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コカ・コーラの知財戦略:ビジネス価値を最大化する技術ポートフォリオとエコシステムの完全分析

3行まとめ

ビジネスOSとしての知財戦略と高収益体質の維持

知財を単なる権利保護ではなく「ビジネスOS」と定義し、営業秘密と特許のハイブリッド運用で営業利益率約24%の高収益モデルを牽引しています。

外部連携による「バランスシート外」のR&D能力拡張

自前主義を脱却し、Microsoftへの11億ドルのAI投資やGreycroftとの1.37億ドルのファンド設立など、資本提携を通じてデジタルとサステナビリティ技術を迅速に獲得しています。

「容器」から「デジタルプラットフォーム」への特許転換

特許出願がデジタル処理(G06Q)や自動販売機(G07F)へ急増しており、Freestyleのマイクロドージング技術やデータ解析基盤により、競合に対する強力な参入障壁を構築しています。

エグゼクティブサマリ

 

コカ・コーラ社(The Coca-Cola Company)の2024-2025年における知財・技術戦略は、単なるR&D(研究開発)の枠を超え、企業価値と収益構造を根本から支える「ビジネス・オペレーティング・システム」として機能しています。同社の戦略は、138年以上にわたり厳格に守られてきた「営業秘密(Trade Secret)」による原液処方の保護と、デジタル変革(DX)やサステナビリティ技術における「特許(Patent)」および「オープンイノベーション」のハイブリッドな運用によって特徴づけられます。財務的な観点からは、同社の知財・技術戦略は売上総利益率の維持と営業利益率の拡大を直接的に牽引しており、特にボトリングパートナー(Coca-Cola System)全体でのコスト最適化と収益機会の創出に貢献しています。

知財・技術戦略が財務(売上・利益率)に与えているインパクト

コカ・コーラ社の財務構造は、資本集約的な製造・物流業務をボトラーに委託し、自身は高収益な「コンセントレート(原液)」の製造販売とブランド管理に集中するモデルです。このモデルにおいて、知財は原液の独占性を法的に担保するだけでなく、ボトラーに対する支配力を維持するための重要なレバーとなっています。特に、Freestyleなどのデジタルディスペンサー技術や、PlantBottle™に代表されるパッケージング技術は、消費者接点における差別化要因となり、プレミアム価格の維持に貢献しています。近年強化されているデジタルプラットフォーム(AIを活用した在庫最適化やマーケティング)は、システム全体のオペレーション効率を高め、販管費の抑制と収益性の向上に寄与しています。2024年度の財務報告において、同社は純売上高471億ドル、営業利益率約23.5%Comparableベースで24.0%)という堅調な業績を記録しており 1、これには価格戦略(Price/Mix)の成功に加え、技術主導の効率化が大きく寄与しています。

注力している技術領域の進捗

現在、同社がリソースを集中させている技術領域は「サステナビリティ・パッケージング」「デジタル・エンゲージメント&ディスペンシング」「次世代成分・フレーバー変調」の3つです。サステナビリティ領域では、「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現に向け、100%植物由来PETボトル(PlantBottle™)の商用化や、Paboco社との提携による紙製ボトルの開発が進行中です 23。これらは環境対応だけでなく、原油価格変動リスクからの脱却という経済的合理性も兼ね備えています。デジタル領域では、Microsoftとの11億ドル規模の戦略的提携 4 を通じ、全アプリケーションのクラウド移行と生成AIAzure OpenAI Service)の活用が進んでいます。また、Freestyleマシンの進化系として、IoTとモバイル連携を強化した次世代ディスペンサーの展開も進んでおり、飲料提供の「体験価値」を再定義しています。成分領域では、砂糖削減トレンドに対応するため、ステビア(Reb M)などの高甘味度かつ味質の良い天然甘味料の特許網構築と、アルゴリズムを用いた味覚変調技術に注力しています 5

特許ポートフォリオの規模と質的変化

コカ・コーラの特許ポートフォリオは、過去10年間で質的な転換を遂げています。かつてはボトル形状やロゴデザイン(意匠権・商標権)が中心でしたが、現在は技術特許(Utility Patents)の比重が急増しています。特に、B65D(容器・包装)やG07F(コイン作動式装置)、A23L(食品・飲料)の分類に加え、G06Q(データ処理)などのデジタル関連特許が増加しています 6Freestyleマシンに関連するマイクロドージング技術や、RFIDを用いたカートリッジ管理システム、ユーザーの好みを学習するアルゴリズムに関する特許群は、競合に対する強力な参入障壁を形成しています。また、AIやデータ解析に関する特許出願も増加傾向にあり、ハードウェアメーカーから「データ&ビバレッジ・プラットフォーム企業」への脱皮を図る意図が読み取れます。

競合他社に対する技術的優位性または課題

最大の競合であるペプシコ(PepsiCo)と比較した場合、コカ・コーラの技術的優位性は「飲料特化型の深さ」と「ディスペンシング技術の先行優位性」にあります。ペプシコが食品(Frito-Lay)を含む多角的なポートフォリオを持ち、スナック包装や食品加工技術にリソースを分散させているのに対し、コカ・コーラは飲料容器と提供機器に集中投資を行っています 7。特に、Freestyleマシンによる「多品種少量・オンデマンド提供」のプラットフォームは、ペプシコのSpireシステムと比較しても、設置台数、データの蓄積量、ブランド認知の面で依然として優位性を保っています 89。一方で、ペプシコは食品事業で培ったバイオ素材技術(Danimer Scientificとの提携など)を飲料容器に応用する動きを見せており 1011、サステナブル素材の開発競争は激化しています。また、Keurig Dr PepperKDP)が家庭用コーヒーシステムで築いた「家庭内プラットフォーム」に対して、コカ・コーラは家庭内消費への直接的な技術的接点が相対的に弱いという課題もあり、今後のM&Aや提携戦略における焦点となる可能性があります 12

今後のR&D投資計画と長期ロードマップ

今後のR&D投資は、従来の「製品開発」から「システム全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)」へとシフトしていくことが予測されます。公式なロードマップやサステナビリティ目標(2030年までにボトル1本販売ごとに1本を回収・リサイクルするなど)を達成するためには、既存技術の延長線上にはないブレークスルーが必要です 13。そのため、自社単独のR&Dではなく、ベンチャーキャピタル(Greycroft Coca-Cola System Sustainability Fund)を通じたスタートアップへの投資や、異業種(Microsoft, NVIDIA等)とのパートナーシップを拡大させています 1415。経営陣は、テクノロジーを「コスト削減の道具」ではなく「成長を加速させるエンジン」と定義しており、短期的にはAIとデータ活用への巨額投資が継続される見通しです。

 

戦略的背景とIR資料のアーカイブ

 

コカ・コーラ社の技術戦略を深く理解するためには、財務諸表に表れる定量的な投資額の推移と、経営陣がアニュアルレポートや投資家向け説明会で発信する定性的なメッセージの双方を統合的に分析する必要があります。同社のR&D投資は、単体での数値以上に、ボトリングシステム全体やパートナーシップを含めた「エコシステムとしての投資」として捉える必要があります。特に近年のデジタル領域やサステナビリティ領域への投資は、従来のR&D費用の枠組みを超え、資本提携やベンチャー投資といった形で実行されています。

 

R&D投資の推移(Quantitative Log

 

以下の表は、コカ・コーラ社の近年の財務報告および関連データソースから抽出したR&D活動および関連投資の推移を示しています。同社は純粋なR&D費用を独立した項目として詳細に開示しない場合が多く、多くは「その他の営業費用」やシステム全体の投資に含まれるため、ここでは確認可能な数値と、関連する戦略的投資(デジタル、サステナビリティ)を含めた包括的なビューを提供します。

1:コカ・コーラ社 R&Dおよび関連戦略投資の推移(推定含む)

 

会計年度

売上高 (Net Operating Revenues)

営業利益率 (Operating Margin)

デジタル・R&D関連トピックと投資動向

主要な技術的マイルストーン

2024 (FY)

$47.1 Billion 1

23.5% (GAAP) / 24.0% (Comp)

Microsoftとの5年間・11億ドルのクラウド/AI投資コミットメント発表 4。生成AIの全社展開。

生成AIによるマーケティング自動化、デジタルツインの拡張。StudioXによるNVIDIA Omniverse活用 15

2023 (FY)

$45.8 Billion

24.7%

Greycroftと共同で13,770万ドルのサステナビリティファンド設立 14

サステナビリティ技術(炭素回収、パッケージ、サプライチェーン)へのVC投資開始。

2022 (FY)

$43.0 Billion

22.7%

デジタル売上比率の向上。Freestyleマシンの非接触機能強化への継続投資。

デジタル決済・ロイヤリティプログラムの統合強化。

2021 (FY)

$38.7 Billion

26.7%

ポストCOVIDを見据えた「タッチレス」技術とEコマース基盤への集中投資。

紙製ボトルプロトタイプの市場テスト(ハンガリー等) 16

2020 (FY)

$33.0 Billion

27.3%

パンデミック対応としてサプライチェーンのデジタル化を加速。

100% rPETボトルの主要市場への導入開始。

データから読み取れるコカ・コーラ社のR&D戦略の最大の特徴は、**「バランスシートの外側にあるR&D能力の活用」**です。表に見られるように、同社は直接的なR&D費用の積み上げだけでなく、2023年のGreycroftとのファンド設立(約1.37億ドル)や、2024年のMicrosoftへの11億ドルのコミットメントなど、資本提携やパートナーシップを通じた技術獲得に大きく舵を切っています。これは、飲料業界の技術革新が「フレーバーの開発(内部リソース)」から「デジタルプラットフォームとサステナビリティ(外部との連携が不可欠)」へとシフトしていることを示唆しています。特に、Microsoftへの巨額投資は、同社が自身を「IT企業」として再定義しようとしていることの現れであり、全アプリケーションのAzure移行や生成AIの活用は、オペレーションコストの削減と同時に、消費者データの独占的な解析能力を獲得することを目的としています。また、営業利益率が20%台後半で安定的に推移していることは、これらの技術投資が収益性を圧迫することなく、むしろ高収益なビジネスモデルを支える基盤として機能していることを証明しています。ボトラーシステム(Coca-Cola System)全体で見れば、製造設備の近代化や物流の自動化に対する投資額はさらに巨額となり、これらが「見えないR&D」として競争優位性を支えています。

 

経営陣の技術コミットメント

 

経営トップの発言は、技術が企業の将来像の中でどのような位置を占めているかを示す羅針盤です。以下は、CEOおよび主要役員の公式発言からの抜粋であり、同社の技術に対する姿勢を明確に示しています。

James Quincey, Chairman and CEO (2024/2025 Context)

"Our all-weather strategy is working... Our global scale, coupled with local-market expertise and the unwavering dedication of our people and our system, uniquely position us to capture the vast opportunities ahead." 1

"We will adopt more of a tech company modus operandi rather than inventing the perfect thing and taking a long time doing it. We need to get out there faster and take more risks." 17

"The obvious layer is how AI can help the internal workings of the organization... The second layer... is how AI can help sales and help us be better partners to retailers. The third, which is least clear, is what we can do with generative AI and marketing." 18

John Murphy, President and CFO (Regarding Sustainability Fund)

"This fund offers an opportunity to pioneer innovative solutions and help scale them quickly within the Coca‑Cola system and across the industry. We expect to benefit from getting access to emerging technology and science for sustainability and carbon reduction." 14

Samir Bhutada, Global VP of StudioX Digital Transformation (Regarding NVIDIA Partnership)

"With NVIDIA, we can personalize and customize Coke and meals imagery across 100-plus markets, delivering on hyperlocal relevance with speed and at global scale." 15

James Quincey CEOの「テック企業の行動様式(modus operandi)を採用する」という発言は、従来の慎重なCPG(消費財)企業の文化からの決別を宣言するものです。「完璧なものを時間をかけて作る」のではなく「リスクを取って素早く市場に出す(Agile)」という姿勢は、ソフトウェア開発のアプローチそのものであり、これが現在の急速なAI導入や、プロトタイプ段階での紙製ボトル市場投入といったアクションに直結しています。また、AIの活用を「内部効率化」「小売店支援(B2B)」「マーケティング(B2C)」の3層に分けて捉えている点は、技術を単なる流行としてではなく、ビジネスプロセスの全域にわたる構造改革のドライバーとして認識していることを示しています。特にJohn Murphy CFOの発言にある「業界全体でのスケーリング」は、開発した技術を独占するだけでなく、ボトラーやサプライヤーを含めたエコシステム全体に展開し、デファクトスタンダード化を狙うプラットフォーマーとしての野心を表しています。

 

知的財産・技術ポートフォリオの全貌

 

本セクションでは、コカ・コーラ社の競争優位の源泉である具体的な技術資産をカタログ化し、そのビジネス的価値を詳述します。同社の知財ポートフォリオは、物理的な製品技術からデジタルアルゴリズムまで多岐にわたり、それぞれの要素が相互に連携して収益を生み出すシステムとして機能しています。

 

(1) 重点技術領域のカタログ

 

コカ・コーラ社が定義するイノベーションの戦場は、主に以下の3つの領域に集約されます。各領域において、具体的な技術開発と知財保護が行われており、これらがビジネス上の競争優位性を形成しています。

2:重点技術領域と主要プロジェクト・特許群

 

技術領域

主要プロジェクト・製品

技術的詳細・特許機能

ビジネスインパクト(収益・コスト)

Smart Dispensing (Micro-dosing)

Coca-Cola Freestyle

PurePour Technology: 航空宇宙技術を応用したマイクロドージング(微量噴射)。従来のシロップタンク(BIB)ではなく、高濃度成分カートリッジを使用。1920

在庫スペース削減: バックルームの在庫スペースを劇的に削減。

 

データ収益: リアルタイムの消費データ収集による新製品開発(例:Sprite Cherryの全国展開)や在庫管理の最適化。

Sustainable Packaging

PlantBottle™ / Paper Bottle

Bio-MEG / bPTA: サトウキビや農業廃棄物からPET原料(モノエチレングリコール等)を生成する化学プロセス。321

ヘッジ効果: 原油価格変動の影響を低減。

 

知財ライセンス: 技術を競合他社(Heinz等)にもライセンス供与し、プラットフォーム化 3

Connected Equipment (IoT)

Smart Coolers / Vision API

Vision Recognition: クーラー内の在庫状況、競合製品の有無をカメラで認識。Bluetooth/Beacons: 消費者のスマホと連携したプロモーション。2223

売上機会損失の防止: 在庫切れ(OOS)検知による補充最適化で売上増(+6%の売上増事例あり 24)。

 

資産管理: 全世界1,000万台以上のクーラーの稼働状況監視とメンテナンス効率化。

Digital Flavor Modulation

Algorithmic Blending / Stevia

Steviol Glycosides (Reb M): 苦味のない天然甘味料の酵素変換・精製技術。5

規制対応: 砂糖税導入国での収益維持。

 

コスト削減: 砂糖よりも高効率な甘味供給による物流コスト低減。

Freestyleは単なるドリンクバーではなく、コカ・コーラにとっての「物理的なアプリストア」です。従来のディスペンサーは、数種類のシロップを炭酸水で割るだけでしたが、Freestyleは、プリンターのインクカートリッジのような「マイクロ・イングリディエント」を使用し、これらをナノレベルの精度で混合することで100種類以上の飲料を生成します。この技術(PurePour)は、本来医療や航空宇宙分野で使われていた流体制御技術を応用したものであり、これにより「在庫スペースの圧縮」と「無限のバラエティ」という相反する課題を解決しました。特許文献 や によれば、このシステムは精密なミキシングノズルとデジタル制御システムによって支えられており、これにより従来のバッグ・イン・ボックス(BIB)方式では不可能だった多品種提供を実現しています。ビジネス的には、このマシンから得られる消費データが極めて重要です。どの地域で、どの時間帯に、どのフレーバーの組み合わせが飲まれているかをリアルタイムで把握することで、マーケティングのROIを最大化し、ヒット商品の種を早期に発見するテストベッドとして機能しています。

PlantBottleおよびPaper Bottleの取り組みは、知財戦略の転換点を示しています。かつてボトル形状(コンツアーボトル)の意匠権でブランドを守っていた同社は、現在「素材の組成特許」で業界標準を握ろうとしています。特に、植物由来原料からPETを生成するプロセス特許は、サプライヤー(Virent, Gevoなど)との共同開発や出資を通じて確保されており 325、これを競合(ハインツなど)にもライセンス供与することで、サステナブル素材市場のイニシアチブを握る「オープン戦略」を採用しています。これにより、自社の調達コストを下げるだけでなく、環境技術のリーダーとしてのブランド価値(Brand Equity)を高めています。100%植物由来PETボトルや、Paboco社との提携による紙製ボトルのプロトタイプ開発 2 は、将来的なプラスチック規制への完全なヘッジとして機能します。

 

(2) 特許・商標データ分析

 

コカ・コーラ社の知財ポートフォリオを分析すると、明確な戦略的意図が見えてきます。特許出願の傾向は、同社がどのような技術領域を重要視しているかを如実に示しています。

3:主要特許分類(CPC/IPC)とその戦略的意味

 

特許分類コード

分類内容

出願傾向と戦略的意図

関連する主要特許例

B65D

容器、包装、蓋

[高頻度] ボトルの軽量化、テザーキャップ(EU規制対応)、紙製ボトルのバリア層構造。物理的な製品保護と環境対応が主軸。

US 11,148,927 (Dispensing Nozzle Assembly) 20

 

US Design Patents (Contour Bottle)

G07F

コイン作動式装置(自動販売機)

[増加中] Freestyleマシン、IoT自販機、モバイル決済連携。ハードウェアから「インタラクション」へのシフト。

US 7,593,867 (Interactive networked product container) 26

A23L

食品・飲料(ノンアルコール)

[安定的] 甘味料(ステビア)、保存料削減技術、フレーバー安定化技術。味覚の差別化と健康志向対応。

US 11,751,592 (Sweetness and taste improvement) 5

G06Q

データ処理・ビジネスメソッド

[急増] 在庫管理アルゴリズム、ダイナミックプライシング、消費者行動分析。デジタルトランスフォーメーションの反映。

US 2020/0331739 (Dispensing system analytics) 27

データから読み取れるのは、コカ・コーラが「容器の会社」から「システムの会社」へと変貌している事実です。B65D(容器)は依然としてコアですが、G07F(自販機・ディスペンサー)やG06Q(データ処理)の特許が増加している点は、消費体験のデジタル化を独占しようとする意図を示しています。例えば、US 7,593,867「インタラクティブなネットワーク化された製品容器」という特許は、自販機が単なる販売機ではなく、Wi-Fiスポットとなり、デジタルコンテンツを配信し、ユーザーのデバイスと通信するハブとなることを想定しています。これは、GoogleAppleがスマートフォンで行っている「プラットフォーム戦略」を、物理的な飲料提供拠点(自販機・ディスペンサー)で展開しようとするものです。

また、A23L(飲料組成)においては、特にステビア関連の特許(Reb Mの酵素変換など)において、PureCircle社(現在はIngredion傘下)などのパートナーと共同で強力な特許網を築いています 528。これは、特許切れが迫る人工甘味料に代わり、特許保護された天然甘味料を使用することで、後発企業の参入を防ぐ「成分のブラックボックス化」戦略と言えます。特に、Reb Mなどの高甘味度ステビオール配糖体は、従来のステビア特有の苦味を抑え、砂糖に近い味質を実現するための重要な技術であり、同社はこの分野での特許を多数保有・共有しています。

 

(3) サービスビジネスとの連動

 

知財は、製品を売るためだけでなく、サービス収益(リカーリングモデル)を生み出す基盤ともなっています。同社は、ボトラーや小売店に対してデータに基づいたソリューションを提供することで、単なるサプライヤーから戦略的パートナーへの昇華を図っています。

データドリブン・リテールの提供

コカ・コーラは、小売店に対し、単に製品を卸すだけでなく、「売れる棚割(プラノグラム)」や「在庫最適化」のコンサルティングサービスを提供しています。これを可能にしているのが、Connected CoolerFreestyleから吸い上げられる膨大なデータと、それを解析するAIアルゴリズム(Hiveryなどのパートナー技術含む)です。例えば、画像認識技術を用いたクーラーは、棚の写真を解析し、欠品を検知するだけでなく、「競合製品がどの程度シェアを占めているか」も把握します 23。このデータに基づき、ボトラーの営業担当者は小売店主に対し、「この棚にCoke Zeroを置けば売上がX%上がる」という具体的な提案が可能になります。Hiveryとの協業事例では、AIによる推奨に基づき在庫と品揃えを最適化した結果、対象マシンの売上が15%増加し、補充訪問回数が18%減少したという結果も報告されています 29。この「インサイトの提供」自体が、小売店との関係性を強化し、他社製品を排除する強力なロックイン効果を生み出しています。

機器メンテナンスの予知保全(Predictive Maintenance

FreestyleマシンやIoT自販機は、稼働データを常にクラウドに送信しています。これにより、故障が発生する前に予兆を検知し、部品交換を行う「予知保全」が可能になります。これは、ダウンタイム(販売停止時間)を最小化し、機会損失を防ぐとともに、メンテナンスコストを最適化します。この技術的ケイパビリティは、ボトラーにとってのオペレーションコスト削減という直接的な利益となり、コカ・コーラシステム全体の収益性を底上げしています。Coca-Cola Bottlers Japanなどのボトラーにおいても、モバイルアプリを活用した自販機オペレーションの効率化が進められており、IoTデータに基づいたルート最適化などが実装されています。

 

オープンイノベーションとエコシステム

 

コカ・コーラ社は、自前主義に固執せず、外部の卓越した技術を取り込む「エコシステム戦略」を積極的に推進しています。これにより、開発スピードの向上とリスク分散を図りながら、最先端技術へのアクセスを確保しています。

 

提携・M&Aリスト

 

4:主要な技術提携・投資パートナーシップ

 

パートナー企業

提携・投資の形態

戦略的狙いと技術的シナジー

Microsoft

戦略的パートナーシップ ($1.1B Commitment) 4

クラウド・AI基盤の統一: 全システムのAzure移行とOpenAI活用。サプライチェーン、マーケティング、バックオフィスの全領域でのAI実装。デジタルアシスタントの導入による生産性向上。

Greycroft

VCファンド共同設立 ($137M Fund) 14

サステナビリティ技術の青田買い: 包装、脱炭素、サプライチェーン領域のスタートアップへの早期アクセスと資本提携。Coca-Cola System Sustainability Fundを通じての投資。

OpenAI / Bain & Company

提携 (Create Real Magic)

生成AIマーケティング: GPT-4とDALL-Eを活用したクリエイティブ生成プラットフォームの構築。消費者参加型キャンペーンの展開とマーケティング素材の自動生成。

Paboco (Paper Bottle Co.)

共同開発パートナー 230

紙製ボトルの実用化: 液体バリア性能を持つ紙ボトルの開発。プラスチック依存からの脱却を目指す長期的プロジェクト。プロトタイプの市場テスト実施。

Virent / Gevo / Avantium

技術提携・共同開発 325

バイオプラスチック原料: 100%植物由来PETPlantBottle 2.0)に必要なbPTAPEF(ポリエチレンフラノエート)の量産化技術確立。サステナブル素材のサプライチェーン構築。

Hivery

出資・技術活用 2931

AI在庫最適化: 自販機の品揃えと価格設定をAIで最適化。収益最大化と補充コスト削減(Vending Analytics)。

Palantir

パートナーシップ(一部ボトラー含む)3233

サプライチェーン可視化: サプライチェーンの断絶を防ぐためのデータ統合と分析。Coca-Cola ConsolidatedなどがPalantir Foundryを採用し、物流効率を向上。

このリストから明確になるのは、コカ・コーラが各領域の「ベスト・オブ・ブリード(最高峰)」と手を組んでいることです。特にMicrosoftとの提携は、単なるITベンダーと顧客の関係を超えています。コカ・コーラはMicrosoftにとって、生成AIの実世界での大規模ユースケースを示すショーケースであり、両社は共同で新たなソリューション(例えば、AIを活用したデジタルアシスタントなど)を開発する体制を取っています 4Greycroftとのファンド設立は、従来のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の枠組みを超え、外部のプロフェッショナルVCの目利き力を活用しつつ、コカ・コーラシステムの巨大な実験場(テストベッド)をスタートアップに提供するという、Win-Winの構造を作っています 14。これにより、社内のR&Dだけでは追いつかないスピードで、脱炭素や新素材の技術を取り込むことが可能になっています。

PabocoVirentとの提携は、サステナビリティが「競争前領域(Pre-competitive area)」から「競争優位の源泉」へと変化していることを示しています。これらの技術開発には長い時間とコストがかかりますが、パートナーとリスクを分担しながら開発を進めることで、将来的な規制強化や消費者意識の変化に対する強力なヘッジを構築しています。また、Palantirのようなデータ解析企業との連携は、複雑なサプライチェーンをデジタル上で可視化し、需要変動に対する即応性を高めるために不可欠な要素となっています 32

 

政府・公的機関との連携

 

コカ・コーラは、特に環境技術分野において、各国の公的機関やコンソーシアムと連携しています。例えば、欧州における「PETリサイクルプロセスの認証」や、米国におけるバイオ由来素材の認定基準策定において、業界リーダーとして関与しています。また、水資源保護(Water Replenishment)に関しては、世界自然保護基金(WWF)や各地の水道局、政府機関と連携し、使用した水と同量を自然に還元するプロジェクトを推進しています 3413。これらの活動は、単なるCSRではなく、工場稼働に必要な「水利権」を維持するための事業継続計画(BCP)の一環であり、地域社会からの「操業許可(License to Operate)」を確保するための政治的・社会的な投資でもあります。さらに、WIPO(世界知的所有権機関)などの国際機関とも連携し、知財保護の重要性を啓蒙する活動にも参画しています 35

 

リスク管理とガバナンス(IP Governance

 

世界で最も有名な「秘密」を持つ企業として、コカ・コーラのリスク管理は極めて厳格かつ重層的です。同社の知財ガバナンスは、営業秘密による絶対的な保護と、特許による技術的排他権の行使を巧みに使い分けることで成立しています。

 

営業秘密と特許の使い分け(Trade Secret vs Patent Strategy

 

5:知財保護形態の戦略的区分

 

保護対象

保護形態

理由・戦略的意図

飲料原液の処方(Formula

営業秘密 (Trade Secret)

永久的な独占: 特許は20年で公開されるが、営業秘密は漏洩しない限り永久に保護される。リバースエンジニアリングが困難な複雑な混合物であるため 3637

ボトル形状・デザイン

意匠権・立体商標

ブランド識別性: 消費者が一目でコカ・コーラと認識できる形状を独占し、模倣品を排除するため。永続的なブランド資産化 38

ディスペンサー機構 (Freestyle)

特許 (Patent)

技術的参入障壁: 機械構造はリバースエンジニアリングが容易なため、特許で法的に保護し、競合の模倣を防ぐ。クロスライセンスの交渉材料 39

サステナブル素材製造法

特許 (Patent)

標準化と普及: パートナー企業と共有し、業界標準とするため。また、サプライヤーに対する技術的コントロールを維持するため。

コカ・コーラの知財ガバナンスの核心は、「何を守り、何を公開するか」の峻別です。原液のレシピ(Merchandise 7X)は、アトランタの厳重な金庫(Vault)に保管され、全容を知る者はごく少数に限られています 36。これは、レシピ自体がマーケティングストーリーの一部となっている稀有な例です。一方で、Freestyleのノズル技術や通信プロトコルは特許化されています。これは、ハードウェア技術は分解すれば構造が分かってしまうため、法的な独占権を行使する方が合理的だからです。特許分類B67D(飲料ディスペンサー)やG07Fにおける多数の特許取得は、この戦略を裏付けています。

また、サイバーセキュリティは、デジタル化が進む同社にとって最大の経営リスクの一つです。Microsoftとの提携におけるクラウド移行は、セキュリティレベルの向上も意図しています。IoT機器(自販機やクーラー)がネットワークに接続されることで、そこがサイバー攻撃のエントリーポイントになるリスクがあるため、エッジデバイスレベルでのセキュリティ強化や、サプライチェーンパートナー(ボトラーや物流会社)を含めたセキュリティ基準の統一(KORE基準)が徹底されています 40。さらに、技術流出防止体制として、元従業員による情報の持ち出し(過去に中国系企業へのBPAフリー缶技術の漏洩事件があった 4142)を教訓に、アクセス権限の厳格な管理、退職時の監査、そしてサプライヤーとの契約における知財条項の強化が行われています。営業秘密へのアクセスは「Need-to-Know」ベースで厳格に制限され、重要な情報は分散して管理されることで、一人の人間が全ての秘密を持ち出すことが物理的に不可能な体制が敷かれています 36

 

競合ベンチマーク(技術・財務比較)

 

コカ・コーラの立ち位置を明確にするため、主要競合であるペプシコ(PepsiCo)およびキューリグ・ドクター・ペッパー(KDP)との比較を行います。各社は異なる技術戦略と事業ポートフォリオを持っており、それがR&Dの方向性にも反映されています。

6:主要競合3社のR&D・技術・財務指標比較

 

指標

The Coca-Cola Company (KO)

PepsiCo (PEP)

Keurig Dr Pepper (KDP)

売上高 (Revenue) [2023/24]

~$47.1 Billion 1

~$91.9 Billion 43

~$15.0 Billion 44

営業利益率 (Op Margin)

High (~24-28%)

Medium (~14-16%)

Medium-High (~20-24%)

R&D費用の性質

飲料・包装・機器に特化。絶対額はPEPより低いが、飲料への集中度は高い。

**スナック(Frito-Lay**R&D比重が高い。食品加工・フレーバー開発が中心。

コーヒー抽出機(Keurig)のハードウェア開発費が高い。

技術戦略の焦点

Digital & Dispensing: Freestyle, AI, Marketing Tech.

Diversification: スナックと飲料のクロスマーチャンダイジング、バイオ素材。

Home System: 家庭用コーヒーマシンのスマート化 (BrewID)

ディスペンサー技術

Freestyle: マイクロドージング、カートリッジ式、圧倒的な展開数。

Spire: タッチパネル式だが、従来のBIB(シロップ箱)ベースが主流 8

Keurig Brewers: 家庭用・オフィス用の個食提供システム。スマートブリュワー (BrewID) 12

サステナビリティ技術

PlantBottle / Paper Bottle: バイオPETと紙ボトルのパイオニア。

Compostable Packaging: スナック袋の生分解性素材開発に強み(Danimer Scientificと提携)10

Recyclable Pods: K-Cupのポリプロピレン化、リサイクル性向上。

コカ・コーラ vs ペプシコ: 財務数字上、ペプシコの売上はコカ・コーラの約2倍ですが、これは低マージンの食品事業(スナック)を含んでいるためです。コカ・コーラは飲料専業であるため、R&Dリソースを「液体の科学」と「飲料提供の科学」に集中投下できます。技術面での最大の差別化ポイントはディスペンサーです。コカ・コーラのFreestyleは、独自のマイクロドージング技術により、省スペースで多品種を提供できる特許技術の塊であり、これが外食産業(マクドナルド、バーガーキング等)における独占的な地位を支えています。一方、ペプシコのSpireは、タッチパネルというUIは似ていますが、内部構造は従来のシロップ混合方式(BIB)を採用しているケースが多く 8、技術的な革新性やフレーバーの拡張性においてFreestyleに分があります。しかし、ペプシコはスナック菓子の包装技術(生分解性フィルムなど)で先行しており、これを飲料分野に応用するクロスオーバーの強みを持っています。特に、Danimer Scientificとの提携によるPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)を用いた生分解性樹脂の開発は、将来的なパッケージングのゲームチェンジャーになる可能性があります 11

KDP: KDPは「家庭(Home)」に強固なプラットフォーム(Keurigマシン)を持っています。コカ・コーラは過去にKeurigに出資し(その後解消)、家庭用炭酸マシン(Keurig Kold)に挑戦しましたが失敗しました。現在、コカ・コーラにとって「家庭内でのオンデマンド提供」は技術的なホワイトスペース(空白地帯)となっており、KDPのスマートブリュワー(BrewID技術によるカプセル認識) 12 は、コカ・コーラが持っていない家庭内消費データを握る存在として、無視できない脅威かつベンチマーク対象です。KDPは、コネクテッド・ブリュワーを通じて消費者の飲用習慣データを収集し、自動再注文などのサービスを展開しており、これはコカ・コーラがFreestyleで行っているデータ戦略の家庭版と言えます。

 

公式ロードマップと未確認情報

 

技術・サステナビリティロードマップ(Timeline

企業が発表している長期目標と、技術開発の進捗状況を統合したロードマップは以下の通りです。

  • 2025: 世界の全販売製品のボトル・缶を100%リサイクル可能にする(Design45
  • 2025: 主要市場において100% rPET(リサイクルPET)ボトル導入を拡大。すでに欧州や日本などの市場で導入が進んでいる。
  • 2030: World Without Waste: 販売したボトル・缶と同量を回収・リサイクルする(Collect13
  • 2030: パッケージの50%をリサイクル素材で構成する。
  • 2030: Net Zero Water: 水資源の安全性を100%確保し、使用量を還元する 45
  • 2030-2040: 温室効果ガス排出量ネットゼロ(Science Based Targets)。これには、製造プロセスだけでなく、サプライチェーン全体(Scope 3)の脱炭素化が含まれる。
  • Future: 紙製ボトル(Paper Bottle)の完全商用化、工場の完全デジタルツイン化、AIによる自律的サプライチェーンの実現。Pabocoとのプロジェクトは、プロトタイプから市場テストを経て、量産化へのフェーズへ移行する 46

今回の調査で確認できなかった事項(Missing Info

  • 具体的なAI投資のROI内訳: Microsoftへの11億ドル投資やAI関連投資が、具体的にどの程度のコスト削減や売上増につながったかという詳細な財務インパクトのブレークダウン(IR資料では定性的な「効率化」「成長」に留まっている)。
  • Paper Bottleの耐久性とコスト: プロトタイプは公開されているが、炭酸飲料の内圧に耐えうる長期的な耐久データや、既存PETと比較した製造コストの差に関する具体的な技術データ。
  • Freestyleの次世代機スペック: 現在のマシン以降の、具体的なハードウェアアップデート計画や新機能の詳細仕様。特に、完全非接触操作以外の新たな機能拡張についての情報。
  • 完全な生分解性プラスチックの採用時期: バイオPETPlantBottle)はリサイクル可能だが生分解ではない。海洋分解性を持つ素材(PHA等)の飲料ボトルへの本格採用スケジュール。競合のペプシコがDanimer Scientificと進めているPHA開発に対抗する具体的な動き。

以上、入手可能な公開情報(IR資料、特許公報、プレスリリース)に基づき、コカ・コーラ社の知財・技術戦略をビジネス視点で体系化したレポートとなります。同社は、伝統的なブランド力を維持しながら、最先端のデジタル技術とサステナビリティ技術を融合させることで、次世代の競争優位を確立しようとしています。

引用文献

  1. Coca-Cola Reports Fourth Quarter and Full Year 2024 Results, 11月 21, 2025にアクセス、 https://www.coca-colacompany.com/media-center/coca-cola-reports-fourth-quarter-and-full-year-2024-results
  2. Here's our first paper bottle prototype, 11月 21, 2025にアクセス、 https://by.coca-colahellenic.com/en/media/news/corporate/2020/Here-is-our-first-paper-bottle-prototype
  3. Coca-Cola's 100% Plant-Based Bottle - Packaging Gateway, 11月 21, 2025にアクセス、 https://www.packaging-gateway.com/projects/coca-cola-plant-based-bottle/
  4. The Coca‑Cola Company and Microsoft announce five-year strategic partnership to accelerate cloud and generative AI initiatives, 11月 21, 2025にアクセス、 https://www.coca-colacompany.com/media-center/the-coca-cola-company-and-microsoft-announce-five-year-strategic-partnership-to-accelerate-cloud-and-generative-ai-initiatives
  5. Patents Assigned to The Coca-Cola Company - Justia, 11月 21, 2025にアクセス、 https://patents.justia.com/assignee/the-coca-cola-company?page=3
  6. Check Out Patent Portfolio For Coca-Cola: Key Insights - TT Consultants, 11月 21, 2025にアクセス、 https://ttconsultants.com/articles/what-did-the-patent-landscape-of-coca-cola-look-like/
  7. PepsiCo vs Keurig Dr Pepper: Which Stock to Choose? - Artificall, 11月 21, 2025にアクセス、 https://artificall.com/analysis/companies/comparisons/pepsico-vs-keurig-dr-pepper/
  8. Coca-Cola Freestyle vs. Pepsi Spire - A Decade in Review - Enliven, LLC, 11月 21, 2025にアクセス、 https://enlivenllc.com/2022/11/17/coca-cola-freestyle-vs-pepsi-spire-a-decade-in-review/
  9. Coke Freestyle vs. Pepsi Spire. The Cola Wars Re-ignite! - Enliven, LLC, 11月 21, 2025にアクセス、 https://enlivenllc.com/insight/insight-blog/13-blog/83-coke-freestyle-vs-pepsi-spire-the-cola-wars-re-ignite/
  10. danimer scientific, inc. - SEC.gov, 11月 21, 2025にアクセス、 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1779020/000121390021018433/f10k2020_danimerscientific.htm
  11. Danimer Scientific and PepsiCo to Collaborate on Biodegradable Resins, 11月 21, 2025にアクセス、 https://renewable-carbon.eu/news/danimer-scientific-and-pepsico-to-collaborate-on-biodegradable-resins/
  12. Keurig brews a more perfect cup of coffee with Azure IoT Central | Microsoft Customer Stories, 11月 21, 2025にアクセス、 https://www.microsoft.com/en/customers/story/1462931412257263073-kdp-iotcentral-showcase
  13. Sustainability - The Coca-Cola Company, 11月 21, 2025にアクセス、 https://www.coca-colacompany.com/about-us/sustainability
  14. The Coca‑Cola Company and Eight Leading Bottling Partners Announce Creation of Sustainability-Focused Venture Capital Fund in Partnership with Greycroft, 11月 21, 2025にアクセス、 https://www.coca-colacompany.com/media-center/company-and-bottling-partners-announce-creation-sustainability-focused-venture-capital-fund-partnership-with-greycroft
  15. Recipe for Magic: WPP and NVIDIA Omniverse Help The Coca-Cola Company Scale Generative AI Content That Pops With Brand Authenticity, 11月 21, 2025にアクセス、 https://blogs.nvidia.com/blog/coca-cola-wpp-omniverse-generative-ai/
  16. The Coca-Cola paper bottle - Interpack 2026, 11月 21, 2025にアクセス、 https://www.interpack.com/en/Media_News/interpack_Magazin/BEVERAGES_PACKAGING/Beverages_Industry_News/The_Coca-Cola_paper_bottle
  17. CEO James Quincey Keeps Innovating At Coca-Cola - Chief Executive, 11月 21, 2025にアクセス、 https://chiefexecutive.net/ceo1000-coca-cola-helm-ceo-james-quincey-innovating-top-choice-consumers/
  18. From Freestyle to Future: Coca-Cola Leads With Digital, AI - CIO.inc, 11月 21, 2025にアクセス、 https://www.cio.inc/from-freestyle-to-future-coca-cola-leads-digital-ai-a-26016
  19. WO2004022476A9 - Dispensing nozzle for post-mix dispenser - Google Patents, 11月 21, 2025にアクセス、 https://patents.google.com/patent/WO2004022476A9/en
  20. US-11148927-B2 - Beverage Dispensing - Unified Patents Portal, 11月 21, 2025にアクセス、 https://portal.unifiedpatents.com/patents/patent/US-11148927-B2
  21. WO2010101698A2 - Bio-based polyethylene terephthalate packaging and method of making thereof - Google Patents, 11月 21, 2025にアクセス、 https://patents.google.com/patent/WO2010101698A2/en
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  43. R&D Expenses For PepsiCo Inc (PEP) - Finbox, 11月 21, 2025にアクセス、 https://finbox.com/NASDAQGS:PEP/explorer/rd_exp/
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【本レポートについて】

本レポートは、公開情報をAI技術を活用して体系的に分析したものです。

情報の性質

  • 公開特許情報、企業発表等の公開データに基づく分析です
  • 2025年11月時点の情報に基づきます
  • 企業の非公開戦略や内部情報は含まれません
  • 分析の正確性を期していますが、完全性は保証いたしかねます

ご利用にあたって
本レポートは知財動向把握の参考資料としてご活用ください。 重要なビジネス判断の際は、最新の一次情報の確認および専門家へのご相談を推奨します。

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