3行まとめ
2025年12月期の売上収益は約5,069億円、中期経営計画では800億円の投資枠を設定
サッポロホールディングスの2025年12月期の売上収益は506,861百万円(約5,069億円)、営業利益は244.37億円を計上。中期経営計画「Beyond 150」では投資キャッシュフロー総枠800億円のうち約60%(480億円)を成長投資に充当する方針を掲げている。
気候変動適応型の次世代大麦「Dual-S Barley」を開発、2030年に品種登録出願へ
140年以上の育種ノウハウを活かし、独自発見の遺伝形質「N68-411」に由来する次世代大麦「Dual-S Barley」を開発中。穂発芽抑制とLOX-free特性を兼ね備え、2030年に品種登録出願、2035年に国内実用化、2050年に国内外での実用化完了を目標とする。
酒類事業への集中に向けポートフォリオを再編、非中核事業の譲渡を実行
2025年2月に策定した中長期成長戦略に基づき、グローバルなビール体験の創出に注力。その一環として、ポッカサッポロフード&ビバレッジが2024年10月に植物性ヨーグルト事業をヤクルト本社へ譲渡し、経営資源を中核領域へ集中させている。
この記事の内容
2026年2月22日時点の代表取締役社長である時松 浩が率いるサッポロホールディングス株式会社の財務状況において、2026年2月13日に公表された2025年12月期決算短信〔IFRS〕(連結)の「(1)連結経営成績」によれば、対象期間である2025年12月期の売上収益(実績)は506,861百万円(=5,068.61億円)と計上されている1。同期間の事業利益(実績)は25,009百万円(=250.09億円)、営業利益(実績)は24,437百万円(=244.37億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益(実績)は19,498百万円(=194.98億円)として明示されている1。一方で、2024年12月期の売上収益(実績)については参照した一次情報間で不一致が存在する。2026年2月13日発表の決算短信では512,434百万円(=5,124.34億円)とされているのに対し、2025年3月31日提出の第101期有価証券報告書の「1【主要な経営指標等の推移】」においては530,783百万円(=5,307.83億円)と記載されており、両者の数値に差異が確認される1。知的財産に関連する投資を示す指標として、第101期有価証券報告書内の連結財政状態計算書によれば、2024年12月期末の無形資産残高(実績)は6,279百万円(=62.79億円)であり、キャッシュ・フロー計算書において無形資産の取得による支出(実績)は1,797百万円(=17.97億円)であることが示されている2。研究開発費について、2026年2月22日時点で、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、単一年度の研究開発費の全社合計額を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)1。投資計画に関しては、2025年5月発行のFact Book 2025に記載された中期経営計画「Beyond 150」(対象期間:2023年〜2026年)において、投資キャッシュフロー(計画)を80,000百万円(=800.00億円)とし、そのうちの約60%(換算値:48,000百万円=480.00億円)(計画)を成長投資に充当する方針が明示されている3。
同社の研究開発戦略の核心として、140年以上の歴史を有する大麦およびホップの育種ノウハウを活用した気候変動適応型原料の開発が推進されている4。2025年発行のIntegrated Report 2025の「Building a More Competitive Domestic Alcoholic Beverages Business」によれば、サッポロビール株式会社は「Dual-S Barley」と命名された次世代大麦の研究開発を進行中である4。この新品種は、同社が独自に発見した「N68-411」遺伝形質に由来する特性を備えており、気候変動に伴う降雨量の増加時に圃場で発生する穂発芽被害を抑制する機能を有している4。加えて、ビールの貯蔵過程におけるオフフレーバーの発生を低減し、製品の香味耐久性を維持する「LOX-free」特性も兼ね備えている4。この「Dual-S Barley」の名称は、持続可能性を志向する「Sustainable Care」と、安定した品質を創出する「Stable Care」の二つの「S」に由来する4。開発ロードマップとして、同社は2030年までに当該新品種の品種登録出願を行うこと(目標)を掲げている4。さらに、2035年までに国内における新品種の実用化(目標)を目指し、2050年までには国内外における環境適応型新品種の実用化(目標)を完了させる方針を示している4。関連する具体的な特許の出願番号や登録件数について、2026年2月22日時点で有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該数値を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)4。本計画の進捗に係る状態更新について、2025年発行時点では方針としての記載である。2026年2月22日時点で公式IR/公式ニュース/公式PJページ(直近24ヶ月)を確認したが、状態更新を一次情報で特定できない(調査範囲内では確認できず)4。
事業ポートフォリオの最適化施策として、サッポロホールディングスは酒類事業を中心とする事業構造への転換を計画している5。2025年発行のSustainability Book 2025によれば、同社は2025年2月に中長期成長戦略を策定し、グローバルにおけるビール体験の創出に注力する方針を示した5。これに連動する具体的な事業構造改革の実行案件として、非中核事業の外部譲渡が確認される6。株式会社ヤクルト本社が2025年に発行した「Yakult Integrated Report 2025」の「知財戦略の最適化」に関する記載によれば、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は2024年10月に植物性ヨーグルト事業をヤクルト本社に対して譲渡(完了)した6。この譲渡により、ヤクルト本社は同月(2024年10月)に植物素材利用食品の領域へ事業を拡大し、スーパーマーケット等の店頭において「豆乳の力プレーン」(110g)および「豆乳の力ブルーベリー」(110g)の発売を開始(Start)した6。さらにヤクルト本社は、販売チャネルの拡大施策として、2025年7月22日より同製品群の販売を宅配チャネルへと拡大する計画を示している6。本事業譲渡案件において移転された具体的な特許権や商標権の件数、および譲渡対価の金額について、2026年2月22日時点で有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)5。この取引は、グループ全体の経営資源を中核領域へ集中させるための戦略的判断を裏付ける事実として位置づけられる3。
サッポロビール株式会社は、基礎研究から製品化、さらには技術戦略の策定に至るまでのプロセスを統括するため、複数の専門的な研究開発拠点を国内に戦略的に配置している7。同社の公式ページ「事業場一覧」において明示されている体制によれば、研究開発の中核施設として静岡県焼津市岡当目10に「価値創造フロンティア研究所」が設置されている7。さらに、同敷地内(静岡県焼津市岡当目10)には技術戦略を統括する「R&D戦略部」および技術人材の育成拠点である「サッポロ技術アカデミー」が併設されており、機能の集約が図られている7。また、静岡県焼津市岡当目708-1には「技術開発部」が配置されている7。新製品および新技術の創出を担う「商品・技術イノベーション部」については、神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1のかながわサイエンスパーク(KSP)R&D A棟202と、前述の静岡県焼津市岡当目10の2か所において運営されている7。一方、主原料に関する基礎研究を担う「原料開発研究所」は、大麦やホップの栽培環境と密接に関連する2拠点に分散配置されている7。一つは北海道空知郡上富良野町西1線北25号1085番地42であり、もう一つは群馬県太田市新田木崎町37-1である7。公式ページ側が施設・部署の総数を明示していないため、当レポートでは総数を断定しない7。各拠点に所属する研究員の人員数や予算の具体的な配分について、2026年2月22日時点で有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該数値を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)7。
サッポロホールディングスは、研究開発および技術革新の方向性をサステナビリティ課題(マテリアリティ)の達成と直接的に連動させている5。2025年発行のSustainability Book 2025によれば、同社は2025年1月にマテリアリティの見直しを実施し、「自然共生社会の実現」および「責任ある飲酒の推進」の2項目を最注力課題へと変更した5。同書の「バリューチェーンでみるサッポログループのサステナビリティの取り組み」において、TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)フレームワークに基づく分析の結果、自社の事業が大麦およびホップの生産を通じて自然資本に対して最も大きな依存度と影響を有していることが特定されたと記載されている5。この結果に基づき、サプライヤーと協働して窒素肥料の投入量を追跡し、施肥の最適化に関するコミュニケーションを図ることで、農業プロセスにおける環境負荷の低減を推進している5。組織内部のイノベーション促進策としては、「Sustainability Innovation Program」を導入し、サステナビリティ経営を自律的に推進できる人材の育成を図っている5。具体的な温室効果ガス削減の定量目標値や環境KPIの達成年次について、2026年2月22日時点で有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該数値を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)5。これらの一連の取り組みは、同社が環境への配慮を単なるリスク管理ではなく、新たな技術開発と企業価値向上の源泉として位置づけている事実を示している5。
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案件名 |
Announcement (発表日) |
Effective/Event (実施・効力) |
Completion (完了・稼働) |
Start (開始) |
状態ラベル |
根拠 |
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ポッカサッポロからヤクルトへの植物性ヨーグルト事業譲渡 |
2025年(ヤクルト統合報告書発行) |
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2024年10月 |
- |
完了 |
6 |
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ヤクルト「豆乳の力」スーパー等店頭での発売開始 |
2025年(ヤクルト統合報告書発行) |
- |
- |
2024年10月 |
稼働/提供開始 |
6 |
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最注力課題(マテリアリティ)の変更 |
2025年(Sustainability Book 2025発行) |
2025年1月 |
- |
- |
変更 |
5 |
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中長期成長戦略の策定 |
2025年(Sustainability Book 2025発行) |
2025年2月 |
- |
- |
計画/方針 |
5 |
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中期経営計画「Beyond 150」投資計画 |
2025年5月(Fact Book 2025発行) |
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計画/方針 |
3 |
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ヤクルト「豆乳の力」宅配チャネル販売拡大 |
2025年(ヤクルト統合報告書発行) |
- |
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2025年7月22日 |
計画/方針 |
6 |
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次世代大麦「Dual-S Barley」品種登録出願 |
2025年(Integrated Report 2025発行) |
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計画/方針(2030年目標) |
4 |
2026年2月22日時点で、公的特許データベース(J-PlatPat、WIPO PATENTSCOPE等)へのアクセスが技術的理由により不可であったため、一次情報に基づく特許番号と発明名称の対応検証は実施できていない9。
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国 |
特許番号 |
発明名称(公式表記) |
正本一次情報(ページ名) |
公的DBでの検証結果 |
根拠URL |
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JP |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
Integrated Report 2025 |
検証不能(理由:アクセス不可) |
https://www.sapporoholdings.jp/en/ir/library/factbook/items/integrated_report_2025_en.pdf |
サッポロビール株式会社の公式ページ「事業場一覧」において、研究開発および生産に関連する以下の施設が明示されている。公式ページ側が総数を明示していないため、施設数の断定は行わず列挙のみを行う7。
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組織・センター名(公式表記) |
根拠ページ名 |
URL |
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価値創造フロンティア研究所 |
事業場一覧 |
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R&D戦略部 |
事業場一覧 |
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商品・技術イノベーション部 |
事業場一覧 |
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原料開発研究所 |
事業場一覧 |
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技術開発部 |
事業場一覧 |
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サッポロ技術アカデミー |
事業場一覧 |
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施設名(公式表記) |
根拠ページ名 |
URL |
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価値創造フロンティア研究所 (静岡県焼津市岡当目10) |
事業場一覧 |
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R&D戦略部 (静岡県焼津市岡当目10) |
事業場一覧 |
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サッポロ技術アカデミー (静岡県焼津市岡当目10) |
事業場一覧 |
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技術開発部 (静岡県焼津市岡当目708-1) |
事業場一覧 |
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商品・技術イノベーション部 川崎拠点 (神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1 かながわサイエンスパーク R&D A棟202) |
事業場一覧 |
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商品・技術イノベーション部 焼津拠点 (静岡県焼津市岡当目10) |
事業場一覧 |
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原料開発研究所 北海道拠点 (北海道空知郡上富良野町西1線北25号1085番地42) |
事業場一覧 |
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原料開発研究所 群馬拠点 (群馬県太田市新田木崎町37-1) |
事業場一覧 |
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岡山ワイナリー (岡山県赤磐市東軽部1556) |
事業場一覧 |
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北海道本部(北海道本社) (北海道札幌市中央区北1条東4丁目8-1 サッポロファクトリーフロンティア館3F) |
事業場一覧 |
サッポロホールディングス株式会社(As-of 2026年2月22日時点の代表取締役社長:時松 浩)の最新の経営成績について、2026年2月13日に公表された「2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」の「(1)連結経営成績」には、以下の数値が明記されている1。対象期間である2025年12月期の売上収益(実績)は506,861百万円(=5,068.61億円)であり、事業利益(実績)は25,009百万円(=250.09億円)、営業利益(実績)は24,437百万円(=244.37億円)、税引前利益(実績)は22,704百万円(=227.04億円)である1。さらに当期利益(実績)は19,536百万円(=195.36億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益(実績)は19,498百万円(=194.98億円)、当期包括利益合計額(実績)は26,869百万円(=268.69億円)として計上されている1。基本的1株当たり当期利益(実績)は50.02円、希薄化後1株当たり当期利益(実績)は49.99円である1。持分法による投資損益(実績)は15百万円、売上収益営業利益率(実績)は4.8%と記されている1。また、同短信の財政状態に関する項目によれば、2025年12月期末の資産合計(実績)は653,690百万円(=6,536.90億円)、資本合計(実績)は220,117百万円(=2,201.17億円)、親会社の所有者に帰属する持分(実績)は218,862百万円(=2,188.62億円)である1。キャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フロー(実績)が44,592百万円(=445.92億円)、投資活動によるキャッシュ・フロー(実績)が△2,972百万円(=マイナス29.72億円)、財務活動によるキャッシュ・フロー(実績)が△42,274百万円(=マイナス422.74億円)、期末現金及び現金同等物(実績)が22,360百万円(=223.60億円)であった1。 一方で、対象期間である2024年12月期の売上収益(実績)に関しては、参照した一次情報間で不一致が存在する1。2026年2月13日発表の「2025年12月期 決算短信」において、前年同期である2024年12月期の売上収益(実績)は512,434百万円(=5,124.34億円)と記載されている1。しかし、2025年3月31日提出の「第101期 有価証券報告書」の「1【主要な経営指標等の推移】」の表によれば、第101期(2024年12月期)の売上収益(実績)は530,783百万円(=5,307.83億円)と明記されており、数値が一致していない1。
第101期有価証券報告書(2025年3月31日提出)の「1【主要な経営指標等の推移】(1)連結経営指標等」によれば、過去5年間の業績推移は以下の通りである2。 第97期(2020年12月期)の売上収益(実績)は434,723百万円であり、税引前損失(実績)は19,364百万円(△表記)、親会社の所有者に帰属する当期損失(実績)は16,071百万円(△表記)、親会社の所有者に帰属する当期包括利益(実績)は20,913百万円(△表記)、親会社の所有者に帰属する持分(実績)は149,781百万円、総資産額(実績)は616,349百万円であった2。 第98期(2021年12月期)の売上収益(実績)は437,159百万円、税引前利益(実績)は21,185百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益(実績)は12,331百万円、親会社の所有者に帰属する当期包括利益(実績)は17,128百万円、親会社の所有者に帰属する持分(実績)は162,570百万円、総資産額(実績)は594,551百万円であった2。 第99期(2022年12月期)の売上収益(実績)は478,422百万円、税引前利益(実績)は11,367百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益(実績)は5,450百万円、親会社の所有者に帰属する当期包括利益(実績)は6,969百万円、親会社の所有者に帰属する持分(実績)は166,310百万円、総資産額(実績)は639,118百万円であった2。 第100期(2023年12月期)の売上収益(実績)は518,632百万円、税引前利益(実績)は12,144百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益(実績)は8,724百万円、親会社の所有者に帰属する当期包括利益(実績)は19,172百万円、親会社の所有者に帰属する持分(実績)は182,315百万円、総資産額(実績)は663,573百万円であった2。 第101期(2024年12月期)の売上収益(実績)は530,783百万円、税引前利益(実績)は11,576百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益(実績)は7,714百万円、親会社の所有者に帰属する当期包括利益(実績)は17,244百万円、親会社の所有者に帰属する持分(実績)は196,030百万円、総資産額(実績)は664,963百万円であった2。
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回次 |
決算年月 |
売上収益 |
税引前利益又は損失(△) |
親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失(△) |
総資産額 |
出典 |
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第97期 |
2020年12月 |
434,723百万円 |
△19,364百万円 |
△16,071百万円 |
616,349百万円 |
2 |
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第98期 |
2021年12月 |
437,159百万円 |
21,185百万円 |
12,331百万円 |
594,551百万円 |
2 |
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第99期 |
2022年12月 |
478,422百万円 |
11,367百万円 |
5,450百万円 |
639,118百万円 |
2 |
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第100期 |
2023年12月 |
518,632百万円 |
12,144百万円 |
8,724百万円 |
663,573百万円 |
2 |
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第101期 |
2024年12月 |
530,783百万円 |
11,576百万円 |
7,714百万円 |
664,963百万円 |
2 |
無形資産および研究開発に向けた支出状況について、第101期有価証券報告書の連結財政状態計算書によれば、2024年12月期末の無形資産残高(実績)は6,279百万円(=62.79億円)として計上されている2。また、同報告書の連結キャッシュ・フロー計算書において、無形資産の取得による支出(実績)は1,797百万円(=17.97億円)であったことが明示されている2。さらに、連結損益計算書においては、販売費及び一般管理費(実績)が142,881百万円(=1,428.81億円)、その他の営業費用(実績)が18,005百万円(=180.05億円)として計上されている2。しかしながら、研究開発費の具体的な全社合計額について、2026年2月22日時点で、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該数値を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)1。 今後の投資戦略に関しては、2025年5月に発行されたFact Book 2025に記載されている中期経営計画「Beyond 150」において、具体的な財務方針が提示されている3。同計画によれば、2023年から2026年までの期間における投資キャッシュフロー(計画)の総枠を80,000百万円(=800.00億円)と設定している3。同社はこの投資総枠のうちの約60%(換算値:48,000百万円=480.00億円)(計画)を成長投資へと振り向ける方針であり、研究開発、デジタルトランスフォーメーション(DX)、および人的資本への投資を経営基盤強化の要として位置づけている3。
サッポロホールディングスは、ステークホルダーに対する適時かつ詳細な情報開示を継続的に実施している11。同社の公式ページ「決算説明資料 アーカイブ一覧」によれば、過去複数年度にわたり、各四半期の決算短信および補足説明資料が漏れなく開示されていることが確認できる11。2019年12月期(第96期)においては、第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(1.2MB)および補足説明資料(610.4KB)、第2四半期決算短信(613.3KB)および補足説明資料(866.9KB)、第3四半期決算短信(781.6KB)および補足説明資料(452.3KB)、そして決算短信(2.1MB)および補足説明資料(350.3KB)が開示された11。続く2020年12月期(第97期)では、第1四半期決算短信(1.5MB)および補足説明資料(1.1MB)、第2四半期決算短信(429.8KB)および補足説明資料(1.2MB)、第3四半期決算短信(312.4KB)および補足説明資料(1.1MB)、決算短信(1.7MB)および補足説明資料(1.2MB)が開示されている11。2021年12月期(第98期)についても、第1四半期決算短信(1.3MB)および補足説明資料(1.2MB)、第2四半期決算短信(1.7MB)および補足説明資料(951.9KB)、第3四半期決算短信(3.0MB)および補足説明資料(963.0KB)、決算短信(2.1MB)および補足説明資料(1.0MB)が提供されている11。さらに、直近の2025年12月期(第102期)に関しても、第1四半期決算短信(297.9KB)および補足説明資料(1.3MB)、第2四半期決算短信(316.9KB)および補足説明資料(1.3MB)、第3四半期決算短信(315.1KB)および補足説明資料(1.3MB)、決算短信(394.6KB)および補足説明資料(1.5MB)が順次開示されている11。これらの記録は、同社が一貫して財務状況および事業進捗の透明性を確保し、投資家等に対する説明責任を果たしてきたことを示す証憑となっている11。
同社の技術戦略において極めて重要な位置を占めるのが、140年以上の歴史を通じて蓄積された大麦およびホップの育種に関する独自の研究ノウハウの展開である4。2025年発行のIntegrated Report 2025の「Building a More Competitive Domestic Alcoholic Beverages Business」のセクションによれば、サッポロビール株式会社は気候変動の過酷な影響に耐えうる次世代大麦「Dual-S Barley(デュアル・エス・バーレイ)」の研究開発を積極的に推進している4。この新品種は、同社が独自に発見した遺伝形質「N68-411」に由来する技術的特性を備えている4。具体的には、気候変動に伴う降雨量の増加時に圃場で発生しやすくなる穂発芽被害を抑制する機能を有しており、農作物としての収量および品質の安定化に寄与する4。さらに同品種は、ビールの貯蔵過程において発生するオフフレーバー(異臭)を低減させ、製品の香味耐久性を長期間にわたって維持する「LOX-free(Liquid Oxygen Free)」という特性も同時に備えている4。 同社は、環境に対する持続可能性を重視する「Sustainable Care」という概念と、香味の持続性によって安定した品質を消費者に提供する「Stable Care」という二つの概念に含まれる「S」に由来して、この大麦を「Dual-S Barley」と命名した4。また、この「S」はサッポロビールの象徴である五芒星(five-pointed star)にも由来していると記述されている4。開発の長期的なロードマップとして、同社は2030年までにこの新品種の品種登録出願を行うこと(目標)を計画として掲げている4。さらに、2035年までには国内における新品種の商業化(実用化)(目標)を目指し、最終的に2050年までには国内外の広範な地域において環境適応型新品種の開発と実用化を完了させる(目標)という方針を明示している4。本計画に係る進捗や状態更新について、2025年発行時点では目標としての記載にとどまる。2026年2月22日時点で公式IR/公式ニュース/公式PJページ(直近24ヶ月)を確認したが、状態更新を一次情報で特定できない(調査範囲内では確認できず)4。
技術開発とサステナビリティ(持続可能性)の統合に関して、同社は2025年1月にマテリアリティ(重要課題)の戦略的な見直しを実施した5。2025年発行のSustainability Book 2025によれば、同社は従来の課題設定を改め、「自然共生社会の実現」と「責任ある飲酒の推進」の2項目を最注力課題へと格上げ(変更)したことを発表した5。同書の「バリューチェーンでみるサッポログループのサステナビリティの取り組み」の項目において、同社はTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)のフレームワークに基づく詳細な分析を実施し、グループの事業活動が大麦とホップの生産プロセスを通じて自然資本に対して最も大きな依存度と影響を有していることを特定したと記載している5。この分析結果に対応するため、同社はサプライヤーと協力して農業現場における窒素肥料の投入量を追跡し、施肥の最適化に関する双方向のコミュニケーションを図ることで環境負荷の低減に向けた実践的な取り組みを展開している5。 また、組織内部におけるサステナビリティ推進体制の強化策として、「Sustainability Innovation Program」と称する人材育成プログラムを導入した5。本プログラムは、サステナビリティ経営の理念を深く理解し、自律的にイノベーションを主導できる次世代の人材を育成することを目的としている5。本プログラムの具体的な参加人数や年度別の投入予算額について、2026年2月22日時点で有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該数値を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)5。
サッポロホールディングスは、持続的な企業価値の向上を目的として、経営資源の最適配分を推進している5。2025年2月に策定された中長期成長戦略において、同社は経営の重心を酒類事業を中心とした事業構造へと移行させる方針を明示した5。この戦略的転換の実行プロセスの一環として、非中核と位置づけられた事業の外部企業への譲渡が実施されている6。株式会社ヤクルト本社が2025年に発行したYakult Integrated Report 2025の「知財戦略の最適化」に関するセクションによれば、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は2024年10月に植物性ヨーグルト事業をヤクルト本社に対して譲渡(完了)した6。 この事業譲渡契約の成立に伴い、ヤクルト本社は同月(2024年10月)に植物素材利用食品の領域へと自社の事業領域を拡大し、スーパーマーケット等の店頭において、はっ酵豆乳食品である「豆乳の力プレーン」(110g)および「豆乳の力ブルーベリー」(110g)の販売を開始(Start)した6。さらにヤクルト本社は、消費者からの好評を受け、販売チャネルの拡張施策として2025年7月22日より同製品群の販売を宅配チャネルへと拡大する計画を立てている6。本事業譲渡案件に関連して移転された具体的な特許権、実用新案権、商標権の件数、ならびに事業譲渡の対価として支払われた金額について、2026年2月22日時点で有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該数値を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)5。この取引は、サッポロホールディングス側における事業ポートフォリオ最適化と中核領域への研究開発投資の集中を示す証左として確認できる6。
他企業との関係性および外部リソースとの連携状況を示す情報として、同社の株式を保有する他社の法定開示書類が確認される12。株式会社きんでんが2024年6月26日に提出した第110期有価証券報告書の「投資有価証券」に関する明細表によれば、きんでんはサッポロホールディングス株式会社の株式を保有している12。具体的には、きんでんが保有するサッポロホールディングスの株式数(実績)は100,000株であり、貸借対照表計上額(実績)は762百万円(=7.62億円)として記載されている12。同表には比較として株式会社ヤクルト本社の株式数263,200株(計上額751百万円)や、三菱地所株式会社の株式数261,000株(計上額634百万円)の保有状況も併記されており、きんでんが複数の主要企業との間に資本的なつながりを有していることが示されている12。サッポロホールディングスがきんでんと共同で実施している具体的な共同研究案件や知財共有の実態について、2026年2月22日時点で有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該情報を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)12。また、大日本印刷株式会社(DNP)が2025年に発行したDNP Integrated Report 2025においては、「DNP独自の強みと外部連携を活かして知的資本を強化する」という方針が掲げられているが、同社とサッポロホールディングスとの間における具体的な知財連携や共同出願に関する言及について、2026年2月22日時点で参照した当該一次情報(DNP Integrated Report 2025)では確認できない(調査範囲内では確認できず)13。
サッポロビール株式会社は、研究開発活動を効率的かつ持続的に推進するため、高度に専門化された複数の部署および研究所を国内に配置している7。同社の公式ページ「事業場一覧」に明記された組織体制によれば、研究開発の中枢機能として静岡県焼津市岡当目10に「価値創造フロンティア研究所」が設置されており、同研究所の代表電話番号は054-629-7980である7。さらに、この同一敷地内(静岡県焼津市岡当目10)には、全社の技術戦略を統括・立案する「R&D戦略部」(電話番号:054-629-7980)および、次世代の技術人材を育成するための専門機関である「サッポロ技術アカデミー」(電話番号:054-627-3020)が併設されている7。これにより、研究の実行、戦略の立案、人材の育成という三つの機能が地理的に集約され、相互に連携しやすい環境が構築されている7。 製品の開発および技術革新を直接的に担う「商品・技術イノベーション部」については、地理的に離れた2拠点体制で運用されている7。一つ目の拠点は、多様な技術系企業が集積する神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1のかながわサイエンスパーク(KSP)R&D A棟202(電話番号:044-850-2110)に配置されている7。二つ目の拠点は、研究の中枢である静岡県焼津市岡当目10(電話番号:054-629-7989)に位置している7。また、生産技術の高度化や設備に関連する開発を担う「技術開発部」は、静岡県焼津市岡当目708-1に設置されている7。これらの拠点の分散と集約のバランスにより、同社は外部環境の変化に迅速に対応できる研究開発ネットワークを維持している7。
ビールの品質を決定づける主原料である大麦やホップの基礎研究および育種を目的とした「原料開発研究所」については、原料の栽培に適した環境を有する2か所に拠点が設けられている7。一つ目の拠点は、北海道という広大な農業基盤を背景にした北海道空知郡上富良野町西1線北25号1085番地42(電話番号:0167-45-2040)に位置している7。二つ目の拠点は、群馬県太田市新田木崎町37-1(電話番号:0276-56-1454)に配置されている7。これらの施設は、同社が国内外で調達する農産物原料の品質安定化に向けた実証・実験基盤として機能しており、特に気候変動耐性を有する「Dual-S Barley」などの新品種開発において重要な役割を担っていることが確認できる4。 さらに同社は、研究開発の成果を具現化する生産・事業拠点として、北海道札幌市中央区北1条東4丁目8-1のサッポロファクトリーフロンティア館3Fに北海道本部(北海道本社)(電話番号:011-252-8230)を置いているほか、ワインの生産および関連技術の拠点として岡山県赤磐市東軽部1556に岡山ワイナリー(電話番号:086-957-3838)を運営している7。各研究所および事業拠点に所属する研究員の総数や、各部門から創出された特許出願件数の拠点別内訳について、2026年2月22日時点で有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該数値を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)7。
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