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6G通信のキープレイヤーと応用先:特許と事業戦略から読み解く市場動向

この記事の内容

エグゼクティブサマリ

 

  • 技術分野の市場概観と重要性: 6G(第6世代移動通信システム)は、2030年頃の商用化を目指す次世代通信規格です。5Gの進化形である高速・大容量、低遅延、多接続の実現に加え、6Gは「AIネイティブ(AIのネイティブな統合)」「ISAC(通信とセンシングの統合)」「NTN(非地上系ネットワーク=衛星統合)」を中核技術として定義しています。これにより、6Gは単なる通信インフラから、現実世界をデジタルツイン化し、AIサービスを提供する「社会基盤」へと変貌します。その覇権(標準必須特許:SEP)を握ることは、経済安全保障上の最重要課題となっています。
  • 本レポートで分析する「主要な戦略グループ」の分類と、そこに属する主要プレイヤー: 本レポートは、特許出願動向(技術蓄積)、5G市場シェア(事業規模)、R&D投資や戦略的提携(戦略投資)の3つの基準に基づき、6G市場の主要プレイヤーを以下の5つの戦略グループに分類・分析します。
    • グループ1:総合通信インフラ・SEPホルダー: 既存の通信インフラ市場とSEPを支配する企業群。(例:Huawei, Ericsson, Nokia, Samsung
    • グループ2:基幹技術・半導体プロバイダー: 端末や基地局の半導体・IPを供給する企業群。(例:Qualcomm, MediaTek
    • グループ3AI/コンピューティング・ディスラプター: AI技術(GPU)を武器に、通信インフラ市場の構造破壊を狙う企業。(例:NVIDIA
    • グループ4:垂直統合型 端末・エコシステム覇者: 自社デバイスとOSを核に、6Gを応用したサービス・エコシステムを支配する企業群。(例:Apple, Google
    • グループ5:新領域インフラ事業者 (NTN): 衛星通信(NTN)により、地上インフラの枠組みを超えるグローバルカバレッジを狙う企業群。(例:SpaceX (Starlink), Amazon (Kuiper)
  • 主要な技術応用先の分類: 特許および実証実験から、6Gの主要な応用先として「イマーシブXRとホログラフィック通信」「ISAC(統合センシング・通信)によるデジタルツイン」「触覚インターネット(ハプティクス)」「NTNによるグローバルカバレッジ」「AIaaS (AI as a Service)」の5分野が特定されます。
  • 市場全体の主要トレンドと今後の課題: 市場の最大のトレンドは、NVIDIAの参入(Nokiaへの10億ドル投資)1 に象徴される、通信インフラ(RAN)の「AIコンピューティング化」です。一方で、最大の課題は「5Gの投資対効果(ROI)問題」2 です。通信事業者は6Gのハードウェア更新に慎重であり、6Gベンダーは技術的優位性に加え、AI活用による「TCO(総所有コスト)削減」と「ISAC」のような新規収益源の創出という「経済的持続可能性」を証明する必要があります。

 

【第1章】技術分野の定義と市場概観

 

対象技術の範囲定義

 

6G(第6世代移動通信システム)は、現在展開が進む5GIMT-2020)の後継となる次世代の無線通信規格であり、2030年頃の商用化が計画されています 3

この技術の定義と標準化は、国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU-R)と、移動体通信の標準化プロジェクトである3GPP3rd Generation Partnership Project)によって主導されています 4ITU-Rは、202312月に6Gのフレームワークとして「IMT-2030」を定義(勧告 ITU-R M.2160-03 し、これにより6Gが目指すべきビジョンと能力が国際的に合意されました。

ITU-Rが定めた大枠に基づき、3GPPはより詳細な技術仕様を策定します。20243月の3GPP会合で合意されたタイムラインによれば、2024年後半から20266月にかけて6Gの技術性能要件の定義が進められ 5、その後、Release 19およびRelease 20で初期の研究が、Release 212028年末~2029年頃完了予定)で6Gの主要な標準仕様が策定される見込みです 3

6Gの技術的範囲は、5Gの主要3シナリオ(eMBB:超高速大容量、URLLC:超高信頼低遅延、mMTC:超多端末同時接続)の性能を飛躍的に向上させることに加え、5Gにはなかった革新的な技術要素を包含します。主要な新技術要素は以下の通りです。

  1. AIネイティブ・ネットワーク: ネットワークの設計、展開、運用のあらゆる層にAI(人工知能)およびML(機械学習)をネイティブに組み込みます 3。これにより、ネットワークの自己最適化、エネルギー効率の向上、AIサービス(AIaaS)の提供が可能になると期待されています 11
  2. 統合センシング・通信 (ISAC / JCAS): 従来分離されていた「通信」機能と「センシング(レーダーなど)」機能を、同一の周波数、同一のハードウェアで統合する技術です 12。これにより、ネットワークが周囲の環境(物体、人、動き)を高精度にマッピングし、デジタルツインの構築や自動運転の支援が可能になります。
  3. 非地上系ネットワーク (NTN): 衛星通信(LEO:低軌道衛星など)と地上網をシームレスに統合し、山間部、海上、空などを含む地球上のあらゆる場所でのカバレッジ(「ユビキタス・カバレッジ」)を実現します 3
  4. 新周波数帯(テラヘルツ/サブTHz帯): 5Gのミリ波(mmWave)を超える、テラヘルツ(THz)またはサブTHz帯(100 GHz以上)15 の活用が研究されています。これにより、5Gを遥かに凌ぐ超広帯域幅の利用が可能になりますが、技術的課題も多く残されています。
  5. 再構成可能な知的表面 (RIS): 電波の反射方向や位相を動的に制御できる特殊なシート状のデバイス(メタマテリアル)12 をビル壁面などに設置し、電波の「死角」をなくし、カバレッジとエネルギー効率を最適化します。

これらの技術要素の統合により、6Gは単なる「通信速度の向上(Connected People)」から、Huaweiが提唱する「知能への接続(Connected Intelligence)」18 へと、ネットワークの目的自体を根本的に変革しようとしています。これは、ネットワークがデータ伝送路であると同時に、「AI処理基盤」であり「物理世界のスキャナー(ISAC)」となることを意味します。

しかし、この技術的ビジョンは、通信事業者の経済的現実と直面しています。ITU-Rの標準化スケジュールは2030年の商用化に向けて非常にタイト 9 ですが、オペレーター側には「5Gの投資回収(ROI)が遅れているため、大規模なハードウェア更新を伴う革命(Revolution)ではなく、既存インフラ(5G OFDMベース)を活用した進化(Evolution)を望む」という強い意向があります 2

この2つの事実(タイトなスケジュールとオペレーターのROI懸念)を組み合わせると、6Gの商用展開は二段階で進む可能性が極めて高いと推定されます。

  • Phase 1 (2030年頃): 3GPPが確認した通り 25GOFDMエア・インターフェースを流用し、AI-RAN 19 やソフトウェアのアップグレードによる「AIネイティブ化」「5G-Advancedの進化」が中心となる 20
  • Phase 2 (2035年以降): テラヘルツ(THz)通信 16 や大規模RIS 17 など、ハードウェアの根本的な刷新を必要とする「真の6G」技術が、特定の高付加価値ユースケース(例:イマーシブXR)向けに導入される。
    この「二段階展開」の仮説は、6Gのロードマップを評価する上で不可欠な視点となります。

 

現在の市場規模と成長予測

 

6Gは現時点(2025年)において研究開発(R&D)フェーズであり、商業市場は存在しません 3。したがって、市場規模の分析は、6Gへの移行の土台となる現在の5G市場の動向を基に行います。

5G市場は、6GへのR&D投資を支える基盤として、現在も急成長を続けています。

  • 5Gインフラ市場: 複数の市場レポートが、CAGR(年平均成長率)20%を超える高い成長を予測しています。
    • ある調査では、世界の5Gインフラ市場は2025年に0億米ドルに達し、2025年〜2034年のCAGR41.7%と予測されています 21
    • 別の調査では、2023年の9億米ドルから2030年には958.8億米ドル(CAGR 22.9%)に達すると予測されています 23
  • 5Gチップセット市場: 5Gデバイスの普及に伴い、チップセット市場も拡大しています。
    • 2025年の市場規模は1億米ドルと予測され、2034年までには2,474.3億米ドル(CAGR 17.90%)に成長すると見込まれています 24

6G市場そのものに関する初期の予測も存在します。ある市場レポートでは、6G市場は「予測期間中に31.48%CAGRで推移する見込み」25 としており、5G同様の高い成長ポテンシャルが期待されています。

これらの予測数値(例:5Gインフラ市場の2025年予測値$43.5B vs $16.7B)には、調査会社間の定義や手法の違いにより大きなバラつきが見られます。しかし、数値の絶対値よりも重要なのは、全ての予測に共通する「CAGR 20%40%」という「高成長」のトレンドです。6GへのR&D投資は、この急成長する5G市場の収益(および5Gの商業化で得られた知見)を基盤に行われています。

ただし、この高成長の裏には、前述の「5GROI問題」2 が潜んでいます。5Gインフラ市場(2025-2034年にCAGR 41.7% 21)という巨大な投資が、オペレーターに十分な収益をもたらさなければ、彼らは6G(特にPhase 2のハードウェア投資)に対して極めて慎重になります 3。したがって、6Gベンダーの最優先課題は、技術開発と同時に「5Gの投資回収を促進し、6Gへの投資余力を生み出す」ビジネスモデル(例:TCO削減、新サービス収益)を提示することです。

 

ビジネス上の重要性

 

6Gのビジネス上の重要性は、単なる通信速度の向上(5G100倍速度とも言われる 26)にはありません。その重要性は、以下の3つの側面に集約されます。

第一に、6Gは「次世代産業革命の基盤インフラ」と位置づけられています 275GeMBB(高精細動画)やFWA(固定無線アクセス)を本格化させた 2 のに対し、6Gは「イマーシブXR(拡張現実)」「大規模デジタルツイン」「完全自動運転」14、「AIエージェントによるサービス」29 など、5Gでは実現困難だったキラーアプリケーション群を可能にすると期待されています。これらの応用先は、2030年までに15.7兆ドル規模に達すると推定されるAI市場 26 をはじめとする、新たな経済価値の源泉となります。

第二に、6Gは「地政学的な技術覇権」そのものです 30。通信規格の標準化(ITU, 3GPP)プロセスと、そこで必須と認められる標準必須特許(SEP)をどの国・企業が握るかが、未来の産業におけるライセンス収益と技術的優位性を決定します 31。中国が6G特許出願の約40.3%を占め、世界トップであるとの報告 32 は、この技術覇権争いの厳しさを示しており、各国政府が6G研究に国家予算を投じる(例:韓国の2200億ウォン投資 34、米国のNext G Alliance 35)直接的な動機となっています。

第三に、6Gは通信事業者(MNO)のビジネスモデルを根本から変革する可能性を秘めています。従来のMNOは、「接続(Connectivity)の対価」としてデータ通信料(ギガバイト単位)を徴収するビジネスモデル("Utility Operator" 36)が主流でした。しかし、6Gではネットワーク自体が「AI処理基盤」37 や「センシング基盤」13 となります。これにより、MNOは自社のネットワークAPI(例:「このエリアの交通量をセンシングするAPI」「エッジAIで推論するAPI」)をB2B顧客(自動車メーカー、工場、アプリ開発者など)に販売する「TechCo(テックカンパニー)」モデル 36 へと進化し、接続料以外の新たな収益源を確立できる可能性があります。

 

【第2章】キープレイヤーの特定と戦略グループ分類

 

6G市場は、従来の通信業界の枠組みを超え、AI、クラウド、半導体、衛星通信といった異業種のプレイヤーが複雑に交錯する場となっています。本レポートでは、この複雑な競合環境を分析するため、主要なプレイヤーを以下の3つの分析基準に基づき、5つの「戦略的グループ」に分類します。

  • 分析基準1:技術蓄積(特許出願動向): 6G関連の基礎技術、特に標準必須特許(SEP)の出願状況や、特定分野(THz, RIS, AIなど)での特許ポートフォリオ 32
  • 分析基準2:事業規模(現在の市場シェアや生産能力): 現在の5Gインフラ市場(RANなど)のシェア 41、または5Gチップセット(SoC, モデム)の市場シェア 42
  • 分析基準3:戦略投資(IR発表、投資額、大手企業とのアライアンス): R&D投資額、AI-RANNTN(衛星)への戦略的投資、企業提携(例:NokiaNVIDIAの提携)1

この分析基準の選定は、6G市場の特性に基づいています。従来の「通信機器ベンダー」(Nokia, Ericsson)と「チップメーカー」(Qualcomm)という分類は、もはや実態を表していません。

第一に、HuaweiSamsungはインフラと端末(半導体)の両方を手掛ける「垂直統合型」であり、従来のベンダーとは異なります 40

第二に、NVIDIANokia10億ドルを投資 1 し、「AI-RAN」プラットフォームで市場に参入しました。これは従来の「通信」の枠組みではなく、「AI/コンピューティング」の論理で市場を再定義する動きです 19

第三に、SpaceXStarlink)がSamsungAIモデムを開発 46 し、既存の通信事業者をバイパスする(OTT)「NTN(衛星)」サービス 47 を目指しています。

第四に、AppleGoogleNext G Allianceに参加 48 していますが、彼らの目的はインフラ販売ではなく、自社の「エコシステム(XRAI)」の優位性を確保することです。

以上の分析から、6G市場の構造を正確に反映するには、従来の分類を解体し、彼らの「ビジネスモデル」と「戦略的アライアンス」に基づいた以下の5つのグループに再定義する必要があります。

 

グループ1:「総合通信インフラ・SEPホルダー」

 

  • 定義(選定理由):
    このグループは、現在の5Gインフラ市場(RAN、コアネットワーク)において寡占的な市場シェアを持つ伝統的な巨人たちです 41。同時に、彼らは6Gの標準化プロセス(3GPP)を主導し、将来のライセンス収益の源泉となる標準必須特許(SEP)の出願競争をリードする企業群でもあります 28。彼らの基本戦略は、既存の主要顧客である通信事業者(MNO)との強固な関係性を基盤に、5Gから6Gへの「進化」を主導し、ライセンス収益(SEP)とインフラ(RAN)の両方を引き続き抑えることにあります。
  • 該当企業:
    • Huawei
    • Ericsson
    • Nokia
    • Samsung Electronics(インフラ部門として)

 

グループ2:「基幹技術・半導体プロバイダー」

 

  • 定義(選定理由):
    このグループは、通信インフラを「利用」するデバイス側の「頭脳」を供給するプレイヤーです。特に、5Gチップセット(スマートフォンSoC, モデム)市場において寡占的なシェアを持ちます 42。彼らは、Qualcommに代表されるように、通信技術のSEPライセンス(IP)と半導体(製品)の両方で莫大な収益を上げるビジネスモデルを確立しています。6Gにおいても、デバイス(端末)側と、近年進化が著しい基地局(vRAN)側、両方の「頭脳」となる半導体とIP(知的財産)の供給者としての地位を狙います。
  • 該当企業:
    • Qualcomm
    • MediaTek

 

グループ3:「AI/コンピューティング・ディスラプター」

 

  • 定義(選定理由):
    このグループは、6Gが「AIネイティブ」であること 11 を最大のビジネス機会と捉え、従来の通信業界(特にRAN)の構造を、AI/コンピューティング・プラットフォーム(GPU/アクセラレータ)で置き換える(ディスラプトする)ことを狙う企業です。Nokiaへの10億ドルの戦略的投資 1 は、この野心の明確な証拠であり、単なる技術協力ではなく、市場のルール変更を意図したものです。彼らは、通信を「AI処理」のユースケースの一つと捉えています。
  • 該当企業:
    • NVIDIA

 

グループ4:「垂直統合型 端末・エコシステム覇者」

 

  • 定義(選定理由):
    このグループの企業にとって、6Gは「販売する製品(インフラ)」ではなく、自社のエコシステムを強化するための「手段」です。彼らは、自社が支配するデバイス(スマートフォン、PCXRグラス)とOS/アプリストアの「エコシステム」上で、革新的なユーザー体験(イマーシブXRAIエージェント)を実現するために6Gを必要としています。Next G Alliance 48 などを通じて標準化に関与する目的は、自社サービスに最適化された仕様を盛り込み、最終的な「出口(アプリケーション)」を支配することで、グループ13のプレイヤーに対して(ライセンス利用者として)強い交渉力を維持・強化することにあります。
  • 該当企業:
    • Apple
    • Google

 

グループ5:「新領域インフラ事業者 (NTN)

 

  • 定義(選定理由):
    このグループは、地上系ネットワーク(Terrestrial Network)の物理的な限界(カバレッジの穴、基地局建設コスト)を、非地上系ネットワーク(NTN)、特にLEO(低軌道衛星)で補完、あるいは代替しようとする企業群です。3GPPNTN標準 51 を活用し、従来の通信事業者(MNO)を介さず、衛星から直接デバイスに(D2D)サービスを提供する「オーバー・ザ・トップ(OTT)」型のグローバル通信事業者を目指す戦略も含まれます 47
  • 該当企業:
    • SpaceX (Starlink)
    • Amazon (Project Kuiper)

 

【第3章】主要な技術応用先の分析

 

 

「現在」の応用先:商用化

 

6Gは2030年頃に商用化が開始される予定 9 であるため、現在(2025年)の時点で商用化されている6Gの応用先は存在しません。

現在のモバイル通信市場は、5Gおよび5G-Advancedによって支えられています。6Gはこれらの5Gの応用先を基盤とし、その性能を飛躍的に向上させるとともに、全く新しい機能(センシングなど)を付加するものとなります 14。したがって、現在の主要な応用先を理解することは、6Gが解決しようとする課題を明確にする上で重要です。

現在の5Gにおける主要な応用先(ユースケース)は以下の通りです。

  • eMBB (Enhanced Mobile Broadband - 強化されたモバイルブロードバンド):
    5Gの最も基本的な応用先であり、4Gの延長線上にあります。高精細な動画ストリーミング(4K/8K)、オンラインゲーム、リッチコンテンツのダウンロードなど、コンシューマー向けの高速・大容量通信サービスです 53
  • FWA (Fixed Wireless Access - 固定無線アクセス):
    特に北米や新興国市場で5Gの重要なユースケースとなっています。光ファイバーの敷設が困難または高コストな地域において、5Gネットワークを「最後の1マイル」のブロードバンド回線として利用するサービスです 2
  • mMTC (Massive Machine-Type Communications - 大規模マシンタイプ通信):
    スマートシティにおける公共インフラ(メーター、街灯、センサー)や、産業IoT(在庫管理、環境モニタリング)など、膨大な数の(低消費電力・低データレートの)デバイスをネットワークに同時接続するシナリオです 53
  • URLLC (Ultra-Reliable Low-Latency Communications - 超高信頼・低遅延通信):
    スマートファクトリーにおける産業用ロボットのリアルタイム制御、遠隔医療(遠隔手術支援)、ミッションクリティカルな公共安全通信など、通信の途絶や遅延が許されない高度なB2B/B2Gアプリケーションです 28

6Gは、これらの5Gの応用先を「基盤」として継承し、eMBBをイマーシブXRへ、URLLCを触覚インターネットへと進化させます。

 

「未来」の応用先:開発段階

 

特許情報 12、および【第2章】で特定した主要プレイヤー(グループ15)が公開するホワイトペーパーや実証実験 11 から、今後35年で実証が本格化し、2030年以降に6G市場を形成すると推定される主要な応用先は、以下の5つに大別されます。

  1. イマーシブXRとホログラフィック通信

Qualcomm 55、Ericsson 14Samsung 11 など、主要プレイヤーのほぼ全てが6Gの「キラーアプリケーション」として最重要視している分野です。

5GでもAR/VRは試みられていますが、現在のデバイス(例:Apple Vision Pro)はスタンドアロンまたはWi-Fi接続が前提であり、広域のモバイル環境でシームレスに利用するには性能(遅延、帯域)が不足しています。6Gは、現在の重いゴーグル型ではなく、「軽量なXRグラス」55 を通じて、現実世界とデジタル情報を区別なく融合させるMR(複合現実)や、遠隔地の相手がその場にいるかのように投影される「ホログラフィック会議」54 を、いつでもどこでもリアルタイムで実現することを目指します 58

  1. 統合センシング・通信(ISAC)とデジタルツイン

6Gが5Gと根本的に異なる、「通信以外の新機能」として最も注目される応用先の一つです 12。これは、基地局や端末が通信に使う電波(無線信号)を利用し、副次的にレーダーのように周囲の環境(人、車、ドローン、障害物、壁の向こう側のジェスチャー)をマッピング・検知(センシング)する技術です 13

具体的な応用例として、以下のようなものが研究されています。

  • 自動運転・交通支援: 車載センサーの「死角」となる交差点の角の向こう側や、悪天候下での歩行者を基地局がセンシングし、車両に警告を送る 13
  • ドローン・UAV管理: 低空域を飛行するドローンやUAV(無人航空機)を通信ネットワークが検知・追跡し、衝突を回避する 60
  • 産業・工場: スマートファクトリー内で稼働するAGV(無人搬送車)や産業ロボットの衝突回避、高精度な位置特定 60
  • ヘルスケア・ヒューマンセンシング: 室内での人間の動作認識(例:高齢者の転倒検知、呼吸数のモニタリング)61
    このISAC技術により、物理世界のあらゆる状況をリアルタイムで仮想空間にコピーする「大規模デジタルツイン」11 の構築と運用が可能になります。
  1. 触覚インターネット(タクタイル・ハプティクス)

映像や音声だけでなく、五感のうちの「触覚」の情報をリアルタイムで伝送・共有する技術です 546Gの超低遅延(URLLCの進化形)と高信頼性がこれを可能にします。

特許情報 54 に加え、NTTドコモや慶應義塾大学などによる「FEEL TECH63 といった研究開発が日本国内でも進んでいます。

  • 応用例: (a) 遠隔医療(医師が遠隔地から手術ロボットを操作し、患者の臓器の「手触り」や「硬さ」を感じながら執刀する)、(b) 伝統工芸や技能伝承(熟練者の手の感覚や力加減をデータ化し、学習者に共有する)、(c) eコマース(服や素材の「手触り」をネット通販サイトで確認する)63
  1. 非地上系ネットワーク(NTN)によるグローバル・カバレッジ

地上(Terrestrial)の基地局が届かない山間部、海上、砂漠、空など、これまで通信が困難だった「カバレッジの穴」を、LEO(低軌道衛星)などのNTNNon-Terrestrial Networks)でカバーし、地球上のあらゆる場所でのシームレスな接続を目指します 14

この技術は3GPP Release 17以降で標準化が進んでおり 51、すでにStarlinkなどが標準ベースのIoTサービス(例:ニュージーランドでの僻地の蜂の巣監視)52 を開始しています。

  • 応用例: (a) グローバルIoT(海運、航空、農業機械のグローバルなトラッキング)、(b) 遭難救助や災害時の緊急通信(地上網が遮断された場合)、(c) スマートフォンへの直接衛星通信(D2D47
  1. AIaaS (AI as a Service) とAIエージェント

6Gは「AIネイティブ」ネットワークであるため、ネットワーク自体がAIで最適化される(AI-Native RAN 19)だけでなく、ネットワーク(基地局やエッジ)が「AI処理インフラ」となり、接続されたデバイス(例:AI-PCAIスマホ)に対して「AIサービス」を提供するものです 37Huaweiは、6G時代の主要なサービスは現在のスマートフォンアプリから、ユーザーの意図を汲んで自律的に動作する「AIエージェント」に移行すると予測しています 29

 

ポテンシャルと導入障壁

 

これらの「未来の応用先」は巨大なポテンシャルを秘めていますが、商用化には深刻な障壁が存在します。

  • イマーシブXRとホログラフィ:
    • ポテンシャル: 5Gで果たせなかった「コンシューマー向けキラーアプリ」となり、市場を牽引する可能性が最も高い分野です。
    • 導入障壁:
      1. (1) スペクトラム(周波数帯域)の絶対的不足: Nokiaによる2024年の試算では、高品質なXR体験を広域で提供するには、オペレータあたり最低1GHzの追加帯域(特に7-15GHzのセンチ波帯)が必要とされています 66。この帯域確保は世界的な課題です。
      2. (2) インフラコスト: THzやミリ波 67 を活用する場合、電波の直進性が高すぎるため、膨大な数の基地局設置が必要となり、天文学的なインフラコストが発生します 68
      3. (3) デバイスの課題: 高性能XRグラスのバッテリー消費、価格、形状、社会的受容性(いわゆる「グラス問題」)が解決されていません 68
    • ISAC (センシング):
      • ポテンシャル: 通信事業者が「接続料」以外で収益を上げる、全く新しい「Sensing as a Service13 というB2B市場(推定 数十億ドル規模)を創出する可能性があります。自動運転やドローン市場の法規制・安全性の課題を解決する起爆剤となり得ます 60
      • 導入障壁:
        1. (1) プライバシーと規制(最大の障壁): ISACは、ネットワークが(接続されていない)人やモノを「監視」「マッピング」できることを意味します 59。これは、個人の行動や位置情報に関する深刻なプライバシー、監視、セキュリティ上の懸念 70 を引き起こします。ETSIもセキュリティやプライバシーに関するレポート(GR ISC 00472 でこの問題を最重要視しており、技術的な実現性よりも「社会的・法的受容性」が最大の障壁となります。
        2. (2) 標準化の課題: センシング情報と通信データをどう融合・分離し、性能を両立させるか、標準化はまだ初期段階(3GPP Release 19で検討開始)60 です。
      • NTN (衛星):
        • ポテンシャル: 地球上の「デジタルデバイド(情報格差)」を解消し 14、数十億人規模の未接続市場や、グローバルIoT 52 という巨大な市場を開拓する可能性があります。
        • 導入障壁:
          1. (1) ビジネスモデルの競合: SpaceX 47 のようなOTT事業者が、MNO(既存通信事業者)を「中抜き」し、MNOの収益源(特にローミングや高付加価値カバレッジ)を奪う(カニバリゼーション)リスクがあります。
          2. (2) 技術的課題: 衛星の高速移動に伴う大きな遅延、ドップラー効果(周波数のズレ)、地上網との同期、ハンドオーバーの複雑さ 73
          3. (3) 規制: 各国での周波数利用、地上網との干渉調整、着陸権(サービス提供許可)といった複雑な国際的・国家的規制 47

 

【第4章】主要戦略グループ別の詳細分析

 

本章は、本レポートの核となる分析であり、【第2章】で定義した5つの戦略グループに属する主要企業の戦略を、特許、IR、ホワイトペーパー、アライアンス情報に基づき、網羅的に詳細分析します。

 

4-1. グループ1:「総合通信インフラ・SEPホルダー」の戦略

 

このグループは、6Gの標準化とインフラ供給を巡る「本流」の戦いを繰り広げる、既存の通信巨人たちです。彼らの戦略は、自社の技術(SEP)を標準にねじ込み、将来のライセンス収益を確保すると同時に、主要顧客である通信事業者(MNO)に対して、5Gからのシームレスな移行パスと、AI-RANISACといった新しい収益源(とコスト削減策)を提供することにあります。

 

Huawei

 

  • 戦略ビジョン:
    Huaweiは、6Gのビジョンを「Connected Intelligence(知能への接続)」18 と明確に定義しています。これは、5Gが達成した「人・モノの接続(Connected Things)」から、ネットワーク自体がAIとセンシング能力を持つ「分散型ニューラルネットワーク」74 へと進化することを意味します。彼らの戦略は、6Gを単なる通信パイプではなく、社会インフラ全体に知能を供給するプラットフォームと位置づける、極めて野心的なものです。
  • 特許・R&D (技術蓄積):
    地政学的な制裁(米国による半導体供給制限など)を受けながらも、HuaweiR&Dへの投資を緩めていません。2025年上半期には、売上の7%969.5億元)という驚異的な比率をR&Dに投じており 44、この投資が彼らの技術的優位性の源泉となっています。
    特許出願においては、Huawei(および中国全体)が6G分野を圧倒的にリードしています。中国国家知識産権局の発表や各種レポートによれば、世界の6G関連特許出願のうち約40.3%が中国からであり 32、その中でもHuaweiが最大の出願者であると広く認識されています 38
  • 技術的焦点 (特許分析):
    Huaweiの特許ポートフォリオとホワイトペーパーは、彼らが定義する6G6つの柱 75、すなわち5G3シナリオ(eMBB, URLLC, mMTC)の「進化」に加え、3つの「新シナリオ」に焦点を当てていることを示しています。
    1. AI統合 (AI-Native): ネットワーク自体がAIサービスを提供する「AIaaS (AI as a Service)29 という概念を強く打ち出しています。これは、ネットワークがAIの学習と推論の基盤となることを意味し、ITU-Rにおける6Gシナリオ定義(AI and Communication76 にも影響を与えています。
    2. センシング (ISAC): ISACを通信と並ぶ6Gの主要シナリオとして明確に位置づけています 29。高精度測位、環境マッピング、自動運転支援 12 など、具体的な応用例(環境イメージング 75)に関する特許が確認されています。
    3. 高度セキュリティ: 量子鍵配送(QKD)やブロックチェーンを活用した「ネイティブ・トラストワーシネス(内生的な信頼性)」77 を重視しています。
  • 事業戦略 (IR/White Paper):
    Huaweiの事業戦略は、この技術ビジョンと完全に一致しています。
    • NTN (衛星): 地上網(TN)と非地上網(NTN)の統合にも注力しており、特にVLEO(超低軌道衛星)ネットワークの6Gへの統合に関する技術課題とビジョンを提示しています 78
    • AIaaS: 6G時代の主要サービスは現在のスマホアプリから、AIがユーザーのタスクを代行する「AIエージェント」に移行すると予測 29。ネットワークがそのAIエージェントの動作基盤(AIaaS)を提供することで、新たな収益源を確立する戦略です。
  • アナリスト所見:
    Huaweiは、地政学的リスクという最大の弱点を抱えながらも、R&Dと特許(SEP)という「知的財産」と「標準化」の領域で覇権を握る(ライセンス料で稼ぐ)戦略を堅持しています。半導体調達が制限される中で、ハードウェア(製品)の競争から、標準とライセンス(IP)の競争へと軸足を移しているとも分析できます。AIとセンシングという「6GOS」レイヤーを押さえることで、他社がどのようなハードウェアを製造しようとも、Huaweiの特許なしには6Gを実装できない状況を作り出し、将来のライセンス収益とエコシステム支配を狙っていると推定されます。

 

Nokia

 

  • 戦略ビジョン:
    Nokiaは「Value(価値中心)」「AIAIネイティブ)」「Sustainability(持続可能性)」「Security(セキュリティ)」の4つのブループリントを掲げ、2030年に6Gを投入する明確なロードマップを公開しています 79。彼らのビジョンは、ネットワークの経済的・環境的・社会的価値を最大化することに重点が置かれています。
  • 技術的焦点 (標準化):
    Nokiaは、欧州委員会(EC)による6Gフラッグシップ研究プロジェクト「Hexa-X」および「Hexa-X-II14 のプロジェクトリーダーであり、欧州全体の6Gビジョン策定と標準化において中心的な役割を担っています 82。この立場を利用し、AIネイティブ・アーキテクチャ 83NTN(衛星)統合 80、量子コンピュータ時代に対応する「量子セキュアネットワーク」79 といった、Nokiaが強みを持つ分野を6G標準に組み込むことを目指しています。
  • 事業戦略 (IR/White Paper) - 戦略的ピボット:
    Nokiaの6G戦略を分析する上で、202510月に発表されたNVIDIAとの戦略的提携は、決定的な転換点(ピボット)です。
    • NVIDIAとのAI-RAN戦略的提携: NokiaはNVIDIAから10億ドルの戦略的投資を受け 1NVIDIAAI/GPUプラットフォーム(NVIDIA Arc Aerial RAN Computer84Nokiaの業界トップクラスのRANポートフォリオ(ハードウェア・ソフトウェア)を統合した、次世代「AI-RAN」製品を共同開発することを発表しました 1
    • 提携の意味: この提携は、Nokiaが従来の(HuaweiEricssonと同じ)RANハードウェア中心のビジネスモデルから、AI-RANプラットフォーム事業者へと脱皮を図る「戦略的ピボット」であると分析できます。NVIDIAの圧倒的なAI/GPU技術を活用することで、AI処理が必須となる6G-RAN市場で、競合(特にHuawei)に対して決定的な差別化を図る狙いです。
    • 顧客の獲得: この提携は「米国の通信リーダーシップ回復」1 という地政学的な文脈にも沿っており、発表と同時にT-Mobile US6G開発プロセスでの統合を表明 1 するなど、即座に市場の支持(特に北米市場)を獲得しつつあります。
  • アナリスト所見:
    Nokiaは、単独でのSEP(標準必須特許)競争やハードウェア販売競争から、NVIDIAとのアライアンスによる「AI-RANプラットフォーム」覇権へと戦略の軸足を劇的に移しました。これは、Qualcommが端末側(スマートフォン)で「Snapdragon」という半導体プラットフォームを確立したのと同様に、Nokia/NVIDIA連合が基地局側(RAN)の「AI処理プラットフォーム」のデファクトスタンダードを握る試みです。通信事業者は、Nokia/NVIDIAのプラットフォーム上で、TCO削減やAIサービス(AIaaS)を実現できることになります。2025年のCapital Markets DayCEOJustin Hotard氏が「NokiaAIスーパーサイクルとAIネイティブ・ネットワークの中心にいる」と宣言した 85 通り、Nokiaは自らを「AI企業」として再定義したと言えます。

 

Ericsson

 

  • 戦略ビジョン:
    Ericssonのビジョンは「人間、物理(フィジカル)、サイバー世界のリアルタイムな相互作用」14 の実現です。彼らの戦略は、Nokiaのような急進的なピボットとは対照的に、5Gで築いた市場リーダーシップ(SEP特許数トップクラス 28)を6Gに堅実に引き継ぐ「王道」かつ「漸進的」なものです。
  • 技術的焦点 (標準化):
    Ericssonは、3GPPの標準化プロセスにおける「実務」をリードする存在です。6Gの標準化タイムライン(Release 20/21)の策定において中心的な役割を果たし 52028年末までに最初の6G仕様を策定するという現実的なロードマップを推進しています 5。また、欧州Hexa-Xにも主要メンバーとして参加 14 し、標準化への影響力を維持しています。
  • 事業戦略 (IR/White Paper):
    Ericssonの事業戦略は、5Gの投資対効果(ROI)に悩むMNO(通信事業者)の「痛み」に寄り添い、具体的な解決策(新収益源とTCO削減)を提供することに重点を置いています。
    1. ISAC (センシング): Ericssonは、ISACを「5Gになかった新しい収益源」として最も強力に推進している企業の一つです。MWC 2025でのデモ 87 やホワイトペーパー 13 を通じ、ISACの具体的なB2Bユースケースを提示しています。
      • ユースケース例: UAV(ドローン)の検知・追跡、交通・自動車(死角の歩行者検知、路上の障害物検知)、産業ロジスティクス(AGVの衝突回避)など、通信事業者が「Sensing as a Service」として企業に販売できるサービスを具体化しています 13
    2. NTN (衛星): グローバルカバレッジの実現手段としてNTN(衛星統合)を重視 14
    3. Cloud RAN / AI: 既存顧客との連携を重視し、例えばSoftBankとの協業(20253月)では、AICloud RANXRを含む「NextWave Tech」の共同開発を発表 88 しています。これは、Nokia/NVIDIA連合のような外部(AI企業)との大規模提携とは対照的です。
    4. スペクトラム戦略: 6G(特にXRISAC)の実現には新たな周波数帯が不可欠であるとし、WRC-27/31に向けた周波数帯(7-15GHz帯、サブTHz帯)の確保の重要性を訴えています 66
  • アナリスト所見:
    Ericssonは、標準化とSEPという「王道」を行く戦略を堅持しています。Nokia/NVIDIA連合が「AIプラットフォーム」という水平分業モデル(Intel Inside型)を志向するのに対し、Ericssonは自社のインフラ(RAN)にAIISACといった「新機能」を垂直統合し、MNOにエンド・ツー・エンドのソリューションとして提供する戦略を採っていると見られます。特にISACを新しいB2B市場の核として位置づけ、そのユースケース開発と標準化にリソースを集中している点が特徴です。既存MNOとの関係性を最重視した、堅実かつ現実的な戦略と言えます。

 

Samsung Electronics

 

  • 戦略ビジョン:
    Samsungのビジョンは「The Next Hyper-Connected Experience for All(全ての人に、次世代の超接続体験を)」90 です。Samsungの最大の特徴は、グループ1(インフラ)、グループ2(半導体)、グループ4(端末)のすべてに属する、世界唯一の垂直統合企業である点です。
  • 技術的焦点 (標準化・R&D):
    Samsungは、ITU-R6Gビジョングループ議長を務める 39 など、標準化の策定プロセスに深く関与しています。特許出願数においてもトップグループを維持 40 しています。
    このR&Dを支えるのが半導体への巨額投資です。2030年までに先端半導体R&Dに約20兆ウォン(約140億ドル)を投資する計画 45 は、6Gの基盤となるTHz通信 16 AIチップの開発に直結します。
  • 事業戦略 (IR/White Paper):
    Samsungの戦略は、この「垂直統合」の強みを最大化するものです。
    1. AI-Native: HuaweiやNokia同様、ネットワークの設計から運用までの全階層にAIを組み込む「AI-Native」を宣言 11
    2. サステナビリティ: AIを活用し、ネットワークのエネルギー効率を劇的に改善すること("Smart-ON"技術 94)を6Gの主要目標に設定 11。これは、MNOTCO削減ニーズに直接応えるものです。
    3. NTN (衛星) / アライアンス: Samsungは、地上網と衛星網の垂直統合を、ハードウェア(半導体)レベルで狙っています。SpaceX (Starlink) と協業し、衛星軌道を予測して信号を最適化する「AI搭載モデム」を共同開発しているとの報道 46 があります。これは、Apple/Globalstar連合 47 に対抗するNTN戦略の一環です。また、SoftBankともAI-RANで協業 95 するなど、インフラ側での連携も進めています。
  • アナリスト所見:
    Samsungは、6Gの基礎技術(THz, AI)、インフラ(RAN)、基幹部品(半導体)、そして最終製品(Galaxyスマホ, XRデバイス)までを、グループ内で一気通貫に開発・供給できる世界で唯一の企業です。SpaceXとの連携 46 は、この垂直統合エコシステムに「グローバルカバレッジ(NTN)」という最後のピースをはめ込むための戦略的行動である可能性が示唆されます。Samsungの戦略は、Apple(グループ4)のクローズドなエコシステム戦略と、Qualcomm(グループ2)の水平分業モデルの両方の側面を併せ持つ、最も包括的なものです。

 

4-2. グループ2:「基幹技術・半導体プロバイダー」の戦略

 

このグループは、6Gエコシステムの「心臓部」である半導体(SoC, モデム)と、その動作に不可欠な知的財産(SEP)を供給します。彼らの戦場は、インフラ側(RAN)とデバイス側(端末)の両方にまたがります。

 

Qualcomm

 

  • 戦略ビジョン:
    Qualcommのビジョンは、5Gにおける「Snapdragonプラットフォーム」と「SEPライセンス」という、黄金の成功モデルを6Gでも再現することです。彼らは6Gを、自社の半導体とIPの価値を最大化する最大の機会と捉えています。
  • 技術的焦点 (特許分析):
    Qualcommの特許とR&Dは、「6G = AI + XR」という明確なビジョンに基づいています。
    • XR(キラーアプリ): 6Gのデータトラフィック増大の主要ドライバーは、AIXRの普及であると定義 56。特にXRは、6Gによって「軽量デバイスで(現在の)スマートフォン並みの規模」55 にまで普及が可能になると主張し、この分野への技術投資を正当化しています 96
    • AI-Native: 6G RANはAIネイティブであるべきと宣言 65 しています。これは、グループ3NVIDIAが推進するAI-RAN戦略と、RANの「頭脳」(AI処理チップ)の座を巡って直接競合することを意味します。
  • 事業戦略 (IR/White Paper):
    Qualcommは、標準化とエコシステム構築の両面で主導権を握ろうとしています。
    • 標準化・アライアンス: 北米の6G推進団体「Next G Alliance」において中心的な役割を担い 98、米国の技術覇権確立に貢献しています。同時に、3GPPのロードマップ(Rel-20/21)にも深く関与し、自社技術の標準化を推進しています 98
    • 高効率な周波数利用: 既存の周波数帯(Sub-6GHz)と新周波数帯(6-8.5GHz帯)の両方で、AIを活用して運用効率を高める技術をアピールしています 96
  • アナリスト所見:
    Qualcommの戦略は、5Gで培った「チップセット+ライセンス」という強力なビジネスモデルを6Gでも踏襲する、一貫したものです。彼らにとっての最大の脅威は、(1) 基地局側におけるNVIDIAAI-RANプラットフォーム)19 からの突き上げ、(2) 端末側におけるMediaTek(低価格帯)43 からの追い上げ、そして (3) 最大顧客であるApple(グループ4)によるモデム内製化の動き、という3つの方向からの挟撃です。XRという「キラーアプリ」のビジョンを強く打ち出すのは、この挟撃に対抗し、Qualcomm製チップセットの付加価値(=不可欠性)をアピールする狙いがあると推定されます。

 

MediaTek

 

  • 戦略ビジョン:
    MediaTekは、5Gチップセット市場において、特にミドル〜ローエンドのスマートフォン市場でQualcommのシェア(数量ベース)を逆転 43 した勢いを6Gに持ち込む戦略です。
  • 技術的焦点 (標準化):
    MediaTekも3GPPの標準化に積極的に関与(2025年開始)99 していますが、その焦点はQualcommとはやや異なります。
    • NTN (衛星通信): MediaTekは特にNTN技術に注力しています。MWC 2025では、3GPP標準ベースのNTN技術(Kuバンド対応)を搭載したチップセットのデモを披露 51。彼らは、特定企業(例:Apple/Globalstar)のプロプライエタリ(独自規格)なソリューションではなく、3GPP標準規格ベースのオープンな衛星通信エコシステムを志向しており、これによりあらゆるデバイスメーカーが衛星通信機能(D2D)を低コストで搭載できる未来を描いています 51
  • 事業戦略 (IR/White Paper):
    MediaTekは、6Gの設計原則として「O.C.」を提唱 101 しています。
    • O.C.Simplexity, Optimization, Convergence:
      • Simplexity (簡易複雑性): 複雑な機能と、エネルギー効率・実装のシンプルさのバランスを取る。
      • Optimization (最適化): AI/MLを活用し、複雑な環境下でのユーザー体験を最適化する。
      • Convergence (融合): クロスドメイン(例:NTNと地上網(TN))の融合により、新たな性能とコスト効率を生み出す。
    • アナリスト所見:
      MediaTekは、低価格帯5Gスマホ市場での成功 43 を足場に、6Gでは「NTN(衛星通信)」という新領域で技術的リーダーシップを握ろうとしています。Qualcommが「XR」という高性能・高付加価値アプリケーションを狙うのに対し、MediaTekは「グローバルカバレッジ(NTN)」という、より広範な市場(特に新興国やIoT)にアピールする機能で差別化を図る戦略と見られます。

 

4-3. グループ3:「AI/コンピューティング・ディスラプター」の戦略

 

このグループは、6G市場の「ワイルドカード」であり、従来の通信業界のルールを根本から変えようとするディスラプター(破壊的イノベーター)です。

 

NVIDIA

 

  • 戦略ビジョン:
    NVIDIAの戦略ビジョンは明快です。それは、6Gインフラ(特にRAN)を、従来の専用ハードウェア(ASIC/FPGA)ベースのクローズドなシステムから、GPUベースの汎用「AIコンピューティング・プラットフォーム」へと変革することです 19。彼らにとって6G-RANは、AIを処理する「エッジAIデータセンター」の一形態に過ぎません。
  • 技術的焦点 (AI-RAN):
    NVIDIAは、「NVIDIA AI Aerial19 というソフトウェア・デファインドなvRAN(仮想化RAN)プラットフォームを開発しています。これは、GPU上でRANの信号処理(L1/L2)とAIワークロード(例:ISACAIサービス)を同時に実行可能にするものです 19
  • 事業戦略 (IR/White Paper) - 市場破壊の三手:
    NVIDIAは、このビジョンを実行に移すため、以下の3つの戦略を同時に実行しています。
    1. Nokiaとの戦略的提携: 前述の通り、Nokia10億ドルを投資 1。これは、NVIDIAAIプラットフォーム(Aerial)が、グループ1の巨人(Nokia)のグローバルな販売網とMNOとの信頼関係(インテグレーション能力)を手に入れることを意味します 1
    2. オープンソース戦略: NVIDIAは「NVIDIA Aerial」のソフトウェアスタックをオープンソース化する方針を打ち出しています 102。これは、ライセンス(SEP)でクローズドなエコシステムを構築するQualcommHuaweiとは真逆の戦略です。AI開発者や学術界の参入を促し、NVIDIAGPUCUDAプラットフォーム)上でのAI-RAN開発をデファクトスタンダードにすること(プラットフォームのロックイン)を狙っています。
    3. エコシステム主導 (AI-RAN Alliance): 自らが中心となり「AI-RAN Alliance」を設立し、議長を務める 102 ことで、この新しい市場のルールメイキングを主導しています。
  • アナリスト所見:
    NVIDIAは、6G市場における最大の「ディスラプター」です。彼らの戦略は、通信業界をデータセンター業界と同じ「AIコンピューティング」の市場に変えようとするものです。Nokiaとの提携 1 は、この戦略を実行に移すための「上陸地点(ビーチヘッド)」を確保したことを意味します。
    この戦略が成功した場合、通信事業者(MNO)のビジネスモデルは根本から変わります。MNOは、NVIDIAAIプラットフォーム("AI Grid" 19)上で、RAN運用最適化、ISACAIaaSといった「AIサービス」を開発・販売する「AIファクトリー」1 となり、NVIDIAは(Qualcommが端末で行ったように)インフラ側のプラットフォーム(GPU)を支配することになります。

 

4-4. グループ4:「垂直統合型 端末・エコシステム覇者」の戦略

 

このグループは、6Gの「最終的な出口」であるアプリケーションとユーザー体験を支配します。彼らにとって6Gは、自社エコシステム(OS, ハードウェア, サービス)の価値を高めるためのインフラ(手段)です。

 

Apple

 

  • 戦略ビジョン:
    Appleが6Gに関する公式なビジョンやホワイトペーパーを発表したことはありません。同社の戦略は常に非公開です。
  • 技術的焦点 (特許・採用動向):
    しかし、Appleが水面下で6Gに備えている兆候は明確に存在します。
    • 人材採用:6G無線システムリサーチエンジニア」といった、次世代(6G)の無線アクセス技術を研究する専門家の採用を公に行っています 103
    • 特許出願: THz帯を活用したセンシング(例:デバイス周辺のガス検知やイメージング)に関する特許 12 など、6Gのキーテクノロジーに関連する特許出願が確認されています。
  • 事業戦略 (アライアンス):
    Appleは、北米の6G推進団体「Next G Alliance」に、GoogleQualcommEricssonなどと共に設立メンバーとして参加しています 48。これは、標準化の動向を監視し、自社の将来製品(特にXRデバイス)にとって不利な仕様が採用されるのを防ぎ、有利な仕様を盛り込むための戦略的行動です。
  • アナリスト所見:
    Appleの6G戦略は非公開ですが、その行動(Next G Alliance参加、人材採用)と特許、そして現在の製品戦略(Vision Pro)から、その狙いは明らかです。
    Appleにとって6Gは、同社が次世代のコンピューティング・プラットフォームの核と位置づける「XRデバイス(Vision Proの後継機)」のための必須インフラです。現在のVision ProWi-Fiとバッテリーに制約されているのに対し、6Gは「軽量なグラス型デバイス」で「常時接続」かつ「リアルタイムなMR体験」を実現するために不可欠です。
    Appleは5Gモデムの内製化に苦戦していますが、6G時代には、チップ(モデム)、デバイス(iPhone, グラス)、OSvisionOS)、アプリストア、そして6G通信(特にXRとセンシング)までを垂直統合し、究極のユーザー体験を他社(例:Qualcomm)に依存せずに提供することを目指していると推定されます。Globalstarとの提携による衛星通信機能(緊急SOS47 は、この垂直統合エコシステムにNTNを組み込む初期の布石です。

 

Google

 

  • 戦略ビジョン:
    GoogleもApple同様、6Gインフラを直接販売する戦略は持っていません。
  • 事業戦略 (アライアンス):
    Apple同様、Next G Allianceに参加 48 し、北米の6G標準化に関与しています。
  • アナリスト所見:
    Googleの戦略は、自社の3つの強み(Android OS, Google Cloud Platform (GCP), AI (Gemini))を6Gと融合させることにあると推定されます。
    1. GCP: AWSやMicrosoft Azureと同様、GCPvRANMEC(マルチアクセス・エッジ・コンピューティング)のプラットフォームとして通信事業者に提供します。
    2. Android: 6Gの高度な機能(AI, センシング, NTN)を活用した新しいサービスを、Android端末上で展開します。
    3. AI: 自社の強力なAIモデル(Gemini)を、ネットワークエッジ(6G基地局)とデバイス(Androidスマホ)の両方で動作させ、リアルタイムAIエージェントやAIaaSを実現します。
      Googleもまた、6Gを「AIとクラウド」のサービスをユビキタスに提供するためのインフラとして捉えています。

 

4-5. グループ5:「新領域インフラ事業者 (NTN)」の戦略

 

このグループは、地上の通信インフラ(基地局)の設置・運用という物理的制約から通信事業を解放し、「宇宙(衛星)」からグローバルな接続性を提供しようとする、究極のディスラプターです。

 

SpaceX (Starlink)

 

  • 戦略ビジョン:
    SpaceXは、自社で構築・運用するLEO(低軌道衛星)コンステレーション「Starlink」により、FWA(固定無線)市場だけでなく、グローバルなD2DDirect-to-Device)モバイル通信サービスを提供することを目指しています。
  • 技術的焦点 (標準化・アライアンス):
    SpaceXは、3GPPNTN標準 52 を活用し、専用端末ではなく、標準的なスマートフォンが直接衛星と通信できる世界の実現を目指しています。
    • Samsungとの協業: このビジョンを実現するため、Samsungと共同で、衛星軌道を予測しリアルタイムで信号を最適化する「AI搭載モデム」を開発中であると報じられています 46
    • IoTサービスの開始: すでにニュージーランドでMNOOne NZと提携し、3GPP NTN標準ベースのIoTサービス(僻地の蜂の巣監視)を開始 52 しており、実用化のフェーズに入っています。
  • 事業戦略 (投資・ビジネスモデル):
    • 周波数取得: SpaceXは、D2Dサービス(MSS:モバイル衛星サービス)に必要な50MHzのグローバル周波数を170億ドルで取得したと報じられており 46、巨額の投資を行っています。
    • OTTモデル: SpaceXは、AST SpaceMobileGlobalstarApple提携)と共に、従来のMNO(通信事業者)のローミングパートナーに留まらず、MNOを介さないOTT(オーバー・ザ・トップ)型D2Dサービスを計画していると見られます 47
  • アナリスト所見:
    SpaceXの戦略は、地上インフラ(基地局)を前提とするグループ14の全プレイヤーにとって、長期的には根本的な脅威です。「カバレッジ(繋がりやすさ)」という通信の根源的価値を、地上インフラに依存せずに(=MNOを中抜きして)グローバルに提供する可能性があります 47Samsungとのモデム開発 46 は、このD2Dサービスを標準的なスマートフォン(Galaxy)に搭載するための重要な布石であり、Samsung(グループ1/2/4)の垂直統合戦略と、SpaceX(グループ5)のNTN戦略が融合する、強力なアライアンスが形成されつつあります。

 

Amazon (Project Kuiper)

 

  • 戦略ビジョン:
    Amazonもまた、LEO衛星コンステレーション「Project Kuiper」を推進していますが、その戦略はSpaceXとは異なると見られます。Amazonの最大の強みは、AWSAmazon Web Services)という世界最大のクラウドプラットフォームです。
  • 事業戦略 (クラウド連携):
    Amazonの戦略は、Project Kuiper(衛星)とAWS(クラウド)を緊密に連携させることです。
    • 衛星オペレーションの仮想化: AWSは、衛星通信オペレーション(地上局の運用、データ処理)の仮想化(クラウド化)を推進 104 しています。アンテナ(地上局)からデータ処理、分析までをAWS上でシームレスに実行するソリューションを、DIFIコンソーシアムなどの標準化団体と連携して提供 104 しています。
  • アナリスト所見:
    Amazon (AWS) の戦略は、SpaceXのように自社がMNOと競合するOTTサービス(D2D)を全面に押し出すよりも、AWSを「6GNTN含む)のバックエンド・プラットフォーム」として、全ての通信事業者(MNO、衛星事業者)に提供することに主眼があると考えられます。6G(特にISACAI)によって生成される膨大なデータを収集・蓄積・処理・分析する基盤としてAWSを提供し、本業であるクラウド市場での覇権をさらに強化する戦略です。Project Kuiperは、そのグローバルなデータ収集・伝送路の「実証」であり「顧客(AWS)」でもあります。

 

【第5章】特許戦略と事業戦略の整合性

 

本章では、【第4章】で分析した主要企業群について、彼らの技術蓄積(特許戦略)と公表されている事業戦略(IR、ホワイトペーパー、アライアンス)が「一致」しているか、あるいは「ギャップ」があるかを評価します。

この分析は、各社の戦略の「本気度」や「隠れた戦略」を推定するために不可欠です。特許出願は、企業が数年後(5年〜10年後)の市場を見据えて水面下で投資する「本音」の技術領域を示します。一方、事業戦略やIRは、投資家や市場に対して公表する「建前」のビジョンです。両者の一致は戦略の実行確実性(本気度)を示し、ギャップは戦略の転換、あるいは公表できない「隠れた戦略」の存在を示唆します。

 

整合性が高い (High Alignment) - "有言実行" グループ

 

このグループの企業は、公表するビジョンと、足元の特許・R&D投資が強固に一致しており、戦略の一貫性と本気度が極めて高いと評価できます。

  • Huawei:
    • 特許戦略: 6G基礎特許で世界をリード 32。特にAI統合、ISAC(センシング)、NTN関連の特許が多数 37
    • 事業戦略: 6Gビジョンとして「Connected Intelligence」(AIとセンシングの統合)を明確に提唱 18
    • 評価 (一致): 特許ポートフォリオと公表戦略(ホワイトペーパー)は完全に一致しています。さらに、売上の7%という巨額のR&D支出 44 が、この特許(アウトプット)と事業戦略(ビジョン)を強固に裏付けています。地政学的制裁下においてもR&Dの手を緩めない点から、その「本気度」は全プレイヤーの中で最も高いと評価できます。
  • Qualcomm:
    • 特許戦略: 5Gで培ったSEPポートフォリオを基盤に、6GでもAIRAN、そして特にXRに関連する技術の特許を蓄積 38
    • 事業戦略: 6Gのキラーアプリケーションは「イマーシブXR」と「AI」であると公言 56
    • 評価 (一致): 5Gでの成功体験(チップセット+ライセンス)を6G(特にXRAI)で忠実に再現するという、非常に一貫した戦略です。特許も事業戦略も、XRという明確な応用先(出口)を見据えています。
  • Ericsson:
    • 特許戦略: 5G SEPのリーダーシップを維持 28 しつつ、ISAC(センシング)12NTNといった6Gの「新機能」に関する特許と実証実験を推進。
    • 事業戦略: 3GPP標準化をリード 5 し、ISACNTNMNO向けの新しいB2Bユースケースとして強力に推進 14
    • 評価 (一致): 標準化(SEP)を重視する伝統的な「王道」戦略と、ISACという新しいB2B市場を開拓する「現実的」な新戦略が、特許・実証実験レベルで整合しています。

 

戦略転換の兆候 (Signs of Strategic Pivot) - "戦略変更" グループ

 

このグループは、従来の戦略(特許)を基盤としつつも、市場環境の変化(AIの台頭)に対応するため、事業戦略(アライアンス)の「ピボット(方向転換)」を明確に示した企業です。

  • Nokia:
    • 特許戦略: 従来、5G SEPの主要ホルダー 49 として、AI-RANやセキュリティ 79 分野の特許を蓄積。
    • 事業戦略: 2025年10月、NVIDIAから10億ドルの投資を受け、AI-RANプラットフォームを共同開発する戦略的提携を発表 1
    • 評価 (戦略的ピボット): これは単なる技術協力ではありません。Nokia単独の特許戦略(SEP)でHuaweiSamsungと消耗戦を繰り広げるよりも、NVIDIAの圧倒的なAIプラットフォームと自社のインフラ(RAN)を結合する「プラットフォーム戦略」へと大きく舵を切りました。これは、単独でのSEP競争では(特許数で)劣勢になる可能性を見越し、競争の土俵自体を「AIコンピューティング」へと変更する、合理的かつ大胆な戦略的転換です。

 

ギャップ=隠れた戦略 (Gap = Hidden Strategy) - "沈黙" グループ

 

このグループの企業は、公表する事業戦略と、水面下の特許・投資活動との間に意図的な「ギャップ」が見られます。このギャップは、彼らの「隠れた戦略」または「真の狙い」を示唆しています。

  • NVIDIA:
    • 特許戦略: AI、GPU関連の特許が中心であり、通信SEP(標準必須特許)はほぼ皆無 38
    • 事業戦略: AI-RANプラットフォーム「Aerial19Nokiaへの巨額投資 1 により、6Gインフラ市場へ本格参入。
    • 評価 (隠れた戦略): 特許戦略(SEP)と事業戦略(AI-RAN)は一見「ギャップ」があります。しかし、NVIDIASEPライセンス(Qualcommモデル)を狙っているのではありません。彼らの戦略は、AI-RANソフトウェアをオープンソース化 102 すること(=ライセンスフリー)でエコシステムを構築し、最終的に自社のGPU/AIアクセラレータという「ハードウェア」を通信事業者に販売するビジネスモデルを狙っています。特許(SEP)でクローズドなエコシステムを作るのではなく、CUDAプラットフォームでAI市場を制覇したのと同様の「デファクトスタンダード」戦略です。
  • Apple:
    • 特許戦略: THzセンシング 12 など、6Gの応用先を見据えた関連特許を水面下で出願。6Gエンジニアの採用も継続 103
    • 事業戦略: 公式には「非公開」「沈黙」。Next G Allianceへの参加 48 のみ。
    • 評価 (隠れた戦略): 公表戦略はゼロですが、特許と人材採用 103 は「6Gが実現する次世代XRデバイス」という明確な応用先(本音)を示唆しています。Appleはライセンス供与側(SEPホルダー)ではなく、ライセンス利用者(インプリメンター)として、自社製品(iPhone, Vision Pro後継機)の体験を最大化するために、コスト(ライセンス料)を最小化し、自社に有利な仕様を盛り込むべく標準化(Next G Alliance)に関与する戦略です。

 

【第6章】主要戦略グループおよび企業の競合比較

 

 

戦略グループ間のポジショニング比較

 

【第2章】で定義した5つの戦略グループは、6G市場においてそれぞれ異なる戦略的ポジショニングを取り、複雑な競合・協調関係を形成しています。

6Gの競合は、従来の5Gにおける「通信インフラ(グループ1 vs 半導体(グループ2)」という二次元的な戦いではありません。6Gでは、新たに「AI(コンピューティング)」(グループ3)の軸と、「宇宙(NTN)」(グループ5)の軸が加わり、三次元的な戦いとなっています。

  • グループ1 (Infra/SEP) vs グループ3 (AI Disruptor):
    これは6Gのインフラ(RAN)の「頭脳」を巡る戦いです。グループ1Huawei, Ericsson, Nokia)は、6Gを「通信の進化」として捉え、自社開発のインフラとSEPの主導権を握ろうとしています。一方、グループ3NVIDIA)は6Gを「AIコンピューティングの応用先」として捉え、RANの「頭脳」をGPUで置き換える「ディスラプション」を狙います。
    この文脈で、NokiaNVIDIAと提携 1 したことは、グループ1内部からの「寝返り」とも言える動きであり、EricssonHuawei(自社でAIチップを開発)のAI戦略と真っ向から対立します。
  • グループ2 (Chips) vs グループ4 (Ecosystem):
    これは「デバイス(端末)」の主導権を巡る戦いです。グループ2Qualcomm)は「6G対応チップセット(とライセンス)」を水平分業モデルで供給します。グループ4Apple)はそのチップセットを「利用」し、デバイス(iPhone)とエコシステム(App Store)で最終的な価値を生み出します。Appleがモデム内製化を進める 103 のは、このグループ2への依存を脱却し、グループ4としての垂直統合を完成させるためです。
  • グループ5 (NTN) vs 全グループ (地上網):
    これは「カバレッジ」の概念を巡る戦いです。グループ5SpaceX)は、地上インフラ(グループ1, 2, 3)を前提とする全てのビジネスモデルに対し、「宇宙(NTN)」からカバレッジを提供するという全く異なる競争軸を持ち込みます 47
    この脅威(あるいは機会)に対し、Samsung(グループ1/2/4)がSpaceXと提携する 46 のは、このNTNを自社の垂直統合エコシステムに(Apple/Globalstar連合に対抗して)取り込むための戦略的行動です。

 

主要企業ポジショニング比較(マトリクス)

 

これまでの分析に基づき、主要企業の戦略的ポジショニングを以下のマトリクスに整理します。

 

企業

戦略グループ

6G戦略の核

特許ポートフォリオ

主な応用先(推定)

戦略的脅威 / (機会)

Huawei

1. Infra/SEP

AI-Native, ISAC, E2E

◎(特許数 世界トップ)32

産業DX, デジタルツイン, AIaaS

(脅威) 地政学リスク, 半導体調達

Nokia

1. Infra/SEP

AI-RAN (w/ NVIDIA) 1

◯(5G SEP強)49

AI-RAN, 産業IoT

(機会) NVIDIAとの提携によるAI市場での復活

Ericsson

1. Infra/SEP

3GPP標準化リード 5, ISAC 13

◯(5G SEP強)28

XR, 自動運転, ISAC (B2B)

(脅威) 5GROI問題 2, AI化の遅れ

Samsung

1. Infra/SEP & 4. Eco

垂直統合 (半導体 45, 端末, AI)

◎(特許数 トップグループ)39

XR, NTN(w/ SpaceX 46), AIデバイス

(脅威) 垂直統合の複雑性 / (機会) E2E支配

Qualcomm

2. Chips

チップセット & SEPライセンス

◯(5G SEP/チップ強)38

XR (キラーアプリ) 56, AIエージェント

(脅威) NVIDIAAI-RAN, Appleの内製化

NVIDIA

3. AI Disruptor

AI-RANプラットフォーム (Aerial) 19

△(通信SEP無)

AIaaS (for Telco) 1

(機会) 市場のディスラプター

Apple

4. Ecosystem

デバイス・エコシステム (XR) 103

△(R&D, 非公開)12

XR (自社デバイス), センシング (デバイス連携)

(脅威) 特許ライセンシーとしてのコスト

SpaceX

5. NTN Infra

NTN (D2D) サービス 47

✕(SEP戦略外)

グローバルカバレッジ, IoT 52

(脅威) 規制 / (機会) MNOのバイパス

 

【第7章】今後の市場リスクとビジネス機会

 

 

技術的ボトルネックとリスク

 

6Gの野心的なビジョンを実現するには、未解決の技術的ボトルネックと、それに伴うリスクが存在します。

  • テラヘルツ (THz) の物理的課題:
    THz帯(1-10 THz16 6Gの超広帯域幅を実現する候補とされていますが、物理法則に起因する深刻な課題があります。
    1. 伝搬損失(パスロス): 周波数が高くなるほど電波の減衰が激しく、直進性が強まるため、通信距離が極端に短くなります 106
    2. 電力効率とコスト: THz帯のRFコンポーネント、特にパワーアンプ(増幅器)の電力効率は極めて低く(例:130nm BiCMOSプロセスで290GHz帯アンプの電力付加効率が39% 107)、高コストかつ高消費電力 106 です。
  • インフラコスト:
    5Gのミリ波(mmWave)でさえ、カバレッジの狭さから多数の基地局設置が必要となり、高コスト化が問題となりました 67THzや、電波を制御する高密度なRIS(再構成可能な知的表面)67 を都市部に展開する場合、必要な基地局・デバイス数は膨大になり、インフラ投資が非現実的なレベルになるリスクがあります。
  • サプライチェーン・リスク:
    6Gに必要な先端半導体、低損失材料、高周波コンポーネントの製造には、特定の国や地域に依存する材料(例:レアアース)や技術が使われる可能性があり、地政学リスクによるサプライチェーンのレジリエンス(強靭性)が課題となります 108

 

市場リスク

 

技術的に実現可能であっても、市場(顧客)に受け入れられなければ、ビジネスとしては失敗します。6Gは以下の深刻な市場リスクを抱えています。

  • 5GのROI(投資対効果)問題(最大のリスク):
    これが6Gの成否を分ける最大の市場リスクです 2。通信事業者(MNO)は、5Gのネットワーク構築に巨額の投資を行いましたが、コンシューマー市場でのARPU1ユーザーあたり売上)向上には繋がらず、収益成長は鈍いままです 3
    この「5Gのトラウマ」により、MNO6G(特にハードウェアの全面更新を伴うPhase 2)への新規投資に極めて慎重になっています。彼らが6Gに求めるのは「コスト削減」2 であり、5G RANのハードウェア更新を不要とする「ソフトウェアのみ」のアップグレード(例:AI-RAN)を望む声が強いです 2
  • キラーアプリケーションの不在(マネタイズ問題):
    5G同様、6Gも「技術のための技術」となり、MNOが投資を回収できる明確なビジネスモデル(マネタイズ手段)を欠くリスクがあります 2。イマーシブXRISACが期待されていますが、これらが消費者の追加支出(ARPU向上)や、B2B市場での新規収益 109 に繋がるかは未知数です。
  • プライバシー・規制 (ISAC):
    ISAC(センシング)は、技術的な可能性と同時に、最大の規制リスクを内包しています。ネットワークが(非接続デバイスを含む)環境内の物体や人物をマッピング・監視できる 59 ことは、深刻なプライバシー、監視、法的懸念を引き起こします 71。これが社会的に受容されず、厳格な規制が導入された場合、ISACは商用化できず、「Sensing as a Service」という新しいビジネス機会は失われます。
  • SEP/FRANDライセンスの複雑化:
    5G時代、NokiaDaimler(メルセデス・ベンツ)の間で争われたように 111、通信特許(SEP)のライセンス(FRAND:公正、合理的、非差別的)は、自動車業界など通信業界以外の「インプリメンター(利用者)」を巻き込み、複雑化・高コスト化しています 316Gでは、さらにヘルスケア、製造業、ロボティクスなど、多様な産業 28 がインプリメンターとして参入します。これにより、SEPライセンス交渉がさらに難航し、イノベーションの妨げとなる訴訟が多発するリスク 113 があります。

 

競合が手薄な「空白地帯」

 

上記の市場リスクや技術的ボトルネックは、見方を変えれば、それらを解決するソリューションに対する明確な「ビジネス機会(空白地帯)」を示しています。

  • (リスク:5GROI問題)機会:AIネイティブなTCO削減ソリューション
    通信事業者が現在最も求めているのは、6Gの「新機能」よりも、AIによる「運用コスト削減」です 2。ネットワークのエネルギー効率を劇的に改善するAI技術(例:Samsung"Smart-ON" 94NVIDIAAI-RANによるリソース最適化 19)は、MNOにとって短期的に最も魅力的な提案となります。このTCO削減ソリューションこそが、MNO6Gへの投資余力を生み出させる「空白地帯」です。
  • (リスク:ISACのプライバシー障壁)機会:プライバシー保護センシング (PPS)技術
    ISACのプライバシー懸念 71 は、技術的に解決する必要があります。センシングした生データ(例:個人の位置や動き)そのものではなく、AIで処理・匿名化された「インサイト」(例:「このエリアに歩行者が3人」)のみをAPIで提供する技術 13 や、物理層セキュリティ(意図的なノイズ注入、協調ジャミング)110 を活用し、プライバシー懸念を技術的に解決するソリューション(Privacy-Preserving Sensing)は、ISACの社会実装に不可欠な「空白地帯」です。
  • (リスク:NTNTNの競合・分断)機会:TN/NTN統合オーケストレーション・プラットフォーム
    地上網(グループ1)と衛星網(グループ5)が個別にサービスを提供すると、ユーザーは分断されます 47。企業(特にグローバルIoT)が真に必要とするのは、地上網、衛星網、Wi-Fiなどをシームレスに(コストとパフォーマンスを最適化しながら)自動で切り替え、一元管理するB2B向け「統合オーケストレーション・プラットフォーム」です。
  • (リスク:SEPライセンスの複雑化)機会:新興分野向けSEPライセンス・ソリューション
    自動車やヘルスケア 111 など、通信業界外のインプリメンターにとって、複雑なSEPランドスケープ 115 は参入障壁です。このSEPを透明化し、ライセンサーとインプリメンター(特に新分野)の交渉を円滑にする中立的なライセンスプールや、特許価値の客観的評価コンサルティングサービス 113 は、6Gの普及を促進するために不可欠なビジネス機会となります。

 

【総括】分析結果の客観的サマリー

 

本レポートでは、6G通信に関する特許動向と主要企業の事業戦略(IR、ホワイトペーパー)をクロス分析し、市場動向と競合構造を分析した。以下に、分析結果として明らかになった「客観的な事実」を要点として再整理する。

  • 技術定義と標準化: 6Gは、ITU-Rにおいて「IMT-20303 としてフレームワークが定義され、2030年頃の商用化が目指されている。技術的には5Gの進化に加え、「AIネイティブ」「ISAC(センシング)」「NTN(衛星統合)」という3つの新機軸を特徴とする 11
  • 市場構造(戦略グループ): 6G市場は、従来の通信インフラや半導体メーカーに加え、AI、クラウド、衛星事業者が参入する複雑な競合環境にある。本レポートは、市場の主要プレイヤーを以下の5つの戦略グループに分類した。(Ch. 2)
    1. 総合通信インフラ・SEPホルダー (Huawei, Nokia, Ericsson, Samsung)
    2. 基幹技術・半導体プロバイダー (Qualcomm, MediaTek)
    3. AI/コンピューティング・ディスラプター (NVIDIA)
    4. 垂直統合型 端末・エコシステム覇者 (Apple, Google)
    5. 新領域インフラ事業者 (NTN) (SpaceX)
  • 主要な応用先: 特許および実証実験から、6Gで実現が期待される主要な応用先は、「イマーシブXR」「ISACによるデジタルツイン」「触覚インターネット」「NTNによるグローバルカバレッジ」「AIaaS」である。(Ch. 3)
  • 主要トレンド(市場の再定義):
    • 特許出願数ではHuawei 32Samsung 40 が依然として市場をリードしている。(Ch. 4)
    • NVIDIAがNokiaとの10億ドル規模の提携 1 により、RAN(無線アクセスネットワーク)を「AIコンピューティング・プラットフォーム」として再定義しようとしている。(Ch. 4, 6)
    • SpaceXがSamsungとの提携 46 により、地上網(MNO)を介さないD2D(衛星直接通信)市場の確立を狙っており、カバレッジの概念を再定義しようとしている。(Ch. 4, 6)
  • 戦略の整合性(本音と建前):
    • Huawei, Qualcomm, Ericssonは、特許戦略(技術蓄積)と公表する事業戦略(ビジョン)が高いレベルで整合している。(Ch. 5)
    • Nokiaは、NVIDIAとの提携により、従来のSEPホルダー戦略から「AI-RANプラットフォーム」戦略へと明確なピボット(戦略転換)を示した。(Ch. 5)
    • NVIDIAとAppleは、公表戦略と水面下の活動(特許、投資)にギャップがあり、それぞれ「デファクトスタンダード(ハードウェア販売)」と「XRデバイスの垂直統合」という隠れた戦略(本音)が推定される。(Ch. 5)
  • 主要リスク:
    • 最大の市場リスクは「5Gの投資対効果(ROI)の問題」2 であり、これが通信事業者の6Gへの投資意欲を減退させる可能性がある。
    • ISAC(センシング)は、技術的なポテンシャルを持つ一方で、「プライバシーと規制」71 という商用化への最大の障壁を抱えている。
    • 6Gの応用先が自動車やヘルスケアなど他産業に拡大することで、標準必須特許(SEP)のライセンス交渉が5G以上に複雑化・高コスト化するリスクがある 111

引用文献

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  64. 世界初、6G時代に新たな価値を提供する「人間拡張基盤」によって相手の感じ方に合わせて触覚共有する技術「FEEL TECH」を開発-触覚を記録し、相手に共有することも可能に-:[慶應義塾] - Keio University, 11 11, 2025にアクセス、 https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2023/1/25/28-134868/
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  85. The 12th Brooklyn Summit marks a tipping point toward the 6G era | Nokia.com, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.nokia.com/blog/the-12th-brooklyn-summit-marks-a-tipping-point-toward-the-6g-era/
  86. Capital Markets Day 2025 | Nokia.com, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.nokia.com/about-us/news-and-events/events-calendar/investor-relations-events/capital-markets-day/
  87. 6G: Are we ambitious enough? - Ericsson, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.ericsson.com/en/blog/2025/6/6g-are-we-ambitious-enough
  88. SoftBank Corp. and Ericsson forge strategic partnership to drive innovation in AI, Cloud, XR, and 6G technologies towards 2030 | About Us, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.softbank.jp/en/corp/news/press/sbkk/2025/20250326_01/
  89. 6G spectrum - enabling the future mobile life beyond 2030 - Ericsson, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.ericsson.com/en/reports-and-papers/white-papers/6g-spectrum-enabling-the-future-mobile-life-beyond-2030
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  91. Samsung's 6G White Paper Lays Out the Company's Vision for the Next Generation of Communications Technology, 11月 11, 2025にアクセス、 https://news.samsung.com/global/samsungs-6g-white-paper-lays-out-the-companys-vision-for-the-next-generation-of-communications-technology
  92. Next Generation Communications - Samsung Research, 11月 11, 2025にアクセス、 https://research.samsung.com/next-generation-communications
  93. [Next-Generation Communications Leadership Interview ④] Ushering in the 6G Era With AI Innovation and Global Partnerships, 11月 11, 2025にアクセス、 https://news.samsung.com/global/next-generation-communications-leadership-interview-%E2%91%A3-ushering-in-the-6g-era-with-ai-innovation-and-global-partnerships
  94. Energy Saving for 6G Network: Part II, From Always-ON to Smart-ON - Samsung Research, 11月 11, 2025にアクセス、 https://research.samsung.com/blog/Energy-Saving-for-6G-Network-Part-II-From-Always-ON-to-Smart-ON
  95. 6G - Samsung Global Newsroom, 11月 11, 2025にアクセス、 https://news.samsung.com/global/6g
  96. 6G technology and spectrum needs: Unlocking the next generation of wireless connectivity, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.qualcomm.com/news/onq/2024/12/6g-technology-and-spectrum-needs-unlocking-next-gen-wireless-connectivity
  97. 6G architecture insights for future mobile connectivity - Qualcomm, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.qualcomm.com/research/6g/architecture
  98. How can we shape the future of mobile connectivity with 6G? - Qualcomm, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.qualcomm.com/content/dam/qcomm-martech/dm-assets/documents/shaping-the-future-of-mobile-connectivity-with-6g.pdf
  99. MediaTek and Singapore University of Technology and Design (SUTD) sign MoU on 6G technology research collaboration, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.edb.gov.sg/en/about-edb/media-releases-publications/mediatek-and-singapore-university-of-technology-and-design-sutd-sign-mou-on-6g-technology-research-collaboration.html
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  101. MediaTek Highlights How 6G Will Accelerate Digital Transformation in New White Paper, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.mediatek.com/press-room/mediatek-highlights-how-6g-will-accelerate-digital-transformation-in-new-white-paper
  102. NVIDIA Open Sources Aerial Software to Accelerate AI-Native 6G, 11月 11, 2025にアクセス、 https://blogs.nvidia.com/blog/open-source-aerial-ai-native-6g/
  103. 6G Wireless Systems Research Engineer - Jobs - Careers at Apple, 11月 11, 2025にアクセス、 https://jobs.apple.com/en-us/details/200613567/6g-wireless-systems-research-engineer
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  105. Virtualizing satellite communication operations with AWS - DIFI Consortium, 11月 11, 2025にアクセス、 https://dificonsortium.org/virtualizing-satellite-communication-operations-with-aws/
  106. THz Precoding for 6G: Challenges, Solutions, and Opportunities, 11月 11, 2025にアクセス、 https://oa.ee.tsinghua.edu.cn/dailinglong/publications/paper/THz_Precoding_for_6G_Challenges_Solutions_and_Opportunities.pdf
  107. A Survey on Advancements in THz Technology for 6G: Systems, Circuits, Antennas, and Experiments - arXiv, 11月 11, 2025にアクセス、 https://arxiv.org/html/2407.01957v1
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  111. This Automotive Giant is leading the 6G Technology innovation - GreyB, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.greyb.com/blog/6g-technology-discussions/
  112. Analyzing SEPs: Strategies for Licensing Negotiations - Fish & Richardson, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.fr.com/insights/thought-leadership/articles/strategies-for-sep-licensing-negotiations/
  113. Standard essential patents regulation - European Parliament, 11月 11, 2025にアクセス、 https://www.europarl.europa.eu/RegData/etudes/BRIE/2023/754578/EPRS_BRI(2023)754578_EN.pdf
  114. Pioneering Sustainable 6G: The Next G Alliance's Holistic Approach, 11月 11, 2025にアクセス、 https://nextgalliance.org/pioneering-sustainable-6g-the-next-g-alliances-holistic-approach/
  115. Managing Wi-Fi 6 SEP Licensing and Litigation Challenges in a $10 Billion Royalty Market, 11月 11, 2025にアクセス、 https://ipwatchdog.com/2024/11/05/managing-wi-fi-6-sep-licensing-litigation-challenges-10-billion-royalty-market/

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  • 2025年11月時点の情報に基づきます
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