3行まとめ
過去最高益3,461億円を達成、技術戦略が財務成果を牽引
FY2024.3期で純利益3,461億円、FY2025.3 Q2では前年同期比48%増を達成。従来の金融収益に加え、技術的知見を組み込んだ事業投資モデルへの転換と、キャピタル・リサイクル戦略が高収益を実現し、ROE 11%目標(FY2028.3期)達成に向けた原動力となっている。
実物資産×デジタルで差別化、再生エネとリサイクルで具体的成果
太陽光発電のO&Mでドローン+AIによる異常検知により発電効率を4%向上、国内最大級の紀の川蓄電所(48MW/113MWh)を稼働開始。AGCと廃棄窓ガラスの水平リサイクルを確立し、CO2排出量を1トンあたり0.5〜0.7トン削減。協働ロボットレンタル「RoboRen」では導入からティーチングまで内製化し、独自のエコシステムを構築。
今後3年で最大7,000億円投資、AIを労働力化しDX加速
FY2026.3-FY2028.3で5,000億〜7,000億円規模の新規投資を計画。インドAM Greenへ約1,100億円を投資しグリーンアンモニア・水素製造を推進。2025年1月にデジタル戦略部門を新設し、AIエージェントを労働力として位置づけ、業務プロセスの可視化・標準化・自動化を全社展開する方針を明示。
エグゼクティブサマリ
1. 知財・技術戦略が財務(売上・利益率)に与えているインパクト
オリックスグループの2024年3月期(FY2024.3)における当期純利益は、過去最高となる3,461億円を記録し、続く2025年3月期(FY2025.3)第2四半期においても前年同期比48%増の2,711億円を達成しました。この財務成果の背景には、従来の金融収益に加え、技術的知見を組み込んだ「事業投資」および「アセットマネジメント」モデルへの転換が寄与しています。特に、環境エネルギー本部やORIX USAなどが展開する再生可能エネルギー事業やプライベートクレジット事業において、高度な専門性と技術評価能力が差別化要因となり、高い資産効率(ROA)と自己資本利益率(ROE)の向上に貢献しています。同社は中期的な経営目標としてROE 11%(FY2028.3期)を掲げており、これを達成するためのドライバーとして、資産の回転率を高める「キャピタル・リサイクル」戦略と、デジタル技術(DX)による既存事業の付加価値向上が明確に位置づけられています。技術戦略は単なるコストセンターではなく、高収益アセットの創出と売却益(キャピタルゲイン)を最大化するための重要な経営資源として機能しており、FY2025.3通期純利益予想を4,400億円へ上方修正する原動力となっています 1。
2. 注力している技術領域の進捗
現在、オリックスが技術経営の観点で注力している領域は、「再生可能エネルギー・蓄電技術」、「サーキュラーエコノミー(資源循環)」、「モビリティ・テレマティクス」、および「ロボティクス・3Dプリンティング」の4分野に大別されます。再生可能エネルギー分野では、太陽光発電のO&M(運用保守)において、ドローンとAIを用いた異常検知システムを実用化し、発電効率(PR値)を4%向上させるなどの成果を上げています。また、2024年12月には関西電力との合弁で、国内最大級となる定格出力48MW/容量113MWhの「紀の川蓄電所」の商業運転を開始し、電力需給調整市場への参入を果たしました。サーキュラーエコノミー分野では、AGC株式会社と共同で廃棄窓ガラスの水平リサイクルスキームを構築し、2025年3月より事業を開始しています。モビリティ分野では、オリックス自動車がAI搭載通信型ドライブレコーダー「Nauto」の導入や、テレマティクスサービス「e-テレマ」を通じた運行データの解析・リスク管理ソリューションを展開しています 4。
3. 特許ポートフォリオの規模と質的変化
オリックスグループの特許戦略は、自社単独での大量出願よりも、事業パートナーとの共同出願や、特定技術を持つ企業の買収・提携を通じた技術獲得に重きを置いています。オリックス・レンテックは、資産管理システムに関連する技術や、3Dプリンティングの受託造形におけるノウハウを蓄積しています。オリックス環境は、PTP(薬剤包装)シートのアルミ・プラスチック分離技術に関して、大同樹脂株式会社の特許技術を活用したリサイクル事業を展開しており、独自の処理プロセスに関する知財化を推進しています。金融領域では、オリックス銀行がブロックチェーン技術を用いたステーブルコインの発行実証実験を行い、デジタル資産の管理・移転に関するノウハウを蓄積しています。また、オリックス生命は2024年に「ココロカプセル」という動画メッセージ預かりサービスにおいて、そのビジネスモデルに関する特許を出願中(特願2024-109471)であり、サービスビジネスの知財保護を強化しています 11。
4. 競合他社に対する技術的優位性または課題
三菱HCキャピタルや東京センチュリーといった国内大手リース会社と比較した際、オリックスの技術的優位性は「実物資産の運用・処分能力(Operation)」にあります。単なるファイナンス提供にとどまらず、オリックス・レンテックによる3.7万台・4万機種の精密機器の保守・校正能力や、オリックス環境による廃棄物処理施設(寄居工場など)の自社運営能力は、他社が容易に模倣できない参入障壁となっています。特に、ロボットレンタル事業「RoboRen」では、協働ロボットの導入支援からティーチングまでを内製化し、製造業の自動化ニーズに対してハードウェアとエンジニアリングをセットで提供する独自のエコシステムを構築しています。一方で、金融DXの領域においては、競合他社も巨額のIT投資を行っており、特に決済プラットフォームや顧客データの利活用における競争は激化しています 15。
5. 今後のR&D投資計画と長期ロードマップ
オリックスは「ORIX Group Growth Strategy 2035」において、2025年4月より新たな成長フェーズに入り、デジタル戦略部門を新設してDXとAI活用による生産性向上を加速させる方針を示しています。具体的な投資額としては、今後3年間(FY2026.3-FY2028.3)で5,000億〜7,000億円規模の新規投資を計画しており、その中には再生可能エネルギー、データセンター、物流施設などの実物資産に加え、これらを管理・最適化するためのデジタル技術への投資が含まれます。特に、インドのグリーンエネルギー大手Greenko社との提携を発展させ、グリーンアンモニアや水素製造を行う新会社「AM Green」に対して約7.3億ドル(約1,100億円)の投資を決定するなど、脱炭素技術の実装に向けた巨額投資をグローバルに展開しています 18。
戦略的背景とIR資料のアーカイブ
R&D投資の推移(Quantitative Log)
オリックスグループは、製造業のような伝統的な「研究開発費(R&D Expenses)」として巨額を計上するビジネスモデルではありませんが、ITシステム投資や新規事業開発投資として実質的な技術投資を行っています。以下の表は、近年の設備投資やシステム関連費用の文脈で語られる数値および、経営計画における投資枠の推移です。
表1:オリックスグループの戦略的投資・IT関連指標(連結ベース)
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会計年度
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純利益 (億円)
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ROE (%)
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新規投資額目標 (億円/3年)
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注力技術・投資領域(IR資料より抽出)
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FY2023.3
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2,731
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8.2
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-
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DX推進、再生可能エネルギー(海外)、物流施設自動化
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FY2024.3
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3,461
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9.0
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-
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AI活用による与信高度化、蓄電所事業参入、EV充電インフラ
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FY2025.3 (予)
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4,400*
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9.3*
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5,000 - 7,000
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生成AI導入、グリーンアンモニア、航空機リースDX、ロボットレンタル拡充
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*FY2025.3の数値は第2四半期決算発表時点の上方修正値および第2四半期実績の年率換算値を含む 3。
2024年3月期のアニュアルレポートおよび統合報告書において、井上亮CEOは「非連続な成長」を実現するために、バックオフィスやミドルオフィスの機能高度化、特にリスク管理におけるデジタル技術の活用が不可欠であると述べています。また、2025年1月の年頭所感において、高橋英忠グループCEO(2025年1月就任)は、組織改編により「デジタル戦略部門」を新設したことを公表しました。ここでは、AIエージェントを単なるツールとしてではなく「労働力(Workforce)」として位置づけ、ビジネスプロセスの可視化・標準化・自動化を推進する意図が明示されています。この方針転換は、従来の部分的なツール導入から、全社的な業務プロセスの再構築へとDXのフェーズが移行したことを示唆しています。特に、米国を中心とするアセットマネジメント事業においては、管理資産(AUM)が944億ドル(約14兆円)規模に達しており、これら膨大なポートフォリオのモニタリングとレポーティングにおけるデータ解析技術の重要性が増しています 1。
経営陣の技術コミットメント
オリックスの経営陣は、技術と知財を企業の持続的な成長と競争力維持のために不可欠な要素と位置づけています。以下は、近年のCEOレターや統合報告書からの主要な発言の引用です。
「失敗は成長の鍵である。一つの失敗には百の成功以上の教訓が含まれている。(中略)オリックスグループがグローバル企業としての競争力を維持・向上させるためには、技術の進化を能動的に取り込み、投資していくことが不可欠であると考えています。」
— 井上 亮(シニア・チェアマン) / 高橋 英忠(グループCEO) 19
「AIエージェントは単なるツールではなく、それ自体が労働力としてビジネスプロセス全体を自動化し、ワークフローを統合するものと見なされています。(中略)DXとAIを活用して生産性をさらに向上させるビジネス基盤を構築することを目指します。」
— 高橋 英忠(グループCEO) 2025年 年頭所感 19
「オリックスの経営方針の根本的な強みは、『ディール・ファースト』の姿勢にあります。(中略)理論的な経営戦略や人事戦略を固めてからプロジェクトを選定するのではなく、ディールが成立することを前提に人材戦略を見直し、既存事業とのシナジーを検証する手法をとっています。」
— 井上 亮(CEO) Integrated Report 2024 1
これらの発言からは、技術導入そのものを目的化せず、具体的なディール(取引・事業投資)の成功と収益化のために技術リソースを最適配分するという、極めて実利的な技術経営姿勢が読み取れます。
知的財産・技術ポートフォリオの全貌
(1) 重点技術領域のカタログ
① 再生可能エネルギー・蓄電技術(Energy Storage & Renewables)
オリックスは日本国内および海外において、太陽光、風力、地熱、バイオマスなど多様な電源を開発・運営しています。特筆すべきは、単なる発電事業者(IPP)にとどまらず、発電所の性能維持と需給調整に関わる技術を内製化している点です。
- 太陽光発電O&M(運用保守)技術:
グループ会社のオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM)は、全国186カ所、合計約700MW(2024年2月時点)の太陽光発電所を管理しています。OREMは、ドローンによる赤外線検査データや発電データをAIで解析し、パネルの不具合や出力低下を早期に検知するシステムを導入しています。これにより、管理受託した発電所のPR値(Performance Ratio)を1年間で4%以上改善した実績があります 4。
- 大型蓄電所(Grid-scale Battery Storage):
2024年12月1日、関西電力との合弁会社「紀の川蓄電合同会社」を通じて、和歌山県紀の川市にて「紀の川蓄電所」の商業運転を開始しました。
- 定格出力: 48MW
- 定格容量: 113MWh(一般家庭約13,000世帯の1日分に相当)
- 技術的特徴: リチウムイオン電池コンテナ64基を設置し、電力市場の価格変動に合わせて充放電を制御します。市場取引運用は関西電力グループのE-Flow合同会社が担当し、O&MはOREMが担当する体制です 6。
- 今後の計画: 滋賀県において、さらに大規模な「米原湖東蓄電所」(定格出力134MW、容量548MWh)の建設を進めており、2027年の運転開始を予定しています 7。
② サーキュラーエコノミー・リサイクル技術(Resource Circulation)
廃棄物の適正処理と再資源化において、独自技術を持つパートナーとの連携により、高度なリサイクルプロセスを確立しています。
- PTPシートのマテリアルリサイクル:
オリックス環境は、医薬品包装に使用されるPTP(Press-Through Package)シートのリサイクル事業を展開しています。PTPシートはプラスチックとアルミニウムが強固に接着されており分離が困難でしたが、提携先である大同樹脂株式会社が保有する特許技術(剥離装置)を導入することで、これらを高純度に分離・回収し、素材として再利用することを可能にしました 11。
- 廃ガラスの水平リサイクル:
2025年3月、AGC株式会社、オリックス環境、TREガラス株式会社の3社は、建築解体現場から排出される廃窓ガラスを回収し、再び板ガラスの原料(カレット)として利用する「水平リサイクル」のスキームを日本で初めて確立しました。このプロセスにより、天然資源(珪砂など)の使用量を削減すると同時に、ガラス製造時のCO2排出量を製品1トンあたり5〜0.7トン削減することが可能となります 8。
- ガス化改質方式(寄居工場):
オリックス資源循環が運営する埼玉県寄居町の工場では、廃棄物を約2,000℃で溶融し、スラグやメタルとして再資源化する「ガス化改質方式」を採用しています。これはゼロエミッションを達成する高度な熱分解技術であり、国内最大級の処理能力(450トン/日)を有しています 16。
③ モビリティ・テレマティクス(Smart Mobility)
オリックス自動車は、約150万台の管理車両から得られるデータを活用し、運行管理とリスク削減の技術サービスを提供しています。
- e-テレマ / e-テレマ PRO:
法人向けテレマティクスサービス。車載機から取得した速度、急加速、急減速などの挙動データをクラウド上で解析し、危険運転リスクを可視化します。独自のアルゴリズムにより、ドライバーごとのリスクスコアを算出し、事故削減コンサルティングに活用しています 24。
- AIドライブレコーダー(Nauto):
米国のAI技術企業Nauto社と提携し、同社のAI搭載ドライブレコーダーを日本国内で展開しています。このデバイスは、コンピュータビジョンとディープラーニングを用いて、ドライバーの脇見運転や居眠り、車間距離不足などをリアルタイムで検知・警告します。エッジAIにより、リスクの高いイベントのみを抽出してクラウドに送信するため、効率的なデータ管理が可能です 9。
④ ロボティクス・先端機器レンタル(Advanced Equipment Rental)
オリックス・レンテックは、国内最大級の計測機器・IT機器レンタル事業者であり、近年はロボットや3Dプリンターの技術導入支援に注力しています。
- ロボットレンタルサービス「RoboRen」:
協働ロボット(Universal Robots, TechMan, FANUC CRXなど)や自動搬送ロボット(AGV/AMR)のレンタルを行っています。単なる機材貸出ではなく、専任エンジニアによるティーチング(動作プログラム作成)や、安全講習、導入前の実証実験(PoC)サポートをセットにした技術サービスモデルを構築しています 17。
- 3Dプリンティング・サブスクリプション:
金属および樹脂の産業用3Dプリンター(EOS社、HP社など)の導入支援に加え、2023年3月より業界初となる造形重量に応じた定額制(サブスクリプション)サービスを開始しました。また、AIを活用した自動見積もりツール「3D-FABs」を開発・提供し、設計データのアップロードから即座に造形可否やコストを算出するシステムを運用しています 26。
(2) 特許・商標データ分析
オリックスグループは、金融サービスそのものの特許(ビジネスモデル特許)に加え、子会社を通じた実務的な技術特許の出願を行っています。
表2:主要な技術領域と関連特許・商標動向
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出願人/権利者
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技術領域
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特許・技術内容(要約)
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ビジネス上の用途
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オリックス銀行
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Fintech
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ブロックチェーンを用いた本人確認、ステーブルコイン発行基盤(実証実験段階)13
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デジタル証券、決済効率化
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オリックス生命
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Insurtech
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「ココロカプセル」(保険金支払い時に動画メッセージを届ける仕組み)。特願2024-109471 14
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顧客エンゲージメント向上、付加価値サービス
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オリックス・レンテック
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Asset Mgmt
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「LANS」(Lansmart)。PCや計測器の資産管理クラウドシステム。RFIDや二次元コードを用いた現物管理技術 28。
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BPOサービス、顧客のIT資産管理受託
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オリックス環境
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Recycling
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PTPシート剥離装置(提携先・大同樹脂の特許実施権活用)。プラスチックとアルミの物理選別技術 11。
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医薬品廃棄物のリサイクル事業
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Nauto (提携)
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AI/Safety
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コンピュータビジョンによるドライバーモニタリング、危険挙動予測アルゴリズム(米国特許多数)29
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自動車リース付帯サービス、リスクコンサル
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オリックスの知財戦略の特徴は「自社単独開発への固執」を捨て、「技術を持つパートナーとの独占的・優先的提携」および「技術の社会実装」に知財リソースを割いている点です。例えば、オリックス生命の「ココロカプセル」におけるビジネスモデル特許出願は、他社による模倣を防ぎつつ、保険商品に「情緒的価値」という新たな機能を付加する戦略的な一手です。また、オリックス・レンテックの「LANS」システムは、単なる社内システムを外販化したものであり、顧客の資産管理業務そのものをオリックスのプラットフォームにロックインさせる効果を持っています。
(3) サービスビジネスとの連動:アセットマネジメントとデータ
オリックスのビジネスモデルにおいて、技術と知財は「モノ」を貸すビジネスから、「モノの状態と価値」を管理するビジネスへの転換を支えています。
- 航空機リース(Avolon / ORIX Aviation):
世界トップクラスの航空機リース事業では、機体のメンテナンス記録や運航データを管理するプラットフォームが資産価値維持の要となります。これにより、適切なタイミングでの売却や再リース(キャピタル・リサイクル)が可能になります。
- 施設運営(コンセッション):
関西エアポート(関西国際空港・伊丹空港・神戸空港)の運営において、オリックスはデジタルツインや顔認証ゲートなどの最新技術導入を主導しています。これにより、旅客処理能力の向上と運営コストの削減を同時に実現し、コンセッション事業の収益性を高めています 3。
オープンイノベーションとエコシステム
提携・M&Aリスト:技術と市場の獲得
オリックスは「Deal First」の方針を掲げ、機動的なM&Aと提携を行っています。
表3:近年の主要な技術・戦略関連M&Aおよび提携
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時期
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対象企業/パートナー
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国・地域
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目的・戦略的狙い
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2025/11
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Qatar Investment Authority (QIA)
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カタール/日本
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日本国内のPE投資ファンド(OQCI Fund LP)設立。総額25億ドル(約3,700億円)。事業承継やカーブアウト案件への投資 30。
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2025/03
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Cloud4C
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シンガポール
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オリックス・レンテックにおけるGPUクラウドサービスの提供。AI開発用インフラの構築・運用支援 32。
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2024/09
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Hilco Global
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米国
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鑑定・評価・在庫処分の専門企業を連結子会社化。知的財産や在庫資産の評価能力を取り込み、アセットベーストレンディング(ABL)を強化 33。
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2024/06
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AM Green
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インド
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Greenko創業者らが設立したグリーンアンモニア・水素製造会社。Greenko株売却益を再投資し、次世代エネルギー供給網を構築 21。
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2023/06
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BLT (Bright Laser Tech)
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中国
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金属3Dプリンター最大手との販売代理店契約。航空宇宙・自動車部品の大型造形ニーズに対応 34。
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2023/09
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G.U. Technologies
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日本
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ステーブルコイン発行に向けた実証実験パートナー。Web3領域への参入準備 13。
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政府・公的機関との連携
オリックスは、公的機関との連携を通じて、技術の社会実装を進めています。
- 環境省・自治体: 寄居工場や各地域のバイオマス発電所において、自治体からの一般廃棄物処理受託や、災害廃棄物の広域処理協定を締結しています。
- NEDO/経産省: EV関連の実証実験や、自動運転移動サービス(MaaS)の社会実装プロジェクト(日高市などでの事例)に参画しています 16。
リスク管理とガバナンス(IP Governance)
係争・審査のファクト記録
米国において、オリックスの子会社に関連する知財訴訟の記録が存在します。
- Auto Telematics Ltd. v. United Services Automobile Association (USAA):
米国特許商標庁(USPTO)の特許審判部(PTAB)において、特許第10,198,879号(車両テレマティクス関連)の有効性が争われました。USAA(保険会社)は、当該特許が先行技術(Curry, Tamir等)により無効であると主張し、インター・パレス・レビュー(IPR)を申請しました。これは、テレマティクス保険や運転挙動分析技術の権利範囲を巡る業界内の激しい主導権争いの一端を示しています 29。
守りの戦略:サイバーセキュリティと情報管理
オリックスグループは、「情報セキュリティポリシー」を制定し、以下の体制を構築しています。
- ISO27001 (ISMS) 認証: オリックス・レンテック、ユビテック、オリックス・ビジネスセンター沖縄など、データを扱う主要子会社で取得済みです 36。
- NIST基準への準拠: 米国子会社(ORIX USA)を含むグローバル拠点において、米国国立標準技術研究所(NIST)のサイバーセキュリティフレームワークを参照した対策を講じています。
- サプライチェーン管理: 委託先に対しても同等のセキュリティレベルを要求し、定期的な点検を実施しています 37。
競合ベンチマーク(技術・財務比較)
表4:国内主要リース・事業会社との技術・財務比較 (FY2024.3ベース)
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指標
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オリックス (ORIX)
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三菱HCキャピタル (MHC)
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東京センチュリー (TC)
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純利益
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3,461億円
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1,162億円 (FY23)
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721億円
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ROE
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9.0%
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8.0%
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10.1% (Q1年率)
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技術・DX戦略
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「実物資産の機能最大化」
AI/ロボット/3Dプリンタのレンタルと実装に強み。独自発電所・処分場を保有。
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「社会課題解決型DX」
100億円規模のイノベーションファンド。EV・物流・脱炭素ソリューションに注力 38。
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「金融×サービス×事業」
DX認定事業者。オートモビリティとNTT提携によるデータセンター事業に強み 39。
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注力技術分野
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再エネ(太陽光・蓄電・水素)、サーキュラーエコノミー、不動産テック
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EV/PHV、航空機エンジンリース、AI与信、物流DX
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オートリース、IT機器ライフサイクル管理、データセンター
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海外展開
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米国(ORIX USA)、欧州(Robeco)、アジア(再生エネ)
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米国(コンテナリース)、欧州(航空機)、アジア
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米国(ACG航空機)、アジア(オート)
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オリックスは他2社と比較して、「事業投資(Principal Investment)」の色合いが圧倒的に濃いのが特徴です。三菱HCキャピタルや東京センチュリーが、ファイナンスを起点とした付加価値サービス(リース+α)を展開しているのに対し、オリックスは発電所やホテル、水族館、廃棄物処理施設を「自社で所有・運営」し、その運営効率を技術で高めるアプローチをとっています。例えば、オリックス・レンテックのロボット事業は、単なる機材リースではなく、顧客の生産ラインへの導入エンジニアリングまで踏み込んでおり、これは「金融業」というより「技術サービス業」の領域です。
公式ロードマップと未確認情報
公式サステナビリティ目標・技術ロードマップ
- 2025-2027年: 紀の川蓄電所、米原湖東蓄電所の順次稼働と運用ノウハウの蓄積。電力市場でのトレーディング収益化。
- 2030年: 関西エリアにおけるIR(統合型リゾート)の開業(予定)。ここでは顔認証、人流解析、スマートビルディング技術の大規模な実装が見込まれます 3。
- 2030年度目標: 国内外の再生可能エネルギー保有容量を10GWまで拡大(2024年時点で約4GW超)40。
- 2050年: カーボンニュートラルの実現。AM Green等を通じたグリーン水素・アンモニアのサプライチェーン確立。
今回の調査で特許DBやIR資料から確認できなかった事項
- 具体的な年間IT投資総額: IR資料において「販売管理費」や「設備投資」の一部として言及されることはあるが、グループ全体の「IT投資額」「デジタル投資額」として切り出された統一的な数値は開示されていません。
- 生成AIの具体的な導入効果(金額換算): 業務効率化への言及はあるが、生成AI導入による具体的なコスト削減額や売上貢献額の確定値は未公表です。
- ココロカプセルの詳細な特許請求の範囲: 出願中(特願2024-109471)であることは公表されていますが、具体的なクレーム内容(権利範囲)は公開公報が出るまで確認できません。
引用文献
- Integrated Report 2024 | ORIX Group Purpose & Culture, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/en/pdf/ir/library/annual_report/AR2024E.pdf
- ORIX Corporation, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/pdf/company/ir/library/20f/2025_2QE.pdf
- Earnings call transcript: ORIX Q2 2025 sees record income, stock rises - Investing.com, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.investing.com/news/transcripts/earnings-call-transcript-orix-q2-2025-sees-record-income-stock-rises-93CH-4350129
- ORIX Renewable Energy Management Launches O&M Service for Energy Storage Plants, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/en/newsrelease/240226_ORIXGE.html
- ORIX Group subsidiary OREM to Launch Solar Power Plant O&M Service Fusing AI and Other Digital Technologies, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/en/newsrelease/210512_ORIXG.html
- ORIX Begins Operation of Kinokawa Energy Storage Plant, the First Plant in Its Energy Storage Plant Business, in Wakayama | ORIX Group, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/en/newsrelease/241129_ORIXE.html
- ORIX enters battery storage market in quest for round-the-clock renewable energy, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/en/orix_in_action/entry/2025/04/17/100000
- ORIX Group and AGC Develop Japan's First Window Glass Horizontal Recycling Business Scheme | News, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.agc.com/en/news/detail/1208710_2814.html
- Commercial Launch of Nauto in Japan Market AI Powered Driver Safety System from the U.S. | ORIX Group, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/en/newsrelease/180720_ORIXG.html
- Commercial Launch of Nauto in Japan Market AI Powered Driver Safety System from the U.S., 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/en/newsrelease/pdf/180720_ORIXE.pdf
- 【オリックス環境】錠剤の包装などに使用される「PTPシート」のマテリアルリサイクル事業を開始, 1月 18, 2026にアクセス、 https://digitalpr.jp/r/64805
- 顧客(製薬メーカー)の価値向上につながるマテリアルリサイクル。事業課題に対 する多面的, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.kansai.meti.go.jp/3-6kankyo/RethinkDesign/RDreport2024/RDproject6.pdf
- ORIX Bank Commences Proof-of-Concept Experiment Toward Issuance of Stablecoins, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/en/newsrelease/230926_ORIXGE.html
- ORIX Life Launches Kokoro Capsule Video Message Service for Insurance Beneficiaries, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orix.co.jp/grp/en/newsrelease/241031_ORIXGE.html
- ORIX Rentec Corporation, 1月 18, 2026にアクセス、 https://www.orixrentec.jp/en/
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