, 2025にアクセス、 https://aconnect.stockmark.co.jp/seminar/FUTURE-TECH-2025-session4/
  9. EV Solid-state Battery Market Size, Trends & Forecast Report, 2030 - Mordor Intelligence, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.mordorintelligence.com/industry-reports/ev-solid-state-battery-market
  10. Solid-State Battery Market worth $1.77 Billion by 2031, at a CAGR of 37.5% - Barchart.com, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.barchart.com/story/news/36033376/solid-state-battery-market-worth-1-77-billion-by-2031-at-a-cagr-of-37-5
  11. マクセル、全固体電池を医療・ウエアラブルに提案 : 化学工業日報 電子版, 11 11, 2025にアクセス、 https://chemicaldaily.com/archives/597909
  12. 次世代電池開発への挑戦「CeraCharge™ | TDK株式会社, 11 11, 2025にアクセス、 https://www.tdk.com/ja/tdknext/solution/cera_charge/index.html
  13. Q3 FISCAL 2025, 11月 11, 2025にアクセス、 https://s29.q4cdn.com/884415011/files/doc_financials/2025/q3/QS-SHL-Q3-2025.pdf
  14. Intralinkは全個体電池ベンチャーSOLID POWER社による2000万ドルのシリーズAの資金調達を支援, 11 11, 2025にアクセス、 https://www.intralinkgroup.com/ja/insight/news/ja-jp/insight/news/september-2018/intralink-solid-power
  15. WIPO Technology Trends Technical Annex: The Future of Transportation on Land - Emerging technology in detail: solid state batteries, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.wipo.int/web-publications/wipo-technology-trends-technical-annex-the-future-of-transportation-on-land/en/emerging-technology-in-detail-solid-state-batteries.html
  16. Solid-State Battery Patent Trends in Q1 2025 - KnowMade, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.knowmade.com/technology-news/press-release/solid-state-battery-patent-trends-in-q1-2025/
  17. Investor Relations - Solid Power Inc., 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.solidpowerbattery.com/investor-relations/investor-overview/default.aspx
  18. Solid-State Battery Patent Trends Q2 2025, 11月 11, 2025にアクセス、 https://batterytechassociation.org/solid-state-battery-patent-trends-q2-2025/
  19. サムスンSDI、全固体電池を2027年に量産開始 日本勢に先駆けて市場投入, 11 11, 2025にアクセス、 https://www.netdenjd.com/articles/-/298879
  20. 出光興産の全固体電池戦略 ~強みを生かした新規事業創出の戦略を特許から分析, 11 11, 2025にアクセス、 https://www.techno-producer.com/column/idemitsu-all-solid-battery/
  21. 固体電解質(全固体電池材料)の量産技術開発が、「蓄電池に係る供給確保計画」として経済産業省より認定 | 出光興産株式会社のプレスリリース, 11 11, 2025にアクセス、 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000576.000023740.html
  22. Solid Power Reports Second Quarter 2025 Results, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.solidpowerbattery.com/investor-relations/investor-news/news-details/2025/Solid-Power-Reports-Second-Quarter-2025-Results/default.aspx
  23. 酸化物系固体電解質材料を用いた電極で全固体電池の室温作動に成功 - 産総研, 11 11, 2025にアクセス、 https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2021/pr20211120/pr20211120.html
  24. 全固体電池 メーカー9社 注目ランキング【2025年】 - Metoree, 11 11, 2025にアクセス、 https://metoree.com/categories/8284/
  25. Earnings call transcript: QuantumScape's Q3 2025 results show mixed signals - Investing.com, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.investing.com/news/transcripts/earnings-call-transcript-quantumscapes-q3-2025-results-show-mixed-signals-93CH-4321368
  26. QuantumScape - Investor Relations, 11月 11, 2025にアクセス、 https://ir.quantumscape.com/home/default.aspx
  27. The solid-state batteries hype is fading – prompting auto giants to consider alternatives, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.reddit.com/r/electricvehicles/comments/1g5aw4w/the_solidstate_batteries_hype_is_fading_prompting/

 

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