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お知らせ

「知財戦略とはなにか~発明研究所のすすめ」(発明塾通称「クアルコム論文」:2011年)について

2019年05月04日

       

発明塾では、以下記事を

「クアルコム論文」

と呼んでいます。

● 知財戦略とはなにか~発明研究所のすすめ(2011年)


私の古巣である「産業技術総合研究所」の方からのご依頼で、発明塾や顧客企業における指導、および、実践内容にもとづき、2011年に執筆したものです。

折角の機会ということで、当時考えていたことを

「ほぼ、余すところなく詰め込んだ」

結果、発明塾として重要と考えるコンセプトが多数入っており、結果として読みづらく、焦点がぼやけたものに、なってしまいました。

やむを得ず、以下のようなセミナーで補足させていただきつつ、今日まで来ました。

●「優れた知財戦略で世界を変えたクアルコムに学ぶ ”知財戦略” の基礎」セミナー~「知財」は「ビジネスエコシステム」創造の武器である


執筆当時は、

「特許は、開発で工夫したことや研究結果にもとづいて出すもの」
「アイデア特許は役に立たない」

などと言われることが多く、私が提唱する

「預言的発明」
「知財先行」
「先読み先取り」
「ビジネスエコシステムを支配するための知財活動」

といった、本記事で取りあげている重要な概念について、賛同の声は皆無に近いものでした。


また、記事内で取りあげた

「クアルコム」

の事例についても、

「通信業界の特殊な事例であり、他の業界とは無関係で、なんのヒントも得られない」

という声が大半でした。


例えば、自動車業界において、電気自動車や5G通信インフラの普及により、今後、

「クアルコムのような立ち位置を占める企業が、出てくるのではないか」

という意見を、ある研究会で私が述べた際、多くの自動車業界の方から、

「自動車は、携帯電話とは違うから、そういうことは絶対に起きない」

と、一蹴されました。


それとは対象的なこともありました。


当時、熱心にクアルコムの知財戦略を研究しておられた学生さんが一人、私の元を訪ねてこられました。MBAの学位論文に、クアルコムの知財戦略を取りあげたい、とのことでした。クアルコム社に問い合わせたら、

「楠浦さんにも話を聞くと良いですよ」

と、紹介されたそうです(笑
(もちろん、一通りの技術や経緯の説明は、クアルコム社から、しっかりあったそうです)

数時間、私の知る範囲のことをお話しました。

私の知る限り、通信業界の方以外で、クアルコムの戦略を熱心に研究し、なにかに活かそうとしておられたのは、その学生さんだけでした。
(現在は、ロボット関連のスタートアップで、事業開発を担当しておられます)


さて、今はどうでしょう。


「クアルコムの知財戦略を研究したい」
「自分たちの業界でも、同じような立ち位置で事業が展開できないか、検討したい」
「まだ誰も気づいていないが、実は、クアルコムのような立ち位置で事業を展開すべく、知財戦略を立案している、力を貸して欲しい」

このような声が、聞こえてくるようになりました。


「10年先を見据え、仕事をする」

これが、知財の仕事の特徴だということを、海外の投資家とのやり取りで、私は学びました。

特許権は

「20年」(出願から20年)

の有効期間を持つからです。

10年先をみても、もう10年あります。


皆さんも是非、私の記事をお読みいただきつつ

「10年後に、必要とされる技術」
「10年後の、自身の業界に訪れる変革」

に思いを馳せ、研究・開発・知財活動・新事業創出に取り組んでいただければと存じます。



楠浦 拝