3行まとめ
「デザイン経営」と知財の融合で特許庁から知財功労賞を受賞
TOTOは経営層がデザイン決裁に関与し、デザイナーが商品企画の最上流から参画する体制を構築。令和2年度 知財功労賞(経済産業大臣表彰)をデザイン経営企業として受賞し、「ウォシュレット」「魔法びん浴槽」「カラリ床」「セフィオンテクト」など、デザインと機能が高度に融合した技術資産群を知財ポートフォリオとして展開している。
WILL2030 STAGE2で総額1,750億円の戦略的設備投資を計画
中期経営計画「WILL2030 STAGE2(2024〜2026年度)」において、グローバル展開に720億円、セラミック事業に290億円、国内環境対応等に320億円、IT等基盤強化に420億円を配分。2030年度に売上1兆円以上・営業利益率12%以上・海外住設売上比率40%以上を目指す。
環境技術KPIを経営目標の中核に組み込みサステナビリティを推進
サステナブルプロダクツ商品構成比83%(2030年度目標)、商品使用時の水削減貢献量13億m³、事業所CO2排出量を2021年度比47.5%削減の18.5万tとする目標を設定。技術革新と社会課題解決を直結させる非財務KPI体系を構築している。
TOTO株式会社(以下、同社)の知的財産戦略は、デザインと技術の高度な融合を事業戦略の中核に据える「デザイン経営」を基盤として構築されている。この戦略的アプローチは公的な評価を獲得しており、特許庁より「令和2年度 知財功労賞(経済産業大臣表彰)」をデザイン経営企業として受賞した事実が公式ニュース(発行日:2020年6月5日)にて明示されている。同賞の受賞理由として、経営層が商品デザインの決裁プロセスに強く関与する仕組みを有し、デザイナーが商品企画の最上流であるコンセプト作りの段階から参画している点が一次情報において示されている。この体制により、顧客自身も認識していない潜在的なニーズを顕在化させ、それに応える革新的な商品を継続的に開発・提供するプロセスが確立されている。具体的な知的財産ポートフォリオの成果として、温水洗浄による新しい生活文化を定着させた温水洗浄便座「ウォシュレット」、保温性を高めた浴槽構造「魔法びん浴槽」、断熱構造を有し清掃性を飛躍的に高めた「カラリ床」が同社の登録商標であることが公表されている。さらに、汚れが付着しにくく落ちやすい独自の機能・技術として「セフィオンテクト(CeFiOnTECT)」が展開されており、これらはデザインと機能が高度に融合した技術資産として位置づけられている。グローバル市場における知的財産権の保護においても、世界の各拠点に模倣対策のキーパーソンを配置し、本社と緊密に連携して侵害被疑品等の情報収集および模倣対策活動を推進する強固な体制が敷かれている。なお、個別具体的な特許出願件数や特許番号、AIを用いた知財分類等の内部プロセスに関する詳細な定量データについて、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)1。
同社は、2050年の持続可能な社会およびカーボンニュートラルの実現を見据え、2030年を目標年とする共通価値創造戦略「TOTO WILL2030」を策定し、中長期的な資本配分と技術経営の方向性を明確にしている。直近の中期経営計画に該当する「WILL2030 STAGE2(2024年度〜2026年度)」において、同社は総額1,750億円(単位:億円、対象期間:STAGE2期間、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2 投資計画)の戦略的設備投資を実行する計画を示している。この大規模な投資の内訳は、研究開発(R&D)を含むグローバルな事業展開に向けた「Global Strategic Investment」に720億円、新領域事業として成長を牽引するセラミック事業の開発および生産拡張に向けた「Ceramic Strategic Investment」に290億円、国内の環境対応・生産効率化・ショールーム強化を目的とした「Japan Strategic Investment」に320億円、そしてIT等を含む事業基盤の強化に向けた「Infrastructure Enhancement」に420億円がそれぞれ割り当てられている。財務上の経済価値KPIとして、同社は売上規模1兆円以上(単位:円、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 経済価値)、営業利益率12%以上(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)、投下資本効率(TOTO版ROIC)12%以上(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)、および海外住設売上高比率(住設事業)40%以上(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)という野心的な目標を掲げている。これらの指標は、独自の技術開発による価値創造が同社の競争優位性とグローバルブランドの認知を支える「知的資本」として機能していることを裏付けている。ただし、R&D単体の厳密な予算金額について、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)2。
WILL2030戦略において、同社は「きれいと快適・健康」「環境」「人とのつながり」の3つを最重要課題(マテリアリティ)として特定し、サステナビリティ経営を通じた社会的価値および環境価値の創出を推進している。製品の環境性能を示す指標として、サステナブルプロダクツ商品構成比を83%(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)にまで引き上げる計画を公表している。水資源保全に対する直接的な技術貢献として、商品使用時水削減貢献量(2005年当時の商品を普及し続けた場合と比べた削減効果)を13億m3(単位:m3、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)とする目標を設定している。気候変動対策の領域では、事業所からのCO2排出量(Scope1,2)を18.5万t(単位:t、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)にまで削減する目標を掲げており、これは基準となる2021年度比で47.5%の大幅な削減に相当する。さらに、ステークホルダーとの関係性を定量化するサティスファクション指標として、グローバルなアフターサービスお客様満足度を95pt(単位:pt、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)、ショールーム満足度(日本)を80pt(単位:pt、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)、社員満足度(日本)を80pt(単位:pt、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)とする目標を開示している。これらの非財務KPIは、同社が培ってきた衛生技術や環境対応技術が、単なる機能的価値にとどまらず、地球環境の保全や社会課題の解決に直結する戦略的資産として運用されている構造を示している2。
同社の技術開発と事業展開を物理的に支える拠点ネットワークは、国内事業所、国内販売拠点、国内サービス・サポート拠点、および海外拠点から構成されている。公式の拠点一覧によれば、経営の中枢である本社は福岡県北九州市小倉北区に所在し、東京都港区には主要事業所である「東京汐留事業所」および、建築とデザインの専門ギャラリー「TOTOギャラリー・間」や「TOTO出版」を併設する文化発信拠点「東京乃木坂事業所」を配置している。研究開発に特化した機能を持つ生産拠点として、神奈川県茅ヶ崎市に所在する「茅ヶ崎工場」がシステムトイレの製造および研究拠点として明示されている。また、福岡県北九州市の「小倉第一工場」は、衛生陶器の製造を担うとともに、グループ会社であるTOTOウォシュレットテクノ株式会社の本社機能と連携し、主力製品であるウォシュレット等の開発を主導している。生産インフラとしては、滋賀工場(滋賀県湖南市、衛生陶器製造)や滋賀第二工場(滋賀県甲賀市、システムキッチン等製造および物流拠点)などが稼働しており、千葉、江別など各地の物流センターと統合されたサプライチェーンを形成している。新領域事業であるセラミック関連については、TOTOファインセラミックス株式会社(大分県中津市)およびTOTOマテリア株式会社(岐阜県土岐市)などの専門子会社を通じて技術開発と生産が行われている。なお、海外の研究開発拠点に関する詳細な所在地や個別機能について、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)4。
同社は、株主および投資家との透明性の高い対話を維持するため、包括的なIRコミュニケーション活動を展開している。経営体制は、代表取締役会長兼取締役会議長の清田徳明氏、および代表取締役社長執行役員の田村信也氏によって率いられており、全社の連結従業員数は34,673名(単位:名、対象期間:2025年3月現在、区分:実績、出典:企業概要 連結従業員数 *契約社員・派遣社員を含む)となっている。公式ウェブサイト内の「IR資料室」を通じて、有価証券報告書、決算説明資料、中・長期経営計画などの法定開示および任意開示資料が体系的に提供されている。特に、財務情報と非財務情報(知財戦略、ESGの取り組みなど)を統合した「統合報告書(Integrated Report)」を毎年度発行しており、さらに専門的な定量データを要求する投資家向けに「財務・非財務データ集」を和英両言語で公開している。また、経営陣と市場との直接的な対話の機会として決算説明会を定期的に開催しており、直近の事例として、2025年10月31日(金曜日)にZOOMによるオンライン形式での「決算説明会」が予定されている。この説明会には、社長執行役員の田村信也氏に加え、最高財務責任者(CFO)の田口智之氏らが登壇し、業績および経営戦略に関する直接的な説明を行う方針が示されている。グローバル市場における個別の市場シェアやポジションを示す厳密な数値データについて、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)5。
|
発行体(会社名) |
ドメイン |
文書名/ページ名 |
発行日/公表日/更新日 |
種別 |
URL |
|
TOTO株式会社 |
jp.toto.com |
有価証券報告書 |
- |
公式IRページ |
|
|
TOTO株式会社 |
jp.toto.com |
グループ拠点 |
- |
公式企業情報 |
|
|
TOTO株式会社 |
jp.toto.com |
令和2年度「知財功労賞」受賞 |
2020年06月05日 |
公式ニュース |
https://jp.toto.com/company/press/company/management/2020_06_05_010406/ |
|
TOTO株式会社 |
jp.toto.com |
企業概要 |
2025年6月24日 |
公式企業情報 |
|
|
TOTO株式会社 |
jp.toto.com |
お問い合わせ |
2024年 |
公式サポート |
|
|
TOTO株式会社 |
jp.toto.com |
統合報告書・TOTOのご案内 |
- |
公式企業情報 |
|
|
TOTO株式会社 |
jp.toto.com |
TOTOグループ 統合報告書 2024 |
- |
統合報告書 |
|
|
TOTO株式会社 |
jp.toto.com |
決算説明会動画 |
- |
公式IRページ |
|
|
TOTO株式会社 |
jp.toto.com |
TOTO WILL2030 STAGE2 |
2024年10月1日 |
決算/経営計画資料 |
|
|
TOTO株式会社 |
p.sokai.jp |
議決権行使関連資料 |
- |
法定開示/IR資料 |
|
種別 |
公表日(または予定日) |
対象期間/FY |
根拠URL |
|
決算説明会(オンライン) |
2025年10月31日(開催予定日) |
今回の調査では未確認 |
|
品目ラベル(公式表記) |
シェア(公式表記) |
対象期間または出典資料名 |
掲載場所 |
根拠URL |
|
今回の調査では未確認 |
今回の調査では未確認 |
今回の調査では未確認 |
今回の調査では未確認 |
今回の調査では未確認 |
市場シェアや特定の市場ポジションを明示する図表について、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)7。
|
国 |
特許番号/商標等 |
発明名称/商標名称(公式表記) |
出願人・権利者 |
根拠 |
|
日本 |
今回の調査では未確認(登録商標) |
ウォシュレット |
当社 |
https://jp.toto.com/company/press/company/management/2020_06_05_010406/ |
|
日本 |
今回の調査では未確認(登録商標) |
魔法びん浴槽 |
当社 |
https://jp.toto.com/company/press/company/management/2020_06_05_010406/ |
|
日本 |
今回の調査では未確認(登録商標) |
カラリ床 |
当社 |
https://jp.toto.com/company/press/company/management/2020_06_05_010406/ |
具体的な特許番号について、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)1。
|
研究開発組織/機能(公式表記) |
拠点(公式表記) |
根拠ページ名 |
URL |
|
今回の調査では未確認 |
本社 |
グループ拠点 |
|
|
今回の調査では未確認 |
東京汐留事業所 |
グループ拠点 |
|
|
建築とデザインの専門ギャラリー等 |
東京乃木坂事業所 |
グループ拠点 |
|
|
研究拠点・システムトイレ製造 |
茅ヶ崎工場 |
グループ拠点 |
|
|
ウォシュレット等の開発・衛生陶器製造 |
小倉第一工場 |
グループ拠点 |
|
|
衛生陶器製造 |
滋賀工場 |
グループ拠点 |
|
|
システムキッチン等製造・物流拠点 |
滋賀第二工場 |
グループ拠点 |
|
|
TOTOサニテクノ株式会社(衛生陶器) |
本社・中津工場 |
グループ拠点 |
|
|
TOTOウォシュレットテクノ株式会社 |
本社 |
グループ拠点 |
|
|
TOTOバスクリエイト株式会社 |
本社・佐倉工場 |
グループ拠点 |
|
|
TOTOファインセラミックス株式会社 |
本社・中津工場 |
グループ拠点 |
|
|
TOTOマテリア株式会社 |
本社・土岐工場 |
グループ拠点 |
|
|
技術相談室(専門家向け技術支援) |
今回の調査では未確認 |
お問い合わせ |
TOTO株式会社は、1917年(大正6年)5月15日の創立以来、一世紀以上にわたり水まわり空間を中心とする住宅設備機器の技術革新を牽引してきた企業である。同社の資本金は355億7,900万円(単位:円、対象期間:2025年6月24日時点、区分:実績、出典:企業概要 資本金 列見出しなし)であり、強固な財務基盤を有している。経営トップとして、代表取締役会長兼取締役会議長の清田徳明氏、および代表取締役社長執行役員の田村信也氏が就任しており、サステナビリティと事業成長の両立を目指す体制が構築されている。全社の事業規模を支える人的資本として、連結従業員数は34,673名(単位:名、対象期間:2025年3月現在、区分:実績、出典:企業概要 連結従業員数 *契約社員・派遣社員を含む)に達しており、グローバルな事業展開を支える組織規模を示している5。
同社の主力事業は「住宅設備機器」と「新領域事業商品」の二大ドメインによって構成されている。住宅設備機器事業においては、大便器、小便器、洗面器、手洗器などの衛生陶器を中心としつつ、システムトイレ、ウォシュレットなどの腰掛便器用シート、水まわりアクセサリー、浴槽、ユニットバスルーム、各種給水栓および排水金具などの水栓金具、システムキッチン、洗面化粧台、マーブライトカウンター、浴室換気暖房乾燥機、タイルなどの環境建材、ならびに福祉機器に至るまで、水まわりに関する包括的な製品ポートフォリオを展開している。一方、新領域事業商品においては、ファインセラミックスをはじめとするセラミック技術を応用した製品群を開発・展開しており、住宅設備機器で培った材料技術を別分野の成長事業へと拡張させる戦略が採られている5。
|
事業セグメント(公式表記) |
主な製品群・営業品目 |
|
住宅設備機器 |
衛生陶器(大便器、小便器、洗面器、手洗器など)、システムトイレ、腰掛便器用シート(ウォシュレットなど)、水まわりアクセサリー、浴槽、ユニットバスルーム、水栓金具(各種給水栓、排水金具など)、システムキッチン、洗面化粧台、マーブライトカウンター、浴室換気暖房乾燥機、環境建材(タイル、建材など)、福祉機器 など |
|
新領域事業商品 |
セラミック(ファインセラミックスなど) |
同社の知的財産戦略の最大の特徴は、技術とデザインが不可分に統合された「デザイン経営」の実践にある。このアプローチは公的な評価を確立しており、2020年6月5日のニュースリリースにおいて、特許庁による「令和2年度 知財功労賞」のデザイン経営企業として経済産業大臣表彰を受賞した事実が明示されている。この受賞における評価の核心は、同社がデザインを単なる外観の装飾ではなく、事業戦略の中核として位置付けている点にある。具体的には、経営層が商品デザインの決裁に強く関与する制度設計がなされており、トップマネジメントのコミットメントがデザインの品質を担保している。さらに、製品開発のプロセスにおいて、デザイナーが商品企画の最上流であるコンセプト作りの段階から関与し、顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを顕在化させ、それに応える商品を開発する仕組みが構築されていることが示されている1。
同社の知的財産ポートフォリオを代表する具体的な資産として、いくつかの商標および技術機能が公表されている。「ウォシュレット」は温水洗浄便座の代名詞として知られる同社の登録商標であり、デザイン経営の成果である潜在ニーズの顕在化を象徴する製品である。また、浴槽内の温度低下を防ぐ構造を持つ「魔法びん浴槽」や、水はけを良くすることで清掃性を飛躍的に向上させた「カラリ床」も同社の登録商標として明記されている。材料技術の観点からは、陶器表面のナノレベルの平滑性により汚れが付着しにくく落ちやすい独自の機能・技術として「セフィオンテクト(CeFiOnTECT)」が展開されており、これらはデザインと機能が高い次元で融合した技術資産として位置づけられている。グローバル市場における知的財産権の保護体制についても、世界の各拠点に模倣対策のキーパーソンを配置し、侵害被疑品等の情報を収集するとともに、本社と連携して模倣対策活動を推進する体制が整備されている。WILL2030の価値創造モデルにおいて、「知的資本」は極めて重要なインプットとして定義されており、独自技術の開発による価値創造が同社の競争優位性の源泉となり、グローバルなブランド認知を支える基盤として機能している。なお、具体的な特許出願件数、特許の権利化率、またはAIを活用した知財分類などの内部的な運用プロセスに関する定量データや詳細な手順について、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)1。
同社の技術開発、生産、および物流を支えるインフラストラクチャーは、国内の複数の主要拠点とグループ会社の緊密な連携によって構成されている。事業活動の司令塔となる本社は、福岡県北九州市小倉北区中島に所在している。首都圏における重要拠点として、東京都港区海岸には「東京汐留事業所」が配置され、同じく港区南青山には「東京乃木坂事業所」が設置されている。東京乃木坂事業所は、建築とデザインの専門ギャラリーである「TOTOギャラリー・間」および「TOTO出版」を併設しており、同社のデザイン経営と建築文化への貢献を体現する文化的拠点として機能している4。
研究開発および生産を担う中核工場として、神奈川県茅ヶ崎市に位置する「茅ヶ崎工場」は、システムトイレの製造拠点であると同時に、「研究拠点」として明確に位置づけられている。本社に隣接する福岡県北九州市の「小倉第一工場」では、衛生陶器の製造に加えて、グループ会社であるTOTOウォシュレットテクノ株式会社の本社機能との連携の下、主力製品であるウォシュレット等の開発が行われている。大規模な生産ネットワークを構成するインフラとして、衛生陶器を製造する「滋賀工場」(滋賀県湖南市)や、システムキッチンおよび洗面化粧台の製造と物流拠点を兼ね備える「滋賀第二工場」(滋賀県甲賀市)が稼働している。製品の安定供給を支える物流網としては、小倉物流センター(福岡県北九州市)、千葉物流センター(千葉県八千代市)、江別物流センター(北海道江別市)が整備されている4。
同社は、特定の製品群に特化した複数のグループ会社を設立し、専門性を高める体制を採っている。衛生陶器の製造等を担う「TOTOサニテクノ株式会社」(大分県中津市)、ウォシュレットの技術開発を主導する「TOTOウォシュレットテクノ株式会社」(福岡県北九州市)、システムバスルーム等を製造する「TOTOバスクリエイト株式会社」(千葉県佐倉市)、システムキッチン等を製造する「TOTOハイリビング株式会社」(千葉県茂原市)、水栓金具等を扱う「TOTOアクアテクノ株式会社」(福岡県北九州市)、プラスチック製品を扱う「TOTOプラテクノ株式会社」(福岡県豊前市)がそれぞれの領域で中核的な役割を果たしている。また、成長領域である新領域事業を推進するため、ファインセラミックス製品を扱う「TOTOファインセラミックス株式会社」(大分県中津市)および、マテリアル製品を扱う「TOTOマテリア株式会社」(岐阜県土岐市)が設置されている。専門的な顧客サポート機能として、建築、設計、販売のプロフェッショナル向けに製品の技術的問い合わせに対応する「技術相談室」や、一般の顧客対応を担う「お客様相談室」が整備されている。一方、海外の研究開発拠点やオフィスの具体的な所在地および個別の機能について、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)4。
同社は、2050年の「持続可能な社会、カーボンニュートラルの実現」を見据え、2030年をマイルストーンとする共通価値創造戦略「TOTO WILL2030」を策定し、長期的な視点に基づく資本配分と財務目標を設定している。直近の中期的な事業期間である「STAGE2(2024年度〜2026年度)」において、同社は総額1,750億円(単位:億円、対象期間:STAGE2期間、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2 投資計画)という大規模な戦略的設備投資を計画している。この投資配分は、同社が今後成長を見込む領域に対する経営資源の集中を示している。具体的には、研究開発(R&D)を含むグローバルな開発・販売強化を目的とした「Global Strategic Investment」に対して720億円(単位:億円、対象期間:STAGE2期間、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2 投資計画)が割り当てられている。また、第三の事業の柱として位置づけられるセラミック事業の開発および生産拡張に向けた「Ceramic Strategic Investment」に290億円(単位:億円、対象期間:STAGE2期間、区分:計画、出典:同上)、環境負荷の低減、生産の効率化、およびショールーム機能の強化を目的とした「Japan Strategic Investment」に320億円(単位:億円、対象期間:STAGE2期間、区分:計画、出典:同上)、さらにITインフラの更新など事業基盤の強化を目的とした「Infrastructure Enhancement」に420億円(単位:億円、対象期間:STAGE2期間、区分:計画、出典:同上)が配分されている2。
|
投資区分(WILL2030 STAGE2) |
計画金額(億円) |
主な投資内容 |
|
Global Strategic Investment |
720 |
グローバルな開発(R&D)および販売強化 |
|
Ceramic Strategic Investment |
290 |
セラミック事業の開発および生産拡張 |
|
Japan Strategic Investment |
320 |
環境対応、生産効率化、ショールーム強化 |
|
Infrastructure Enhancement |
420 |
IT等を含む事業基盤の強化 |
|
投資計画合計 |
1,750 |
STAGE2期間(2024年度〜2026年度)の戦略的設備投資 |
財務上の経済価値を示す主要なKPIについて、同社はWILL2030戦略を通じて大幅な成長と資本効率の向上を目指している。売上規模に関しては、2020年度実績の5,778億円(単位:億円、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 経済価値)から、2026年計画で8,500億円(単位:億円、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、そして2030年度には1兆円以上(単位:円、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 経済価値)という規模への到達を目標としている。収益性の指標である営業利益率は、2020年度実績の6.9%(単位:%、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 経済価値)に対し、2026年計画で10%以上(単位:%、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度目標で12%以上(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 経済価値)への向上を図る方針である。資本効率を示す指標である投下資本効率(TOTO版ROIC:税引後営業利益÷(運転資本+固定資産))は、2020年度実績の7.4%(単位:%、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 経済価値)から、2026年計画で10%以上(単位:%、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度目標で12%以上(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 経済価値)へと引き上げることが示されている。さらに、総資産利益率(ROA:営業利益/総資産)の目標は、2026年計画で10%以上(単位:%、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度目標で12%以上(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)に設定されており、自己資本利益率(ROE:当期純利益/自己資本)についても同様に、2026年計画で10%以上(単位:%、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度目標で12%以上(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:同上)の達成を目指している。グローバル展開の進捗を直接的に示す指標である海外住設売上高比率(住設事業)は、2020年度実績の25%(単位:%、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 経済価値)から、2026年計画で35%(単位:%、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度には40%以上(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 経済価値)にまで高める計画である。なお、戦略的投資計画の中にR&D要素が含まれていることは明示されているものの、R&D単体の厳密な年間予算金額や過去の実績金額について、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)2。
WILL2030戦略のもう一つの重要な柱は、サステナビリティ経営を通じた社会的価値および環境価値の創出である。同社は「きれいと快適・健康」「環境」「人とのつながり」の3つをマテリアリティ(重要課題)として位置付け、地球環境に負荷をかけずに豊かで快適な未来社会を実現するための具体的な非財務KPIを設定している。製品ポートフォリオの環境適合性を示す指標として、サステナブルプロダクツ商品構成比を2020年度実績の69%(単位:%、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)から、2026年計画で80%(単位:%、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度目標で83%(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)へ引き上げる方針である。水まわり機器メーカーとしての本業を通じた環境貢献を示す指標である商品使用時水削減貢献量(2005年当時の商品を普及し続けた場合と比べた削減効果)については、2020年度実績の10億m3(単位:m3、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)から、2026年計画で11.4億m3(単位:m3、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度目標で13億m3(単位:m3、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)への拡大を見込んでいる2。
|
社会的価値・環境価値 KPI |
2020年度(実績) |
2026年度(計画) |
2030年度(目標) |
|
サステナブルプロダクツ商品構成比 |
69% |
80% |
83% |
|
商品使用時水削減貢献量 |
10億m3 |
11.4億m3 |
13億m3 |
|
事業所からのCO2排出量(Scope1,2) |
30.7万t |
22.9万t |
18.5万t |
|
アフターサービスお客様満足度 |
92pt |
94.8pt |
95pt |
|
ショールーム満足度(日本) |
73pt |
78.2pt |
80pt |
|
社員満足度(日本) |
74pt |
77.4pt |
80pt |
気候変動への対応として、自社の事業活動に起因する環境負荷の低減指標である事業所からのCO2排出量(Scope1,2)は、2020年度実績の30.7万t(単位:t、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)から、2026年計画で22.9万t(単位:t、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度には18.5万t(単位:t、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)へと大幅に削減する目標を設定している。これは基準となる2021年度比で47.5%の削減に相当する数値である。さらに、製品ライフサイクルにおける環境負荷低減として、商品使用時のCO2排出量を2030年までに2021年度比で25%削減(単位:%、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)する方針も掲げている。ステークホルダーとの強固な信頼関係を定量化するサティスファクション指標に関しても明確な目標が存在する。日本、米州、欧州、中国大陸、台湾地域、インド、タイ、ベトナムを対象とするアフターサービスお客様満足度は、2020年度実績の92pt(単位:pt、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)から、2026年計画で94.8pt(単位:pt、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度目標で95pt(単位:pt、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)へと高める計画である。国内顧客との重要な接点であるショールーム満足度(日本)は、2020年度実績の73pt(単位:pt、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)から、2026年計画で78.2pt(単位:pt、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度目標で80pt(単位:pt、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)の達成を目指す。また、価値創造の源泉である人材のエンゲージメントを示す社員満足度(日本)についても、2020年度実績の74pt(単位:pt、対象期間:2020年度、区分:実績、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)から、2026年計画で77.4pt(単位:pt、対象期間:2026年度、区分:計画、出典:TOTO WILL2030 STAGE2)、2030年度目標で80pt(単位:pt、対象期間:2030年度、区分:目標、出典:TOTOグループ 統合報告書 2024 社会的価値・環境価値)への向上を計画している2。
同社は、資本市場との建設的な対話を重視し、経営戦略や財務・非財務情報に関する透明性の高い開示チャネルを整備している。公式ウェブサイト内の「投資家・IR情報」セクションには「IR資料室」が体系的に構築されており、有価証券報告書、決算短信、決算説明資料などがPDF形式で提供され、過去の業績から最新の経営計画に至るまでのデータが網羅されている。長期的な価値創造のプロセスをステークホルダーに提示するツールとして、同社は経営戦略とサステナビリティの取り組みを統合した「統合報告書(Integrated Report)」を継続的に発行しており、直近の版として「統合報告書2024」および「統合報告書2025」が日本語と英語の両言語で提供されている。また、事業の全体像を簡潔に紹介する目的で「TOTOのご案内(Guide to TOTO)」を年度ごとに発行している。さらに、機関投資家やアナリスト向けのより詳細かつ専門的な定量データについては、統合報告書を補完する「財務・非財務データ集」として独立した形で編成されており、2020年度版から2025年度版までが和英両言語でアクセス可能となっている7。
経営トップと市場関係者が直接対話する機会として、同社は決算説明会を定期的に開催している。直近のIRイベントスケジュールとして、2025年10月31日(金曜日)の17時10分から18時20分にかけて、ZOOMを利用したオンライン形式による「決算説明会」を開催する予定であることが公表されている。この説明会には、経営の最高責任者である代表取締役社長執行役員の田村信也氏、財務戦略を統括する取締役専務執行役員兼最高財務責任者(CFO)の田口智之氏、および事業戦略を推進する執行役員経営企画本部長の山本泰徳氏が登壇する予定となっており、経営陣から直接、業績の進捗やWILL2030戦略の実行状況に関する説明が行われる方針である。一方で、これらの多岐にわたるIR開示資料の中において、グローバル市場や国内市場における同社製品の具体的な市場シェア(占有率)や業界内のポジションを示す数値データについて、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)6。
同社の事業構造と戦略的アプローチを技術経営(MOT)の視点から俯瞰すると、デザインと技術の融合を核とした「知的資本」の形成が、持続的な企業価値向上のエンジンとして機能していることが明確である。「ウォシュレット」や「セフィオンテクト」に代表される独自の技術群は、単なる機能的優位性にとどまらず、顧客の潜在的ニーズを顕在化させるデザイン経営の実践を通じて、強力なブランド資産へと昇華されている。この知財・デザイン戦略を裏付けるものとして、国内の各工場(小倉、茅ヶ崎等)における研究開発機能と製造機能の緊密な統合や、専門特化型のグループ会社による技術の深耕が挙げられる。WILL2030 STAGE2で示された1,750億円規模の戦略的投資計画は、これらの技術基盤をグローバル市場へ展開するとともに、セラミック等の新領域を育成するための明確な資本配分規律を示している。さらに、サステナブルプロダクツの拡充や水削減貢献量の拡大といった環境価値KPIが経営目標の中核に組み込まれており、技術革新が社会課題の解決と直接的に連動する仕組みが構築されている。これらの多角的な指標は、統合報告書等のIRコミュニケーションを通じて透明性高く開示されており、同社が知的財産戦略を経営戦略およびサステナビリティ戦略と不可分に統合した高度な技術経営を実践していることを示唆している。
本レポートのPDF版をご用意しています。印刷や保存にご活用ください。
本レポートは、公開情報をAI技術を活用して体系的に分析したものです。
情報の性質
ご利用にあたって
本レポートは知財動向把握の参考資料としてご活用ください。 重要なビジネス判断の際は、最新の一次情報の確認および専門家へのご相談を推奨します。
TechnoProducerは、貴社の「発明力と知財力」を最大化します
→ 月額顧問サービス
特許活用から経営戦略まで、事業成功のプロがあらゆる課題に対応
→ 発明塾®動画セミナー
個人での学習や、オンラインでの社内教育はこちら
→ まず相談したい・お問い合わせ
サービス選択に迷う場合や、個別のご相談はこちら
ここでしか読めない発明塾のノウハウの一部や最新情報を、無料で週2〜3回配信しております。
・あの会社はどうして不況にも強いのか?
・今、注目すべき狙い目の技術情報
・アイデア・発明を、「スジの良い」企画に仕上げる方法
・急成長企業のビジネスモデルと知財戦略