3行まとめ
半導体・ヘルスケア領域での圧倒的な収益性
機能性材料事業の事業利益率は50%を超過しており、特に半導体絶縁材「ABF」はハイエンド市場で事実上の標準として高収益モデルを確立しています。
「3-in-1」体制による強力な知財ポートフォリオ
事業・R&D・知財が開発初期から連携する戦略により、特許の約68%を海外で保有し、非食品領域への権利化シフトと他社参入障壁の構築に成功しています。
成長領域への集中投資と2030年の展望
2024年度のR&D投資は309億円に達し、その36%以上をヘルスケア等に配分。遺伝子治療薬製造(CDMO)等の拡大により、2030年には非食品事業での利益創出比率50%を目指します。
エグゼクティブサマリ
1. 知財・技術戦略が財務(売上・利益率)に与えているインパクト
味の素株式会社(以下、味の素)の企業価値構造は、伝統的な食品メーカーの枠組みを超越し、高度な技術集約型企業へと変貌を遂げている。特筆すべきは、同社が「ヘルスケア等(Healthcare and Others)」セグメント、とりわけその内訳である「機能性材料(Functional Materials)」事業において実現している圧倒的な収益性である。2024年度(2025年3月期)の第1四半期および中間決算のデータに基づくと、全社売上収益におけるヘルスケア等セグメントの比率は依然として食品セグメントに及ばないものの、事業利益(Business Profit)への貢献度は極めて高い。特に、半導体パッケージ基板向け層間絶縁材料である「味の素ビルドアップフィルム®(ABF)」は、生成AI(Artificial Intelligence)市場の爆発的な拡大とハイエンドPCサーバー需要の回復を背景に、数量・単価の両面で業績を牽引している。2024年度第1四半期において、機能性材料事業の事業利益率は50%を超過しており、これは食品業界の平均的な利益率(数%〜10%程度)とは次元の異なる「半導体・ハイテク素材ビジネス」としての収益構造を確立していることを証明している 1。この高収益性は、単なる製品の販売結果ではなく、1970年代から続くアミノ酸樹脂の研究開発と、それに基づく強固な特許ポートフォリオ、そして顧客(CPU/GPUメーカー)のロードマップに深く入り込む「スペックイン」戦略が結実した結果であり、知財戦略が「高マージン・ビジネスモデル」の維持に直結している事例である。
2. 注力している技術領域の進捗
味の素は、創業以来のコア技術である「AminoScience(アミノ酸科学)」を共通言語とし、2030年に向けた4つの成長領域(ヘルスケア、フード&ウェルネス、ICT、グリーン)へのリソース集中を加速させている 5。
ICT領域では、半導体パッケージの微細化と高速化に対応するため、ABFの次世代製品開発が急ピッチで進んでいる。具体的には、信号伝送ロスを最小化するための「低誘電正接(Low Df)」技術と、熱による反りを抑制する「低熱膨張係数(Low CTE)」技術を両立させた「GLシリーズ」や「GZシリーズ」の市場投入が進んでおり、配線幅2µm/2µmレベルの微細加工に対応する絶縁樹脂としての地位を固めている 7。
ヘルスケア領域では、CDMO(医薬品受託製造開発)事業が成長エンジンとして位置づけられている。特筆すべき進捗は、2023年に完了した米国Forge Biologics社の買収(約6.2億ドル:企業価値ベース)である。これにより、味の素は従来の低分子・中分子(オリゴ核酸・ペプチド)に加え、遺伝子治療薬(特にAAV:アデノ随伴ウイルス)およびプラスミドDNAの製造能力を一挙に獲得し、モダリティ(治療手段)の全方位的なカバーを達成した 10。
フード&ウェルネス領域では、「おいしさ」の数値化・客観化技術や、酵素製剤による食感改良技術など、特許によって保護された独自素材を用いたソリューションビジネスへの転換が進んでいる 5。
3. 特許ポートフォリオの規模と質的変化
味の素グループの特許保有件数は世界で約4,118件(日本国内約1,200件、海外約2,800件)に達しており、海外保有比率が約68%と高いことがグローバル展開の裏付けとなっている 12。ポートフォリオの質的変化として、事業モデル変革(BMX:Business Model Transformation)に連動した「非食品領域」へのシフトが顕著である。過去10年間の出願傾向を分析すると、従来の調味料・食品加工技術(IPC分類 A23L等)に加え、近年ではヘルスケア(バイオ医薬製造プロセス、細胞培養培地)および電子材料(H05K、C08G等)に関連する特許比率が上昇している 14。特許分析機関の評価においても、味の素は「食品業界において他社の特許取得を阻止する能力(他社牽制力)」で国内トップランクの評価を得ており、既存事業の防衛と並行して、新規領域での参入障壁構築を戦略的に進めている 13。また、ICT領域などの変化の激しい市場においては、開発初期段階から知財部門がプロジェクトに参画する「3-in-1(事業・R&D・知財)」体制を敷き、技術流出リスクと権利化のバランスを緻密に管理している 17。
4. 競合他社に対する技術的優位性または課題
電子材料分野において、ABFはハイエンドCPU/GPU向け層間絶縁フィルム市場でほぼ100%に近いシェアを維持しており、事実上のデファクトスタンダード(業界標準)である 7。競合である積水化学工業(ビルドアップフィルム)や太陽インキ製造(ドライフィルム)が存在し、一部のデータセンター用途などでシェア拡大を図っているものの、AIチップ等の最先端ロジック半導体に求められる「高信頼性・超低誘電・極微細配線対応」の総合力において、味の素は依然として高い参入障壁を築いている 19。
CDMO分野においては、世界の巨人(Lonza, Samsung Biologics等)と比較して規模は及ばないものの、独自の「技術差別化」によりニッチトップの地位を確立している。具体的には、液相合成法によるオリゴ核酸の大量合成技術「AJIPHASE®」や、難発現タンパク質の分泌生産システム「CORYNEX®」、位置特異的抗体修飾技術「AJICAP®」など、他社が容易に模倣できないプロセス技術(Process IP)を武器に、高付加価値な案件を獲得している 21。
課題としては、ABFへの収益依存度が高いICT領域において、将来的な技術パラダイムシフト(ガラス基板の採用等)への対応や、サプライチェーン上の地政学的リスク(主要顧客が台湾・米国に集中)への備えが挙げられる 23。
5. 今後のR&D投資計画と長期ロードマップ
味の素は「ASV指標(Ajinomoto Group Shared Value)」に基づく2030ロードマップを掲げ、2030年までにROIC(投下資本利益率)約17%、ROE(自己資本利益率)約20%の達成を目指している 6。R&D投資に関しては、2024年度(2025年3月期)の計画値として約309億円(全社計)を計上しており、前年度の287億円から約7.7%増額させている 24。この投資配分は、従来の「構造改革」フェーズから明確に「成長」フェーズへとシフトしており、特に「ヘルスケア等」セグメントへのR&D配分(2024年度計画:112億円)は、全社R&D費の36%以上を占め、売上構成比以上の重み付けがなされている 24。長期的には、2030年までに食品事業とAminoScience事業の利益比率を1:1にすることを目指し、グリーン領域(バイオサイクル、GHG削減技術)やICT領域への継続的な設備投資・技術開発投資を行う計画である。経営陣は、単なる規模の拡大ではなく、「無形資産(技術・知財・人財)」への投資こそが将来キャッシュフローの源泉であると定義し、積極的な投資姿勢を崩していない 6。
戦略的背景とIR資料のアーカイブ
R&D投資の推移(Quantitative Log)
味の素の過去5年間(および直近予測)の研究開発費(R&D Expenses)の推移は以下の通りである。IFRS(国際財務報告基準)適用に基づき、これらの費用は事業利益(Business Profit)の算出において控除される項目として管理されている。このデータは、同社がどのフェーズで「守り(構造改革)」から「攻め(成長投資)」へ転じたかを明確に示している。
表1:味の素グループ R&D投資額および対売上高比率の推移
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会計年度 (Fiscal Year)
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売上収益 (Sales, 百万円)
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R&D費用 (R&D Expenses, 百万円)
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対売上高比率 (R&D Ratio)
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主要な戦略的注力領域と経営コンテキスト
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引用ソース
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FY2019
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1,100,039
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26,000 (概算)
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約 2.4%
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アセットライト化と構造改革の断行。非中核事業の整理。
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26
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FY2020
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1,071,453
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25,800 (概算)
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約 2.4%
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コロナ禍でのデジタル変革(DX)着手。食と健康への回帰。
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26
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FY2021
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1,149,370
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27,000 (概算)
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約 2.3%
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アミノ酸技術のヘルスケア応用加速。ABF増産投資の意思決定。
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26
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FY2022
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1,359,115
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27,900 (概算)
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約 2.1%
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4つの成長領域(Healthcare, Food&Wellness, ICT, Green)の定義。
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26
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FY2023
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1,439,231
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28,700
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2.0%
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Forge Biologics買収による遺伝子治療領域への大型投資。
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24
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FY2024 (Plan)
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1,518,000 (予)
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30,900
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2.0%
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生成AI向けABF、オリゴ核酸・遺伝子治療の統合推進。過去最高水準。
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24
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FY2025 (Forecast)
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未確定
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-
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-
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2030ロードマップに基づく成長投資の継続。
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24
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注:表中の数値は、各年度の決算短信、有価証券報告書、および統合報告書(ASV Report)から抽出・統合したものである。FY2019-2022の数値は、一部セグメント情報の合算による推計を含む。
詳細解説:
2024年度(2025年3月期)の研究開発費は309億円と計画されており、前年度比で約7.7%の増額となっている 24。この増額の背景には、明確な戦略的意図が存在する。セグメント別に見ると、「ヘルスケア等(Healthcare and Others)」への配分が112億円(前年比+11億円)と最も大きく、全社R&D費の36%以上を占めるに至っている。これに対し、基盤事業である「調味料・食品(Seasonings and Foods)」は80億円、「冷凍食品(Frozen Foods)」は18億円となっており、売上規模に対してヘルスケア・電子材料領域への「技術投資密度(R&D Intensity)」が極めて高い構造が浮き彫りになる 24。
統合報告書(ASV Report 2024)において、経営陣は「R&Dとビジネス、知財の一体化」を強調しており、単なる基礎研究費の投下ではなく、出口戦略(知財保護と事業化)を見据えた投資配分が行われていることが読み取れる 17。また、これらのR&D投資に加え、Forge Biologics買収のようなM&A(インオーガニック成長)への巨額投資も並行して行われており、技術獲得に対する経営の「本気度」が財務数値に表れている。
経営陣の技術コミットメント
過去3年間のCEOおよび経営幹部の発言から、技術と知財に関するコミットメントを以下にアーカイブする。これらは単なるスローガンではなく、具体的な経営資源の配分方針を示唆している。
Shigeo Nakamura (Representative Executive Officer & President) - ASV Report 2025
"I devoted myself to research and development despite ABF not being a core business, driven by a 'pride-based sense of urgency.'... The proximity of Ajinomoto Co.’s Research Institute for Bioscience Products & Fine Chemicals (R&D) and Ajinomoto Fine-Techno Co. (manufacturing) enables 'high-speed development' covering R&D, prototyping, manufacturing, and quality assurance."
(ABFがコアビジネスでなかったにもかかわらず、「誇りに基づく危機感」に駆られて研究開発に没頭した。...研究所(バイオ・ファイン研究所)と製造部門(味の素ファインテクノ)の物理的・心理的近接性が、R&Dから試作、製造、品質保証までをカバーする「高速開発」を可能にしている。)
17
分析: 現社長の中村氏自身がABF開発の当事者であったことは、味の素の技術経営において極めて重要な意味を持つ。同氏の経験に基づく「高速開発システム」は、今後の新規事業開発のロールモデルとして全社展開される方針である。
Taro Fujie (Former CEO / Representative Executive Officer) - 2030 Roadmap Presentation
"We aim to achieve a highly profitable, unique, and robust structure by shifting to growth in the four outcome-driven growth areas through evolution of core businesses and business model transformation (BMX)."
(我々は、コアビジネスの進化とビジネスモデル変革(BMX)を通じて、4つの成果重視型成長領域(ヘルスケア、フード&ウェルネス、ICT、グリーン)での成長にシフトすることで、高収益でユニークかつ強固な構造の実現を目指す。)
25
Integrated Report Context - IP Strategy
"The biggest feature of the 3-in-1 IP strategy is that the IP department is involved from the early stages of development. Traditionally, when a new technology was developed, we considered how to utilize it as IP, but this style was no longer able to keep up with the speed of development in growth areas such as ICT area."
(3-in-1知財戦略の最大の特徴は、開発の初期段階から知財部門が関与することである。従来は、新技術が開発された後に知財活用を検討していたが、このスタイルではICT領域などの成長領域における開発スピードに追いつけなくなっていた。)
17
知的財産・技術ポートフォリオの全貌
本章では、味の素の競争力の源泉である「技術と知財」を、ビジネスへの貢献度という観点から詳細にカタログ化する。
(1) 重点技術領域のカタログ
味の素は「AminoScience」を共通基盤とし、以下の重点領域において具体的な技術開発と製品実装を進めている。
A. ICT領域:半導体パッケージング材料(ABF)
ABF(Ajinomoto Build-up Film)は、味の素の技術経営の成功を象徴する製品である。アミノ酸研究から派生した樹脂化学の知見が、世界の半導体産業のボトルネックを解消する鍵となっている。
- 技術定義と起源:
高性能CPU/GPUの多層配線基板において、回路層間を絶縁するために使用される熱硬化性フィルム。1970年代に開始されたアミノ酸のエポキシ樹脂への応用研究を起源とし、1990年代後半に、従来の「液状インク」による絶縁方式が抱えていた平坦性の課題や乾燥工程の複雑さを解決する「フィルム状絶縁材」として開発された 9。
- 製品実装状況とシリーズ展開:
- GXシリーズ: ABFのスタンダードモデル。長年にわたりPC向けCPUの標準材料として採用されてきた実績を持つ 7。
- GLシリーズ: 次世代のハイエンド・ロジック半導体(AIサーバー、HPC向け)に特化したフラッグシップモデル。信号の伝送損失を極限まで低減するための「低誘電正接(Low Df)」特性と、微細配線の信頼性を担保する「低表面粗さ」を両立している 7。
- GZシリーズ: 高いガラス転移点(High Tg)と低熱膨張係数(Low CTE)を特長とし、発熱量の大きい高性能チップの実装時における基板の反り(Warpage)を抑制する 7。
- 技術的詳細と開発プロジェクト:
- 表皮効果(Skin Effect)への対応: 高周波信号は導体の表面を流れる性質(表皮効果)があるため、絶縁層と銅配線の界面が粗いと伝送距離が長くなり損失が増大する。味の素は、アンカー効果による密着性を維持しつつ、界面の粗さをナノレベルで制御する技術を開発し、GLシリーズにおいてDf値0044以下(5.8GHz帯)という極低損失を実現している 9。
- 微細配線化(Fine Line Formation): 半導体の高集積化に伴い、配線幅と間隔(L/S)は縮小の一途をたどっている。最新のABFは、L/S = 2µm/2µm以下の超微細配線形成を可能にする絶縁信頼性と加工性を備えており、これを実現するためにフィラー(充填剤)のナノサイズ化と分散技術が高度化されている 8。
- ビジネス貢献:
パソコン、サーバー、AIプロセッサ(GPU/NPU)の主要メーカー(Intel, AMD, NVIDIA等)の製品において、パッケージ基板の絶縁材としてほぼ独占的に採用されている。市場シェアは95%超とも推計され、「Intel Inside」ならぬ「Ajinomoto Inside」の状態を確立している。AI需要の急増に伴い、この技術は味の素にとって「高収益かつ持続的な」キャッシュカウとなっている 18。
B. ヘルスケア領域:バイオ医薬品CDMO
ヘルスケア領域において、味の素は「創薬(Drug Discovery)」そのものではなく、「製造(Manufacturing)」の革新に注力している。これは、新薬開発の成功確率という不確実性を回避し、確実な需要を取り込む「Service as IP」モデルである。
- 技術定義:
低分子医薬から、中分子(オリゴ核酸・ペプチド)、高分子(タンパク質・抗体)、さらには遺伝子治療(AAV・プラスミド)に至るまで、幅広いモダリティに対応する製造プロセス技術。
- 製品実装・技術資産:
- AJIPHASE®(アジフェーズ):
独自の中分子(オリゴ核酸・ペプチド)製造技術。従来の「固相合成法」は精製が容易だがスケールアップが高コストであり、「液相合成法」は大量生産に向くが精製が困難という課題があった。AJIPHASE®は、アンカー(可溶性高分子担体)を用いることで、液相での反応効率と固相のような容易な分離精製を両立させた「ハイブリッド法」である。これにより、キログラム単位からトン単位へのシームレスなスケールアップが可能となり、コスト競争力を劇的に高めている 21。
- CORYNEX®(コリネックス):
コリネ菌(Corynebacterium glutamicum)を用いたタンパク質発現システム。大腸菌などの従来システムでは、タンパク質が不溶性の封入体(Inclusion Body)として発現することが多く、活性化のための「巻き戻し(Refolding)」工程が必要であった。CORYNEX®は、活性型タンパク質を培養液中に直接分泌生産(Secretion)できるため、精製プロセスが簡素化され、コスト削減と期間短縮を実現する。特に抗体フラグメントや難発現タンパク質の製造に強みを持つ 22。
- AJICAP®(アジキャップ):
次世代抗体薬物複合体(ADC)向けの部位特異的結合技術。抗体の特定のアミノ酸残基に薬物(ペイロード)を結合させることで、薬物抗体比(DAR)を均一に制御し、治療効果の向上と副作用の低減を実現する。この技術はライセンス供与(Astellas Pharma等)および受託製造の両面で展開されている 30。
- AAV製造(Forge Biologics):
2023年に買収したForge Biologics社は、米国オハイオ州に世界最大級のcGMP製造施設(Hearth)を有しており、最大5,000L規模のバイオリアクターでの培養が可能である。特にアデノ随伴ウイルス(AAV)の高純度・高収率製造技術を有しており、遺伝子治療薬開発のボトルネックとなっている「製造キャパシティと品質」の課題を解決する 10。
- ビジネス貢献:
製薬企業からの受託製造(Service)により、創薬リスクを負わずに医薬品市場の成長を取り込むモデル。特にAJIPHASE®とForgeのAAV製造は、製造難易度が高いモダリティにおける「技術的ボトルネックの解消」を価値として提供しており、顧客をロックインする強力なツールとなっている。
C. グリーン領域:バイオサイクルと持続可能原料
- 技術定義:
アミノ酸発酵生産時に発生する副産物(コプロドクト)を肥料として農地に還元する循環型システム、およびGHG排出削減技術。
- 技術実装のメカニズム(Bio-cycle):
味の素の発酵工場(タイ、ブラジル等)では、サトウキビやキャッサバ等の農作物から糖を取り出し、発酵槽で微生物にアミノ酸(グルタミン酸等)を生産させる。この過程で残る発酵母液(栄養素を豊富に含む)を、廃棄するのではなく、「コプロドクト(Co-product)」として有機肥料や飼料に加工し、現地の農家に還元する。これにより、化学肥料の使用量を削減し、サトウキビ畑の生産性を維持・向上させる循環システムが構築されている。同社はコプロドクトのほぼ100%(約160万トン/年)を資源として活用しており、これを「バイオサイクル」と定義している 32。
- 開発プロジェクト:
Logomix社との共同研究による「カーボンニュートラルなアミノ酸生産菌株」のゲノム編集開発や、オンサイトでのアンモニア生産技術の導入検討など、スコープ1, 2の排出削減に向けた技術開発が進行中である 34。
(2) 特許・商標データ分析
味の素グループの知財ポートフォリオは、事業のグローバル化と高付加価値化を反映している。
表2:味の素グループ 特許・商標保有状況(2024年3月末時点)
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カテゴリ
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保有件数 (Global)
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内訳・特徴
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戦略的意図
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引用ソース
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特許 (Patents)
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4,118件
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日本国内: 約1,200件
海外: 約2,800件
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海外比率が高く(約68%)、グローバル展開地域での権利網を重視。
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12
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商標 (Trademarks)
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5,412件
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ブランド保護(AJI-NO-MOTO®, AminoVital®, Cook Do®等)の徹底。
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12
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特許ポートフォリオの質的変化とIPC分類:
過去10年間の推移を見ると、特許保有件数は3,700件台から4,000件台へと微増しているが、その内訳(セグメント構成)が大きく変化している。
- ヘルスケア・電子材料(Healthcare and Others): このセグメントの特許保有比率は、2012年の約10%未満から、2022年には約15%以上へと拡大している 14。これは、ABFやCDMO関連技術へのR&Dシフトと連動している。
- 食品(Food Products): 依然としてポートフォリオの過半数を占めるが、「おいしさ(Deliciousness)」や「酵素利用(Enzymes)」に関する特許群は、他社の参入を阻む強力な障壁として機能している。特許分析会社Patent Resultの調査によれば、味の素は「食品業界における他社牽制力ランキング」で1位を獲得しており、競合他社の特許成立を阻む引用数が多い 16。
- IPC/CPC分類の傾向: 主要な分類としては、A23L(食品)、C12P(発酵・酵素による化学的合成)、H05K(プリント回路)、C08G(高分子化合物)などが観測される 15。特にH05K(プリント配線板)および関連するC08L(樹脂組成物)は、ABF関連の特許群であり、電子材料事業の独占的地位を支える法的基盤となっている。また、ヘルスケア領域では、A61K(医薬品製剤)やC12N(微生物・遺伝子工学)への出願が増加しており、技術領域の多様化を示している。
(3) サービスビジネスとの連動
味の素の知財戦略は、単なる「モノ売り(Product Sales)」から「コト売り(Service/Solution)」への転換を支えている。
- CDMOビジネス(Bio-Pharma Services):
このビジネスモデルの本質は、「製造技術(Process IP)」のサービス化である。製薬企業は、自社でAJIPHASE®やCORYNEX®といった高度な製造ノウハウを持たずとも、味の素に委託することで、高純度・低コストな原薬・中間体を入手できる。ここで知財(特許化された製造法やノウハウ)は、製品そのものではなく「サービスを提供するための排他的なツール」として機能している。顧客は「味の素の特許技術を使わなければ達成できない品質・コスト」に対価を支払っていることになる 21。
- 電子材料(ABF)のソリューション化:
ABFは物理的なフィルム製品であるが、顧客(Intel, AMD, NVIDIA等のチップメーカーおよびUnimicron, Ibiden等の基板メーカー)に対しては、次世代チップの設計段階から入り込み、必要なスペック(誘電率、熱膨張率)を満たす材料を共同開発に近い形で提供する。ここでの知財は、顧客のロードマップ実現に不可欠な「イネーブラー(Enabler)」として機能しており、単なる素材供給を超えた深いロックイン(顧客の囲い込み)を実現している 8。
オープンイノベーションとエコシステム
提携・M&Aリスト
味の素は、「自前主義」からの脱却と「Speed up × Scale up」を掲げ、積極的なM&Aおよび提携を行っている。
表3:主要な技術獲得型M&Aおよびパートナーシップ(過去5年)
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年月
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対象企業/パートナー
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形態
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戦略的狙い・獲得技術
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引用ソース
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2023.11
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Forge Biologics (米国)
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買収 (M&A)
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金額: 5.54億ドル (Equity Value) / 6.2億ドル (Enterprise Value)
獲得技術: AAV(アデノ随伴ウイルス)およびプラスミドDNAのcGMP製造能力、最大規模のバイオリアクター設備。
狙い: 遺伝子治療CDMO市場への本格参入と、既存の低・中分子CDMOとのシナジー創出。
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10
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2023
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Logomix (日本)
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共同研究
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獲得技術: 大規模ゲノム構築プラットフォーム「Geno-Writing™」。
狙い: アミノ酸生産菌株の改良による、カーボンニュートラルな次世代発酵プロセスの開発。
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34
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2016
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GeneDesign (日本)
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買収 (M&A)
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獲得技術: 核酸医薬の固相合成技術および国内製造拠点。
狙い: AJIPHASE®(液相)とGeneDesign(固相)の補完によるオリゴ核酸CDMO体制の確立。
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31
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2024.10
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Astellas Pharma (日本)
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ライセンス契約
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技術供与: バイオ医薬品開発・製造技術に関するライセンス。
狙い: 自社技術(おそらくAJICAPやCORYNEX等)のプラットフォーム価値最大化。
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30
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2025.06
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Somite Therapeutics (米国)
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投資
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技術: AIを活用したiPS細胞分化最適化プラットフォーム。
狙い: 再生医療分野における細胞培養培地ビジネスの強化とAI創薬へのアクセス。
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39
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2025.08
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v2food (豪州)
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投資
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技術: 次世代サステナブルフード(代替肉等)。
狙い: グリーン・フード領域でのポートフォリオ拡充。
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39
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政府・公的機関との連携
- GHG排出削減とバイオサイクル: アミノ酸生産におけるバイオサイクル(副産物の肥料化)は、各国の農業政策や環境規制と整合しており、持続可能な農業システムとして地域社会および公的機関との連携が進められている。具体的な補助金活用等の詳細は本リサーチ範囲内では特定されていないが(Not Disclosed)、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)への加盟など、国際的なルールメイキングへの関与を強めている 40。
リスク管理とガバナンス(IP Governance)
係争・審査のファクト記録
味の素は、自社の知的財産権(特に基幹技術)に対して毅然とした対応を取る方針を明文化している。
Policy Statement:
"We will take strict measures, including warnings and lawsuits, in the event that our intellectual property... is infringed by a third party, such as infringement of patent rights or counterfeit."
(当社の知的財産権...が第三者によって侵害された場合、特許権侵害や模倣品などに対し、警告や訴訟を含む厳正な措置を講じる。)
41
具体的な係争事例(2024-2025):
- MSG製造プロセスに関する訴訟:
2025年10月14日、味の素は中国および日本において、モノナトリウムグルタミン酸(MSG)製品の製造プロセスに関する特許侵害訴訟を提起したと発表した 42。
- 主張: 特定の競合他社が、味の素が保有するMSG製造技術(おそらく発酵または精製に関する高度なプロセス特許)を無断で使用しているとの主張。
- 現状: 提訴段階であり、判決(Conclusion)はまだ出ていない。このアクションは、コモディティ化しがちな食品原料市場において、技術的差別化要因を法的に保護する強い意思表示である。
守りの戦略(ガバナンス体制)
- サイバーセキュリティと営業秘密保護:
味の素にとって、ABFの組成ノウハウやAJIPHASE®の触媒・反応条件は、特許公開できない(または公開すべきでない)極めて高度な「営業秘密(Trade Secrets)」である。
- 体制: 全事業所において年次の情報セキュリティ検査を実施し、IT機器管理、機密情報、個人情報の取り扱いを監査している。また、外部クラウドサービスの利用状況も年次でチェックしている 43。
- AGP(Ajinomoto Group Policies): グループ共通規定において、知的財産および営業秘密の保護を義務付けており、特に「インサイダー取引防止」や「データプライバシー」と並んで、知財保護がコンプライアンスの柱となっている 44。
- 3-in-1 知財戦略:
ICT領域などで採用されている、事業・R&D・知財の3部門が開発初期から一体となる体制は、どの技術を特許出願し、どの技術をブラックボックス化(秘匿)するかを戦略的に振り分ける「ガバナンス機能」としても作用している。ABF開発においては、この体制が開発スピードの加速と権利保護の両立に大きく貢献したとされている 17。
競合ベンチマーク(技術・財務比較)
味の素のユニークな点は、「食品企業」でありながら「電子材料」と「バイオ医薬」の顔を持つコングロマリット性にある。そのため、単一の競合他社との比較は困難であるが、主要事業ごとにベンチマークを行う。
表4:主要競合とのR&D・財務・技術戦略比較(2024年度ベース)
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指標
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味の素 (Ajinomoto)
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積水化学工業 (Sekisui Chemical)
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協和キリン (Kyowa Kirin)
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主な競合領域
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全社 / 電子材料・ヘルスケア
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電子材料(ABF競合)
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バイオ医薬(CDMO/創薬)
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売上収益
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~1.5兆円
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~1.3兆円 (全社)
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~4,000億円 (医薬)
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R&D費用
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~309億円 (対売上 2.0%)
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非開示 (電子材料単体は不明だが全社では高い)
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1,000億円超 (対売上 20%超) 45
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R&D比率
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低い (食品事業が分母のため)
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中程度
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非常に高い (創薬型)
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電子材料戦略
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ABF (熱硬化性フィルム):
ハイエンドCPU/GPU向けで圧倒的シェア(95%超)。低誘電・低熱膨張に特化。
強み: デファクト標準、Intel等との深い開発関係。
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ビルドアップフィルム:
独自ポリマー(PVB等)を活用。シェア約17%。
強み: ラージサイズ基板や特定のデータセンター向けでシェア拡大中。幅広い材料ポートフォリオ。 19
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-
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バイオ戦略
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CDMO特化:
創薬リスクを取らず、製造受託(AJIPHASE, Corynex)で稼ぐ。
強み: 独自製造技術によるコスト・純度優位性。
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-
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創薬特化:
抗体医薬(Poteligeo, Crysvita)の自社創薬。
強み: 抗体技術、グローバル開発力。
課題: 巨額のR&D投資負担。 46
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財務指標 (OP)
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機能性材料の事業利益率 50%超 3
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高機能プラスチック部門は高収益だが味の素ほどではない
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コア営業利益率 ~19% 46
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詳細比較分析:
- 積水化学工業:
ABF市場において、積水化学は「事実上唯一の競合」と目されている 20。積水はポリビニルアセタール(PVB)樹脂などの独自技術を持ち、データセンター向けなどでシェアを伸ばしており、2026年以降には20-30%のシェア獲得を予測する声もある。しかし、味の素は「GX/GLシリーズ」による微細配線対応と信頼性において依然として優位にあり、特にAIチップ(NVIDIA等)が必要とする最高スペック帯では独占状態に近い。味の素の勝因は、アミノ酸化学をベースとしたエポキシ樹脂配合のノウハウ蓄積にある 9。
- 協和キリン:
同じ「発酵技術」をルーツに持つ企業だが、協和キリンは「創薬(Drug Discovery)」へ、味の素は「支援・製造(CDMO)」へ舵を切った点が対照的である。協和キリンはR&D比率が20%を超え、新薬開発の成否が業績を左右するハイリスク・ハイリターン型であるのに対し、味の素はR&D比率2%(ヘルスケア単体でも高いが全社では低い)で、製造プロセスの技術革新により安定的な収益(Recurring Revenueに近いモデル)を狙うローリスク・ミドルリターン型である。
公式ロードマップと未確認情報
2030ロードマップと技術目標
味の素が公式に発表している「ASV Initiatives 2030 Roadmap」および関連資料に基づく時系列目標は以下の通りである。
- 〜2025年度:
- 食品ロス削減: 2018年度比で50%削減を目指す 6。
- CDMO: Forge BiologicsのEBITDA黒字化(2025年度目標) 11。
- ABF: 生成AI需要を取り込み、電子材料事業の利益拡大を継続。
- 2030年度:
- 財務目標: ROE 約20%、ROIC 約17%、EPS(一株当たり利益)の現在の約3倍化 6。
- 事業ポートフォリオ: 食品事業とAminoScience事業(ヘルスケア・電子材料・グリーン)の事業利益比率を、2021年の「2:1」から「1:1」へと変革する 6。
- 環境目標: Scope 1, 2のGHG排出量を50%削減、Scope 3を24%削減 6。
- 技術: 「AminoScience」を4つの成長領域(Healthcare, Food&Wellness, ICT, Green)に完全展開し、ICT領域では次世代通信(6G等)に対応する新規材料の実用化、ヘルスケアでは細胞治療・遺伝子治療のCDMOプラットフォーム完成を目指す。
未確認情報(Not Disclosed)
本調査(2025年11月24日時点のシミュレーション)において、以下の事項については公開情報(IR資料、特許DB)から具体的なファクトを確認できなかった。
- ABFの正確な生産能力(Capacity)と工場稼働率: "増産対応"や"稼働率向上"という定性的な記述はあるが、群馬工場(味の素ファインテクノ)の具体的な月産能力(平方メートル数)や、将来の正確なCapEx計画値は開示されていない(競争上の理由と推測される)。
- 次世代通信(6G)向け材料の具体的スペック: "低誘電損失"への言及はあるが、6G帯域(テラヘルツ波等)に対応する具体的な誘電正接(Df)のターゲット数値や、開発中の製品コード(GLシリーズの後継)に関する詳細は特許データベース上でも明確な特定が困難である。
- Forge Biologicsの統合後の詳細なPMI進捗: 2023年末の買収完了後の、具体的な顧客獲得数や、味の素本体との技術融合による新規プロジェクトの件数などの詳細KPIは、2024年度決算資料には記載が限定的である。
- グリーン領域の収益化タイムライン: バイオサイクルやアンモニア生産技術について、いつ、どの程度の収益貢献(PLインパクト)が見込めるかという具体的な数値目標はロードマップに含まれていない。
引用文献
- Appendix: Financial Report 2024, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.co.jp/company/en/ir/library/report/main/06/teaserItems1/0/linkList/0/link/Financial%20Report_2024.pdf
- Consolidated Results - Ajinomoto Co., Inc., 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.co.jp/company/en/ir/library/result/main/010/teaserItems1/0/linkList/06/link/FY24Q3_Tanshin_E.pdf
- Financial Results for Q1 of FY2024 (Ending March 31, 2025), 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.co.jp/company/en/ir/event/presentation/main/01111111/teaserItems1/01/linkList/00/link/FY24Q1_Presentation_E.pdf
- Ajinomoto Co., Inc. (2802), 11月 24, 2025にアクセス、 https://ajinomoto-ir.swcms.net/company/en/ir/event/presentation/main/01111119/teaserItems1/01/linkList/00/link/FY25Q1_Presentation_E.pdf
- Co-creating value in four growth areas with “AminoScience” - Ajinomoto Group, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/sustainability/pdf/2024/ar2024en_044-061.pdf
- What the Ajinomoto Group will be in 2030, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/aboutus/what-the-ajinomoto-group-will-be-in-2030
- Insulation film - Ajinomoto Build-up Film™ (ABF) - Ajinomoto Fine-Techno Co.,Inc., 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.aft-website.com/en/products/insulating_film-abf/
- Advanced Insulating Film for Next-Generation Smartphone Performance Requirements - ECTC, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ectc.net/files/69/ECTC2019%20Presentation%20material_Ajinomoto.pdf
- Ajinomoto Build-up Film (ABF) | Innovation Story, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/innovation/our_innovation/buildupfilm
- Ajinomoto Group Acquires Forge Biologics, a US-Based Gene ..., 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/cms_wp_ajnmt_global/wp-content/uploads/pdf/2023_11_13E.pdf
- Acquisition of the US Based Forge Biologics Holdings, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.co.jp/company/en/ir/event/business_briefing/main/01112/teaserItems1/01/linkList/0/link/Forge_Presentation_E.pdf
- Governance - Ajinomoto Group, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/sustainability/pdf/2024/SR2024en_governance.pdf
- Intellectual Property | Innovation | The Ajinomoto Group Global Website - Eat Well, Live Well., 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/innovation/intellectual_property
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- T 0584/22 (Nutritional composition /AJINOMOTO) 24-09-2024 | epo.org, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.epo.org/en/boards-of-appeal/decisions/t220584eu1
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- ABF (Ajinomoto Build-up Film) Market Size was Valued at USD 537.5 Million in 2024 and is Anticipated to Grow USD 845.4 Million by 2030 at a CAGR of 7.8% | Valuates Reports - PR Newswire, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.prnewswire.com/news-releases/abf-ajinomoto-build-up-film-market-size-was-valued-at-usd-537-5-million-in-2024-and-is-anticipated-to-grow-usd-845-4-million-by-2030-at-a-cagr-of-7-8--valuates-reports-302028428.html
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- Ajinomoto's 'secret ingredient' is now vital to chipmaking giants | Diamond Online, 11月 24, 2025にアクセス、 https://diamond.jp/articles/-/312437
- Growth Strategy for the Bio-Pharma Services Business, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.co.jp/company/en/ir/event/business_briefing/main/01113/teaserItems1/01/linkList/03/link/5_CDMO_E%20.pdf
- Corynex Protein Expression: Simplifying Recombinant Protein Production - Aji Bio-Pharma, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajibio-pharma.com/wp-content/uploads/2019/08/Aji-Bio-Pharma_-Corynex-Protein-Expression.pdf
- Beyond Bottlenecks: Can Glass Substrates Break the ABF Monopoly? | by elongated_musk, 11月 24, 2025にアクセス、 https://medium.com/@Elongated_musk/beyond-bottlenecks-can-glass-substrates-break-the-abf-monopoly-84d7b6a85217
- Ajinomoto Co., Inc. Consolidated Results for the First Quarter Ended June 30, 2025 (Page 1), 11月 24, 2025にアクセス、 https://ajinomoto-ir.swcms.net/company/en/ir/event/presentation/main/01111119/teaserItems1/01/linkList/01/link/FY24Q4_Results_E.pdf
- Ajinomoto Announces the Medium-Term ASV Initiatives 2030 Roadmap, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/cms_wp_ajnmt_global/wp-content/uploads/pdf/2023_02_28_01E.pdf
- Ten-Year Summary of Financial Data - Ajinomoto Group, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/sustainability/pdf/2024/ar2024en_118-127.pdf
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- Ajinomoto Bio-Pharma Services Platform Technologies, 11月 24, 2025にアクセス、 https://ajibio-pharma.ajinomoto.com/
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- Ajinomoto Co., Inc. to Acquire Forge Biologics for $620 Million1, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.forgebiologics.com/ajinomoto-co-inc-to-acquire-forge-biologics-for-620-million1/
- 2025 | Press Releases | The Ajinomoto Group Global Website - Eat Well, Live Well., 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/media/pressreleases/2025
- 2024 | Press Releases | The Ajinomoto Group Global Website - Eat Well, Live Well., 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/media/pressreleases/2024
- Group Shared Policy on Intellectual Property | Ajinomoto Group Policies | Sustainability, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/sustainability/agp/intellectual-property.php
- Press Releases | The Ajinomoto Group Global Website - Eat Well, Live Well., 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/media/pressreleases
- Cybersecurity & personal information management - Ajinomoto Group, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/cms_wp_ajnmt_global/wp-content/uploads/pdf/SDB2019_88-89.pdf
- Ajinomoto Group Policies (AGP) - Sustainability, 11月 24, 2025にアクセス、 https://www.ajinomoto.com/sustainability/agp/
- Results Presentation Fiscal 2024 - Kyowa Kirin, 11月 24, 2025にアクセス、 https://ir.kyowakirin.com/en/library/earnings/earnings0/main/0111115/teaserItems1/00/linkList/01/link/presentation_2024_q4_en_rev.pdf
- Integrated Report 2024 - Kyowa Kirin, 11月 24, 2025にアクセス、 https://ir.kyowakirin.com/en/library/annual/main/01/teaserItems1/0/linkList/0/link/Integrated%20report%202024_EN_rev.pdf
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