テーマ別 深掘りコラム 1分で読める!発明塾 塾長の部屋
会社概要 発明塾とは? メンバー
実績 お客様の声
生成AIの次に来る「フィジカルAI/ロボットAI」とは?~ソフトバンク・クアルコムの動きから読む知財戦略

生成AIの次に来る「フィジカルAI/ロボットAI」とは?~ソフトバンク・クアルコムの動きから読む知財戦略

2026.1.16

「発明塾」塾長の楠浦です。
今回は、直近のニュースをいくつかまとめて、「生成AIの次」のトレンドである「フィジカルAI」の最前線と、「市場拡大」のための戦略を見ていきます。

元になる資料は、以下に整理してあります。


ソフトバンクのAI事業戦略と知財戦略(1)~特にロボット事業への取り組み
https://note.com/kusuura/n/n3870f83a23ee

クアルコムの「エッジAI」技術、事業と知財戦略~Arduino買収からの展開
https://note.com/kusuura/n/n62a0a6502728

NVIDIAの「AIロボット(Physical AI)」知財戦略を、デジタル無線通信の覇者「Qualcomm」の知財戦略と比較し、理解する
https://note.com/kusuura/n/n3e08a1a75187

すべて、楠浦さんAIを用いて作成したAIメモです。
以前だと、いろいろ気になるニュースがあっても、メルマガとして発信できるのは週に1つ程度でした。
調査するのもそれなりの手間でしたが、調査してあっても、メルマガにするのは結構大変なんですよね。

AIのおかげで、気になるニュースやトピックは、だいたい即日メモとして掲載できるようになりました。
これでも、掲載していないメモは大量にあるのですが、まぁ、それは止むをえません。
毎日メモは増えていきますので、気になる方は、ブックマークなりフォローなり、ご自由に(笑)。

ほかのメモで取り上げているのですが、ソフトバンクは、AIに関する企業の買収や提携を進めています
孫さんがAI関連特許を大量出願したことが話題になっていましたが、同時並行でAIに関する包括的な事業の構想も進んでいます。
実際の動きと特許と突き合わせると面白そうですが、ココでは割愛します。
(その程度のことは、たぶん誰かやってるでしょう)

今回は特に、「ソフトバンクのABBロボット事業買収」「クアルコムのArduino買収」の2つのニュースを軸に、フィジカルAIの最前線と、そこで使われている「市場拡大の戦略」を見ていきます。

僕のメモをもとに、AIに概要を整理させていますので、それに基づいて進めます。
囲み枠の部分が、AIによるものです。

1. 序論:「生成AI」の次に来る波 ― 「フィジカルAI」へのシフト

生成AI(Generative AI)が言語・画像・動画といった“情報処理”の世界を席巻したのは2023~2024年だった。しかし2025年以降、AIの進化は明確に「物理世界」へと軸足を移し始めている。ロボット・ドローン・自動運転・スマートマシンといったフィジカルな装置にAIを搭載する「フィジカルAI」「ロボティクスAI」の潮流が加速しているのだ。
この新たな市場の覇権をめぐり、ソフトバンクとクアルコムという二つの巨大プレイヤーが本格的な布陣を敷き始めた。

OpenAIとマイクロソフトの提携で一気に加速した「生成AI」ですが、実はまだ序盤戦なんですよね。バイオと生成AIの関わりも別の記事にしていますが、それはもうちょっと後ですね。ここから始まる第2幕は「ロボティクス」とAI、いわゆる「ロボットAI」「フィジカルAI」ですね。

ソフトバンクのABBロボット事業買収が、そのわかりやすい例でした。その直後に、クアルコムが「Arduino」を買収して、僕は「ついに始まったな」と思いました。
上で紹介したメモで書いた通り、クアルコムの狙いは「エッジAI」の加速です。エッジAIのターゲットの一つが、広い意味での「ロボット」なんですよね。

この流れの「レール」を敷いたのは、NVIDIA(エヌビディア)です。CES2025でロボットを後ろに多数従えて講演した、CEOのジェンスン・フアンの姿がそれを物語っています。ロボットAIが普及すれば、必要な計算量は、今の比ではなくなります。クアルコムが、携帯電話の端末価格を下げる知財戦略で、3G端末の普及を促進し、自社チップの市場を拡大したのと同じで、NVIDIAはロボットの普及を加速させ、さらにGPUを売りまくるわけです。
「イネーブラー」戦略ですね。

イネーブラー戦略とは? クアルコムに学ぶ知財を活用した市場創造法
https://www.techno-producer.com/column1min/enabler-strategy-qualcomm/

2.ソフトバンク × ABB:ロボティクス領域での「垂直統合」戦略

ソフトバンクはこれまでAI投資家として、モデル開発や通信基盤に注力してきたが、次の一手として選んだのは産業ロボット大手ABBの買収である。この動きは単なる事業拡張ではなく、ハードウェア+通信+AIを一体化する垂直統合型戦略の一環だ。

・狙い①:産業・物流ロボットのプラットフォーム化
 ロボットの「OS」とも言える制御技術・安全認証・通信プロトコルの主導権を握る。

・狙い②:生成AIの“実装先”の確保
 ChatGPT的な生成AIを物理空間に展開するための受け皿を整備。

・狙い③:知財ポジショニングの転換
 ソフトバンクは通信特許中心の知財ポートフォリオから、ロボット制御・安全・協調動作・ヒューマンインタフェースなど**「現場知財」**へのシフトを図っている。

NVIDIAとクアルコムが水平分業のプラットフォーマー、イネーブラー戦略であるのに対して、ソフトバンクは垂直統合を目指しているのかもしれません。自社ですべて持つことで、AIの現実世界への実装を加速したい、ということでしょう。
クアルコムも、3G普及前の段階では垂直統合モデルで、すべてを自社で持ち、技術実証を行って市場を開拓する戦略でした。どちらが正しいということではなく、現時点ではアプローチの違いでしょう。特に日本市場では、当初は垂直統合のほうが進めやすいのかもしれません。
物流領域で「WaaS:Warehouse as a Service」事業を進めているので、当面は物流のAI化がトピックなのかもしれません。グループでEC(イーコマース)も持っていますので、当然の動きですね。

参考)ソフトバンクグループの戦略
https://group.softbank/philosophy/strategy

参考)2025年8月7日決算説明会資料
https://group.softbank/media/Project/sbg/sbg/pdf/ir/presentations/2025/investor-presentation_q1fy2025_01_ja.pdf

2025年8月7日の決算説明会資料(P10)を見ると、ロボット関連の事業と投資を、一括して管理する会社を設立するようです。通信からロボティクス、の流れはクアルコムも同様です。携帯電話並みに売れるデバイスが次に何か、というのは常に議論になっていましたが、どうやら「ロボット」だというのが、「投資家」の考えのようですね。
ソフトバンクは、様々なAI企業に積極的に投資していますので、今後の動きがどうなるか、まだまだ分かりませんね。引き続きウォッチして、noteにメモをアップしていきます。

3.クアルコム × Arduino:エッジAIと「創造者」市場の取り込み

一方、通信・スマホSoCの覇者クアルコムは、生成AIブームの裏側で着々とエッジAI向けチップと開発者エコシステムを拡充してきた。その象徴がArduinoの買収である。

・戦略①:プロトタイピング層への“下り”
 Arduinoは世界最大級の開発者・メイカーコミュニティを擁し、IoT・ロボット開発の入口として絶大な影響力を持つ。クアルコムはこれを取り込むことで「アイデア段階」から囲い込む戦略に出た。

・戦略②:エッジAIの“標準”化
 通信・スマホで培ったIPをベースに、推論用AIアクセラレータやセンサー融合技術をロボットやドローンへ拡張。“小型・低消費電力・高性能”なAIコンピューティングの標準を押さえる。

・戦略③:知財の「広さ×深さ」戦略
 NVIDIAのGPU中心戦略に対し、クアルコムは通信・センシング・省電力・ソフト統合といった周辺技術まで知財網を広げ、「エッジAIの地形」を塗り替えつつある。

ここは、非常にわかりやすいですね。「Arduinoは世界最大級の開発者・メイカーコミュニティを擁し、IoT・ロボット開発の入口として絶大な影響力を持つ」というのが味噌なんでしょうね。これこそまさに「知財」ですよね。マイクロソフトがGitHubを取り込んだ動きと比較してみると、面白いかもしれません。
デジタル移動体通信の世界を急拡大させたクアルコムが、「ロボティクス」の基盤に参入したことで、「ロボティクス」「エッジAI」がどれほど加速されるか、非常に楽しみです。

4.NVIDIAとの比較で見える「次の知財戦争」

NVIDIAがGPU・大規模モデルの覇者として「クラウドAI」の支配を進める一方、クアルコムとソフトバンクは**“現場のAI”=フィジカルAI**に軸足を移し、知財の重心も「クラウド→エッジ/現場」へと移行しつつある。
ここでは、クラウド・大規模計算・生成技術よりも、リアルタイム性・安全性・協調性・省電力性といった「現場知財」が競争の主戦場になる。

この視点は面白いですね。孫さんの大量出願がこれを予見したものであったとするなら(そうだと思いますが)、流石というしかないですね。NVIDIAとクアルコムの取り組みは、相互補完的で市場の拡大を加速するそうなると、孫さんの大量出願に含まれる「預言」の実現も早まり、その知財の価値も高まる
「フィジカルAI」時代の先読み競争は、ますます加速しそうです。どうやら、NVIDIA・クアルコム・ソフトバンクの特許を並べて読むと、面白そうですね。そこに「パランティア(PLTR)」も入れておくと、さらに面白くなりそうです。

パランティア(PLTR)の事業戦略と知財戦略(1)
https://note.com/kusuura/n/n8a52d51af49e

パランティアは、ピーター・ティールの名著「ゼロ・トゥ・ワン」にも出てくるのですが、当時、あまり話題にはなっていませんでした。僕は「ゼロ・トゥ・ワン」のオーディオブック(英語版)を毎日聞いていたので、気になっていろいろ調べていました。今や、AIエージェントの最有力企業になっています。
でも、ピーター・ティールでもここまで来るのに20年かかるわけですね。パランティアは2004年に設立されました。なかなか面白い企業なんですよ、これが。

ピーター・ティール率いるパランティア・テクノロジーズが、シリコンバレーと決別する理由
https://descartes-search.com/media/palantirtechnologies/

特許も読んでいますので、それはまた機会があれば解説したいと思います。僕の特許解説を読みたい方は、上の note 記事に「いいね」お願いします(笑)。

5.結論:「生成AIの次」は、物理世界を制する企業が勝つ

生成AIが「知能の創出」を担った時代は終わり、これからはその知能を「現実の行動」に落とし込む段階に入る。
ソフトバンクのABB買収は、通信から現場制御への領域拡大を意味し、クアルコムのArduino買収は、開発者層からのエコシステム掌握を示す。AI覇権の主戦場は“言葉”ではなく“動き”へ――。
この「フィジカルAI時代」において、知財戦略こそが企業の市場地図を描き直す鍵となる。

コンピューターが世界を「理解」するために必要なのが「ロボットAI」「フィジカルAI」だとされます。ロボット(コンピューター)が人間の代わりに何かをするには、世界を理解する必要がありますからね。中国製の安価なロボットが大量普及する流れは、クアルコムが携帯電話端末の価格を下げて普及させた流れと、一致しているように僕には見えます。
誰が勝つ、という世界ではないと思いますが、今後どうなるか、非常に楽しみです。

AIのおかげで、大昔のメルマガのように、僕が好き勝手に自分が考えていることを、考えているままに書けるようになりました(笑)。事実や背景の説明に時間を費やす必要がなくなった。これは素晴らしいですね。AIサマサマです。人生は、やはり短いですからね。
僕の”ポエム”(笑)を楽しみたい方は、引き続きメルマガをどうぞ。1次情報が詳しく見たい方は、note をフォローし、毎日確認くださいませ!(笑)

 

楠浦 拝

 

★本記事と関連した弊社サービス

①企業内発明塾®
「既存事業の強みを生かした新規事業の創出」を支援するサービスです。技術マーケティングのプロである楠浦の直接支援により、BtoC、BtoBを問わず、あなたの会社の強みを生かした新規事業の企画を生み出せます。
例えば「ガソリン車の部品技術の新用途を医療・介護分野で創出」「スマートフォン向けの材料の新用途を食品分野で創出」など、次々に成果が出ています。

➁無料メールマガジン「e発明塾通信」
材料、医療、エネルギー、保険など幅広い業界の企業が取り組む、スジの良い新規事業をわかりやすく解説しています。
「各企業がどんな未来に向かって進んでいるか」を具体例で理解できるので、新規事業のアイデアを出したい技術者の方だけでなく、優れた企業を見極めたい投資家の方にもご利用いただいております。週2回配信で最新情報をお届けしています。ぜひご活用ください。

「e発明塾通信」お申込みはこちら

★弊社書籍の紹介

①弊社の新規事業創出に関するノウハウ・考え方を解説した書籍『新規事業を量産する知財戦略』を絶賛発売中です!新規事業や知財戦略の考え方と、実際に特許になる発明がどう生まれるかを詳しく解説しています。

『新規事業を量産する知財戦略』書籍画像

※KindleはPCやスマートフォンでも閲覧可能です。ツールをお持ちでない方は以下、ご参照ください。

Windows用 Mac用 iPhone, iPad用 Android用

➁特許情報を活用して企業の真の価値と将来性を見抜く新しい投資アプローチを提案する『Patent Information For Victory』特許が投資に役立つ理由を、専門知識がなくても理解できるようわかりやすく解説します。特設ページで「Chapter.1」まで全文無料公開中です!

「Patent Information For Victory」書籍画像
関連記事
カテゴリ一覧
企業内発明塾バナー

最新記事

5秒で登録完了!無料メール講座

ここでしか読めない発明塾のノウハウの一部や最新情報を、無料で週2〜3回配信しております。

・あの会社はどうして不況にも強いのか?
・今、注目すべき狙い目の技術情報
・アイデア・発明を、「スジの良い」企画に仕上げる方法
・急成長企業のビジネスモデルと知財戦略

無料購読へ
© TechnoProducer Corporation All right reserved