3行まとめ
日本・欧州・米国・中国にまたがるグローバル知財ポートフォリオを構築
アレルギー検査、畜産DX、健康機能性食品など多領域で特許を取得し、豚飼育支援技術では日本(特許第7445612号)と欧州(EP3605097号)の両地域で権利化。抗原抗体反応制御の基盤技術も日本3件・米国1件と国際的な知財保護を推進している。
代替たんぱく質は「麹・藻類・培養肉」の三本柱で研究開発を推進
食品成分由来の培養液で麹菌を生産する独自技術により、培養肉のコスト課題である動物血清の代替に前進。2024年の全国意識調査では、培養肉に期待する点の首位が前年の「安全性」から「地球環境への配慮」に変化し、消費者の社会的価値への理解が深まりつつある。
連結売上高は約1.1兆円・事業利益45%増と財務基盤も堅調
2026年3月期第3四半期の連結売上高は1兆1,086億円(前年同期比5.1%増)、事業利益は581億円(同45.3%増)と大幅な増益を達成。配当予想も年間160円へ引き上げられ、研究開発投資の原資となる安定した収益基盤を維持している。
この記事の内容
日本ハム株式会社の中央研究所における「これまでの成果」として、国内外での特許取得状況が公式ページで公開されている。公表されている特許リストには、日本国特許庁において登録された特許だけでなく、欧州特許、米国特許、中国特許が含まれている。具体的に特定できる特許番号および発明名称として、豚飼育支援に関連する「豚飼育支援装置、豚飼育支援方法、および豚飼育支援プログラム」に関する特許第7445612号および欧州特許第3605097号(イギリス、イタリア、スウェーデン、フランス)が挙げられる。また、「体液による抗原抗体反応阻害を防止する物質」に関する特許は複数取得されており、特許第7504036号、特許第7573247号、特許第6601932号が登録されているほか、米国においても米国特許第11719695号(名称:IMMUNOASSAY METHOD TO PREVENT INHIBITION OF ANTIGEN-ANTIBODY BINDING INTERACTIONS IN MUCOSAL FLUIDS.)が確認できる。さらに、「アッセイ装置及びアッセイ方法」に関する特許第7556814号や、名称の記載がない特許第7604618号などの登録も一次情報上で明示されている。これらの特許群は、アレルギー検査、畜産支援、健康機能性食品など多岐にわたる研究開発の成果を権利化したものとして位置づけられる。2026/02/22時点で、これら特許の具体的な出願日や存続期間満了日に関する情報は、提供された一次情報内には記載されていない。また、特許出願件数や登録件数の全体集計(ランキング等)についても、集計母集団や検索条件が明示されていないため、条件により変動し得ることから一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)。しかしながら、日本国内にとどまらず、欧州、米国、中国といった複数地域において特許権を確保している事実は、同社がグローバルな知的財産ポートフォリオの構築を推進する方針を示していることを裏付けている。1
同社は「5つのマテリアリティ」の「たんぱく質の安定調達・供給」につながる取り組みの一環として、細胞性食品(培養肉)、藻類、および「第三のたんぱく質」としての麹に着目した研究開発を推進している。2023年6月14日付の発表によれば、食品成分で作られた培養液を用い、その中で麹菌のみを効率的に生産する研究に取り組んでいる。これにより、培養液のコストで大きな割合を占める動物血清を、安価かつ安定的に調達可能な食品に代替できることになり、将来的な細胞性食品の社会実装に向けて前進したとしている。さらに、CO2を吸収して生育する藻類を基盤とした産業の構築に取り組む「MATSURIプロジェクト」(国の推進するグリーンイノベーション基金事業に実施予定先として採択)への参画も公表されている。同社は代替たんぱく質の特徴として、「たんぱく質不足問題に貢献できる」「環境問題に貢献できる」「アニマルウェルフェア(動物福祉)である」という3点を公式文書において定義として示している。また、藻類については「CO2を吸収して生育するため、カーボンニュートラルに向けた取り組みにつながる」とし、たんぱく質や食物繊維などを豊富に含むことから食品としての活用が検討されている旨を説明している。細胞性食品(培養肉)については「ウシなどの動物から取り出した少量の細胞を人工的に培養して、従来の肉と同様のものを生産しようとするもの」と定義している。これらの基盤研究は、将来の食料安全保障や環境課題に対する同社の技術的アプローチを明確にするものである。2
代替たんぱく質の社会実装に向けた課題として、同社は社会受容性の定量的な把握を実施している。2023年11月21日および2024年11月25日に代替たんぱく質に関する全国意識調査の結果が発表された。2023年の調査(有効回答数6,424名)では、細胞性食品(培養肉)を「知っている」と回答した割合は9.7%、「聞いたことがある」は28.9%であり、これを「知っている」と回答した人のうち45.3%が「食べたい」或いは「やや食べてみたい」と回答した。細胞性食品に期待する点として「安全性が高い」「美味しい」「価格が安い」が上位に挙げられた。一方、2024年の調査では、細胞性食品(培養肉)に期待する点(n=313)として「地球環境へ配慮されている」ことへの期待が最も高く、次いで「たんぱく質量が豊富」「見た目が本物の肉に近い」ことが挙げられている。麹に期待する点(n=336)については、「栄養価が高い」ことへの期待が最も高く、次いで「美味しい」ことが挙げられている。藻類に期待する点(n=337)についても同様に「栄養価が高い」ことへの期待が最も高く、次いで「カロリーが低い」ことが挙げられている。これらの定量的な調査データは、同社が代替たんぱく質領域の研究開発を進めるにあたり、消費者の期待や不安を科学的に測定し、製品開発やマーケティング戦略の基礎資料として活用する方針を有していることを示している。特に環境配慮や栄養価といった消費者側のインサイトは、今後の技術開発におけるマイルストーン設定において重要な指標として機能することが推察される仕組みとなっている。2
食品アレルギー対応および抗原抗体反応の制御、さらには畜産業の生産性向上に関する技術分野において、同社は複数の知的財産を保有している。アレルギー対応領域では、中国特許第110462402号として「卵アレルギーの予防剤等およびそれを含有する食品組成物」が登録されており、さらに中国特許第114828864号として「くるみアレルゲンJugr 2タンパク質の抽出用試薬および抽出方法」が取得されている。学会発表の場においても、第131回日本畜産学会大会にて「鶏卵アレルギー患者における鶏卵抗原と卵白加水分解物とのプリックテスト結果の比較」と題する発表が行われた。また、抗原抗体反応の制御に関連する基盤技術として「体液による抗原抗体反応阻害を防止する物質」の特許群が存在する。畜産支援技術としては、「豚飼育支援装置、豚飼育支援方法、および豚飼育支援プログラム」に関する特許第7445612号、ならびに欧州特許第3605097号が取得されている。これらのシステムの実用性検証として、日本分析化学会第72年会において「画像検知技術を用いた臀部幅による豚群体重推定システムの汎用性検証」というテーマで学会発表が行われている。加えて、「FASTKIT エライザ Ver.Ⅲ大豆」という製品に関連する安全データシート(SDS)が公開されており、当該資料には「日本ハム株式会社 中央研究所 ヘルスサポート課」(所在地:茨城県つくば市緑ケ原三丁目3番地)が連絡先として明記されている。このSDSによれば、当該キットの推奨用途は「試験研究用」と定義されている。これらの事実は、同社が専門組織を通じてアレルギー検査キットの開発やITを活用した畜産ソリューションの構築に注力している状況を示している。1
同社の財務状況およびコーポレートガバナンスに関する一次情報開示は、定期的な法定開示およびIRカレンダーに従って実施されている。2026年2月2日付で発表された「2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」によれば、当四半期(2025年4月1日~2025年12月31日)の連結売上高実績は1,108,591百万円(=11,085.91億円)であり、対前年同四半期増減率で5.1%の増加を示している。事業利益実績は58,122百万円(=581.22億円、45.3%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益実績は33,577百万円(=335.77億円、15.2%増)と報告されている。また、資産合計は1,005,702百万円(=10,057.02億円)、親会社所有者帰属持分比率は53.6%である。同資料にて、代表取締役社長は井川 伸久と明記されている(As-of 2026/02/22)。非財務情報および戦略方針に関しては、2025年6月25日に「ニッポンハムグループ・コーポレートガバナンス基本方針」が公表され、2025年9月に「統合報告書2025(2025年9月発行)」が公開されている。一方で、技術経営において中核となる「研究開発費」の具体的な金額(実績および計画値)については、2026年3月期 第3四半期決算短信(連結・非連結)の文面上に記載が見当たらない。2026/02/22時点で、有報(直近FY)・決算短信(直近4四半期)・統合報告書(直近版)・公式IR/公式ニュース(直近24ヶ月)を確認した範囲では、当該研究開発費の数値を一次情報として特定できない(調査範囲内では確認できず)。また、一部の公式IRページ(ニュースリリース一覧、研究組織詳細、役員一覧等)はアクセス不可(404等)となっており、これらのページを根拠とした組織の詳細や最新の人事動向については検証不能(理由:アクセス不可)である。6
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発行体 |
文書名/ページ名 |
発行日/公開日 |
種別 |
URL |
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日本ハム株式会社 |
統合報告書/アニュアルレポート|IRライブラリー |
2025年9月発行等(ページ上部記載なし) |
公式IRページ |
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日本ハム株式会社 |
ニュースリリース一覧(2025) |
記載なし(ページ上部) |
公式IRページ |
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日本ハム株式会社 |
IR・株式に関する年間スケジュール |
記載なし(ページ上部) |
公式IRページ |
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日本ハム株式会社 |
中央研究所 これまでの成果 |
記載なし(ページ上部) |
公式ページ |
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日本ハム株式会社 |
ニュースリリース(代替たんぱく質に関する全国意識調査) |
2024年11月25日 |
公式ニュース |
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日本ハム株式会社 |
ニュースリリース(代替たんぱく質に関する全国意識調査) |
2023年11月21日 |
公式ニュース |
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日本ハム株式会社 |
ニュースリリース(新しいたんぱく質源として“麹”の可能性を探求) |
2023年6月14日 |
公式ニュース |
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日本ハム株式会社 |
2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結) |
記載なし(PDF内表示に基づく) |
法定開示/IR |
https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260212/20260209552246.pdf |
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日本ハム株式会社 |
FASTKIT エライザ Ver.Ⅲ大豆 安全データシート(SDS) |
記載なし(ページ上部) |
公式文書 |
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日本ハム株式会社 |
2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) |
2026年2月2日 |
法定開示/IR |
https://www.nipponham.co.jp/corporate/ir/library/accounting/pdf/2026/20260202.pdf |
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日本ハム株式会社 |
(ニュースリリース2024-2026一覧) |
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検証不能(404等) |
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日本ハム株式会社 |
(研究組織詳細) |
- |
検証不能(404等) |
https://www.nipponham.co.jp/corporate/rd/organization/index.html |
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日本ハム株式会社 |
(役員一覧・特許詳細) |
- |
検証不能(404等) |
https://www.nipponham.co.jp/corporate/info/officer/index.html |
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日本ハム株式会社 |
(研究所所在地・拠点一覧) |
- |
検証不能(404等) |
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日本ハム株式会社 |
(2026年3月期 第3四半期 決算短信 ページ) |
- |
検証不能(404等) |
https://www.nipponham.co.jp/corporate/ir/library/brief/index.html |
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日本ハム株式会社 |
(2026年3月期 第3四半期 決算補足説明資料) |
- |
検証不能(404等) |
https://www.nipponham.co.jp/corporate/ir/library/brief/pdf/2026/20260202_supplement.pdf |
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案件名 |
Announcement |
Effective(Event) |
Completion |
Start |
状態ラベル |
根拠 |
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“麹”に着目した第三のたんぱく質研究開発 |
2023年6月14日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
計画/方針 |
3 |
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代替たんぱく質に関する全国意識調査(2023年) |
2023年11月21日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
4 |
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代替たんぱく質に関する全国意識調査(2024年) |
2024年11月25日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
2 |
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中期経営計画2026進捗説明会 |
2025年5月15日 |
2025年5月15日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
7 |
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コーポレートガバナンス基本方針 公表 |
2025年6月25日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
7 |
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2026年3月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) |
2025年8月1日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
7 |
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統合報告書2025 発行 |
2025年9月 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
6 |
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2026年3月期 第2四半期 決算発表/説明会 |
2025年11月4日 |
2025年11月4日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
8 |
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2026年3月期 半期報告書 提出 |
2025年11月10日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
7 |
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中期経営計画2026進捗説明会 |
2025年11月12日 |
2025年11月12日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
8 |
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2026年3月期 第3四半期 決算発表/説明会 |
2026年2月2日 |
2026年2月2日 |
調査範囲内では確認できず |
調査範囲内では確認できず |
完了 |
8 |
公式ページでは以下の施設が紹介されている(2026/02/22時点で参照可能な一次情報において、研究組織に関する網羅的なリストや数の明示を確認できないため、数を断定しない)。
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センター名(公式表記) |
根拠ページ名 |
URL |
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中央研究所 ヘルスサポート課 |
FASTKIT エライザ Ver.Ⅲ大豆 安全データシート(SDS) |
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中央研究所 |
中央研究所 これまでの成果 |
公式ページでは以下の施設が紹介されている(2026/02/22時点で参照可能な一次情報において、施設の網羅的なリストや数の明示を確認できないため、数を断定しない)。
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施設名(公式表記) |
根拠ページ名 |
URL |
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茨城県つくば市緑ケ原三丁目3番地 |
FASTKIT エライザ Ver.Ⅲ大豆 安全データシート(SDS) |
同社の技術経営を支える知的財産ポートフォリオは、中央研究所の活動成果として多岐にわたる領域で構築されている。公式ページ「これまでの成果」において公開されている特許情報は、日本国内のみならず、欧州、米国、中国を含むグローバルな権利化戦略を示している。これらの知的財産は、事業の持続可能な成長と新規領域への展開を支える重要な無形資産として位置づけられる。1
抗原抗体反応の阻害を防止する基盤技術として、同社は複数の特許を取得している。具体的には、日本国特許庁において「体液による抗原抗体反応阻害を防止する物質」という同一の発明名称で、特許第7504036号、特許第7573247号、および特許第6601932号が登録されている。これに関連して、米国においても米国特許第11719695号(名称:IMMUNOASSAY METHOD TO PREVENT INHIBITION OF ANTIGEN-ANTIBODY BINDING INTERACTIONS IN MUCOSAL FLUIDS.)が取得されている。また、測定技術や装置に関連して「アッセイ装置及びアッセイ方法」に関する特許第7556814号が登録されている。これらの技術群は、体液中における正確な免疫測定を可能にするための技術的ブレイクスルーを示唆しており、診断キットやヘルスケア分野への応用展開が期待される技術基盤である。1
アレルギー対応の領域では、グローバルな知財確保の一環として、中国において「卵アレルギーの予防剤等およびそれを含有する食品組成物」(中国特許第110462402号)や「くるみアレルゲンJugr 2タンパク質の抽出用試薬および抽出方法」(中国特許第114828864号)といった特許が取得されている。これらの特許取得状況は、同社が特定の食品アレルゲンに対する予防的アプローチや抽出・検査技術において高度な技術的解決策を権利化し、国際的な知的財産として保護する方針を持っていることを示している。なお、名称の記載がない特許として特許第7604618号も同リストに掲載されている。こうした知財の蓄積は、グローバル市場における食品安全基準の高度化に対する同社の先制的な技術対応力を示すものである。1
食品由来成分を用いた健康機能性の研究において、同社はイミダゾールジペプチドを活用した技術を多数権利化している。具体的には、「イミダゾールジペプチドを含有するエクソソーム調節剤、およびエクソソームを含有する神経細胞活性化剤」として特許第6510004号が、「イミダゾールジペプチドを含有する、グリア細胞における神経栄養因子等の遺伝子の発現誘導剤」として特許第6550357号が、さらに「イミダゾールジペプチドを含む剤」として特許第6588666号がそれぞれ登録されている。これらに加え、血圧制御に関する技術として「コンドロイチン硫酸含有ブタ軟骨抽出物を有効成分とする血圧上昇抑制剤およびそれを含有する食品組成物」(特許第6629469号)が取得されている。これらの知的財産は、同社が食品成分の生体への機能的アプローチを科学的に解明し、それらを機能性素材や高付加価値製品として事業化するための確固たる技術基盤を確保していることを裏付けるものである。1
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分野 |
発明名称・技術内容 |
特許番号(登録国等) |
出典 |
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抗原抗体反応 |
体液による抗原抗体反応阻害を防止する物質 |
特許第7504036号 |
1 |
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抗原抗体反応 |
体液による抗原抗体反応阻害を防止する物質 |
特許第7573247号 |
1 |
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抗原抗体反応 |
体液による抗原抗体反応阻害を防止する物質 |
特許第6601932号 |
1 |
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抗原抗体反応 |
IMMUNOASSAY METHOD TO PREVENT INHIBITION OF ANTIGEN-ANTIBODY BINDING INTERACTIONS IN MUCOSAL FLUIDS. |
米国特許第11719695号 |
1 |
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測定・検査 |
アッセイ装置及びアッセイ方法 |
特許第7556814号 |
1 |
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アレルギー |
卵アレルギーの予防剤等およびそれを含有する食品組成物 |
中国特許第110462402号 |
1 |
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アレルギー |
くるみアレルゲンJugr 2タンパク質の抽出用試薬および抽出方法 |
中国特許第114828864号 |
1 |
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神経機能 |
イミダゾールジペプチドを含有するエクソソーム調節剤、およびエクソソームを含有する神経細胞活性化剤 |
特許第6510004号 |
1 |
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神経機能 |
イミダゾールジペプチドを含有する、グリア細胞における神経栄養因子等の遺伝子の発現誘導剤 |
特許第6550357号 |
1 |
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神経機能 |
イミダゾールジペプチドを含む剤 |
特許第6588666号 |
1 |
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血圧制御 |
コンドロイチン硫酸含有ブタ軟骨抽出物を有効成分とする血圧上昇抑制剤およびそれを含有する食品組成物 |
特許第6629469号 |
1 |
同社は、将来懸念される地球規模のたんぱく質供給不足問題への対応を経営上の重要課題として位置づけている。公式の発表において、「5つのマテリアリティ」の一つである「たんぱく質の安定調達・供給」につながる取り組みとして、従来の食肉生産に依存しない代替たんぱく質の研究開発を推進する方針を示している。この方針は、単なる製品多様化にとどまらず、サステナビリティと事業継続性を統合した中長期的な技術戦略の核となるものである。3
2023年6月14日の発表によれば、同社は細胞性食品(培養肉)や藻類に加えて、「第三のたんぱく質」として“麹”に着目した研究開発を推進している。麹は、味噌や醤油、酒など、和食をはじめとする伝統的な発酵食品に活用されてきた実績があり、公式資料において「麹を含む食品は一般的に整腸作用、免疫賦活化(ふかつか)などが期待される」と説明されている。一般的な麹の生産では、米、麦、豆などの穀物を蒸したものに麹菌を付けて繁殖しやすい温度や湿度などの条件下で培養する。これに対して同社の研究では、「食品成分で作られた培養液を用い、その中で麹菌のみを効率的に生産する研究」に取り組んでいる。この手法の利点として、密閉された中で行われることから天候や気候変動の影響を受けにくく、従来の食肉や魚、大豆などのたんぱく質源よりも、安定的にサステナブルな調達につながる可能性があると考えられている。3
さらに、この培養技術は細胞性食品の研究開発にも応用可能な波及効果を持つ。具体的には、この技術により「培養液のコストで大きな割合を占める動物血清を、安価かつ安定的に調達可能な食品に代替できる」ことになり、将来的な細胞性食品の社会実装に向けて前進したと公表されている。環境対応の側面では、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みとして、CO2を吸収して生育する藻類を基盤とした産業の構築に取り組む「MATSURIプロジェクト」への参画も公表されている。同プロジェクトは、国の推進するグリーンイノベーション基金事業に実施予定先として採択されている。このように、同社の代替たんぱく質戦略は、単一の技術に依存するのではなく、麹、藻類、細胞培養といった複数のプラットフォームを並行して開発する多角的なアプローチを採用している。3
代替たんぱく質の社会受容性を定量的に把握し、研究開発の優先順位付けや市場導入シナリオの構築に活用するため、同社のライフスタイル研究室は大規模なインターネット調査を実施し、その結果を公表している。2023年11月21日に発表された調査(有効回答数:全国20歳以上の男女6,424名)では、4種類の代替たんぱく質(プラントベースフード、微生物(麹など)、藻類、細胞性食品(培養肉))に関する認知度や期待度が分析された。同社はプラントベースフードについて「主に大豆、小麦など植物由来原料を使い、肉や魚の食感や味を再現したもの」と定義し、「大豆ミート」「プラントベースミート」「疑似肉」などが含まれるとしている。微生物(麹など)については「たんぱく質や食物繊維などを豊富に含むものがあり、温度などが調整された環境で生産されるため、安定的な生産が可能と言われている」と定義している。4
当該調査における現状の認知度についての結果は以下の通りである。
受容性に関する深掘り調査として、各代替たんぱく質を「知っている」と回答した層に対し、「食べたい」或いは「やや食べてみたい」と回答した割合も集計されている。
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代替たんぱく質の種類 |
「知っている」割合 |
「聞いたことがある」割合 |
喫食意向(「食べたい/やや食べてみたい」割合) |
期待する点(上位3項目) |
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プラントベースフード |
16.4% |
21.9% |
57.1% |
美味しい、たんぱく質量が豊富、価格が安い |
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微生物(麹など) |
24.8% |
30.0% |
64.3% |
栄養価が高い、美味しい、安全性が高い |
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藻類 |
24.3% |
32.1% |
69.4% |
栄養価が高い、美味しい、カロリーが低い |
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細胞性食品(培養肉) |
9.7% |
28.9% |
45.3% |
安全性が高い、美味しい、価格が安い |
前年に引き続き、市場の経年変化を追跡するため、2024年11月25日にも代替たんぱく質に関する全国意識調査の結果が公表された。当該調査結果において、プラントベースフードおよび細胞性食品(培養肉)の認知率は4割弱となっていると報告されている。調査の設問内では、各代替たんぱく質に対する具体的な期待に関する回答(複数選択)が母数とともに集計されている。同調査の発表資料では、代替たんぱく質の特徴として「たんぱく質不足問題に貢献できる」「環境問題に貢献できる」「アニマルウェルフェア(動物福祉)である」という定義が付記されており、消費者がこれらの社会的価値をどのように認識しているかが問われた。2
細胞性食品(培養肉)に期待する点(n=313)についての設問では、「地球環境へ配慮されている」ことへの期待が最も高く、次いで「たんぱく質量が豊富」「見た目が本物の肉に近い」ことに期待が寄せられているという結果が示された。これは、前年の調査結果で「安全性が高い」が上位であった傾向から、細胞培養技術の環境貢献という社会的意義に対する消費者の理解が深まりつつある可能性を示唆するデータ構造となっている。麹に期待する点(n=336)については、「栄養価が高い」ことへの期待が最も高く、次いで「美味しい」ことが挙げられている。藻類に期待する点(n=337)についても同様に「栄養価が高い」ことへの期待が最も高く、次いで「カロリーが低い」ことが挙げられている。これらの調査結果は、同社が代替たんぱく質の社会実装に向けて、単なるプロダクトアウトの開発にとどまらず、消費者意識の変容を定量的に把握し、適切なコミュニケーション戦略や研究開発の要件定義に反映させる方針を持っていることを示している。2
同社は、食品加工や代替たんぱく質の開発だけでなく、サプライチェーンの上流に位置する畜産現場における動物の成長評価や飼育環境の最適化を支援するITシステムの開発においても強固な知的財産を構築している。中央研究所の成果として、「豚飼育支援装置、豚飼育支援方法、および豚飼育支援プログラム」に関する技術が、日本国内で特許第7445612号として登録されているほか、欧州においても欧州特許第3605097号(対象国:イギリス、イタリア、スウェーデン、フランス)として権利化されている。さらに、「成長評価装置、成長評価方法および成長評価プログラム」に関する特許第7301139号も取得されている。1
これらの特許は、ハードウェア装置からソフトウェアプログラムに至る包括的なシステムとして保護されており、畜産業界が直面する労働力不足や熟練技術の伝承といった課題に対し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて解決を図る方針を技術的側面から裏付けるものである。学術的な検証も並行して進められており、日本分析化学会第72年会において「画像検知技術を用いた臀部幅による豚群体重推定システムの汎用性検証」というテーマで発表が行われている。この発表事実は、特許化された成長評価プログラムや豚飼育支援装置が、実際の画像検知技術を用いて実用化に向けた実証段階にあることを示唆している。このように、同社はハードウェアとアルゴリズムの融合によるアグリテック領域においても、特許ポートフォリオを戦略的に拡大していることが読み取れる。1
アレルギー対応や食品安全に関連する研究開発を担う中核拠点として、同社には中央研究所が存在する。同研究所における具体的な開発成果および安全管理体制を裏付ける一次情報として、「FASTKIT エライザ Ver.Ⅲ大豆」に関する安全データシート(SDS)が公開されている。当該資料によれば、本製品の推奨用途は「試験研究用」と指定されており、使用上の制限として「上記用途以外(の仕様は避けること)」「休憩場所では手袋その他汚染した保護具を持ち込んではならない。取扱い場所には関係者以外の立ち入りを禁止する」といった厳格な運用ルールが定められている。安全取扱注意事項においても「皮膚、眼、衣服との接触を避ける。個人用保護具を着用すること」と明記されている。5
同SDSには、連絡先として「日本ハム株式会社 中央研究所 ヘルスサポート課」が明記されており、会社情報として「日本ハム株式会社 / NH Foods Ltd. 大阪市北区梅田二丁目4番9号 ブリーゼタワー」と記載されている。中央研究所 ヘルスサポート課の所在地は「茨城県つくば市緑ケ原三丁目3番地」であり、電話番号(029-847-7825)およびFAX番号(029-848-1256)が併記されている。このキットに関連する基礎研究や応用開発の成果は、学術的な場を通じても積極的に開示されている。第131回日本畜産学会大会では「鶏卵アレルギー患者における鶏卵抗原と卵白加水分解物とのプリックテスト結果の比較」という演題で発表が実施され、また第60回日本小児アレルギー学会学術大会や「The 7th International Conference on Food Factors」における発表実績も報告されている。これらの一次情報は、同社がつくば市に専門の研究拠点を構え、試験研究用のアレルギー検査キットの提供や、臨床データを伴う基礎的知見の蓄積、さらにはそれらの科学的根拠に基づく製品の安全管理体制を継続的に維持していることを示している。1
同社の技術経営および知財戦略を支える財務基盤と、ステークホルダーとの対話を規定するコーポレートガバナンスの状況は、法定開示書類および公式IR資料を通じて透明性をもって報告されている。
同社の最新の財務状況に関する一次情報として、2026年2月2日に「2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」が発表されている。本開示資料における対象期間は2025年4月1日~2025年12月31日であり、代表取締役社長は井川 伸久、問合せ先責任者は経理財務部長の泉 聡と記載されている(As-of 2026/02/22)。当四半期の連結経営成績(累計)として、各財務指標の実績値が詳細に開示されている。10
「2026年3月期 第3四半期」の売上高実績は1,108,591百万円(=11,085.91億円)であり、対前年同四半期増減率で5.1%の増加となっている。事業利益実績は58,122百万円(=581.22億円)で前年同期比45.3%増、税引前四半期利益実績は53,658百万円(=536.58億円)で23.9%増と報告されている。四半期利益実績は35,876百万円(=358.76億円)で16.7%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益実績は33,577百万円(=335.77億円)であり、15.2%の増加を示している。さらに四半期包括利益合計額の実績は50,707百万円(=507.07億円)で34.3%増となっている。同資料内の注記によれば、事業利益は「売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、当社グループが定める為替差損益を加味するとともにIFRS会計基準への調整及び非経常項目を除外して算出」されている。基本的1株当たり四半期利益は343.14円である。希薄化後1株当たり四半期利益については、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため記載されていない。なお、比較対象となる「2025年3月期 第3四半期」の実績は、売上高1,055,018百万円(=10,550.18億円)、事業利益39,988百万円(=399.88億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益29,152百万円(=291.52億円)であった。10
連結財政状態に関しては、「2026年3月期 第3四半期」時点の資産合計が1,005,702百万円(=10,057.02億円)、資本合計が554,514百万円(=5,545.14億円)、親会社の所有者に帰属する持分が539,278百万円(=5,392.78億円)と開示されており、親会社所有者帰属持分比率は53.6%である。比較対象の「2025年3月期」の資産合計は949,272百万円(=9,492.72億円)、親会社の所有者に帰属する持分は524,293百万円(=5,242.93億円)、親会社所有者帰属持分比率は55.2%であった。配当の状況については、「2025年3月期」の期末配当金が135.00円(年間合計135.00円)であったのに対し、「2026年3月期(予想)」の期末配当金は160.00円(年間合計160.00円)と記載されている。注記において「最近の業績動向等を踏まえ、2026年3月期通期の配当予想を修正しております。詳細につきましては、本日2026年2月2日公表の『業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ』をご参照ください」と明記されており、直近に公表されている配当予想からの修正があったことが示されている。これらの包括的な財務データは、同社が研究開発への投資原資となる安定的なキャッシュフローと強固な自己資本基盤を維持しつつ、株主還元を拡大する方針であることを明確に示している。また、「2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」においても、税引前四半期純損失などの各種指標が開示されている。9
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指標(連結・累計) |
2025年3月期 第3四半期 実績 |
2026年3月期 第3四半期 実績 |
対前年増減率 |
出典 |
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売上高 |
1,055,018百万円 |
1,108,591百万円 |
5.1%増 |
10 |
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事業利益 |
39,988百万円 |
58,122百万円 |
45.3%増 |
10 |
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税引前四半期利益 |
43,297百万円 |
53,658百万円 |
23.9%増 |
10 |
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親会社の所有者に帰属する四半期利益 |
29,152百万円 |
33,577百万円 |
15.2%増 |
10 |
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四半期包括利益合計額 |
37,766百万円 |
50,707百万円 |
34.3%増 |
10 |
|
基本的1株当たり四半期利益 |
286.43円 |
343.14円 |
- |
10 |
非財務情報および経営戦略に関する開示体制として、同社は複数のレポートや方針を定期的に公表し、投資家やアナリストとの対話を体系的に実施している。「統合報告書/アニュアルレポート|IRライブラリー」の公式ページによれば、「ニッポンハムグループが目指すもの」をステークホルダーに提示する包括的な資料として、直近では「オンラインレポート2025年版 統合報告書2025(2025年9月発行)」が公開されている。過去の報告書の実績として、「統合報告書2021(2021年3月期)」の【見開きタイプ】および【片開きタイプ】、「統合報告書2019(2019年3月期)」の存在も記載されており、長期にわたる開示の継続性が確認できる。6
IRカレンダーおよびニュースリリースに基づく具体的なイベントスケジュールによれば、同社は年間を通じて緻密な対話プロセスを構築している。2025年度において、5月15日に「中期経営計画2026進捗説明会」が開催され、続いて6月25日にガバナンスの根幹を成す「ニッポンハムグループ・コーポレートガバナンス基本方針」が公表されている。その後、8月1日に「2026年3月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」が発表され、11月4日には「2026年3月期 第2四半期 決算発表」および「2026年3月期 第2四半期 決算説明会(アナリスト・機関投資家向け)」が実施された。さらに11月10日に「2026年3月期 半期報告書(第81期)」が提出され、直後の11月12日に「中期経営計画2026進捗説明会(アナリスト・機関投資家向け)」が再度開催された。そして2026年2月2日に「2026年3月期 第3四半期 決算発表」および「2026年3月期 第3四半期 決算説明会(アナリスト・機関投資家向け)」が実施されている。これらの連続的な開示履歴と説明会の開催実績は、同社が経営方針、研究開発を含む投資計画、および進捗状況について、資本市場に対して適時かつ透明性の高い情報提供を継続的に実施する方針を厳格に運用している事実を裏付けている。7
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本レポートは、公開情報をAI技術を活用して体系的に分析したものです。
情報の性質
ご利用にあたって
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