「子育てと教育」でコラムを書いている、内山です。
2026年8月7日(金)、東京・月島で開催された「ドリームロケットプロジェクト 7周年記念講演会」に、弊社代表の楠浦崇央が登壇しました。当社はこのプロジェクトに協賛しており、私も会場で話を聞かせていただきました。
ドリームロケットプロジェクト(DRP)は、株式会社植松電機 代表取締役の植松努さんが掲げる「どうせ無理」ではなく「だったらこうしてみたら」という考え方に共感し、モデルロケット教室の企画・運営を行っている団体です。
今回は普段のコラムとは趣向を変えて、会場で私が見て思ったことを書かせていただければと思います。講演会全体のまとめというわけではないので、ご了承ください。
楠浦の講演テーマは「『なんとかなるやろ感』が未来を創る 〜AI時代に自分だけの居場所と仕事を見つける方法〜」でした。
その中に、こんな話がありました。
「やりたいこと」や「夢」は、無理に探さなくていい。
社会をまだ知らないうちに、やりたいことが正しく見つかるはずがない。狭い世界に閉じ込めておいて「探せ」と言うほうがおかしい。やりたいことは最初から見つけるものではなく、人に会って、小さく挑戦しているうちに育っていくもの——という話です。
私自身、今はだいたい同じ結論になっています。なので聞きながら「そうそう」と思っていました。目からウロコというより、答え合わせに近い感覚でした。
ただ、そこに行き着くまでに、私はかなり悩みました。学生のころは特にそうです。まわりが進路を決めていく中で、自分には「これがやりたい」というものが見当たらない。あのころにこの話を聞けていたら、迷った時間はもっと短かったはずです。
この日の講演会は、学生と30歳以下の方を対象とした枠が設けられていました。会場を見渡すと、大学生と思われる方や、働き始めて数年という雰囲気の方が並んでいます。手元にメモを取っている人が何人もいて、要点や大事だと思ったところを書き留めているようでした。
この人たちは、私が何年もかけて自分で見つけたことを、今日この場で知ることができるのかもしれない。正直、うらやましいと思いました。
また、楠浦の生い立ちや教育についての考えを、まとまった形で聞く機会は社内でもそう多くありません。例えば中学3年のとき数学が赤点だった、という話も私は初めて聞きました。その意味でも貴重な時間でした。
講演でくり返し出てきたのが「良い仲間とよい議論」という言葉です。
自分の「偏り」を知って、それを活かしてくれる仲間を持つ。やったことのないことを「やってみない?」と言ってくれる人を、たくさん持っておく。楠浦は、これまでの転職はすべて、学生時代に通っていた塾の先輩・後輩のつながりだったと話していました。
ここで、少し考え込みました。
私はどちらかというと、一人でなんとかしてしまうほうです。分からないことはネットで調べられるし、今はAIもある。たいていのことは、まあなんとかなると思っています。楠浦も講演の中で、最近は社内のメンバーが積極的に新しいことをやるようになった、どうやら「AIがあればなんとかなる」らしい、と話していました。これは私自身、実感があります。
ただ、聞いているうちに気づいたのですが、楠浦の言う「なんとかなるやろ」は、もともと仲間とセットの言葉でした。責任を引き受けさせてくれる人がいて、「やってみない?」と声をかけてくれる人がいる。だから飛び込める、という話です。
私の「なんとかなる」は、そこが少し違います。自分で調べて何とかする、という意味合いが強い。同じ言葉でも、指しているものが違っていたんだなと思いました。
どちらが正しいという話ではないのですが、仲間のほうの重要度を、もう少し上げてみてもいいのかもしれないと思いました。
この日の講演は、楠浦と植松努さんのお二人。植松さんの話は動画では見たことがありましたが、実際にその場で聞くのは初めてでした。
内容についてはここでは書きませんが、聞き手として感じたことだけ。
とても聞きやすく面白かったです。淀みがないのに、原稿をなぞっている感じがしない。ずっと本音で話しているように聞こえて、一定の間隔で笑いが入るので、聞いていて疲れない。伝えたいことと、心が動く話のバランスが絶妙でした。
気づいたら前のめりになっていて、あっという間に終わってしまった感じがします。動画で見るのと、その場で聞くのとでは、やはり違うものですね。機会があれば、ぜひ一度直接聞いてみてください。
プログラムの後半は「社長さんと考えよう」という時間です。ここには、株式会社経営技法の鈴木俊介さん、株式会社流機エンジニアリングの西村聡さん、株式会社ナガサキの長崎勝明さんも加わりました。
ここで印象に残ったのが、社長さんたちご自身が「社長には変わった人が多い」と話していたことです。壇上の全員が笑って同意していて、会場も笑っていました。私も、いい意味で本当にそうだなと思いました。
楠浦も講演の中で、自分の「偏り」を活かしてくれる仲間を持つことが大事で、それを怠ると「単なる変人」で終わってしまう危険性がある、という話をしていました。
壇上に並んでいたのは、たぶんその「偏り」を活かせる場所を、自分で見つけてきた人たちなのだと思います。変わっているから社長になったのではなく、変わったままでいられる場所を探した結果が今なのだろうな、と。
この時間には、出席者同士で対話する機会もありました。始まったとたんに会場のざわざわが一気に立ち上がって、そのまま最後まで収まりません。時間が来ても、まだ話し足りないという空気が残っている。この日いちばん印象的な光景でした。
講演会に先立ち、楠浦が植松さんと対談する機会もいただきました。
対談の内容は、弊社で制作を進めている書籍でご紹介する予定です。もう少しお待ちください。
「どうせ無理」ではなく「だったらこうしてみたら」。DRPが掲げるこの言葉と、楠浦が話していた「なんとかなるやろ」は、言い方が違うだけで向いている方向は同じだと思いました。どちらも、準備が完璧に整うのを待たずに、まず動いてみようという話です。
会場でメモを取っていた方々が、何年か後に「あのとき聞いておいてよかった」と思ってくれたらいいなと思います。自分が「もっと早く知りたかった」と思ったぶん、余計にそう思いました。
当社は今後もDRPの活動を応援していきます。
執筆:内山和彦
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