テーマ別 深掘りコラム 1分で読める!発明塾 塾長の部屋
会社概要 発明塾とは? メンバー
実績 お客様の声
特許情報活用の本質──特許は「法律文書」ではなく、未来を読むための「宝の地図」である

特許情報活用の本質──特許は「法律文書」ではなく、未来を読むための「宝の地図」である

「発明塾」塾長の楠浦です。
今回から、企業内発明塾参加者の「お声」のまとめを、木曜日に不定期で行っていきます。

簡単なまとめは、以下に掲載しています。

「アイデアが出ない」は才能のせいではなかった。凡人を「発明家」に変える、逆説の思考OS 5つの原則を一挙公開!~未来を示す「宝の地図」を読め!他
https://note.com/kusuura/n/nf6c7a508732a

企業内発明塾には、これまで 48社・532名の方が参加されています。(※2025年10月時点)
それら参加者のお声をAIで分析しつつ、「企業内発明塾は何がすごいのか」を、分析していきたいと思っています。
すでに、「そうだったのか?」という分析結果も得られており、僕自身とても驚いています。

生成AIが使い放題。
いい時代になりましたね(笑)。

今回は、上記note記事内の
”1.「特許」は法律文書ではなく、未来を読むための「宝の地図」だ”
を取りあげ、参加者がどう感じ、何を学び、何を達成したか、見ていきます。

AIがまとめたものを、楠浦が加筆修正しています。

1. 「守りの盾」から「未来を読む地図」への認識の変化

これまでの特許に対する認識は、自社の技術を他社から守るための「盾」ですよね。
今でも「特許」に関する仕事をしている、と自己紹介すると「特許なんか取っても役に立たなかった」みたいな苦情(笑)が来たりしますね。

でも、企業内発明塾に参加いただくと、特許情報が持つ本来の価値に、皆さんが気づきます
認識がどう変わったか、お声からわかっているんですよね。
以下は、AIに抽出させたものです。

① 特許は情報の宝庫である

ある輸送機器メーカーの技術者は、以前は特許を他社に構造を使わせないための「武器」程度にしか考えていませんでしたが、発明塾の経験により、特許が「情報の宝」であり、特許を読むことが面白いという考え方に変わったと述べています。

② 攻めの情報活動の重要性

技術開発の現場において、単に技術的な面白さや技術者の都合で開発を行うのではなく、「会社として売れるか」「儲かるか」「やる意味があるのか」という視点、つまり「課題解決としての技術手段になっているのか」という経営視点を身につけることが重要であると認識されています。

③ 知財の役割の変革

あるインフラ系企業の知財部門の方は、これまでは「事業があって知財部がある」という認識だったが、今後は「知財部があって事業がある」と言える存在にならなければならないと感じています。これは、知財活動が事業に後からついていく受け身の姿勢から、事業創出をリードする攻めの姿勢への転換を意味します。

企業内発明塾には、提案する立場、あるいは、支援する立場で、知財部の方がそれなりの数、参加されています。知財に関して「攻め」という言葉が何度か出ているのが興味深いですね。「知財(情報)で、もっといろいろやれるんじゃないか」と感じていただいたのだと思います。

僕はいつも、「皆さんが自分で壁を作ってるんじゃないですか?」と申し上げております。
どうでしょうか。

2. 特許情報から競合の動向・潜在市場・顧客課題について戦略的洞察を得る

特許情報を深く読み解くプロセス、たとえば引用・被引用分析や、それらを通じたエッジ情報の探索などを通じて、その他の情報からは得られないインサイト(洞察)を導き出せる
これは、多くの参加者が指摘していますね。
AIによるお声のまとめに、楠浦が若干の補足を加えています。

①競合や顧客の動向と開発方向性の推定

  • 特許という一つの文献から、発明者(ひいては会社)の様々な思惑が読み取れる
  • 潜在顧客、競合他社の開発方向性、先端製品の技術トレンドの推測ができ、新規顧客開拓や、新規事業アイデアの創出ができた。
  • 他に、特許の引用・被引用の状況分析から、コア技術を推定する方法などを学べた

②潜在市場(未解決の課題)とエッジ情報の特定

  • 特許検索の引用・被引用から、先端情報・欲しい情報を取りに行く手法は、日々の業務でも活用できる。
  • 参加したことにより、技術の流れを把握し、エッジ情報を探し、課題の先読みをする重要性が腹落ちした。
  • 「エッジ特許」の考え方を学ぶことで、最先端特許の発見方法や、その特許の見落とし点を見つける方法を手に入れ、誰も気がついていない課題を見つけることができる

③未来を読む地図としての機能

  • 特許から見えてきた仮説をもとに技術進化の流れを把握し、今後の技術動向を推測することは、非常に重要なツールだと感じた。
  • 既に開示されている情報から隠れた先進情報を引き出すという、斬新かつ王道のやり方を教わった。

やはり、最後の「未来を読む地図」でしょうね。
特許は公開情報なのですが、そこから「誰も気づいていない」情報(洞察)を引き出せる。
これにつきますね。

3. 文系出身者でも戦略的洞察が得られる理由

特許情報は、その分野に明るい技術者が読むもの、そうでないと読めないもの、というイメージがあるようです。
もちろん、技術に詳しいに越したことはないのですが、新規事業では「新しい分野」に取り組む場合も多い。
発明塾の方法で、参加者は経歴や専門分野に関係なく特許を読み解き、新たな着想を得ていることが、お声の分析からわかりました。
こちらも、AIによるお声のまとめを楠浦が加筆修正しています。

①文系出身者の成功例

  • 機械メーカーの新規事業開発担当の方から、自身が文系営業出身であり、特許についてはほぼ読んだことがない状態から参加しましたが、キャリアに関係なく大きなものが得られる研修であると確信している、とのお声がある。
  • 化学メーカーの企画担当の方は、自身が「究極の文系人間」であり、特許を見たことがない状態で参加したが、活動を通じて特許が非常に面白く感じ、様々な「視点」について指導を受け、新たな発見があったとのこと。
  • 電力会社の事務職の方(技術職ではない)も、楠浦さんの強力なバックアップのもとで進めることができ、当初持っていた不安が解消されたと述べている。

②思考法と言語化の習得

  • 単に特許に書かれた技術内容を読むことではなく、得られた情報を活用し、「課題を独占できるか」という視点を持って、論理的に課題を抽出することが重要。この思考法が身についた。
  • 既存情報の先を考え、仮説を導き出し、その仮説を証明するために深掘りしていく方法により、アイデアの確度まで判断できるようになった。

③特許=インテリジェンスの源泉。そこから「攻め」の情報活動へ

  • 特許は、単に過去の発明を記録したものではなく、「技術とビジネスをつなぎ」、企業が次に取るべき戦略を定めるための「インテリジェンスの源泉」
  • 発明塾で、「勝てる」「独占できる」のように、経営者目線で考えることを、再認識させられました。
  • 新規事業の企画は、「アイデアの価値は課題の大きさで決まる」、そして「技術で課題を独占する」という考え方を指針とする、「最先端の情報(エッジ情報)を見つけて、その先を行く」という、能動的で攻めの姿勢での取り組みだと学んだ。

AIにお声をまとめさせると、意外な傾向が見えて面白いです。
これなんか、いいフレーズにまとめてますよね。

”特許は、単に過去の発明を記録したものではなく、「技術とビジネスをつなぎ」、企業が次に取るべき戦略を定めるための「インテリジェンスの源泉」”

技術とビジネスをつなぐのが特許、まぁ、確かにそうです。
単なる法律文書でも、技術文書でもないと。

こういうセンスは、学びたいところです。
少し日本語がおかしかったり、「その言葉を引っ張ってくるのか」という、やや「?」が残る部分があるのは、ご愛敬ですね(笑)。
AIと人間の共同作業が新しい発見、気づき、インサイトを生む時代です。

僕は、AIを使うようになって、いつもより疲れるようになりました(笑)。
一瞬で世界中の情報を集めてくれるので、そのスピードについていくのは結構大変です(笑)。
大量の情報にざっと目を通し、追加で複数のAIに同時並行でいくつも質問しつつ、自分でも調べて深堀していく。

時間は短縮されましたが、仕事・情報・思考の密度が異常なレベルになっています(笑)。
ますます時代は加速し、スピード勝負になっていくのでしょうね。
自分なりのスタイルを作るしかない気がします。

僕は、AIの価値はスピードだ、と思っています。
皆さんはどうでしょう。

脱線しました。

興味がある方は、「お声」の原文もどうぞ。

企業内発明塾参加者のお声
https://www.techno-producer.com/voice-category/kigyounai/

 

楠浦 拝

 

★本記事と関連した弊社サービス

①企業内発明塾®
「既存事業の強みを生かした新規事業の創出」を支援するサービスです。技術マーケティングのプロである楠浦の直接支援により、BtoC、BtoBを問わず、あなたの会社の強みを生かした新規事業の企画を生み出せます。
例えば「ガソリン車の部品技術の新用途を医療・介護分野で創出」「スマートフォン向けの材料の新用途を食品分野で創出」など、次々に成果が出ています。

➁無料メールマガジン「e発明塾通信」
材料、医療、エネルギー、保険など幅広い業界の企業が取り組む、スジの良い新規事業をわかりやすく解説しています。
「各企業がどんな未来に向かって進んでいるか」を具体例で理解できるので、新規事業のアイデアを出したい技術者の方だけでなく、優れた企業を見極めたい投資家の方にもご利用いただいております。週2回配信で最新情報をお届けしています。ぜひご活用ください。

「e発明塾通信」お申込みはこちら

★弊社書籍の紹介

①弊社の新規事業創出に関するノウハウ・考え方を解説した書籍『新規事業を量産する知財戦略』を絶賛発売中です!新規事業や知財戦略の考え方と、実際に特許になる発明がどう生まれるかを詳しく解説しています。

『新規事業を量産する知財戦略』書籍画像

※KindleはPCやスマートフォンでも閲覧可能です。ツールをお持ちでない方は以下、ご参照ください。

Windows用 Mac用 iPhone, iPad用 Android用

➁特許情報を活用して企業の真の価値と将来性を見抜く新しい投資アプローチを提案する『Patent Information For Victory』特許が投資に役立つ理由を、専門知識がなくても理解できるようわかりやすく解説します。特設ページで「Chapter.1」まで全文無料公開中です!

「Patent Information For Victory」書籍画像
関連記事
カテゴリ一覧
企業内発明塾バナー

最新記事

5秒で登録完了!無料メール講座

ここでしか読めない発明塾のノウハウの一部や最新情報を、無料で週2〜3回配信しております。

・あの会社はどうして不況にも強いのか?
・今、注目すべき狙い目の技術情報
・アイデア・発明を、「スジの良い」企画に仕上げる方法
・急成長企業のビジネスモデルと知財戦略

無料購読へ
© TechnoProducer Corporation All right reserved