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ジョンソン・エンド・ジョンソンの知財戦略:技術経営戦略ファクトブック (2025年版)

3行まとめ

攻めのMedTech:ロボット手術「OTTAVA」とデジタル包囲網

手術台一体型ロボット『OTTAVA』とNVIDIA連携の『Polyphonic』エコシステム構築に向け、売上対比約20%という異例のR&D投資でIntuitive社の牙城に挑戦しています。

鉄壁の心血管ポートフォリオ構築と大型M&A

131億ドルでのShockwave買収とAbiomed統合により、血管内リソトリプシー(IVL)と心臓ポンプ技術を独占し、競合他社が模倣困難な「ハート・リカバリー」の堀を築きました。

守りの医薬品:特許クリフ対策とモダリティ転換

主力薬『ステラーラ』の特許切れ影響を訴訟和解で最小化しつつ、Ambrx買収によるADC(抗体薬物複合体)や皮下投与製剤への移行で、新たな独占期間の確保を推進しています。

1. エグゼクティブサマリ

 

2025年第4四半期現在、ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)は、コンシューマーヘルス事業の分社化を完了し、「Innovative Medicine(革新医薬品)」と「MedTech(医療技術)」の2大セクターに特化した技術集約型企業としての地位を完全に確立しています。本レポートは、同社のIR資料、特許データベース、および技術リリースを基に、2020年から2025年にかけての技術経営戦略を徹底的に分析したものです。調査の結果、J&Jは「インターベンショナル・オンコロジー(介入的がん治療)」と「コネクテッド・ロボティクス(接続されたロボット手術)」という高成長・高障壁領域へ経営資源を集中させており、その裏付けとして攻撃的な資本配分と緻密な知的財産(IP)戦略が展開されていることが明らかになりました。

2024年から2025年にかけての財務・技術動向は、主力製品である『ステラーラ(Stelara)』の特許切れに伴う「パテントクリフ」の影響を、バイオシミラーメーカーとの和解による「防御的要塞化(Defensive Fortress)」で最小限に抑えつつ、同時にMedTech領域においてAbiomedおよびShockwave Medicalの買収統合を通じた「攻撃的堀(Offensive Moat)」の構築によって相殺するという、極めて高度な二面作戦によって特徴づけられます。

本分析において特定された戦略的支柱は以下の4点に集約されます。

  1. ロボティクス・ルネサンス: 2025年における手術支援ロボットシステム『OTTAVA』の臨床導入開始は、Intuitive Surgical社の独占市場に対するJ&Jの本格的な挑戦を意味します。手術台とアームを一体化した「ゼロ・フットプリント」アーキテクチャと、Ethiconのインストゥルメント技術の融合は、手術室(OR)の物理的インフラを掌握するための戦略的布石です。
  2. 心血管領域の覇権確立: 総額131億ドル(約2兆円)を投じたShockwave Medicalの買収と、Abiomedの統合により、J&Jは血管内リソトリプシー(IVL)および経皮的補助人工心臓(pumps)という独自の「ハート・リカバリー」プラットフォームを確立しました。これらは強固な特許網によって保護されており、競合他社の参入を極めて困難にしています。
  3. オンコロジーのモダリティ転換: 低分子化合物から、抗体薬物複合体(ADC)や二重特異性抗体などの複雑なバイオロジクスへの移行が加速しています。特にAmbrxの買収による合成生物学プラットフォームの獲得と、皮下投与製剤(Subcutaneous formulation)による特許期間の延長戦略は、ジェネリック医薬品に対する長期的な参入障壁を形成しています。
  4. デジタルエコシステムによる包囲網: NVIDIA社との提携により強化されたデジタルエコシステム『Polyphonic』の展開は、ハードウェアの販売をソフトウェアによる分析付加価値と紐づけることで、病院システムのスイッチングコストを増大させ、顧客のロックインを図る戦略です。

本ファクトブックは、これらの要素を詳細に分解し、2025年時点におけるJ&Jの技術的優位性と潜在的リスクを経営層に提示するための決定版資料として機能します。

2. 戦略的背景と財務アーキテクチャ

 

 

2.1 R&D投資の軌跡と資本配分の構造的変化 (2020-2025)

 

J&Jの知的財産戦略を支える財務的エンジンは、研究開発(R&D)投資強度の持続的な上昇によって特徴づけられます。過去5年間のデータを精査すると、広範な探索的投資から、高い参入障壁を持つ特定技術領域への集中投資へと、資本配分の構造的シフトが発生していることが読み取れます。特に2024年から2025年にかけてのR&D支出の急増は、ハードウェアとソフトウェアが融合するMedTech領域の特異性を反映しています。

以下の表は、過去5年間のR&D支出と売上収益に対する比率(R&D強度)の推移を示したものです。

会計年度

R&D支出 (十億ドル)

売上収益 (十億ドル)

R&D強度 (% 売上比)

前年比成長率

主な要因・背景

2020

$12.159

$82.58

14.7%

-

COVID-19ワクチン開発への初期投資

2021

$14.714

$93.77

15.7%

+21.0%

ワクチン製造およびMedTech回復期の投資増

2022

$14.135

$94.94

14.9%

-3.9%

Abiomed買収に伴う一時的な調整局面

2023

$15.085

$85.16*

17.7%

+6.7%

コンシューマーヘルス分社化による比率上昇

2024

$16.730

$85.18

19.6%

+10.9%

OTTAVA臨床試験、Shockwave統合コスト、がん領域投資

2025 (Est)

~$17.500

~$91.30

~19.2%

+4.6%

OTTAVA承認申請準備、ADCパイプライン加速

注:2023年の売上減少はコンシューマーヘルス事業(Kenvue)の分離によるもの。2025年の推定値は第3四半期までのランレートおよびガイダンスに基づく 1

戦略的インサイト:

特筆すべきは、2024年にR&D強度が約20%に達した点です 1。一般的な大手製薬企業のR&D比率が15-17%程度で推移する中、J&Jのこの高い数値は、従来の製薬ビジネスモデルに加え、開発リスクと資本集約度の高い「高度医療機器(MedTech)」と「デジタル外科手術(Digital Surgery)」への並行投資を行っていることに起因します。特に、手術支援ロボット『OTTAVA』の規制当局承認に向けた臨床試験費用や、AbiomedおよびShockwave Medicalといった大型買収企業の技術統合プロセスが、この投資ピークを形成しています 5。経営層は、この高水準のR&D投資を「将来の独占的キャッシュフローを生むための必要経費」と位置づけており、短期的な利益率の圧迫を許容してでも技術的覇権を握る意志を明確にしています。

 

2.2 イノベーション加速装置としてのM&A戦略

 

J&Jの技術獲得戦略(Inorganic Growth)は、初期段階のベンチャーキャピタル的投資から、すでに強固な特許の堀(Moat)を確立した「カテゴリー・ディファイニング(領域定義型)」プラットフォームの買収へとシフトしています。この戦略転換は、自社R&Dのみでは急速な技術革新のスピードに追随できないという現実的な判断に基づいています。

  • Shockwave Medical (2024): 買収額131億ドル 7。この買収の本質的価値は、単なる売上加算ではなく、**血管内リソトリプシー(IVL: Intravascular Lithotripsy**に関する独占的特許ポートフォリオの獲得にあります。IVLは、血管内の石灰化病変に対し、内膜と中膜の両方に作用して破砕できる唯一の技術であり、複雑な経皮的冠動脈形成術(PCI)における「血管前処理(Vessel Prep)」の標準治療としての地位を確立しています。J&Jはこの買収により、競合他社が容易に模倣できない技術的独占権を手に入れました 8
  • Ambrx Biopharma (2024): 買収額20億ドル 9。この買収により、J&Jは独自の合成生物学プラットフォームを活用した**次世代抗体薬物複合体(ADC**技術を獲得しました。特に、前立腺がんを標的とするPSMAターゲットADCARX517』は、J&Jのオンコロジーポートフォリオを従来の低分子化合物中心から、より複雑でジェネリック化が困難なタンパク質工学製品へと進化させる重要なピースです 9
  • Abiomed (2022): 166億ドルでの買収完了後、2024年から2025年にかけてAbiomedの『Impella』心臓ポンプとShockwaveIVLカテーテルのシナジーが具体化しています。これにより、ハイリスクPCI手技における「循環補助」と「石灰化治療」を包括的に提供するソリューションが完成し、これらは重複するデバイス特許と手技特許(Method-of-use patents)によって二重に保護されています 8

3. MedTech事業における技術・知財ポートフォリオ

 

 

3.1 ロボティクスとデジタルサージェリー・プラットフォーム

 

2025年におけるJ&JMedTech戦略の核心は、手術支援ロボットシステム『OTTAVA』の商用化プロセスと、それを支えるデジタルエコシステム『Polyphonic』の展開にあります。これは、四半世紀にわたり市場を独占してきたIntuitive Surgical社の『da Vinci』システムに対する、J&Jの正面からの挑戦です。

 

3.1.1 OTTAVAシステムアーキテクチャと特許分析

 

競合他社の多くがカートベース(台車型)のロボットシステムを採用する中、OTTAVA**「手術台一体型(Unified Architecture)」**という根本的に異なるアプローチを採用しています。

  • 特許の源流と構成:
    OTTAVAの中核技術は、GoogleVerily)との合弁であったVerb SurgicalおよびAuris Healthの買収によって獲得された特許群に基づいています。特にVerb Surgical由来の特許(例:US Patent Applications)は、ロボットアームが患者用ベッドの下に収納され、必要時に展開される「ゼロ・フットプリント」機構を詳細に記述しています 12。この構造に関する特許は、手術室の空間効率を劇的に改善する技術として、競合他社の参入障壁となっています。
  • 技術的差別化要因:
    • ツイン・モーション (Twin Motion): 手術台とロボットアームが連動して動く機能です。2024年から2025年の技術リリースによれば、これにより手術中に患者の体位変換を行ってもアームの再ドッキングが不要となり、マルチクアドラント(複数領域)へのアクセスが可能になります 5。これは複雑な手術フローを簡素化する重要な特許技術です。
    • Ethiconインストゥルメンテーション: J&Jは、外科手術器具市場で圧倒的なシェアを持つEthiconのエネルギーデバイスやステープラー技術をロボットのアーム先端(エンドエフェクタ)に移植しています。外科医は慣れ親しんだEthiconの組織相互作用(Tissue Interaction)をロボット操作でも再現できるため、習熟曲線の短縮が期待されます 5
  • 規制および臨床の進捗:
    2024年後半に米国食品医薬品局(FDA)より治験用医療機器免除(IDE)の承認を取得しました 15。これを受け、20254月にはメモリアル・ハーマン・テキサス・メディカルセンターにおいて、エリック・ウィルソン医師( Erik Wilson)の執刀により、最初の臨床症例(胃バイパス術)が完了しました 15。このマイルストーンは、OTTAVAがコンセプト段階を脱し、実臨床での安全性と有効性を証明するフェーズに入ったことを示しています。

戦略的インサイト:

「手術台一体型」という特許クレームは極めて戦略的です。病院がOTTAVAを導入する場合、既存の手術台を撤去し、J&J製のシステムにインフラごと置き換える必要があります。これは導入のハードルを高める一方で、一度導入されれば物理的な「ベンダーロックイン」が完成することを意味します。移動可能なカート型ロボットとは異なり、OTTAVAは手術室そのものをJ&Jのエコシステムに組み込むデバイスとして機能します。

 

3.1.2 デジタルエコシステム『Polyphonic』による包囲網

 

ハードウェアのコモディティ化を見据え、J&JはソフトウェアによるIP戦略として『Polyphonic』を展開しています。

  • アーキテクチャと機能:
    Polyphonicは、手術映像やテレメトリーデータを収集・解析するためのオープンかつセキュアなデジタルエコシステムです。データ管理を行う「Polyphonic Studio」と、サードパーティ製アプリケーションを配信する「Polyphonic Store」から構成されています 19
  • AIとデジタルツイン (NVIDIAとの提携):
    2024年3月に発表され、2025年に拡大されたNVIDIAとのパートナーシップにより、J&JNVIDIAHoloscanエッジコンピューティングプラットフォームとIGX Orinハードウェアを手術室に導入しています。これにより、AIアルゴリズムをクラウド経由ではなくローカル環境(エッジ)でリアルタイムに実行することが可能となり、遅延のない「デジタルツイン」シミュレーションや術中ガイダンスを実現しています 21
  • Monarch QuestのFDA承認:
    2025年3月、J&Jはロボット気管支鏡プラットフォームの進化版であるMonarch Questについて、FDA510(k)認可を取得しました。このシステムは、AI駆動のアルゴリズムとGE HealthCareOEC 3Dイメージングシステムとのリアルタイム統合を特徴としており、肺結節へのナビゲーション精度を飛躍的に向上させています 23。この承認は、J&JAIガイドナビゲーションに関するIPが規制当局の基準を満たしていることの証明であり、競合に対する技術的リードを示しています。

 

3.2 心血管インターベンション領域(「ハート・リカバリー」の堀)

 

心血管部門は、電気生理学(EP)と血行動態サポートという2つの巨大なIP要塞を中心に再構築されています。

 

3.2.1 電気生理学とパルスフィールドアブレーション (PFA)

 

心房細動(AFib)治療のゴールドスタンダードは、従来の熱アブレーションからパルスフィールドアブレーション(PFA)へと急速に移行しています。J&Jはこの変革期に対し、VARIPULSEプラットフォームで対応しています。

  • 統合型IP戦略:
    VARIPULSEの最大の競争優位性は、世界シェア1のマッピングシステムCARTO 3と完全に統合されている点にあります。
    • FDA承認: 2024年11月に米国FDAの承認を取得しました 25
    • admIRE試験: 承認の根拠となったadmIRE試験において、VARIPULSE12ヶ月間の主要有効性評価で85%の成功率を達成し、透視(X線)使用時間を最小限に抑えるワークフローを実現しました 25
    • 技術的障壁: 競合他社(MedtronicPulseSelectBoston ScientificFarapulse)もPFAカテーテルを市場投入していますが、J&JPFAのエネルギー場をCARTO3Dマップ上でリアルタイムに可視化するソフトウェアアルゴリズムに関する特許を保有しています 26。これにより、他社製カテーテルでは再現できない精緻なナビゲーションを提供し、既存のCARTOユーザーを囲い込むことに成功しています。

 

3.2.2 Shockwaveと血管内リソトリプシー (IVL)

 

Shockwave Medicalの買収は、IVL技術の完全独占を意味します。

  • 主要特許とその強度:
    • US 8,747,416 & US 8,956,371: これらの特許は、バルーンカテーテル内で音波圧力波を発生させ、血管壁を傷つけずにカルシウムを破砕する基本的なメカニズムをカバーしています。
    • US 8,728,091: 競合であるCardiovascular Systems Inc. (CSI) から当事者系レビュー(IPR)による異議申し立てを受けましたが、エミッター技術に関する主要なクレームは有効性を維持しました 27。この法的な勝利は、IVL技術に対するJ&Jの独占権をより強固なものにしました。
  • ポートフォリオの深さ:
    Shockwaveは「Locus emitter(軌跡エミッター)」や「Oscillating impactor(振動インパクター)」、「Burst mode operation(バーストモード動作)」といった周辺技術に関しても特許の「杭(Picket Fence)」を打ち込んでおり、競合他社がコアとなるリソトリプシー技術を回避して類似製品を開発することを極めて困難にしています 28
  • 適応拡大:
    2024年9月には、末梢動脈疾患(PAD)向けに改良されたShockwave E8 Peripheral IVL Catheterを発売し、特許保護された技術を新たな臨床領域へと拡大させました 29

4. Innovative Medicine事業における知財防衛と新規モダリティ

 

 

4.1 免疫疾患領域:ステラーラの「パテントクリフ」管理

 

2024年から2025年にかけてのJ&Jにとって最大のリスクは、年間売上約100億ドルを稼ぎ出すブロックバスター『ステラーラ(Stelara)』の独占期間満了(LOE)でした。J&Jはこの収益減衰に対し、訴訟和解を通じた「管理された減衰(Managed Decline)」戦略を見事に遂行しています。

 

4.1.1 特許の藪(Patent Thicket)と和解のタイムライン

 

ステラーラの物質特許(US 6,902,734)は20239月に満了しました。しかし、J&Jは製造方法や治療方法に関する二次的特許(例:潰瘍性大腸炎の治療方法に関する US 10,961,3072039年満了予定)を駆使してバイオシミラーの参入を遅延させました 30。これらの特許群は、いわゆる「特許の藪」を形成し、競合他社に対して特許無効化訴訟のリスクを負わせることで、有利な条件での和解を引き出しました。

2: ステラーラ・バイオシミラー市場参入に関する和解合意(米国市場)

 

バイオシミラー製造業者

製品コード

和解に基づく参入許可日

戦略的影響

Amgen

ABP 654

202511 以降 32

最も早い参入日を設定し、Amgenに先行者利益を与える代わりに訴訟を早期終結。

Alvotech / Teva

AVT04

2025221 以降 33

承認取得の遅れを考慮しつつ、Amgenに続く参入枠を確保。

Fresenius Kabi / Formycon

FYB202

2025415 以降 34

欧州・カナダ市場との包括的和解の一部。

Samsung Bioepis

SB17

係争中/地域により異なる 35

欧州では特許無効化の判決が出るなど、地域ごとの法廷闘争が継続(2024年時点)。

戦略的インサイト:

Amgenと20251月の参入で合意したことにより、J&Jは物質特許満了後の2023年後半から2024年全体を通じて、実質的に約15ヶ月間の追加的な独占期間を確保しました。この期間に生み出されたキャッシュフローは、ShockwaveおよびAmbrxの買収資金として直接的に機能しており、IP戦略がM&A戦略の資金源となる好循環を生み出しています。

 

4.1.2 小児適応による独占期間延長

 

J&Jは、成人に続く小児適応の取得によって規制上の独占期間(Regulatory Exclusivity)を延長する戦略も積極的に推進しています。

  • 進捗状況: 2025年10月、J&JUNIFI Jr臨床試験のデータに基づき、2歳以上の小児潰瘍性大腸炎(UC)に対するステラーラの適応拡大を目指し、FDAへ生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を提出しました 36
  • ビジネスインパクト: 小児適応の承認は、既存の特許期間に加えて6ヶ月間の小児独占期間(Pediatric Exclusivity)を付与する可能性があります。また、小児領域における承認済み治療薬が限られていることから、バイオシミラーが「代替可能性(Interchangeability)」を取得する障壁を高める効果も期待されます。

 

4.2 オンコロジー領域:次なる成長エンジン

 

ステラーラの収益減を補うため、J&Jは多発性骨髄腫治療薬『ダラザレックス(Darzalex)』のライフサイクルマネジメントと、新規ADCポートフォリオの構築に注力しています。

 

4.2.1 ダラザレックス・ファスプロと皮下投与IP

 

J&Jは、治療の標準を静脈内投与(IV)のダラザレックスから、皮下投与(SC)製剤である『ダラザレックス・ファスプロ(Darzalex Faspro)』へと移行させることで、特許の壁を再構築しています。

  • 特許戦略:
    SC製剤は、Halozyme Therapeutics社のENHANZE技術(組換えヒトヒアルロニダーゼ酵素)を使用しています。この製剤技術は、ダラザレックスの有効成分であるダラツムマブの物質特許(2029年満了)とは独立した特許で保護されており、その有効期限は2030年代半ばまで及びます 37
  • 市場への定着:
    2024年10月、J&Jは新規診断多発性骨髄腫(NDMM)患者に対するダラザレックス・ファスプロの適応拡大を申請しました 40IV製剤のジェネリックが登場する前に、より利便性の高いSC製剤を第一選択薬として臨床現場に定着させることで、後発品の市場浸透を物理的・心理的に阻止する狙いがあります。

 

4.2.2 抗体薬物複合体(Ambrxプラットフォーム)

 

2024年のAmbrx買収により、J&Jは独自の「部位特異的結合(Site-Specific Conjugation)」技術を手に入れました。

  • 技術的優位性:
    第一世代のADCが不均一な混合物であったのに対し、Ambrxの合成生物学プラットフォームは、非天然アミノ酸を抗体に組み込むことで、リンカーとペイロード(薬物)を正確な位置に結合させることを可能にします。これにより、薬物の均一性が高まり、安全性と治療効果のバランス(Therapeutic Window)が向上します 9
  • パイプライン資産:
    リード候補であるARX517PSMAターゲットADC)は、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)を対象に開発が進められています。これは、特許切れが迫る『ザイティガ(Zytiga)』や『アーリーダ(Erleada)』の後継として、新たなIP保護下にある収益源となることが期待されています 9

5. オープンイノベーションと外部R&Dエコシステム

 

J&Jは、社内R&Dだけでは加速する技術革新のすべてをカバーできないことを認識しており、「JLABS(インキュベーター)」と「BARDA(政府機関との連携)」を核とした外部イノベーションモデルを構築しています。

 

5.1 JLABSと『Blue Knight』イニシアチブ

 

JLABSは、J&Jにとって完全買収を行う前の段階で有望な技術を「青田買い」するためのオプション確保の場として機能しています。

  • Blue Knight (ブルーナイト):
    米国保健福祉省の生物医学先端研究開発局(BARDA)との共同イニシアチブであり、パンデミック対策や健康安全保障に関連する技術支援を行っています。
    • 2025年の活動: 2025年7月、J&JBARDAは「Project NextGenQuickFire Challengeを発表し、次世代ワクチンや治療法の開発を加速させるために総額1,000万ドルの非希薄化資金(Non-dilutive funding)を提供することを表明しました 41
    • 成功事例: 受賞企業の一つであるAutonomous Therapeuticsは、暗号化RNA技術を用いた予防薬開発で100万ドルを獲得しました 42。このような高リスク・高リターンの技術に対し、J&Jは初期段階から関与することで、将来的なライセンス契約や買収における優先的な地位を確保しています。
    • 戦略的拠点: ワシントンC.に開設されたJLABS2021年開設)は、規制当局や連邦資金提供機関との物理的な近接性を活かし、この官民連携イノベーションのハブとして機能しています 43

6. リスク管理と競合ベンチマーク

 

 

6.1 リスク要因:訴訟と規制のハードル

 

  • タルク訴訟の影響:
    製品責任訴訟、特にタルク製品に関連する訴訟は、依然としてJ&Jの財務リスクの中心です。2023年には約70億ドルの関連費用を計上しており 3、これがフリーキャッシュフローを圧迫しています。しかし、Shockwave買収のような大型M&Aを継続している点は、J&Jがこのリスクを管理可能な範囲内と判断し、成長投資を優先させる姿勢を崩していないことを示唆しています。
  • 知的財産訴訟(Intuitive Surgicalとの攻防):
    J&J(Ethicon部門)とIntuitive Surgical社は、外科用ステープラーやロボット制御機構を巡り、長年にわたる特許紛争を繰り広げています。
    • 欧州戦線: 2024年から2025年にかけて、欧州統一特許裁判所(UPC)が主戦場となっており、特に202311月に付与された特許 EP 3 689 262(ステープルカートリッジ)が係争の焦点となっています 44
    • 米国での戦況: 米国連邦巡回控訴裁判所は過去に、Ethiconの一部のステープリング特許('287および'379特許)の無効を支持する判決を下しました 45。この敗北により、J&Jは他社製品の排除という法的手段から、OTTAVA独自のアーキテクチャによる技術的差別化へと、競争戦略の軸足を移さざるを得なくなりました。
    • ステラーラ反トラスト訴訟: 2023年12月、保険会社らはJ&Jが特許庁を欺いて不正に特許('307特許)を取得し、バイオシミラーの参入を遅らせたとして集団訴訟を提起しました 31。バイオシミラーメーカーとは和解したものの、このような反トラスト訴訟は、特許戦略そのものの正当性を揺るがす潜在的なリスク要因として残存しています。

 

6.2 競合ベンチマーク

 

J&Jの技術的地位を、主要な競合であるIntuitive SurgicalおよびMedtronicと比較評価します。

3: 競合特許・技術ベンチマーク (2025)

比較項目

Johnson & Johnson (MedTech)

Intuitive Surgical

Medtronic

手術支援ロボット

OTTAVA: 手術台一体型、4アーム、ゼロフットプリント。2025IDE臨床入り。オープンなデジタルエコシステム志向。

da Vinci 5: カートベース、フォースフィードバック搭載、圧倒的なインストールベース(市場リーダー)。

Hugo RAS: モジュラー型デザイン。米国展開は当初予測より遅延傾向。

AI / デジタル

Polyphonic: NVIDIAのエッジコンピューティング活用。「Studio」と「Store」によるプラットフォーム戦略。

Case Insights: da Vinciの膨大な稼働データに基づく深層分析。クローズドなエコシステム。

Touch Surgery: ビデオ分析に強みを持つが、ハードウェアとの統合度でPolyphonicに劣る可能性。

心血管領域

圧倒的支配: Impella (ポンプ) + Shockwave (IVL) + Varipulse (PFA) の三位一体。最も包括的なポートフォリオ。

該当なし(構造的心疾患や外科手術に焦点、インターベンションは非注力)。

強力: ペーシング/CRDMでリーダー。PFA (PulseSelect) も強力だが、IVLのような独自武器に欠ける。

R&D支出 (2024)

~$16.7B (全社)

~$1.1B (外科領域特化)

~$2.7B (MedTech特化)

分析:

  • Intuitive: J&Jはインストールベースの数でIntuitiveに勝つことは不可能です。J&JIP戦略は、「アーキテクチャ(ORスペースの節約)」と「データのオープン性(Polyphonic)」という別軸での戦いを仕掛けることにあります。特にIntuitiveの最新鋭機『da Vinci 5』が搭載するフォースフィードバック機能 46 に対し、OTTAVAは「ツイン・モーション」とEthiconデバイスの触覚的親和性で対抗しようとしています。
  • Medtronic: J&JはMedTechセクターにおけるR&D支出の伸び率でMedtronicを凌駕しています 47Shockwaveの買収により、高成長が見込まれる冠動脈インターベンション領域においてJ&JMedtronicに対して決定的な技術的リードを確保しました。

7. 結論と今後の展望

 

2025年後半の時点で、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、レガシーなブロックバスター製品である『ステラーラ』の周囲に防御的なIPの要塞を築きつつ、将来の成長エンジンをM&Aによって攻撃的に獲得するという戦略的転換を見事に成功させています。

この戦略的ピボットの本質は以下の3点に集約されます。

  1. ハードウェアとソフトウェアの共生: もはや単なる「デバイス」や「薬剤」の売り切りではなく、OTTAVAPolyphonic、あるいはCARTOVaripulseのように、ハードウェアとソフトウェアが相互に依存し合うエコシステムの提供へとビジネスモデルを変革しました。これにより、特許だけでなく、データ統合によるスイッチングコストが新たな参入障壁となります。
  2. R&DとしてのM&A: 自社R&DのみではShockwaveAbiomed級のイノベーションを十分な速度で生み出せないことを認め、確立された特許独占権を総額300億ドル以上を投じて購入するという現実的な判断を下しました。これは「時間を金で買う」戦略の極致です。
  3. レギュラトリー・エンジニアリング: 小児独占期間、皮下投与製剤への切り替え、そして特許の藪を利用して、主要資産の実質的な寿命を操作する高度な法的戦略を遂行しています。

今後の展望:

短期的には、2025年中に進行しているOTTAVAの臨床試験データが、同社の長期的な企業価値を左右する最大の変数となります。「統一アーキテクチャ」に関する特許が精査に耐え、臨床現場でのワークフロー効率化が実証されれば、J&JIntuitive Surgicalに対して第二の戦線を開くことに成功するでしょう。逆に、OTTAVAの承認プロセスに遅れが生じれば、Intuitiveの『da Vinci 5』による市場支配がさらに強固になるリスクがあります。一方、Innovative Medicine事業においては、2025年のステラーラの減収を、ダラザレックス・ファスプロとAmbrx由来のパイプラインがいかに迅速に埋め合わせられるかが、真の試金石となります。

引用文献

  1. R&D Expenses For Johnson & Johnson Co (JNJ) - Finbox, 11月 22, 2025にアクセス、 https://finbox.com/XTRA:JNJ/explorer/rd_exp
  2. Johnson & Johnson reports Q4 2024 and Full-Year 2024 results, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/johnson-johnson-reports-q4-2024-and-full-year-2024-results
  3. jnj-20231231 - SEC.gov, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/200406/000020040624000013/jnj-20231231.htm
  4. Johnson & Johnson Research and Development Expenses 2011-2025 | JNJ - Macrotrends, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.macrotrends.net/stocks/charts/JNJ/johnson-johnson/research-development-expenses
  5. Johnson & Johnson MedTech Provides Details and Timeline for General Surgery Robot, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/johnson-johnson-medtech-provides-details-and-timeline-for-general-surgery-robot
  6. Johnson & Johnson MedTech Receives IDE Approval for OTTAVA™ Robotic Surgical System, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnjmedtech.com/en-US/news-events/johnson-johnson-medtech-receives-ide-approval-ottava-robotic-surgical-system
  7. 11月 22, 2025にアクセス、 https://shockwavemedical.com/news/johnson-johnson-to-acquire-shockwave-medical/#:~:text=(Nasdaq%3A%20SWAV)%20(%E2%80%9C,%2413.1%20billion%20including%20cash%20acquired.
  8. Johnson & Johnson To Acquire Shockwave Medical, 11月 22, 2025にアクセス、 https://shockwavemedical.com/news/johnson-johnson-to-acquire-shockwave-medical/
  9. Johnson & Johnson Completes Acquisition of Ambrx, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/johnson-johnson-completes-acquisition-of-ambrx
  10. Johnson & Johnson to Acquire Ambrx, Advancing Next Generation Antibody Drug Conjugates to Transform the Treatment of Cancer, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/johnson-johnson-to-acquire-ambrx-advancing-next-generation-antibody-drug-conjugates-to-transform-the-treatment-of-cancer
  11. Abiomed Turns Into Johnson & Johnson MedTech, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.abiomed.com/en-eu/jnj-medtech
  12. Ottava : Is this how the arms and workflow work? (JNJs soft tissue surgical robot) - YouTube, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=g2M6jj6Vzl8
  13. (a) Engineering design and only visual recording on Verb Surgical's... - ResearchGate, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.researchgate.net/figure/a-Engineering-design-and-only-visual-recording-on-Verb-Surgicals-cognitive-surgical_fig5_361673737
  14. Ottava Surgical Robot : First Early review and sadly concerns - Startup In Medtech, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.howtostartupinmedtech.com/post/ottava-surgical-robot-first-early-review-and-sadly-concerns
  15. Johnson & Johnson MedTech Announces Completion of First Cases with OTTAVA™ Robotic Surgical System, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/johnson-johnson-medtech-announces-completion-of-first-cases-with-ottava-robotic-surgical-system
  16. Johnson & Johnson MedTech Receives IDE Approval for OTTAVA™ Robotic Surgical System, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/johnson-johnson-medtech-receives-ide-approval-for-ottava-robotic-surgical-system
  17. Surgical Robotics | J&J MedTech, 11月 22, 2025にアクセス、 https://thenext.jnjmedtech.com/surgical-robotics
  18. Johnson & Johnson MedTech Announces Completion of First Cases with OTTAVA™ Robotic Surgical System, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnjmedtech.com/en-US/news-events/johnson-johnson-medtech-announces-completion-first-cases-ottava-robotic-surgical
  19. Johnson & Johnson unveils Polyphonic digital ecosystem for enhanced surgical connectivity, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.medicaldevice-developments.com/news/johnson-johnson-unveils-polyphonic-digital-ecosystem-for-enhanced-surgical-connectivity/
  20. Johnson & Johnson MedTech Announces the Polyphonic™ Digital Ecosystem for a More Connected Surgical Experience, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/johnson-johnson-medtech-announces-the-polyphonic-digital-ecosystem-for-a-more-connected-surgical-experience
  21. Johnson & Johnson MedTech Expands Surgical Robotics Using NVIDIA AI, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.mpo-mag.com/breaking-news/johnson-johnson-medtech-expands-surgical-robotics-using-nvidia-ai/
  22. Johnson & Johnson Advances Polyphonic™ AI Fund for Surgery for Data-Driven Healthcare, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnjmedtech.com/en-US/news-events/johnson-johnson-advances-polyphonic-ai-fund-surgery-data-driven-healthcare
  23. Johnson & Johnson MedTech Announces Clearance of MONARCHTM QUEST for Enhanced Robotic-Assisted Bronchoscopy, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/johnson-johnson-medtech-announces-clearance-of-monarchtm-quest-for-enhanced-robotic-assisted-bronchoscopy
  24. J&J MedTech Wins FDA Nod for Monarch Quest Robot-Assisted Bronchoscopy - SCbio, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.scbio.org/jj-medtech-wins-fda-nod-for-monarch-quest-robot-assisted-bronchoscopy/
  25. Johnson & Johnson MedTech Receives FDA Approval for the VARIPULSE™ Pulsed Field Ablation Platform for the Treatment of Atrial Fibrillation | Biosense Webster, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnjmedtech.com/en-US/news-events/johnson-johnson-medtech-receives-fda-approval-varipulse-pulsed-field-ablation
  26. Biosense Webster Submits Application to U.S. FDA Seeking Approval of the VARIPULSE™ Platform for the Treatment of Paroxysmal A, 11月 22, 2025にアクセス、 https://s203.q4cdn.com/636242992/files/doc_news/2024/Mar/25/varipulse-fda-submission.pdf
  27. Shockwave Announces Decisions From The U.S. Patent And Trademark Office On Inter Partes Review Proceeding, 11月 22, 2025にアクセス、 https://shockwavemedical.com/news/shockwave-announces-decisions-from-the-u-s-patent-and-trademark-office-on-inter-partes-review-proceeding/
  28. Patents Assigned to Shockwave Medical, Inc., 11月 22, 2025にアクセス、 https://patents.justia.com/assignee/shockwave-medical-inc
  29. Shockwave Medical Expands U.S. Peripheral IVL Portfolio with Enhanced Catheter, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/shockwave-medical-expands-u-s-peripheral-ivl-portfolio-with-enhanced-catheter
  30. Information about our Innovative Medicine patent portfolio, 11月 22, 2025にアクセス、 https://s203.q4cdn.com/636242992/files/pipeline-tables/2025/03/2025-Information-About-our-Innovative-Medicine-Patent-Portfolio-for-release-v2.pdf
  31. Ustekinumab Antitrust Litigation | Insights & Resources - Goodwin, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.goodwinlaw.com/en/insights/blogs/2024/01/ustekinumab-antitrust-litigation
  32. Amgen's Stelara Biosimilar Delayed Until 2025 After Settling With J&J, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.centerforbiosimilars.com/view/amgen-s-stelara-biosimilar-delayed-until-2025-after-settling-with-j-j
  33. J&J Settles Stelara Issue with Teva, Alvotech - BioSpace, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.biospace.com/j-and-j-settles-stelara-patent-lawsuit-with-teva-alvotech
  34. Fresenius & Formycon Settle with J&J in Europe and Canada over Ustekinumab Biosimilar, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.pearceip.law/2024/03/18/fresenius-formycon-settle-with-jj-in-europe-and-canada-over-ustekinumab-biosimilar/
  35. Samsung Bioepis destroys Stelara patent with Simmons & Simmons - JUVE Patent, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.juve-patent.com/cases/samsung-bioepis-destroys-stelara-patent-with-simmons-simmons/
  36. Johnson & Johnson submits application to U.S. FDA for STELARA® (ustekinumab) in the treatment of pediatric ulcerative colitis, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.jnj.com/media-center/press-releases/johnson-johnson-submits-application-to-u-s-fda-for-stelara-ustekinumab-in-the-treatment-of-pediatric-ulcerative-colitis
  37. jnj-20241229 - SEC.gov, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/200406/000020040625000038/jnj-20241229.htm
  38. securities and exchange commission - SEC.gov, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1434265/000155837021003598/tmb-20201231x20f.htm
  39. JAN I I 2016 - Regulations.gov, 11月 22, 2025にアクセス、 https://downloads.regulations.gov/FDA-2016-E-1888-0001/attachment_1.pdf
  40. New Indication Alert: J&J Applies for Expanded US and EU Indications of Darzalex® Quadruplet Regimen for Multiple Myeloma | Pearce IP, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.pearceip.law/2024/10/10/new-indication-alert-jj-applies-for-expanded-us-and-eu-indications-of-darzalex-quadruplet-regimen-for-multiple-myeloma/
  41. Announcing the BLUE KNIGHT™ Resident QuickFire Challenge: Accelerating Project NextGen | News - BioBuzz, 11月 22, 2025にアクセス、 https://news.biobuzz.io/2025/07/16/announcing-the-blue-knight-resident-quickfire-challenge-accelerating-project-nextgen/
  42. Autonomous Therapeutics wins $1 million Blue Knight™ QuickFire Challenge, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.autonomous.bio/media-blog/autonomous-therapeutics-a-winner-of-johnson-amp-johnson-innovation-amp-barda-blue-knight-quickfire-challenge
  43. JLABS @ WASHINGTON, DC – Accelerating Innovation in the Capital Region, 11月 22, 2025にアクセス、 https://innovationsoftheworld.com/jlabs-washington-dc-accelerating-innovation-in-the-capital-region/
  44. Order of the Court of First Instance of the Unified Patent Court Local Division The Hague delivered on 29/08/2025 regarding R.211 – provisional measures, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.unifiedpatentcourt.org/sites/default/files/files/api_order/8912BD7E96AECFD9AA568FDFC4E7868B_en.pdf
  45. Appeals court sides with Intuitive over J&J in surgical device patent disputes | MedTech Dive, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.medtechdive.com/news/appeals-court-intuitive-jj-robot-patent-dispute/624256/
  46. Intuitive Introduces Real-Time Surgical Insights for da Vinci 5, 11月 22, 2025にアクセス、 https://isrg.intuitive.com/news-releases/news-release-details/intuitive-introduces-real-time-surgical-insights-da-vinci-5
  47. R&D alert: Research and development spending stalls in the 2025 Medtech Big 100 ranking, 11月 22, 2025にアクセス、 https://www.rdworldonline.com/rd-alert-research-and-development-spending-medtech-big-100/

 

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