「発明塾」塾長の楠浦です。
今回は、人材育成関連のトピックです。
note の記事がたまって(あふれて(笑))きたので、いくつかをつなげて紹介しますね。
というか、長いと誰も読まないので、noteではできるだけ短くまとめて、あるいは、こまぎれにしています(笑)。
そして、僕の癖(例:関西弁や脱線)を消すために、AIにまとめさせています。
一方、コラムはこういうのが好きな方が読んでくださるものなので(笑)、長さは気にせず、書きたいように書いています。
以前、弊社で活躍いただいた「バリキャリ」のWeb担当の方に、Webコラムって何書いたらいいんですか?って恐る恐る聞いたら「楠浦さんが好きなことを好きなように書けばいいんですよ、何でもいいんです、十分面白いから」と、吐き捨てるように言ってましたね(笑)。
一方でその方は、「チラ裏」という言葉を教えてくれました。
これは「そんなの、チラシの裏にでも書いとけ!」という意味のWeb業界の略語だそうで、要するに「それ誰が読むねん!」という記事のことだそうです。
たぶん、僕のコラムは「チラ裏」ですね…(笑)
さて、では本題へ。
この記事の内容
まずはこちらのnoteです。
AI時代の「チャレンジするココロ」(精神:マインド)とは何か?どう育つのか?(1) ― 「わからなさ」と「越境」から考える
https://note.com/kusuura/n/n56f7c4a9583f
企業内発明塾の初期フェーズ(第1回ワークショップ前後)の状態を見ると顕著なのですが、どれだけ「調査法」「分析法」「発想法」を学んでも、アイデア・着眼・探してきた情報が「ありきたり」に終わる、という例は多いんですよね。
僕は、手法に関する知識は、「アイデアの新しさ」にはほとんど影響しない、と考えています。
「勉強すると、かえって新鮮さがなくなる」という意見もありますが、学生向け発明塾で数年間観察した結果を見ると、勉強してどんどん面白いアイデアや情報を見つける学生も多数いますので、この意見には、僕は否定的です。
ずーっと見ていると、アイデアや持ってくる情報がありきたりのまま、という方には、一定の傾向があることがわかりました。
それは、「私にはこの分野のことはわかりません」「私はこの分野以外のことはわかりません」という、「言い訳」が多いんですよね。
僕からしたら「いや、そんなのちょっと勉強すればわかるでしょ」という感じですが、実際には、そうでもないようです。
人間には、無意識のうちに「自分が理解できる、あるいは、経験した範囲での新しさ」にとどまってしまう傾向があるんですね。
「理解できる」に「経験した」を付け加えているのは、それぐらい「狭い」人が多いからです(笑)。
でも、本当に新しい機会や価値の源泉は、むしろ「自分にはわからない領域」の中にある。
例えばこれまで、会ったことがない、話を聞いたことがない、考えたこともない業界の、顧客ニーズ。
あるいは、これまで見ていなかった新技術、異分野技術。
自分が知ってる範囲の顧客と、自分の専門分野に閉じこもってたら、そもそも「新規事業」ではないですよね(笑)。
これが、「頭でわかって」いても、行動できない。
こういう人が多いことが、わかっています。
だから僕は、チャレンジするココロとは、わからないことの中に留まり、考え続ける力だよ、とお伝えしています。
知識やスキルの問題ではなく、「わからなさ」との付き合い方の問題なんですよね。
ただ、ここで「もっと勉強しろ」「もっと外へ出て人に会え」みたいなこと言っても、そもそもそういう方には響かないことが多いので(笑)、僕は「ここでAIの出番ですね」ということにしています。
実際問題として、勉強したいけど時間がない、出ていきたいけど忙しすぎる、という人もいらっしゃるからです。
個人の精神論に終始しても、何も変わりません。
僕は、誰も・何も変わらない議論が大嫌いなんです(笑)。
書籍でも書いてますが、討論番組が嫌で嫌で…(笑)。
あの後、何が変わったという話を聞いたことも見たこともないので(爆笑)。
時間の無駄です。
noteでは、AI以外の観点でも、チャレンジするココロ(チャレンジ精神)を強める仕組みなり出来事を書いていますが、ここでは「AI」の話だけをします。
AIを使えばチャレンジ精神が増すのか、というと、答えはNOです。
なんやねん!どないやねん!(笑)というツッコミが聞こえましたが、まぁまぁ…
それは使い方次第です。
AIがすぐに答えをくれる、という意識だと、おそらくチャレンジ精神は減るでしょう。
AIと粘り強く壁打ちをして、「わからない」状態を、少しずつ突き崩して、「わからなさ」とつきあいつつ、「わかる」喜びを得ていく、という付き合い方にすると、チャレンジのハードルは下がり、チャレンジ精神は増すようです。
実際僕は、生成AIを活用して仕事を効率よく済ませられるようになって、以前から読みたかった、あるいは、読み返したかった「哲学書」「歴史書」などの「古典」を、AIと対話しながら読んでいます。
たぶん、一日数ページぐらいしか進まないのですが、以前はわからなかった、あるいは、そこまではわからなかった、という内容が見えてきて、非常に面白くなっています(笑)。
プラトンのゴルギアスは、3か月ぐらいかけて精読しました。
書籍メモ「ゴルギアス」(プラトン)~弁論術ではなく、「よく生きること」を問う本
https://note.com/kusuura/n/n11c52529bca2
以前一度読んでいますが、その時はあまりピンとこなかったんですよね。
でも、AIに解説させたり、AIに自分の考えを入力したりしながら、多面的に読み進めると、すごくクリアに、プラトンの主張が理解できました。
歴史的な背景の理解も必要なので、「ゴルギアス」だけ読んでも理解できないんだ、過去に読んだ際に理解できなかったのは当然だな、と分かりました。
教育学では「足場」「足場かけ」などと言いますが、ある程度の知識がないと読めない本があります。
ゴルギアスは比較的読みやすい本だとされていますが、それでも、歴史や、プラトンの考え方、後世の評価などを全く知らずに読むと、理解不能な本のように思います。
僕は、「ゴルギアス」を読むにあたって、ゴルギアスの概要、この本を理解するために必要な知識や、プラトンの哲学の解説書をAIにまとめさせて、解説書も読みながら、AIとも対話しながら、読破しました。
おそらく、AI時代の「学び」とは、こういうものなのでしょう。
いい時代です。
noteには、「AIを“思考パートナー”として使うと、討論力・質問力・洞察力が向上」「AIがヒントを与え、学びを支援する場合、自己効力感(挑戦への自信)が高まる」と書いていますが、その通りです。
皆さんにも、AIをフル活用して「わからなさ」と向き合う時間を増やしていただきたい。
企業内発明塾は、そういう時間です。
わかりきってることは、僕がいなくてもできますよね(笑)。
「わからないこと」と向き合う時間が、発明塾です。
そうやって、「結果を出して」もらいながら、チャレンジ精神を強化し、さらにレベルの高い結果を目指していく、というフィードバックループを作ります。
毎年、母校の出身学科で一コマだけ講義をするのですが、今年は、「AI」をフル活用して皆さんのチャレンジするココロを養っていただきたい、という話を、僕が日々何をしているか、実例を解説しつつ、伝えました。
今の学生さんが社会に出るころには、生成AIを前提にすべての仕事が組まれているだろう、と思っているからです。
「流暢な授業」は理解を深めるか?~教育研究の論文を読む
https://note.com/kusuura/n/n54c2b692f150
実はこれ、かなり有名な研究で追試もされているので、教育や人材育成に明るい方なら、よくご存じの研究(論文)だと思います。
僕も、ずいぶん前から知っていまして、知りながらも「流暢な講義」を武器にしてきた罪人(笑)の一人です。
まぁ、限られた時間で、参加者が「よかったと思う」には、これしかないんですよね…
ただ、何度もお話している通り、過去にある顧客から「面白いセミナーで満足度は非常に高かったけど、その後追跡調査をしたら、現時点では、誰も仕事に活かせてない」という厳しい意見をいただいて、「面白いセミナー」は廃止して、「結果を出す」「行動が変わる」形式に転換したという経緯があります。
流暢さは、学校の講義のような形式知の分野でも、特に学習効果を高めないのですが、社会に出て必要な「暗黙知」の分野では、むしろ「害」だろうと僕は考えています。
できる気、あるいは、できた気になってしまって、その後の反復含む、「困難さ」に向き合えなくなってしまう。
それよりは、「その場で、困難さ・わからなさ・進まなさと向き合う」ことを重視し、一緒に乗り越えていく方がよいだろうというのが、僕の実践を通じた一つの答えです。
企業内発明塾が累計で400名超。統計学的に、数としては十分でしょうか。
15年ほどやっていますので、その後の経過もある程度見えています。
150名の学生さんと「企業内発明塾」参加者の実践状況を見る限りでは、自分の中の「わからなさ」「進まなさ」に徹底的に向き合い、言語化し続けた人・今でも続けている人は、しっかり伸びています。
特に学生さんは、数年間、毎週見ていましたので、違いが明確に出ましたね。
一部の学生さんは、仕事も一緒にしていますので、10年以上の追跡調査ができています。
弊社で自信をもって実践するには、十分でしょう。
人材育成とは”言語化”に尽きる(1)~言語化とは「知の見える化」
https://note.com/kusuura/n/n5717bbfa36b2
発明塾で教える、一番重要なことが「言語化」です。
それ以外は忘れてもオッケーです。
OBOGの皆さん、続けてますか?(笑)
続けてるよ、という方はぜひご連絡ください。
忘れてたけど、また心を入れかえて頑張ります、という方も是非。
決意を新たにするのは無駄だ、という人がいますが、経験上は、そうでもないですね。
決意表明は、僕にとっては非常に大事です。
「言語化」だからです。
経営でも教育でも、僕の仕事は、ほぼすべて「言葉」「言語化」で成り立っていますしね。
とにかく、言語化し、見える化して向き合わないと、得るものは少ないですね。
これは、2025年4月に開講した、「新規事業プロデューサー養成講座」(支援者向け発明塾)でも、明確になっています。
言語化量に比例して、直後から言動・行動が変化しています。
このあたりは、先日紹介した「模索」の話ともつながります。
AI時代に最も重要な「模索の手法」を教える
https://note.com/kusuura/n/n5347a2e5696c
計算用紙が大事なんですよね。
だから、考えていること、調べたことを、とにかく書きまくる。
結局僕は、高校時代の数学の学び方を、そのまま続けて、ここまで来たんですね、たぶん(笑)。
難問に向き合うには、「言語化」しかないからです。
いいオチがつきました。
オチがない話をすると、関西では、どつかれますんで(笑)。
楠浦 拝
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